著者
宇田 宙照 福島 充也 後藤 康夫 池田 均 塚西 茂昭 信原 克哉
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.11-15, 1989-11-01 (Released:2012-11-20)
参考文献数
3

The clavicular movement during active elevation of the upper limb was analyzed in this study. Sixty right shoulders in normal sugjects were investigated by using “ Chneradiography” and the “ personal image analysis system”. The lateral lower margin and the conoid tubercle of the clavicle were measured as the points which demonstrate clavicular movement.During elevation of the upper limb in the scapular plane, the elevated ang l e s of the clavicle were calculated with the scapular movement in the following stages; “ setting phase”, the “ hanging joint” prase, “ transit zone”, and the “ joint needing support” phase.The results were as follows:1. The elevated angles of the clavicle increased gradually during elevation of the upper limb. Finally the average of maximum elevated angles of the clavicle was 41.5 degrees at 150degrees of the arm-trunk angle. We noticed the clavicular movement for every 10 degrees was uneven in this study.2. No remarkab l e elevation was noted in the “ setting phase”. The elevated angles of the clavicle reached 4.22 degrees during the setting phase. Clavicular movement is similar to scapular movement, however, it was slightly irregular and unstable.3. In the “ hanging joint” phase, the elevated angle of the clavicle was 3.69 degrees forevery 10 degrees.4. In “ transit zone”, the elevated angle of the clavicle was 4.02 degrees for every 10degrees. The ratio of clavicular movement was closest to the scapular movement in this phase. And this movement was the most characteristic.5. In the final stage, in the “ joint needing support” phase, the elevated angle of the clavicle increased 4.22 degrees of the elevation of the upper limb.6. The absolute relationship between scapular and clavicu l a r movements were obtained from these results.
著者
大野 雅治 藤井 直樹 小林 卓郎 後藤 幾生
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1077-1078, 1990-08-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1

症例は51才男性で,亜急性に高度の深部覚障害を伴う感覚運動型のポリニューロパチーを発症した.既往として26才時に胃部分切除をうけ,その後,輸血後肝炎に罹患した.血中の脂溶性ビタミンは低値で,特にビタミンEが著明に低下していた.消化吸収試験で,ビタミンEの著明な吸収障害が認められた。腹部手術後に長期間経過して発症する神経障害の原因として,ビタミンE欠乏は注意を要するものと考えられる.
著者
後藤 寛
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2019年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.155, 2019 (Released:2019-09-24)

Ⅰ 目的地域市場の特性を店舗の立地分布を通して読み解く試みの一環としてほとんどがナショナルブランドであるファッションブランドショップの立地と集積に注目する。現在のファッション市場では年齢層を基本としつつライフステージを組み合わせた顧客セグメントを想定し、それぞれにターゲットを絞ったブランド展開がされている。それを踏まえてショップ群の立地と対象とされる顧客層の居住地分布を比較することにより最終的には同じ趣味関心をもつ群の実態を捉えようとするものである。Ⅱ 対象とデータ大規模小売店舗の各企業系列は都市システムに対して各々不完全なカバーしかしないが、業態をひとつのシステムと解釈することで各ナショナルブランドの動向、立地選択の全体像の理解が可能となる。平成30年5月~7月にかけて主要アパレルメーカーのサイトの店舗リストをもとに作成した婦人ファッションショップ370ブランド14859店(ラグジュアリーブランド数53,1628店,百貨店系アパレル99,4637店,SC系228,8594店)を用いる。ここでは規模・品揃えの差は捨象してショップの有無で論じる。Ⅲ 分析販路として百貨店向けとSC/モール向け、顧客セグメントとしてヤング向け,キャリア、ファミリー,ミセスと大別されるサブマーケットごとのショップは大規模小売店舗の立地に制約されて出店するが、その立地状況の分析から、たとえばすそ野の狭いヤング向けショップは上位都市都心部への極端な集中を示して購買のための広域移動の存在を伺わせ、逆に百貨店を販路とするミセス向けはマクロには全国に均等に立地しミクロには百貨店の立地に依って各都市都心にみられるなどの特徴が指摘できる。だが百貨店の撤退後そのまま空白地帯になる例などをみても消費者分布すべてを均等にカバーするものではない。このような特性も踏まえた店舗の成立条件、それらの集積する消費の場面にみられる都市の体系を明らかにすることを目指している。
著者
鈴木 佐俊 小林 学 後藤 正幸
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.63-76, 2023-07-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
29

家庭用電力消費量データには世帯単位の生活スタイルの情報が含まれており,耐久消費財や世帯向けサービスのマーケティングに有用な情報である.しかし一般的に電力消費量はスマートメータで主幹電力のみが検針されており,家電製品の稼働状態は推定する必要がある.従来ディスアグリゲーション技術を用いて各家電製品の電力消費量を推定する試みはいくつか研究されているが,追加センサが必要になるなど実用上はコスト面の問題が存在した.これに対し,本研究ではマーケティング用途に特化した世帯属性情報として観測された主幹電力データから家電製品の稼働・非稼働を推定することに特化した問題を定型化し,混合正規分布を用いてスナップショットでの状態推定モデルを提案する.またシミュレーション実験により,提案モデルが実用上有効な正解率を有していることを示すとともに,推定のインプットとなる機器状態の事前確率分布と提案手法との関係性について示す.本モデルは追加センサを必要としない,低いコストでマーケティングに利用可能な世帯のエネルギー消費傾向情報を得る世帯属性の推定方法であり,エネルギー事業者にとって世帯を対象とした省エネ推進等の施策のための基礎情報として活用が期待できる.
著者
新屋 徳明 田中 翔太 山内 康太 後藤 圭 鈴木 裕也
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.524-531, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
20

今回,重症熱傷後に両下腿切断となり,不安・抑うつやPTSDの危険性が高まっている高齢患者を経験した.さらに,コロナ禍による面会制限によって,家族の不安感も増強していた.そのため,本事例と家族双方への精神的支援の目的として交換日記を開始した.その結果,本人の不安・抑うつの改善やPTSDの危険性は低下し,また家族の不安感の軽減にもつながっていた.その後は,リハビリに対して前向きに取り組むことが可能となり,良好な経過を辿り,最終的に自宅退院に至った.交換日記は,熱傷後の精神・心理的状態における精神的支援や,コロナ禍による面会制限がある中での情報共有の手段の一つとして有用な可能性が示唆された.
著者
清水 雅裕 小口 和代 後藤 進一郎 太田 有人 渡邉 郁人
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.446-451, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
22

CI療法原法は療法士の時間を集中的に使用するため,実施に限界があった.そこで,時間的コスト軽減を図ったmCI療法(自主練習を併用し,1日3時間2名ペアで実施)を考案し,脳卒中発症後180日以内の回復期症例31名に対して実施した.実施前,実施後,6ヵ月後に評価し,推移を観察したところ,STEF,FMA-UE,MAL-AOUの平均値は,実施後,6ヵ月後共に有意に改善.変化量は,MAL-AOUは実施後にMCIDを上回り,FMA-UEは6ヵ月後にMCIDを上回った.mCI療法はペアの難易度調整が随時可能という利点がある.ペアで実施することにより,対象者間で会話が生まれ,動機づけの向上や心理的な支援につながる可能性が示唆された.
著者
湯田 淳一朗 本間 りこ 深瀬 幸子 大河原 晋 大本 英次郎 後藤 敏和 鈴木 昌幸
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.8, pp.2247-2249, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
10

コレステロール塞栓症は動脈内の粥腫状プラークが剥がれ末梢動脈を閉塞して組織および臓器虚血をきたす疾患である.症例は66歳,男性.入院当初,血尿,蛋白尿を伴う進行性の腎機能障害と発熱があり血管炎症候群を考えたが,腎生検によりコレステロール塞栓症と診断した.ステロイド投与後,炎症反応は改善した.本例は,血管炎症候群様の臨床所見を呈した非典型的なコレステロール塞栓症であった.
著者
石黒 雅之 後藤 春彦 佐藤 宏亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.1027-1032, 2011-10-25 (Released:2011-11-01)
参考文献数
6

この研究は、外国人居住地域における大家の役割を明らかにすることを目的とする。外国人居住地域における大家の役割は1)外国人居住者への生活マナーの指導2)アパート内、近隣の居住環境維持3)外国人居住問題に対するノウハウの蓄積4)外国人居住者の問題解決支援、地域情報の提供支援、コミュニケーションによる支援が、本調査を通して結論づけられた。
著者
後藤 和宏
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.62.1.8, (Released:2012-07-06)
参考文献数
36
被引用文献数
3 1

Anthropomorphim is an enduring controversy in comparative cognition. Some studies in comparative cognition search for human-like behavior as evidence for evolutionary continuity of mental processes as Darwin encouraged. Others eschew interpreting observed behaviors in terms of anthropomorphic mental processes. Even in the former cases, students of comparative cognition often use the predictions by associative learning or reinforcement learning as killjoy explanations to examine the existence of complex cognitive processes shared between humans and other species. In the present paper, I reviewed some of such challenges, including my own, to show how anthropomorphic questions can be studied scientifically. I also reviewed other studies in which the killjoy explanations were inappropriately applied. Misuses of the killjoy explanations are typically revealed by showing human adults behave differently from the experimenters anthropomorphic predictions.
著者
飯島 渉 橋本 雄太 市川 智生 五月女 賢司 中澤 港 井上 弘樹 高橋 そよ 後藤 真
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2023-04-01

COVID-19のパンデミックの歴史化をめぐっては、個人的な記録や記憶など、感染症対策への反応を示す資料群の整理・保全が必要である。そのための仕組みとして、国立歴史民俗博物館が運用しているクラウドソーシング・デジタル・プラットフォームを援用し、「コロナ関係資料アーカイブズ」(仮称)を構築・運用する。COVID-19のパンデミックの感染状況などの基本的な状況を示すデータを組み込む。中澤港(神戸大学)が整理・公表してきた時系列的な感染の推移データを基本とし、国別の状況も組み込む。持田誠(浦幌町立博物館)、五月女賢司(大阪国際大学)、高橋そよ(琉球大学)の収集資料などを、デジタル化して組み込む。
著者
矢崎 貴紀 小林 慎一 後藤 芳文 森 研堂 今井 航 渡辺 康孝 中村 大輝
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.669-675, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
16

平成14年度より文部科学省が推進しているスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業では,学習者が主体的に探究活動に取り組むことが期待されている。本研究では,SSHにおける主体的な探究活動に影響する要因を明らかにすることを目的とした調査を実施した。中学3年生と高校生の計714名を対象とした質問紙調査を分析した結果,SSHにおける主体的な探究活動に影響する要因として「他者からの受容」「達成経験」「自己効力感」の3点が明らかになった。本研究の結果を踏まえれば,受容的な他者に支えられて達成経験を重ねる中で自己効力感を高めていくことが,SSHにおける生徒の主体的な探究活動の生起につながると考えられる。
著者
後藤昭雄編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
2000
著者
知地 英征 後藤 千津子 松本 恵 土佐 孝文
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.79-83, 2002-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4

1)羅臼コンブ50gからイオン交換樹脂処理を行いグルタミン酸の結晶約1gを得る簡便な学生実験方法を考案した。2)コンブから単離した結晶と試薬のグルタミン酸,およびうま味調味料「味の素」のペーパークロマトグラフィーのRf値が一致することから,三者が同じものであることを確認した。3)本実験により,学生はうま味調味料及びアミノ酸の理解が深まり,正しい食品化学の知識を身に付けることができた。また分析の基本技術であるクロマトグラフィーの原理についても理解が深まった。
著者
横山 広樹 石垣 智也 尾川 達也 知花 朝恒 後藤 悠太 柳迫 哲也
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
pp.JJCCPT22012, (Released:2023-07-14)
参考文献数
23

【目的】訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)と通所リハビリテーション(以下,通所リハ)の併用が,主介護者の介護負担感にどのように影響するのか事例考察すること.【方法】退院後に介護負担感が高かった主介護者と事例に対して,訪問リハと通所リハによる介入を行った.訪問リハでは主介護者に介護指導を中心に実施し,通所リハでは事例に運動療法と動作練習を実施した.【結果】介入2ヶ月後,事例の動作能力の改善と共に主介護者の介護負担感は軽減したが,介護肯定感の低下を認めた.介入4ヶ月後には夜間の排泄に伴う介護負担感が生じたため,ショートステイなどリハ以外の対応を検討した.【結論】通所リハでは動作能力の向上を目的とした介入を行い,訪問リハでは主介護者に通所リハで獲得した動作能力を生かす介護指導を行うことで,介護負担感の軽減につながる可能性がある.また,リハで対応できる介護負担感か否かを評価し,難しい場合には柔軟にサービス内容を見直すことが重要と考えられた.
著者
浅野 貞美 山口 智晴 森本 耕吉 諸遊 直子 藤岡 佳伸 谷島 薫 川上 愛 後藤 健
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.225-231, 2023 (Released:2023-06-28)
参考文献数
31

血液透析患者が透析療法を継続するためには,注意・遂行機能を維持することが必要である.血液透析患者は認知機能障害の罹患率が高いが,認知機能の一部である注意・遂行機能の実態や地域在住高齢者との差異,認知機能と関連が認められている握力や下肢機能,骨格筋量との関連性については十分に検証されていない.そこで本研究は,血液透析患者32名と地域在住高齢者31名を対象に,trail making test part B(TMT-B)を用いて,注意・遂行機能の実態を比較検討した.また血液透析患者における筋力や骨格筋量と注意・遂行機能との関連性を検証した.その結果,血液透析患者のTMT-Bの所要時間は,地域住民と比較して有意に長く,血液透析患者は注意・遂行機能の低下リスクが高いことが示唆された.またTMT-Bと握力,SMIに有意な負の相関が認められた.今後は縦断研究により,注意・遂行機能と握力,骨格筋量との関連性やTMT-Bが臨床的に有用な指標となるのかを検討することが必要である.
著者
伊藤 孝佑 久慈 渉 後藤 昌夫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.256-261, 2023-07-01 (Released:2023-07-01)

特許庁では,特許行政事務の高度化及び効率化を目的に,2016年度から人工知能(AI)技術の適用可能性の検討を着実に進めており,2017年及び2022年に公表された「人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プラン」に沿って,企画,実証,導入のフェーズで各プロジェクトを進めてきた。本稿では,これまで策定してきた2つの「アクション・プラン」について,経緯を含め紹介するとともに,新しいアクション・プランに沿った最新の取組として,自然言語処理分野での新たな技術を活用した,「特許事前学習モデルに関する実証的研究事業」に関して説明する。