著者
川上 直秋 永井 聖剛
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.546-555, 2017 (Released:2018-02-25)
参考文献数
43

It is well known that cognitive fluency affects various attitudes. We demonstrated that a subjective feeling of fluency, induced by repeated exposure to handwritten words, increases the acceptance of persuasive messages. Participants were repeatedly exposed to a set of handwritten words written in Japanese. In a subsequent test phase, they were required to rate the handwritten messages. The results showed that when the personal relevance of the messages was low, repeated exposure facilitated acceptance of messages written by the same person who had written the previously exposed words. This observation implies that we might make irrational decisions according to the ease with which the message can be processed, rather than according to the validity of message content.
著者
川上 宏之 天倉 吉章 堤 智昭 佐々木 久美子 池津 鮎美 稲崎 端恵 久保田 恵美 豊田 正武
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.258-263, 2010
被引用文献数
2

天然/畜養クロマグロおよび畜養ミナミマグロの赤身,中トロおよび大トロのダイオキシン類および総水銀を分析し,部位,畜養/天然および種差について検討した.検討の結果,ダイオキシン類濃度は,脂質含有量との間に正の相関が見られ,部位別濃度は赤身<中トロ<大トロであった.クロマグロは,畜養と天然産で差がなく,畜養ミナミマグロに対して約2~10倍ほど高い値を示した.総水銀濃度は,脂質含有量との間に負の相関を示し,部位別濃度は赤身>中トロ>大トロであった.畜養クロマグロの総水銀濃度は,天然産と同レベルの蓄積であったが,畜養ミナミマグロの約2~3倍高い値を示した.
著者
川上 宏之 天倉 吉章 堤 智昭 佐々木 久美子 池津 鮎美 稲崎 端恵 久保田 恵美 豊田 正武
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.258-263, 2010-10-25 (Released:2010-11-06)
参考文献数
18
被引用文献数
2

天然/畜養クロマグロおよび畜養ミナミマグロの赤身,中トロおよび大トロのダイオキシン類および総水銀を分析し,部位,畜養/天然および種差について検討した.検討の結果,ダイオキシン類濃度は,脂質含有量との間に正の相関が見られ,部位別濃度は赤身<中トロ<大トロであった.クロマグロは,畜養と天然産で差がなく,畜養ミナミマグロに対して約2~10倍ほど高い値を示した.総水銀濃度は,脂質含有量との間に負の相関を示し,部位別濃度は赤身>中トロ>大トロであった.畜養クロマグロの総水銀濃度は,天然産と同レベルの蓄積であったが,畜養ミナミマグロの約2~3倍高い値を示した.
著者
竹下 欣宏 桐生 和樹 花井 嘉夫 北澤 夏樹 川上 明宏
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.123, no.5, pp.291-307, 2017-05-15 (Released:2017-07-25)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

2014年9月27日午前11時52分ごろ,御嶽山で水蒸気噴火が発生した.我々は,この噴火による詳細な降灰範囲を明らかにすることを目的として,長野県,山梨県,群馬県,東京都においてアンケート調査を実施した.アンケート結果と既存の研究による降灰確認地点に基づき降灰域を検討した結果,長野県中南部および山梨県の北西部の広い範囲において9月27日の噴煙から1g/m2以下の微量な降灰があったことが明らかになった.27日の噴煙による微量な降灰域は,降灰軸の南側,特に木曽山脈と赤石山脈に囲まれた南北に長い伊那盆地内において広いことが明らかになった.このことは,微量な降灰域は上空の風だけでなく,地上付近の風と地形にも影響を受けることを示している.微量な降灰域に対する地上付近の風の影響は浅間山や桜島のマグマ噴火でも確認されており,細粒な火山灰が降下する際には普通に起こっているものと考えられ,2014年御嶽山の水蒸気噴火でも確認された.
著者
川上 比奈子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.6_57-6_64, 2017-03-31 (Released:2017-05-10)
参考文献数
29

漆芸家、菅原精造はアイリーン・グレイに日本漆芸を教え、共同し、彼女の作品に影響を与えた。本稿の目的は、日本とフランスの菅原の遺族に取材し、関連文献・史料を調査してグレイが学んだ菅原の漆芸習得の背景を明らかにすることである。結果、次の事実が明らかになった。1)菅原の漆芸技術の習得は、圓山卯吉が創設し運営した山形県酒田市の教育機関兼事業所「カワセ屋」での修行に始まる。 2)「カワセ屋」が木工・家具製作に重点をおいていたことから、菅原は木工・家具製作の技術も習得していた。 3)菅原に漆芸を教えた師匠の一人は漆器職人、森川奇秀である。 4)菅原は、1901(明治34)年9月に東京美術学校漆工科に入学し、1905(明治38)年11月に渡仏した。同校に4年以上在学したが、卒業はしていない。 5)東京美術学校漆工科における主な教員は、彫刻家・高村光雲、漆芸家・川之辺一朝、漆芸家・辻村松華である。6)東京美術学校で菅原が学んだ内容に高村から学んだ彫刻の要素が含まれている。7)菅原は自身を漆芸家としてだけでなく彫刻家と自任していた。以上から、グレイは漆塗りの技術だけでなく、家具の製作や彫刻など立体造形の技術も菅原から学んだと考えられる。
著者
川上 新一郎 松野 陽一 入口 敦志 齋藤 希史 原 正一郎 和田 恭幸 堀川 貴司
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館報 (ISSN:03864790)
巻号頁・発行日
no.56, pp.1-20, 2001-03-01

初雁文庫管見平成13年度講演会・古典連続公演予告書物文化の視点からの研究事業(一)中国東北地方の日本古典籍について新しい器ばあくれいざっきⅡ(これがエージェント?)新収和古書抄 平成12年新収資料紹介46:阿弥陀胸割平成12年度古典連続講演報告第6回シンポジウム・コンピュータ国文学報告第24回国際日本文学研究集会報告特別共同利用研究員の受入れについて・夏季セミナー受講生の募集彙報・人事異動・平成13年度共同研究文庫紹介34:名古屋市蓬左文庫平成13年度春・夏季学会
著者
輪違 弘樹 川上 榮一 黒飛 浩二 竹島 勝也 久保田 修 橋本 彩弥香 大林 櫻子(NUT) 丸山 二美子(MT) 吉田 信司(MD) 中村 隆
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.65, 2011 (Released:2011-08-03)

【目的】 近年, 栄養サポートチーム(以下NST)稼働施設は急増しており, それに伴いリハビリテーション(以下RH)栄養の先行研究報告は増加しているが, 十分なEBMは示せていない. 高齢者の栄養障害は, 日常生活活動 (以下ADL)や生活の質 (以下QOL)を低下させるだけでなく, 呼吸機能低下や創傷治癒の遅延, 生体の防御機構である免疫能を低下させ, 生命予後を大きく左右する. RHに適切な臨床栄養管理を並行することで, RH効果は高まると考える. 本研究の目的は,栄養状態とRH効果を後方視的に調査し, その関連を明らかにすることである. 当研究はヘルシンキ宣言に沿って, 対象者に研究の主旨を説明し, 同意を得た上で実施した. 【方法】 対象者は, 2010.6月~2010.10月に当院一般病棟を自宅退院した症例73名.栄養状態の指標は入院約3週間後の半減期血清アルブミン値(以下Alb値)を用い, 栄養状態正常群(Alb3.5以上,以下正常群), 栄養状態低値群(Alb値3.5未満,以下低値群)に分類し, RH介入前後のBarthel Index(以下BI),RH施行日数を比較検討した. 統計処理はt検定を用い, 有意水準は0.05以下とした. 【結果】 正常群は29名(男女比7:22 平均年齢は77.0±10.9歳), 低値群は44名(男女比15:29 平均年齢83.8±10.2歳)であった. RH開始時の平均BIは正常群87.9±13.8, 低値群34.0±24.1で, 正常群が有意に高かった. RH施行日数は正常群18.3±12.2日, 低値群28.3±18.3日で, 正常群が有意に短かった. 退院時のAlb値、BIは正常群、低値群ともに有意に上昇している. RH開始時のAlb値(入院約3週間後の半減期Alb値)とRH施行日数(開始から退院までの日数)には有意な相関があった. RH開始時のBIとRH施行日数には有意な相関はみられなかった. 【考察】 低値群では早期から積極的なRHはかえって生命維持のための栄養素の同化を阻害し, 異化を助長させてしまう可能性が高く, RHが逆効果になることが考えられるので, 今後の検討を要する. 低値群の症例では全身状態を理解し, 臨床栄養管理と早期から無理のない適切なRHや効率の良い動作指導することが重要になっていく可能性があり, 患者のADLやQOLの向上をより期待できると考えられる. そのためには, RHスタッフは栄養スクリーニングや評価を実施し, その患者の栄養状態に見合ったRHプログラムを立案することが望ましいと考えられる. 今後の検討課題として,低栄養症例へのRH効果を明らかにできる評価方法を模索し, RHにおいてPTが発揮できる専門性や, 低栄養症例のPTアプローチを考えていくことが重要である. 【まとめ】 今後, 高齢化社会が進む中, 栄養障害患者の増加が予想される. そのため栄養状態を考えたRHを実践することは運動機能・ADLの向上のために重要である.
著者
浜 夏樹 黄 炎 兼光 秀泰 大山 裕二郎 馬 強 羅 波 李 果 太田 宜伯 楠 比呂志 川上 博司 Tomas J. ACOSTA 奥田 潔 王 鵬彦 石川 理
出版者
Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.119-123, 2009 (Released:2018-05-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1

神戸市立王子動物園のジャイアントパンダにおいて2007年の発情時に新鮮および冷蔵保存した精液を用いて3日間連続で人工授精(AI)を行った。AIの適期は尿中エストロングルクロニド濃度の測定から推測した。人工授精後は尿中プレグナンジオールグルクロニド(PdG)濃度の変化を監視した。PdG濃度は妊娠後期に過去6年間と比べると異常な変動を示した。結果的に最終AI後137日目に破水し,さらにその9日後に死産した。
著者
川上 直秋 菊地 正 吉田 富二雄
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.187-193, 2014

It is known that the mere exposure effect generalizes to the previously unseen letter strings that are similar along certain abstract dimensions (i.e., artificial grammar) to the exposed letter strings. We examined the generalization of the mere exposure effect through peculiarity of handwriting. Participants were repeatedly exposed to a set of handwritten words in Japanese hiragana. In a subsequent test phase, they were assigned to one of two conditions (same-word condition vs. changed-word condition). Participants who were assigned to the same-word condition were required to rate the handwritten words identical to the previous exposure phase, and those who were assigned to the changed-word condition rated the previously unseen words hand-written by the same person. The results showed that the mere exposure effect occurred not only for the same-word condition but also for the changed-word condition, while the effect under the changed-word condition was weak compared to the same-word condition. This means that the mere exposure effect generalized to the novel letter strings with the same handwriting previously exposed. Thhe implications and future directions are discussed.
著者
川上 光代
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.1166-1167, 2013-03-30
著者
川上 則雄
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.985-1010, 2002-03-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。講義
著者
川上 正浩 小城 英子 坂田 浩之
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
no.9, pp.15-25, 2010-01

心霊現象や占い,宇宙人・UFO,超能力など,現在の科学ではその存在や効果が立証されないが人々に信じられていることのある現象を総括して"不思議現象"と呼ぶ。本研究では,代表的な不思議現象(血液型による性格診断,宇宙人の存在,超能力の存在,占い,霊の存在,神仏の存在)を取り上げ,それらを信奉する,あるいは信奉しない理由について検討することを目的とした。それぞれの対象について,信奉を「はい」か「いいえ」かの2 件法にて尋ね,これに続いて,その理由を自由記述にて求めた。大学生161名の信奉あるいは非信奉の理由として挙げられた語句をテキストマイニングを用いて分析し,信奉者と非信奉者との違い,特に依拠するメディアの差異について考察した。
著者
大知 正直 関 喜史 川上 登福 小野木 大二 野村 眞平 吉永 恵一 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

近年,ユーザはウェブ上の情報を重視して購買するようになっている.Eコマース関連企業はユーザの購買意思決定のプロセスをウェブ上に蓄積された行動履歴から分析している.これまでの分析は多くのユーザが同一商品を購入できる商材を対象にしてきたが,本稿では,住宅販売市場を対象とする. 住宅は全て別々の商品であり,多くのユーザは一度しか購入しない.本研究ではこうした商材に対するユーザ行動の特性を明らかにする.
著者
川上 一貴 岡部 晋典 鈴木 誠一郎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.245-250, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)
被引用文献数
1 3

本報では地域情報をWeb上にアーカイブし公開する「地域映像アーカイブ」を対象に,2008年にアンケート調査を行い,加えて,2011年にアンケート対象アーカイブの存続度合いを調査した.結果,アクセス解析の有無には自アーカイブに対する更新の姿勢が異なることが関係すること,2004年の先行研究で行われた自アーカイブへの問題点の指摘は2008年の時点では別の問題として変質したこと,自治体が設置母体のデジタルアーカイブは推進団体によるそれよりむしろ消滅しやすいこと等の知見を得た.
著者
藤井 歌倫 川上 敬子 宮本 真豪 明樂 一隆 三澤 亜純 中尾 紗由美 田内 麻依子 宮村 知弥 中林 誠 丸山 大介 中山 健 佐々木 康 森岡 幹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.266-271, 2023 (Released:2023-08-30)
参考文献数
15

子宮内膜症のリンパ節での発生は稀少部位子宮内膜症とされている.子宮内膜症のリンパ節病変は骨盤内リンパ節が多く,骨盤内の深部子宮内膜症を伴うことが多い.今回,深部子宮内膜症を伴わない傍大動脈リンパ節子宮内膜症の一例を経験した.症例は44歳,過多月経による貧血のため,当科へ紹介となった.MRI検査で子宮腺筋症および子宮筋腫を認めた.子宮筋腫は8.7cm大で,拡散強調画像で軽度高信号とADC mapで一部低信号を呈したため悪性を否定できなかった.全身検索のため造影CT検査を施行したところ,多発肺動脈血栓と左下肢静脈血栓,12×25mm大の嚢胞状に腫大した右傍大動脈リンパ節を認めた.抗凝固療法および下大静脈フィルター留置後に腹式子宮全摘術と両側卵管摘出術と右傍大動脈リンパ節生検を施行した.術中所見では,骨盤および腹腔内に内膜症病変を認めなかった.術後病理診断では,子宮筋腫と子宮腺筋症に悪性所見を認めなかった.腫大リンパ節に内膜症病変を認めた.子宮内膜細胞がリンパ管や血管を介して骨盤外臓器に出現することが報告されていることを考慮すると,孤立したリンパ節に子宮内膜症が発生したものと考えられた.今回は偶発的に発見されたが,嚢胞状に腫大したリンパ節病変を認めた場合,悪性疾患によるリンパ節転移のほかにリンパ節子宮内膜症を考慮する必要がある.
著者
荒牧 英治 若宮 翔子 岩尾 友秀 川上 庶子 中江 睦美 松本 妙子 友廣 公子 栗山 猛
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.337-348, 2018 (Released:2020-02-28)
参考文献数
8

急速な医療のIT化と共に,様々な医療情報や医薬品情報が電子化されつつある.しかし,医薬品の適正使用に欠かせない添付文書については表記が統一されているか等の質に関して,これまで体系的な調査は実施されていない.そこでわれわれは,小児領域に着目し,添付文書に小児に関する情報がどのような形で記載されているかを調査した.その結果,小児に対する用法・用量の情報が記載されている割合は添付文書全件の13.5%,小児頻用医薬品についても49.2%にとどまっていることが分かった.特に,詳細な小児区分である低出生体重児や新生児に関しての記述が少ないことが判明した.さらに,添付文書の記述方法についても,年齢区分や安全性,記載場所に曖昧性が存在し,小児医療の現場での医薬品適正使用の障壁となっている可能性が高い.本研究により,今後は添付文書の表現のゆれや曖昧性をなくす等の添付文書自体の質の向上も必要であると考えられる.

4 0 0 0 OA 4.IL-1阻害薬

著者
山崎 聡士 川上 純
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.10, pp.2985-2990, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

インターロイキン-1(IL-1)は重要な炎症性サイトカインであり,その病態生理の解明に伴い,IL-1阻害薬のコンセプトが確立してきた.当初,関節リウマチでの応用が期待されたが,TNF阻害薬ほど劇的な効果は得られなかった.しかし,クリオピリン関連周期性発熱症候群をはじめとする他疾患におけるIL-1の重要性が次々に明らかとなり,IL-1阻害薬の可能性は新たな展開を見せている.