著者
後藤 吉彦
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.93-108,189, 2006-02-28 (Released:2016-03-23)
参考文献数
35

The human "body" has been a subject of sociological study since the 1980s. Accordingly, the "Sociology of the Body" was founded as an individual field, and a number of scholarly works referring to the body have been produced. The importance of the Sociology of the Body, however, is continuously being questioned. Some critics suspect that the majority of the works in the field are only playing with the word "body," and therefore do not possess an academic significance. Others criticize that the works of the Sociology of the Body tend to deal only with "fashionable" topics such as tattooing and body-piercing, and have no interest in more serious topics such as pain, death, and disability. Is the Sociology of the Body, as the critics claim, really a meaningless field lacking in academic significance? Or, docs it have no consequence above trifling matters? In this paper, I argue against such criticisms by proposing a prospect of the Sociology of the Body. This prospect consists of discussions on the subject of human "vulnerability," which are related to the issue of human rights, universality of physical pain, and "planetary" humanism. These discussions have a very unique and vital significance since they endeavor to construct a bold but thoughtful cosmopolitan theory, which is required in the contemporary society where dogmatic relativism thrives.
著者
後藤 和久 小松 吾郎
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.10, pp.618-631, 2012-10-15 (Released:2013-02-20)
参考文献数
122
被引用文献数
2

近年の衛星画像の精度向上などにより,火星の堆積岩に関する研究が急速に進展している.火星には,水の作用により海や湖,バレーネットワーク,アウトフローチャネルが形成された痕跡がいたるところに残されており,気候変動を含む火星史を理解する上で極めて重要である.実際に,ノアキス紀の古クレーター湖の壁面の堆積岩露頭には,フィロケイ酸塩鉱物のような粘土鉱物が豊富に含まれることがわかっている.こうした堆積岩は,アメリカやヨーロッパの宇宙機関の火星探査の着陸候補地点となっており,水と生命の痕跡を発見するための重要な研究対象とみなされている.2011年11月には,アメリカ航空宇宙局の最新探査機が打ち上げられ,古クレーター湖中の露頭を対象として地質調査を行なう予定である.こうした将来探査計画の中で,地質学者の知識と経験が大いに有効であり,惑星地質学分野での貢献が期待される.
著者
後藤 文夫
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報学部紀要 (ISSN:13471023)
巻号頁・発行日
no.4, pp.45-56, 2004-09

ヤナーチェクの《シンフォニエッタ》やストラヴィンスキーの《春の祭典》等、独奏的な活躍を見せるバス・トランペットであるが、最初に管弦楽にバス・トランペットが登場した作品はR.ワーグナーの楽劇《ニーベルングの指輪》であった。本研究では、バス・トランペットがワーグナーに注目されるに至るまでどのような発達を経てきたのかを探る。また、《指輪》においてワーグナーがバス・トランペットに対して描いた性格はどのようなものであったか、「人物」「物体」「出来事」「感情」の4つの概念を表わすライトモチーフを分類し、位置付けを明らかにした。その結果、「物体」を表わすモチーフを演奏する頻度が高いことがわかった。
著者
後藤 然也 小池 文人
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1904, (Released:2021-04-20)
参考文献数
29

農業被害などの人間との軋轢や豚熱 CSFの感染拡大が問題となっているイノシシ Sus scrofaの管理には、広域において利用でき持続的かつ容易に利用可能な密度指標が必要であるが、適切な手法が確立されていない。本研究では関東地方西部の 90 km×92 kmの地域に 18 km×23 kmの調査メッシュを 18個設定し、各メッシュにさまざまな植生や地形を通過する約 10 kmの調査ラインを設定してラインセンサスによりイノシシの堀跡密度(堀跡数 /km)の分布を調べた。地形や植生などの局所的環境の選好性の影響を除去するため、堀跡地点とともに調査ライン上の定間隔点をバックグラウンド地点として植生や地形などの環境を調査し、メッシュ固有の効果を含むロジスティック回帰分析を行なうことで、環境の影響を補正した堀跡密度(堀跡数 /km)を得た。別の方法により検証するため一部のメッシュにカメラトラップを設置し撮影頻度(撮影回数 /カメラ・日)を調査した。ここでもポアソン回帰で局所環境の影響を除いたメッシュごとのカメラによる撮影頻度(撮影回数 /カメラ・日)を求めた。野外調査で得られた堀跡密度は関東山地の人里周辺や海沿いで高く、三浦半島の生息地では中程度で、イノシシ個体群の生息情報がほとんどない平地では低く、従来の分布情報とおおむね一致していた。堀跡密度とカメラトラップの撮影頻度は正の相関を示したが、局所環境により補正したものは調査地点数が限られることもあり本研究では統計的に有意でなかった。イノシシは多様な環境を含む景観を利用し、掘り起こし場所の環境に強い嗜好性を持っていたが、このことは堀跡調査で個体群密度を評価するには個体の行動域を超える大きな空間スケールで調査を行い、統計モデルで局所環境の影響を補正する必要を示唆する。今後はカメラトラップによる絶対密度推定法などを用いて、堀跡を用いた密度指標を検証することが望まれる。
著者
岩佐 佳哉 熊原 康博 後藤 秀昭 中田 高
出版者
一般社団法人 日本活断層学会
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.52, pp.1-8, 2020-06-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
11

On the 16 April Kumamoto earthquake (Mj7.3), ~31km-long right-lateral surface ruptures appeared along the previously mapped Futagawa and Hinagu faults. The surface ruptures appeared in Dozon, Mashiki Town, recording 2.2m of right-lateral displacement which is the maximum strike-slip displacement of these surface ruptures. Small surface deformations such as flexure of cultivated land and deformation of the waterway and left-lateral conjugated fault also appeared in this area. In order to reveal distribution and amount of small surface deformations, we created a digital surface model (DSM) based on photographs taken by unmanned aerial vehicle (UAV) and RTK-GPS survey and conducted a field survey. As a result, small and conjugated surface ruptures were observed about 100m northwest of the main trace of the strike-slip fault, and amount of these deformations are each about 5―30cm of north-down displacement. The amount of vertical offset of just above the main trace is 25―30cm of south-down offset but the total vertical offset in Dozon is a north-down vertical offset rather than a south-down when summing the vertical offset of the secondary trace and the main trace. We also conducted a trenching survey across the conjugated fault to reveal surface faulting history. While the vertical offset caused by the 2016 earthquake was 20cm down on the south, older strata exposed on the trench walls were offset more than 40cm. Based on the deformational features of exposed strata, we identified at least four faulting events including the 2016 earthquake. The timing of the event before the 2016 earthquake is 500―10,600yrsBP. It indicates that the conjugated fault is also cumulative. It is likely that the conjugated fault and small surface ruptures have repeatedly ruptured simultaneously with the main trace, because the conjugated fault follows the small surface ruptures and is consistent with the timing of events in the main trace.
著者
大城 真由美 我如古 梓 三宅 茜巳 仲本 實 後藤 忠彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.29, pp.460-461, 2013-11-09

戦後68年を経過し,沖縄戦の体験の継承が危惧されている。沖縄の学校では,慰霊の日に向けて沖縄戦から平和を考える取り組みを行っているが,戦争体験者が高齢化し語り手が減少していく中で,戦争体験者ではない教師がどう伝えていけばよいのかが課題となっている。そのため,小学校で活用できる沖縄戦についてのデジタルアーカイブ教材の開発を考えた。
著者
福本 潤也 後藤 雄太
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.390-407, 2011

2004年に国土交通省の下に「自動車の検査・点検整備に関する基礎調査検討会」が設けられた.同検討会は自動車検査証の有効期間延長の社会的影響について推計・試算を行い,有効期間の延長が自動車の安全確保と環境保全に甚大な悪影響を及ぼすと結論づけた.しかし,同検討会の推計・試算で重要な位置づけを占める自動車の不具合率の推計は様々な問題を抱えている.本研究では,同検討会の推計が抱える問題を克服するハザード・モデルを提案する.同検討会が不具合率の推計に用いたデータを使用してハザード・モデルのパラメータを推計する.推計結果に基づき,同検討会による社会的影響の推計・試算結果が過大推計であった可能性を指摘する.
著者
松井 藤五郎 蔦木 宏斗 加藤 準平 後藤 卓
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.2L5GS1301, 2020

<p>本論文では、株価時系列データを対象として、企業をクラスタリングする方法を提案する。企業の中には、事業を多面的に展開し、単一の業種には留まらないものもあるが、従来の業種分類ではいずれか1つの業種に分類されており、業種分類が実態とは乖離しているものが存在している。また、業種分類の中には本来は異なる複数の業種が1つの業種としてまとめられている業種もある。これまでに、投資信託のリターンを対象として同一ベンチマークのインデックス型投資信託をクラスタリングする手法が提案されている。そこで本論文では、業種ごとに企業をクラスタリングできるようにこの手法を拡張し、株価時系列データを対象として企業をクラスタリングする。また、提案手法を実際の株価データに適用し、その有効性を確認する。</p>
著者
小林 勇輝 後藤 惟樹 遠藤 勝義 山崎 大 丸山 龍治 林田 洋寿 曽山 和彦 山村 和也
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.973-974, 2017

中性子応用計測において,集光デバイスを用いた中性子線の高強度化による測定時間の短縮が求められている.我々はマイクロ波プラズマジェットを用いた数値制御PCVMにより,石英ガラス製のマンドレルを作製し,その上にNiC/Tiの多層膜を積層し,これを離型することで,中性子集光用Wolter Ⅰ型スーパーミラーの作製を目指している.本報では,石英ガラス製回転体試料へマイクロ波プラズマジェット加工を適用し,その加工特性について評価した.
著者
後藤 さゆり 在塚 礼子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.554, pp.117-121, 2002-04-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
25

This study aims at accounting for validity of the theory of space by O.F.Bollnow for dwelling environmental education, and trial study on making clear of the characteristic of "Raum, den man hat" Bollnow said by considerations about the representation of Primary Scenes. According to the theory of space by Bollnow, it is principal understanding of space on the true meaning to dwell that man get "Geborgenheit" in "Raum, den man hat". As a result, Primary Scenes are valid for realizing "Raum, den man hat" through having unity with man, and "Geborgenheit".
著者
後藤 淑
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 (ISSN:04331052)
巻号頁・発行日
no.576, pp.p10-21, 1987-12