著者
稲見 昌彦 川上 直樹 柳田 康幸 前田 太郎 舘 暲
出版者
日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.287-294, 1999-03

Conventional stereoscopic displays have inconsistent accommodation against convergance, which dengrades sensation of presence. We developed a stereoscopic display applying Maxwellian optics to avoid such inconsistency by realizing large depth of focus. The display was also designed to provide large field of view (about 110 degree) with the simple optics. And this display allows an operator to observe real and virtual images in focus for wide range of depth.
著者
足立 卓哉 藤岡 真一 下村 泰之 川上 万里 大澤 俊哉 糸島 達也
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.459-467, 2014-08-20 (Released:2014-09-03)
参考文献数
10
被引用文献数
2

肝硬変患者における高アンモニア血症は日常診療で遭遇する機会は多く,しばしば治療に難渋する.カルニチン補充療法が高アンモニア血症に対し有用であるとの報告が近年増えてきている.2012年2月から2013年1月に当院で高アンモニア血症に対してレボカルニチン製剤を用いた21例について検討した.Child-Pugh scoreが10点以上の症例で,有意に1カ月後の血清アンモニア値が低下していた(p=0.0038).また,血清アンモニア値が低下した群(以下低下群)では,低下しなかった群(以下非低下群)に比べて栄養の指標を表す血清アルブミン値,血清総コレステロール値,血清コリンエステラーゼ値がやや低い傾向にあり,大腰筋の断面積も,低下群でやや小さい傾向にあった.Child-Pugh score10点以上の症例で,栄養摂取不良例や筋力低下例でカルニチン補充療法により血清アンモニア値を下げる効果が期待できる可能性が示唆された.
著者
川上 直秋 永井 聖剛
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.16057, (Released:2017-11-10)
参考文献数
43

It is well known that cognitive fluency affects various attitudes. We demonstrated that a subjective feeling of fluency, induced by repeated exposure to handwritten words, increases the acceptance of persuasive messages. Participants were repeatedly exposed to a set of handwritten words written in Japanese. In a subsequent test phase, they were required to rate the handwritten messages. The results showed that when the personal relevance of the messages was low, repeated exposure facilitated acceptance of messages written by the same person who had written the previously exposed words. This observation implies that we might make irrational decisions according to the ease with which the message can be processed, rather than according to the validity of message content.
著者
小城 英子 坂田 浩之 川上 正浩
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
pp.2024, (Released:2022-06-10)
参考文献数
28

The purpose of this study was to revise the Attitudes towards Paranormal Phenomena Scale (APPle) to capture various aspects of skeptical attitudes, so that the believing and skeptical attitudes toward paranormal phenomena could be measured in detail. A questionnaire survey was conducted with undergraduates. Using exploratory factor analysis, six factors (Total Denial of Paranormal Phenomena, Denial Based on Current Situational Awareness, Inclination Towards Fortunetelling and Magic, Believing in Spirituality, Intellectual Curiosity about Paranormal Phenomena, and Fear of Paranormal Phenomena) were extracted, and a scale with 25 items called APPle II was created. From the viewpoints of internal consistency, confirmatory factor analysis, test-retest reliability, and criterion-related validity, sufficient reliability and validity were confirmed. Among the six factors, “Inclination Towards Fortunetelling and Magic” and “Believing in Spirituality” were regarded as believing attitudes, whereas “Total Denial of Paranormal Phenomena” and “Denial Based on Current Situational Awareness” as skeptical attitudes. “Intellectual Curiosity about Paranormal Phenomena” could be both believing and skeptical, and seemed to be based on analytical and critical thinking.
著者
福士 雅也 川上 秀史 外丸 祐介 坂口 剛正
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ALSは、運動ニューロン(運動の指令を大脳から筋肉まで伝える神経)が選択的に変性・脱落し、その結果、筋肉が動かなくなり、2~5年で呼吸筋麻痺により死亡する。現在、日本では約1万人の患者がいるものの、有効な治療法は確立されていない。我々は、これまでにオプチニューリンがALSの原因遺伝子であることを突き止めた(Nature, 2010)。家族性ALS患者ではオプチニューリンが機能欠失していることから、本研究では、オプチニューリン・ノックアウトマウスや、そのマウス細胞にウイルス感染を行った。その結果、オプチニューリン欠損では、野生型コントロールよりもIFNb産生量が増加することが判った。
著者
キャッスルマン病の疫学診療実態調査と患者団体支援体制の構築に関する調査研究班 吉崎 和幸 岡本 真一郎 川端 浩 水木 満佐央 川上 純 正木 康史 矢野 真吾 井出 眞 宇野 賀津子 八木 克巳 小島 俊行 水谷 実 徳嶺 進洋 西本 憲弘 藤原 寛 中塚 伸一 塩沢 和子 岩城 憲子 古賀 智裕
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.97-107, 2017 (Released:2017-03-17)
参考文献数
75

キャッスルマン病は原因不明のリンパ増殖性疾患で,適切な治療を行わなければQOL低下や生命予後の短縮をきたす。しかしながら,その希少性のためにこれまで明確な診断基準や重症度分類が定まっていなかった。これに対して厚労科研・難治性疾患等政策研究事業の調査研究班では,本疾患の診断基準と病型分類,重症度分類の案を策定した。診断は,病理診断と臨床的な除外診断を併せて行う。組織型は硝子血管型,形質細胞型,および混合型に分類される。臨床的病型は,単中心性(限局型)と,HHV-8関連の多中心性,HHV-8陰性の特発性多中心性に分類した。重症度は主に臓器障害の程度により分類した。難治性とされる特発性多中心性キャッスルマン病は,重症度等に応じてprednisoloneやtocilizumabを用いて治療を行うこととした。今後,本疾患に関するエビデンスを集積し,本診断基準や重症度分類の妥当性を検証するとともに,質の高い診療ガイドラインを策定していく予定である。
著者
石井 岳史 川上 直人 橋本 剛 池田 心
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.12-19, 2019-11-01

ボードゲーム『ガイスター』は6×6 のボード上で青赤2 種8 つの駒を交互に動かし,「脱出」「青駒全取り」「赤駒全取られ」のいずれかを狙う,互いの駒色がわからない2 人用不完全情報ゲームである.著者らはガイスターにおけるコンテンツとして詰めガイスター問題を提案したが,生成アルゴリズムの要因から 11 手詰めまでの問題しか生成できず,さらに問題の質を評価することができなかった.そこで本稿は,生成アルゴリズムにおける必勝手探索の探索法に Df-pn を用いることで大幅に探索速度を改善し,19 手詰め問題を得ることに成功した.それに加え,元の問題から手を戻すことで新たな問題を生成する逆順生成法を用いることで,狙った手数の問題の生成を可能とした.さらに,被験者実験を行い生成した問題の面白さと難しさについてアンケートを取り,教師あり学習を行うことで特徴量から面白さと難しさの推定を行った.推定誤差は5 段階評価の 0.5~0.6 程度で,ある程度の問題選別が可能であることを示した.

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著者
川上竜太郎 編
出版者
経済新聞社
巻号頁・発行日
1911
著者
川村 英樹 徳田 浩一 川上 雅之 有村 敏明 川口 辰哉 松井 珠乃 西 順一郎
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.282-290, 2017-09-25 (Released:2018-03-25)
参考文献数
14
被引用文献数
3

鹿児島県JMAT(日本医師会災害医療チーム)では宇土市で感染対策チームを構成し,4月21日(本震5日後)~5月1日に被災地医師会と自治体保健活動との協働で避難所感染対策支援活動を行った.今回の研究の目的は避難所感染対策を検証し,有効性を検証することである.各避難所で把握された発熱者,呼吸器・消化器の有症者数を調査票に記録し症候群サーベイランスを実施した.期間中14の指定避難所で40名の呼吸器・8名の消化器の有症状者がみられたが,インフルエンザ・ノロウイルス感染症は除外された.設備・感染対策物品・衛生環境・隔離スペース等を巡回時に確認し,リスクアセスメントを行ったが,次亜塩素酸ナトリウムが不足し,トイレ清掃や吐物処理物品の準備が不十分であった.次亜塩素酸ナトリウム等の必要物品配布やトイレ清掃・吐物処理方法の指導,感染症発症例への対応も併せて実施した.アウトブレイクの発生はなく,リスクアセスメントと症候群サーベイランスを活用した避難所感染対策支援活動は感染拡大防止に有用と思われた.一方,情報収集や活動内容に他の医療支援チームや保健師活動と重複するものもあり,情報共有が可能なスキームの確立が望まれる.
著者
大田尾 浩 八谷 瑞紀 村田 伸 溝上 昭宏 小野 武也 梅井 凡子 大塚 彰 川上 照彦
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.93-99, 2012 (Released:2013-04-02)
参考文献数
38
被引用文献数
3

[目的]脳卒中片麻痺患者の歩行の可否に影響を及ぼす要因とカットオフ値を検討した。[対象]対象に認知機能が低下した患者を含む脳卒中片麻痺患者35名(男性22名,女性13名)とした。[方法]候補となる要因を年齢,Brunnstrom stage,立位バランス,上肢筋力,腹筋力,下肢筋力,足底感覚,および認知機能とし,これらの要因と歩行能力を評価した。歩行能力に影響する要因をロジステック回帰により分析し,ROC 曲線から歩行自立を判別するカットオフ値を検討した。[結果]歩行の可否に影響を及ぼす要因は,麻痺側下肢筋力とHDS-R 得点が選択された。歩行自立を判別するそれぞれのカットオフ値は,麻痺側下肢筋力では体重比24%,HDS-R 得点では25点であった。[結語]脳卒中片麻痺患者の麻痺側下肢筋力とHDS-R 得点によって,歩行自立を判別できる可能性が示唆された。
著者
堀越 和夫 鈴木 創 佐々木 哲朗 川上 和人
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.3-18, 2020-04-23 (Released:2020-05-16)
参考文献数
58

小笠原諸島の絶滅危惧種アカガシラカラスバトColumba janthina nitensの個体数は非常に少なく,その個体群の存続には侵略的外来種であるネコの捕食圧が大きく影響していると考えられていた.このため,諸島内の最大の有人島である父島では,2010年から島内全域でネコの捕獲が行われ,2013年頃にはその個体数が当初の10分の1以下になったと考えられている.また,集落域では飼いネコの登録や不妊去勢の推進が行われ,ノラネコの個体数も減少した.そこで,ネコ対策の効果を明らかにするため,一般からの目撃情報に基づき2009年から2017年におけるアカガシラカラスバトの個体数と分布の推移を明らかにした.その結果,個体数は夏期/冬期,山域/集落域を問わず,2012年から2013年に大幅な増加が見られた.また分布域は2009年には山域や集落の一部に限られていたが,2017年には集落域の8割および山域の6割まで拡大し,繁殖域は当初の分布面積の2倍に拡大した.これら個体数の増加,分布域と繁殖域の拡大時期は,山域でのネコ個体数が最少となり,また集落域の野外の個体数も減少した時期であった.一方,2014年以後はハト個体数の増加傾向が見られなくなっているが,この時期は山域のネコの個体数が回復傾向にある時期と重なっていた.以上のことから,アカガシラカラスバトの集団の回復にはネコ対策が効果的であると言え,今後トラップシャイ個体の効率的な捕獲手法を開発する必要がある.また,この鳥は頻繁に島間移動するため,他島での対策も進める必要がある.
著者
門間 陽樹 川上 諒子 山田 綾 澤田 亨
出版者
日本運動疫学会
雑誌
運動疫学研究 (ISSN:13475827)
巻号頁・発行日
pp.2101, (Released:2021-01-29)

身体活動が健康の維持向上に寄与することは広く受け入れられており,国内外のガイドラインで身体活動の促進が推奨されている。一方,近年では,海外のガイドラインにおいて有酸素性の身体活動だけではなく筋力トレーニングの実施についても言及されるようになってきており,週2回以上実施することが推奨されている。このように,筋力トレーニングに関する研究は,スポーツ科学やトレーニング分野だけではなく公衆衛生分野にも広がり,健康アウトカムに対する筋力トレーニングの影響をテーマとした研究を中心に筋力トレーニングに関する疫学研究が報告されるようになってきている。そこで本レビューでは,新たな運動疫学研究の分野である筋力トレーニングに関する疫学研究について概説する。最初に,筋力トレーニングに関する用語の定義と整理を行う。次に,筋力トレーニングに関する歴史を紹介する。その後,死亡や疾病の罹患をアウトカムとした筋力トレーニングの研究を中心に解説し,最後に,筋力トレーニングの実施割合および関連要因について述べる。本レビューで紹介する研究の多くは海外からの報告である。日本で実施されている筋力トレーニングに関する疫学研究は,主に実施者の割合に関するものであり,特に,健康リスクとの関連に関する疫学研究は非常に限られている。今後,日本人を対象とした研究が数多く報告されることが期待される。
著者
川上 昌直
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.18-28, 2022-03-31 (Released:2022-03-31)
参考文献数
24

本誌 Vol. 41, No. 4(2022 年3 月31 日発行)pp. 18–28 に掲載された本論文を,撤回させていただきます。 取り下げ理由 読者より,本論文が著者による著書(川上昌直(2021).『収益多様化の戦略 ― 既存事業を変えるマネタイズの新しいロジック ―』東洋経済新報社,2021年11月26日発行)からの自己剽窃,および同著書との二重投稿であるという指摘を受けた。本誌投稿規程に則り,編集委員長が,出版倫理委員会(COPE)のフローチャートに基づき,調査を進めた。著者からは,2022年以降に発行する予定であった同著書の発行が事情により早まったために生じた問題であり,指摘内容を認め、論文を撤回したいという回答を得た。編集委員長は,検討の結果,その裁量により,本論文の撤回を決定した。
著者
山田 芙夕楓 川上 健太郎 栗原 康志 松田 一仁 田原 司睦
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2022-HPC-185, no.4, pp.1-6, 2022-07-20

Arm プロセッサ用の HPC 向け命令セットである SVE が開発され,スーパーコンピュータ「富岳」では,この命令セットを採用した Fujitsu Processor A64FX が使用されている.Python の数値演算ライブラリである NumPy は SVE に対応しておらず,A64FX の性能を十分に引き出せていない.そこで今回 NumPy を SVE 対応したので報告する.特に配列に対する超越関数の処理では,A64FX の性能を引き出すように ①SIMD 化と ②ループ 展開数の最適化の 2 つの工夫を行い,配列データに対する超越関数処理を 24 倍高速化した.