著者
糸井川 栄一 岩田 司 寺木 彰浩
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.6, pp.269-277, 1996-11
被引用文献数
3

1.研究の背景 兵庫県南部地震では、特に、被災状況の適時適切な把握が非常に困難な状況が見られ、的確な即時対応の点での難点や、広範な被災市街地を対象としているため、将来を見据えた都市の復興計画策定を立案する上で効果的に被災情報を整理することの困難性が指摘されており、今後の都市・建築防災対策の推進に際して教訓とすべきことが多く見られた。 2.研究の目的 地理情報システム(GIS)等の情報処理技術を活用して、大規模地震発生時にスムーズな被災状況把握と被災情報の的確な活用を図り、被災情報把握・提供・活用システムとして整備を行うことは、社会資本としての建築物の機能維持・強化や被災後の早期復旧を図るために早急に進めていかなければならない大きな課題である。そこで、本研究は"大規模地震発生時にスムーズな被災状況把握と被災情報の的確な活用を図るために必要なGISデータベース等の情報処理技術を活用した被災情報把握・提供・活用システム"を開発していくことにより、社会資本としての建築物の機能維持・強化や被災後の早期復旧を図るために必要なシステムの基礎的資料を得ることを目的としている。 3.研究の概要 前年度紹介した「阪神・淡路大震災復興計画策定支援システム」の構築に当たって遭遇した様々な顕著な問題点として、「建築物の被災度判定の調査は、たとえば応急危険度判定においては調査員が判定シートと住宅地図を携行し、判定シートで応急危険度判定を行い、その判定シートの番号を住宅地図に書き込むといった方法が採られ、この方法の後で地理情報システムに入力する際に、(1)判定シート番号は個人毎につけるので重複がある。(2)調査員は全国から来るので、土地勘がなく、住宅地図上での位置同定が不正確である。(3)調査現場が混乱しているので住宅地図の汚損が多い、(4)そのため、その後のディジタル化に当たって障害が多い。」等を指摘した。この問題点の多くを打開すべく、建築物の被災状況に関する情報を効率的に収集するために開発した「電子野帳」のプロタイプについて、その概念と機能について紹介する。
著者
岩田 誠
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.463-463, 1995-06-25

第303回東京女子医科大学学会例会 平成7年6月8日(木) 臨床講堂I
著者
岩田 彩子 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.31-40, 2009-11-30
参考文献数
23

本稿は、JIDA機関誌掲載記事を対象にして、1960年代におけるJIDAの活動内容、とりわけ世界デザイン会議(WoDeCo)の意義を中心に、観察・考察を行ったものである。その結果、次の知見を得た。(1)1960年5月に開催されたWoDeCoにJIDAは組織としては参画しなかったものの、会議に参加したJIDA会員たちの間には世界における日本のIDへの気付きが生まれた。(2)1960年代にJIDAはIDに関する研究会活動を活発化させ、機関誌にその詳細を掲載し、JIDA会員に広く知らしめた。(3)1960年代のJIDA機関誌は、ICSID国際会議に参加したJIDA会員による詳細な報告を掲載し、世界におけるIDの動向への注視と会員への広報に意を注いだ。(4)JIDAは、1965年以降、ICSID国際会議等の海外におけるID会議の動きにも対応し、国内で活発化したID研究会の経験的蓄積に基づいて、国内におけるデザイン会議を毎年開催するようになった。(5)ICSID総会を日本に招致することをJIDAは1965年に機関決定し、1973年の日本におけるICSID国際会議開催への繋がりを築いた。
著者
MUHDDZULKHIFLEEHAMZAH 田野 俊一 岩田 満 市野 順子 橋山 智訓
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.41, pp.3-10, 2007-05-11
参考文献数
5

情報技術の発展により、動画やアニメーションのような動的メディアが容易に作成できるようになり、デジタル教材や発表用スライドなどで幅広く使用されている。しかし残念ながら、最近ではこのような動的メディアは人間の認知モードに悪影響を与え、人間の知的活動を妨げるという問題点が認識されつつある。本研究では、動的メディアがどのように人間の体験的認知タスクに影響するかを分析し、この問題点を定量的に明らかにした。分析した結果、まず正答数及びエラー数においては、動的メディアが表示されるときの結果の評価が表示されないときの結果の評価より低かった。また、動的メディアが表示されると、被験者が速く疲労を感じ、タスクの学習も動的メディアが表示されないときより遅く行われたということが分かった。According to recent developments in multimedia technology, lots of dynamic-visual-information such as a video (multimedia information) and animated banners had been superimposed into the digital documents, such as digital teaching material, website, and so forth. Unfortunately, this kind of contents had being advocated lately to sometimes give a negative effect on user's concentration and understanding during intelligent works. To clarify this hypothesis, we had conducted an experiment that will demonstrate how dynamic-visual-information can give a negative effect even to a simple task that only requires experiential cognition modes to be completed.
著者
湯山 賢一 西山 厚 鈴木 喜博 岩田 茂樹 内藤 栄 稲本 泰生 吉澤 悟 宮崎 幹子 谷口 耕生 野尻 忠 研清水 健 岩戸 晶子 斎木 涼子 北澤 菜月 永井 洋之 中島 博 有賀 祥隆 前園 実知雄 東野 治之 根立 研介 藤岡 穣 高橋 照彦 山崎 隆之 梶谷 亮治 杉本 一樹 成瀬 正和 尾形 充彦 西川 明彦 森實 久美子 原 瑛莉子
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

「奈良朝仏教美術の主要作例、もしくはその国際性を考える上で重要な周辺作例の中から対象とする文化財を選定し、それらに関する基礎資料を学界の共有財産として提供する」という目的に沿って調査研究を行い、22年度末に5部構成・2分冊からなる研究成果報告書を刊行した。薬師寺に伝来した藤田美術館所蔵大般若経(魚養経)全387巻の撮影及び書誌的データの集成、蛍光X線分析による香取神宮所蔵海獣葡萄鏡や東大寺金堂鎮壇具の成分分析を通した制作地の特定などが、代表的な成果である。
著者
真喜屋 清 塚本 増久 真鍋 英夫 岩田 康
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.325-330, 1988-09-01

最近大糸状虫人体寄生例の報告が増加の傾向を示しているが, 昨年報告した北九州市で最初の肺大糸状虫症に引き続いて同市内で再び大糸状虫の肺寄生例を経験した. 患者は市内八幡西区に住む56才の女性. 昭和62年6月に胸部の異常陰影を指摘され, 重症筋無力症を伴う縦隔腫瘍の診断で胸腺摘出術を受けた際, 偶然左肺下葉に小結節を発見・切除されたが, 肺組織の懐死層を含むこの肉芽腫瘤内に寄生虫の断端像を認めた. 断端の径は400×310μmで, 角皮最外層には縦走隆起がなく最内層内側に隆起がある. 側索は狭小で筋層の高さに達し, 筋細胞はpolymyarian typeである. 以上の形態的特徴から, 大糸状虫Diofilaria immitis未成熟虫と同定された. 本症例は開胸手術中に偶然発見されたもので, 無症状の大糸状虫症は報告された例数よりも実際にはさらに多いということをうかがわせる(1988年5月16日 受付)
著者
坂本 貴彦 黒澤 博身 岩田 祐輔 村田 明
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

以前におこなった研究結果(Miura T, Sakamoto T, et. al. JTCVS: 133:29-36,2007)を踏まえて、軽度低体温〜常温体外循環中の脳循環生理を把握し現在汎用されている体外循環法の脳組織に及ぼす影響に関してpreliminaryな慢性実験を施行した。【対象と方法】Yorkshire pig(生後4-5週目、N=6、8.4-14.0kg)を用い、気管内挿管下に実験を開始、近赤外線分光器(NIRS: NIRO300,浜松ホトニクス)を前額面に装着した。全身麻酔下に、右開胸にて心臓に到達し、大動脈送血、右房脱血にて体外循環を確立した。脳循環生理に大きな影響を及ぼすと考えられる潅流因子の中で、臨床上汎用されている軽度低体温下でのalpha-stat strategyの脳組織に及ぼす影響を中心に実験をすすめた。軽度低体温(34℃)体外循環を90分間、Hct値30%、alpha-stat管理下に施行した。実験終了後、体外循環から離脱しカニューレを抜去し閉創をおこない、その後循環呼吸管理をおこない、人工呼吸器からの離脱をはかった。一週間経過観察をおこない、その間に毎日、実験内容を知らされていない獣医による行動評価をおこなった。行動評価にはNeurological Deficit Score(NDS)およびOverall Performance Categories(OPC)を用い、また一週間目に動物を犠牲死せしめ脳組織の顕微鏡的観察をおこなった。病理組織的診断は実験内容を知らされていない病理医がおこない、細胞レベルの虚血の有無を点数化し実験のendpointとした。【結果】NIRSは特別異常な経過を示さなかった。NDS, OPCともに一週間正常値を示し、豚は外見上異常行動を認めなかった。しかしながら脳組織Neocortex, Hippocampusを中心に虚血性変化を認めた。【考察・結論】Hct30%、軽度低体温下の小児体外循環において、現在多くの施設で汎用されているalpha-statstrategyでは組織レベルの脳障害を惹起している可能性が示された。行動評価が正常範囲内であることから、臨床上問題とならない軽微なものである可能性が高いが、脳高次機能の点では疑問が残り、良好な脳循環を確保しやすいpH-stat strategyの導入がこれを解決することが期待される。今後、血液希釈の程度との相互作用についての慢性実験の重要性が示唆された。
著者
岩田 好一朗 川嶋 直人 富田 孝史 水谷 法美 渡辺 増美
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

本年度は,非線形2方向波と非線形多方向波を対象として,斜面上に設置された大口径円筒構造物に作用する波力の発生機構と波変形の研究を行うと共に,3年間の研究のまとめを行った.平成8年度から平成10年度に亘って得られた成果は,次の様に要約される.1) 単円柱に作用する一方向不規則波の作用波力を,有義波や1/10最大波などのような代表波として,規則波換算して求めることには無理がある.2) 単円柱に作用する多方向不規則波の波力は,方向集中度パラメターにより変化する.しかし,主波向き方向の波力は,方向集中度パラメターが大きい方が大きくなるとは限らない.斜面上では、波の屈折により,沖波の方向集中度パラメターの変化に伴う,発生波力の変化特性は,一定水深の場合と異なる3) 二円筒構造物の場合の作用波力は,波の方向集中度パラメターが小さいとき,方向集中度パラメターより,円筒構造物の設置間隔と波の周期に支配される.方向集中度パラメターが大きくなるにつれて,構造物どうしの回折波の影響は,明瞭でなくなる.4) 多方向不規則波浪場に複数の大口径円筒構造物を近接して設置する場合,外側円筒構造物の外側域の波高分布は,構造物の設置間隔に依存しないが,内側域では,部分重複波が形成されるので,円筒構造物の間隔が小さい程,波高は大きくなる.従って,円筒構造物表面の作用波力も,円筒構造物の設置間隔が狭くなるほど,大きくなる.一方,外側円筒構造物の外側域の波高は,波の方向集中度パラメターが大きい程,大きくなるので,外側円筒構造物の外側表面に作用する波力も,波の方向集中度パラメターが大きくなるにつれて,大きくなる.
著者
岩田 好一朗 川嶋 直人 富田 孝史 水谷 法美 IWATA Koichiro 渡辺 増美
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

平成10年度は,傾斜面に設置された潜堤を取り上げて研究を行った.多方向不規則波造波水槽に1/20の一様勾配斜面上に不透過潜堤を設置して,潜堤天端水深と作用波(多方向不規則波)を変化させた詳細な実験を行い,ヴィデオテープレコーダと本研究で開発した砕波水位計を使って,砕波限界を計測した.水理実験は,研究代表者と分担者が共同で行った.そして,水理実験値を解析して,多方向不規則波の砕波状況を考究すると共に,砕波限界の定式化を行った.そして,10年度の成果を含めて,3年間の研究成果のまとめを行った.平成8年から平成10年の3年間で得られた成果は,次のように要約される.1) 多方向不規則波の砕波を高精度で計測する水位計がなかったので,世界に先駆けて,12本のセンサーから構成される砕波水位計を開発した.2) 多方向不規則波の方向集中度パラメター,S_<max>が大きくなるにつれて,砕波相対波高、H_b/R(H_b:砕波波高,R:天端水深)が平均的に小さくなり,砕け易くなる.3) 多方向不親則波の限界波形勾配,H_b/L_o(L_o:深海波としての波長)は,H_b/L_o=0.107tanh(k_oR)で精度高く算定できる(k_oは深海における波数である).4) 砕波相対波高,H_b/Rの実験値はばらつくが,その分散度合は、方向集中度パラメター,S_<max>が小さくなるにつれて,大きくなる.5) 潜堤の横先端部での砕波波高は,急激な屈折の影響を受けるので,潜堤中央部での砕波波高より,一般的に大きくなる.
著者
今井 敬子 岩田 礼
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究は、将来的な中国語デイスコース論の構築のために、基礎的な作業と理論的な検討を進めることを目的にスタートした。デイスコース("談話"とも称される)という観点からの言語研究は、文レベルの文法研究(統語論)の形式主義、抽象主義による限界を見極めた上で近年盛んになった研究分野であり、言語主体のありかた(思考、主観)、言語環境(文脈)、言語使用の背景(文化・社会)などへも目を向けて言語を捉えようとする立場である。中国語でも近年、デイスコース研究への関心が増しているが、本格的な研究はこれからといった段階である。当該期間中に行われた本研究の実際とその成果は以下のようにまとめることができる。本研究ではデイスコースを、表現内容の上でまとまりをもつ複数の文の集合体と捉え、その使用実態と機能を観察した。実際の発話からデータ(音声データおよびそれを文字化したデータ)を収集し分析するという実証的な方法をとった。まず、デイスコースというまとまりを成立させる代表的な手段として、連接語について観察した結果、ごく限られた連接語(因果、逆接など)の目立った多用があり、さらに因果関係を表す連接語の調査を進め、作用域の広さ、多重的な因果関係、表現類型の選択使用と話題の展開のしかたとの関わりを分析、さらには、本来の意味(因果関係の表示)を失い、発話を単に繋いだり終結させたりする機能が見られた。このように実際のデータの中での連接語は、談話の継続、展開、終結などに密接に関与していることから、デイスコース標識として再認識されるべきであろう。本研究ではまた、シナリオのせりふにおける人称代名詞の使用実態を調査し、登場人物間のコミュニケーションのありかたと人称代名詞の選択使用の相互関係を明らかにした。また、声調という音声的特性について、そのピッチの変動を、個別言語、発話主体という両者の面から観察・分析した。なお、残された課題も多い。特に、デイスコースと「視点」の関係性、主題展開の方式につての研究が成果を出せぬまま現在に至ったことが残念である。今後は、これらのテーマについて研究を継続していく計画である。
著者
岩田 若子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.203-218, 1988

はじめに1. Lebensführung概念の2つの側面 : 生活様式と生活態度の相互連関II. ライフスタイル論の展開とその概念規定 : 生活システム論の視点からむすびIn this paper, the concept of life-style will be redefined and reformulated through examining Max Weber's "Lebensfuhrung". This article is composed of two parts. In the first, it is clarified that his "Lebensfuhrung" has two aspects: maintaining the social structure (Japanese version of it, "seikatsu-yoshiki") and changing it (Japanese version of it, "seikatsu-taido"), and that they are mutually related. Secondly it is traced how the theory of lif-style has been developped, and the life-style is redefined from the viewpoint of life-system. The life-style is a patterned ethos, motivated by his own "life-needs" and directed by his own "life-value", according to which an actor or agent should choose "life-relationship" and "life-resources". As his life-style is collectively shared, it becomes a factor of social change. When the life-styles in the "life-world" are incorporated into the present social system, then a social transformation process initiated by the actor or agent of life-style will be terminated.
著者
岩田 重雄
出版者
一般社団法人日本計量史学会
雑誌
計量史研究 (ISSN:02867214)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.11-27, 2010-08-10
被引用文献数
1
著者
鈴木 省三 石山 信男 内野 秀哲 竹村 英和 岩田 純 朴澤 泰治
出版者
仙台大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、従来の有能な指導者による「経験と勘」に依存した年間トレーニングプログラムの作成に代わって、生理学的な知見と数理的な手法に基づくパフォーマンス数理モデルを用いた年間トレーニングプログラムの計画、実践、分析、評価の循環サイクルを指導者・サポートスタッフと連携しながら実践し、重要な大会に最高のパフォーマンスを発揮できる選手サポートシステム(遠隔IT機能を活用したe-conditioning選手サポートシステム)を構築することである。2009年度は、1年目の成果を基に、遠隔IT機能を活用したe-conditioning選手サポートシステムの現場への応用を実践した。結果として、対象スケルトン選手が日本選手権大会で優勝、ワールドカップ8戦で国際ランキング15位になり、2010年バンクーバー冬季五輪の日本代表選手選出に貢献できた。さらに、パフォーマンス数理モデルを用いた年間トレーニングプログラムは、選手個々のトレーニング刺激に対するコンディションレベルの生理的適応過程が客観的に把握できたとともに、オーバートレーニングの危険を回避しながら最適なトレーニングプログラムの実践が可能となった。また、最終的にトレーニング効果としてのパフォーマンスが予測できることは、従来課題として掲げられていた問題点が解消できる可能性が示唆された。さらに、主観的・客観的評価に、選手のコンディションを見抜く指導者やサポートスタッフの洞察力が加わった一連のシステムモデルが、日本の競技力を向上させるためのコンディショニング領域で大いに活用されることを期待している。
著者
山本 寛 岩田 展幸 高橋 博樹 早川 建
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

フラーレン結晶、特に液液界面析出C60及びそのヨウ素添加物に数GPaの高圧力を印加した後、波長500nm程度の自由電子レーザ(FEL)を照射した。それらはほぼ単相に近いC60ポリマーへと変化した。また、半導体単層カーボンナノチューブ(SWNT)膜の化学気相成長時、共鳴吸収波長のFEL照射を行うことによって、部分的に制御されたカイラルベクトルを持つ半導体SWNTsを選択的に成長させることに成功した。
著者
中本 裕之 永田 真 森江 隆 岩田 穆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.401, pp.97-104, 1999-10-29

二次元画像認識システムの実現を目的として,画像の特徴抽出が可能なパターンマッチングプロセッサをパルス幅変調信号(PWM信号)を用いたAD融合回路アーキテクチャで実現することを提案する.このプロセッサは二次元画像のX,Y方向のパターンマッチング処理に加え,一次元投影演算,差分演算が実現できる.テストチップを0.8μmCMOS,電源電圧3.3Vで設計した.実験により動作周波数25MHzで,マッチング処理,投影演算,差分演算の動作を確認し,演算速度0.8GOPSの性能を得た.
著者
永田 真 米田 尚弘 野間崎 大輔 佐野 誠 岩田 穆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.97, no.25, pp.57-64, 1997-04-25
被引用文献数
4

アナログ・デジタル融合回路アーキテクチャに基づいた最小距離検索回路を0.8μmCMOS技術で設計・試作した.8次元・8ビットPWM信号ベクトルを4ビット・サブPWMパルス列で表現し、そのベクトル間距離演算をスイッチト電流積分法とCharge Packet Count技術により演算する.最小値検索はテジタル領域で実行する.テストチップは24KTr+12Capからなり、1GOPS/W,14MOPS/mm^2を実現した.
著者
西谷 隆夫 岩田 誠 酒居 敬一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

携帯端末で映像から情報入力を行う際の前処理演算の効率化として多重解像度処理とそれを実現するTOPS(テラ・オペレーションズ・パー・セコンド)までスケーラブルに拡張できるマルチプロセッサのアーキテクチャについて検討した。映像からのデータを活用する前処理は従来の空間的な相関に加え、画素単位の時間的な処理に重点が移りつつある。空間的な処理としてカラー画像強調アルゴリズムの演算量削減を、また、時間的な処理に空間的な要素を加え、安定性と低演算処理を狙った混合ガウス背景モデルによる前景分離を対象に検討を行った結果、双方とも従来例に比べ大幅な演算量削減を実現できた。カラー画像強調と前景モデルを組み合わせることで逆光などの劣悪状況でも追跡が可能なことも示せた。どちらの応用もローカル処理や画素ごとの判定が多く、超並列プロセッサ向きである。また、判定処理が多く、プロセッサ自体をパイプライン化すると条件判定で無駄命令が多発することも明確になった。このため、昨年度提案した超並列DSPを発展させ、その利点を明らかにした。その結果、アルゴリズムは超並列で論じ、ハードウェアはパイプライン化しない範囲の高い周波数で動作させ、超並列アルゴリズムの一部を多重化させる方式が良いとの結論になった。また、昨年度導入したセグメントバスを有効に使うと動き補償などの空間処理で最も効率が良いとされていたシストリックアレーを凌駕するアルゴリズムを導出でることも明らかになった。このアーキテクチャを1985年ごろのパイプライン処理を行わないDSPをベースにFPGAで作ると1チップに約300個実装できることを実験的に確かめた。
著者
船木 實 東野 伸一郎 坂中 伸也 岩田 尚能 中村 教博
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

小型無人飛行機により、南極・ブランスフィールド海盆にある Deception 島で空中磁気観測等を行い、同島の北半分と周辺海域の磁気異常を明らかにした。 本研究により、南極でも無人飛行機による科学観測が可能で、安全で大きな費用対効果を持つ ことが示された。King George 島では岩石磁気、年代、それに磁気異常の研究が行われ、ブラ ンスフィールド海盆が典型的な背弧海盆の特徴を持つことを明らかにされた。