著者
松本 晃幸
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

栽培きのこの一種、ウスヒラタケ(Pleurotus pulmonarius)で見出された子実体が発生後、正常に傘と柄の分化を行うことができない(子実体の奇形化)自然突然変異の原因遺伝子を連鎖地図、ゲノム配列情報、発現解析等により探索し、候補を1遺伝子に絞り込んだ。この成果は栽培現場で偶発的に発生する子実体奇形化の説明につながる可能性がある。今後相補あるいは破壊実験などにより検証し、当該遺伝子の変異検出用DNAマーカーを開発する予定である。
著者
武田淳子 松本 暁子 谷 洋江 小林 彩子 兼松 百合子 内田 雅代 鈴木 登紀子 丸 光惠 古谷 佳由理
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.19, pp.53-60, 1997-03
被引用文献数
8

本研究は,小児科外来受診中の2歳から6歳の小児を対象として,採血時に小児がとる対処行動の特徴を明らかにする事を目的とした。28名のべ33の採血場面を観察し,以下の結果が得られた。1.処置前・中・後と経過がすすむにつれて小児のとる対処行動は減少した。2.処置の全経過を通して自己防衛行動が最も多く,中でも目で見て確認する行動が最も多かった。3.2〜3歳の年少幼児に比して4〜6歳の年長幼児は,処置時にとる対処行動数が多く,多様であった。4.処置に主体的に参加する行動を示した小児は,泣かずに処置を受けていた。
著者
及川 和美 荒金 圭太 倉藤 利早 斎藤 辰哉 松本 希 高木 祐介 河野 寛 藤原 有子 白 優覧 小野寺 昇 Oikawa Kazumi Arakane Keita Kurato Risa Saito Tatsuya Matsumoto Nozomi Takagi Yusuke Kawano Hiroshi Fujiwara Yuko Baik Wooram Onodera Sho
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.453-456, 2011

本研究は,「水中だるまさんがころんだ」運動時の心拍数と酸素摂取量の変化から水中運動としての「だるまさんがころんだ」の特性を明らかにすることを目的とした.被験者は,健康成人男性8名(年齢 : 21±2歳,)とした.被験者は,鬼が「だるまさんがころんだ」と発声している時に最大努力で水中を移動し,声が止んだ時に静止した.鬼までの距離を20mとした.鬼に到着するまでを1セットとし,3セット繰り返した.セット間には,3分間水中立位安静を行った.測定項目は,心拍数と酸素摂取量とした.運動後の心拍数および酸素摂取量は,1セット目の運動時と比較して,1セット目以降の運動時が,同等あるいはそれ以上の値を示した.水中でも陸上の「だるまさんがころんだ」と同様にインターバルトレーニング様の心拍数と酸素摂取量変化を示した.運動生理学的な分析から「水中だるまさんがころんだ」が身体トレーニングの要素を持つことが明らかになった.
著者
平本 ふく子 松本 仲子 上田 フサ
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会誌 (ISSN:03862666)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.57-61, 1983

On the use of the measuring spoon in cooking, we examined the measurement of salt in Report 1. Weights of sugar and soy sauce were measured with measuring spoons in regard to the following points, for this report. Sugar : the kinds and the states of sugar, and by the ways of measurment. Soy sauce : the kinds of soy sauce, and by comparison of the measured amount of a spoonful, half and one third of a spoon. The results are as follows. 1) The measured amount of sugar differed in the kind and the state of the sugar. 2) The measured amound of the sugar differed in free measurement. After guidance and training of exact measurement, the measured amount and standard deviation was much near the free measurement. 3) The measured amount of soy sauce was much the same weight for all kinds. 4) In the way of free measurement, the measured amount of half and one third of a spoon was smaller than that of the measured amount of a spoon. After guidance and training of exact measurement, the measured amount and standard deviation was much near that of the free measurement.
著者
若原 俊彦 松本 充司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.17-22, 1999
参考文献数
6

近年、パソコン(PC)やコンピュータ周辺機器の高性能化・大容量化および経済化が進み、インターネットの普及とあいまってデータだけでなく音声、静止画や動画を含んだマルチメディアによるコミュニケーションが主流となりつつある.従来の通信サービスでは、単機能型の専用端末が用いられてきたが、最近はパソコンを利用してネットワークにアクセスし、各種アプリケーションソフトを利用してコミュニケーションが行われるため、相互接続の問題などが生ずる.本論文では, 最近の通信サービスの利用形態の変化を踏まえ、マルチメディア通信サービスのインタオペラビリティを確保するための問題点およびその解決法について述べる.具体的には、F.700のマルチメディアサービス参照モデルを用いてサービス分析を行い、コミュニケーションタスク、メディアコンポーネントの整合性をはかり相手端末とネゴシエーションする方法を示した.
著者
鈴木 浩二 柴田 俊忍・松本 英治
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.308-312, 1991-10-15 (Released:2017-08-31)

近年の交通事故の増加に従い,自動車の安全性が社会的に取り上げられる機会が多くなっている。自動車の乗員保護装置として広く採用されているシートベルトに関する,特定の条件下での乗員に及ぽす物理的影響については数多く報告されているが,シートベルトの着用の有無が運転者の安全意識や運転行動に与える影響に関する報告はきわめて少ない, 本報文では,自動車が事故にいたる時系列モデルを示し,シートベルトの着用の有無が事故遭遇率に及ぽす影響の評価法を提案した.また,ある条件下でのシミュレーションをこのモデルに従って行い,シートベルトの着用率の違いによる事故遭遇率・交通事故死亡率の差を比較した.その結果,ある条件下ではシートベルト着用率の向上が必ずしも交通事故死亡率の低下にはつながらないことが判明した.このことから,シートベルト着用運動は適切な交通安全教育が伴って初めて効果を発揮することができ ることがわかった.
著者
田邉 元三 松田 侑也 松本 裕朗 筒井 望 村岡 修
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2018-07-19

<p>インドやスリランカの伝統医学であるアーユルヴェーダでは, 糖尿病の初期の治療薬としてサラキア属植物の抽出物が用いられている. これまでに, その活性寄与成分として, 特異なチオ糖スルホニウム硫酸分子内塩構造をもつ新規化合物 salacinol (1), kotalanol (2), ponkoranol (3) およびその脱硫酸エステル体, neosalacinol (4), neokotalanol (5), neoponkoranol (6) を単離した.<sup>1,2,3). </sup>また, その作用機序が消化管表層に存在する糖質加水分解酵素 (a-glucosidase) の阻害に基づくことを明らかにするとともに, その阻害強度の程度は, いずれも市販糖尿病治療薬のアカルボースやボグリボースに匹敵するほど強いことも明らかにしている.<sup>1)</sup> スルホニウム塩という天然有機化合物として極めて特異な構造であること, また, その a-glucosidase 阻害活性が極めて強いことから活発な構造活性相関研究が国内外において活発に行われている.最近我々は, in silico 計算化学を用いて salacinol (1) の約10~40倍強い活性を示す化合物群 (7) の合成にも成功している (Fig.1).<sup>4)</sup> </p><p>Fig.1</p><p>一方、これまでのスルホニウム塩の合成には Scheme 1 に示すように, もっぱら, チオ糖8と側鎖部となる求電子剤 (9, 10, 11 など) とのS-アルキル化が鍵反応として用いられている. しかし, 本鍵反応では反応時間が著しく長いものが多く (< 7 days), また, 側鎖部に用いる求電子剤あるいは生成物が, 反応中に徐々に分解することも報告されている. さらに, 反応が環状チオ糖のS-アルキル化のため, 生成物のジアステレオ選択性が低くとどまる欠点 (dr, a/b = < 9/1) も有している. このような反応性のために, 目的のαアルキル化体 a-12の収率が中程度にとどまるものがほとんどであり, 本鍵反応は"Salacia"由来スルホニウム塩の簡便大量供給法としていまだ多くの問題を残している.<sup>5)</sup> </p><p>Scheme 1</p><p>そこで, "Salacia" 由来スルホニウム塩の簡便かつ効率的な新規スルホニウム塩骨格構法の開発研究の一環として, 今回, スルフィド (13) の閉環反応によるneosalacinol (4) の合成を検討した. その結果, 13 の環化反応が高いジアステレオ選択性 (dr, a/b = ca. 30/1) で効率よく進み, 短時間で 4 の合成中間体 (a-14) が高収率で得られることを見出した. さらに, a-13 を脱保護に付し, 目的の 4 の全合成を達成したので, その詳細について報告する.</p><p> </p><p>Scheme 2</p><p>1.スルフィド 13 の合成</p><p>鍵化合物となるスルフィド 13 は, neosalacinol (4) の側鎖部となる erythritol 誘導体 (15) と チオ糖部となるxylose誘導体 (16) のカップリング反応により合成した. </p><p> </p><p>Scheme 3</p><p>Erythritol 誘導体 15 は, 文献<sup>6) </sup>の方法に改良を加え, 極めて高い収率で合成した. すなわち, D-isoascorbic acid (18) を, アセトン中, PTSA の存在下に, 2,2-DMP との処理により調製した化合物 (19) のエンジオール部を過酸化水素で酸化的に解裂後, 生成するカルボン酸塩を単離することなくヨウ化エチルとのエステル化に付し, 18より 93% の収率でエステル (20) に導いた. 次に, 20 のLAH 還元により得たジオール (21) を水素化ナトリウムの存在下で臭</p><p>(View PDFfor the rest of the abstract.)</p>
著者
三浦 高志 熊岡 忍 松本 建太 下村 孝光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.608-618, 2004-02-01
参考文献数
11
被引用文献数
1

本論文は,適応的直交変換によるベクトル量子化において,ベクトル探索を高速化する方法を提案する.高速化の原理は,誤差ベクトルをより次元の低いベクトルに分割してから量子化を行う,積符号技術である.ベクトルの次元が低くなれば,同じ近似利得を与える辞書サイズが小さくなるので,候補ベクトル数が減少してベクトル探索が高速化される.また,辞書ベクトルを先頭要素の降順にソートしておき,誤差ベクトルの先頭要素値から直接的に候補ベクトルの範囲を限定して候補ベクトル数を削減する方法及び誤差ベクトルの画品質と目標画品質との差によって最適なサイズの辞書に切り換える方法を追加した.提案方式の有効性は数値実験により検証される.
著者
鶴永 陽子 高林 由美 鈴木 芳孝 西 万二郎 松本 真悟
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.309-314, 2009-11-30
参考文献数
22

柿葉茶の浸出方法および浸出液の保存方法が、アスコルビン酸、アストラガリンおよび総ポリフェノール含量に及ぼす影響を検討した。その結果、成分により効率よく浸出するのに適する入れ方は異なった。アスコルビン酸は、5℃の冷水の場合は10〜60分間、60〜100℃の熱水の場合は、3〜10分間程度置く方法が適していた。一方、アストラガリンおよび総ポリフェノールは、半量になるまで煮詰める方法や加圧浸出などの方法を用いることによって浸出効率は高まった。また、浸出液中のアスコルビン酸は5℃程度の低温下で保存する方法が最も含量が保持された。しかし、アストラガリンおよび可溶性ポリフェノールは高温条件下の保存でも安定性に優れ、90℃で24時間保存した場合でも、アストラガリン含量の減少は約10%の減少にとどまり、総ポリフェノール含量はほとんど減少しなかった。
著者
松本 泰章 中川 晶 小林 剛史 山本 晃輔 岩崎 陽子 真板 昭夫 杉原 百合子
出版者
嵯峨美術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、アーティストと美学研究者が精神医学・高齢者看護・心理学各分野の研究者とともに学際的研究体制を構築し、高齢者のための匂いのアートを使った記憶想起と、それに伴う発話行為の効果を計測し、高齢者の感情の活性化、発達課題の達成、さらには認知機能維持・向上に資することを目指す。既に本メンバーは先行する「なつかしさを喚起する匂いのアート研究」で成果を上げており、この研究体制と問題を引き継ぐ形で回想法の構築へと発展させる。匂いのアートを用いた回想法で、現代の超高齢社会の問題解決に資する実践的アート研究を実施する。
著者
松本 繁樹
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.630-642, 1965-10-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
4

筆者は中部地方建設局磐田工事事務所保管の資料をもとに,大井川下流部 (0~23km) 問における最近の河床変動の実態を検討し,ついでこれと砂利採取との関係について考察を加え,さらに今後の採取可能量にまで論及したが,それらを要約するとつぎのようになる. 1) 大井川下流部の1963年度の平均河床高を,1955年度のそれと比較してみると,全ての区間での河床低下が認められ,低下量の最大は73.6cm, 最小は1.6cm, 全区間の平均では33.5cmとなる. 2) つぎに総土砂変動量から河床の変動をみると, 1958および1961の両年度で堆積となった以外は,全ての年度で洗掘を示し, 1958年度以降6年間の総計では,差引約370万m3の洗掘という結果になる. 3) 大井川下流部での砂利採取は,近年急激な勢で増加していて, 1958年度以降1963年度までの採取許可量は,合計約320万m3にのぼり,その推定採取量では640万m3ないしはそれ以上に達するものとみられる. 4) 一方,同じ6年間の川自身による堆積量を逆算してみると,約270万m3となるが,この値は先の砂利採取量の2分ノ1以下にしかすぎない. つぎに上記の資料をもとに, 1kmの区間毎の土砂変動量(洗掘量)洗掘量と砂利採取量との関係を吟味してみると,両者には一部の区間を除いて,かなりの相関が認められ(相関係数r=0,602), その関係はy=0.351x+13.92なる式をもって表わすことができる,また砂利採取量のみから算定した河床低下量と実測による低下量との問にも,ほぼ類似したかなりの相関が示され(r=0.635), その関係はy=0.469 x+5.48という式で表わすことができる. 8) 下流部河床内における1963年度末現在の砂利の採取可能量は,約850万m3と計算されているが,実際にはこれにさらに上流からの流入土砂量(年間約70万m3ないしは45m3)を加算しなけれぼならない。しかし,今後の砂利採取量を現在とほぼ同一である(実質採取量で年間約200万m3)と仮定しても,大井川下流部での砂利採取は,この先10年を待たずして,全面的な禁止を余儀なくされるものと考えられる.
著者
玉田 春昭 中村 匡秀 門田 暁人 松本 健一
出版者
電子情報通信学会
巻号頁・発行日
2007-10-01

名前難読化とは,プログラム中の名前(識別子)を別の名前に付け替えることで,プログラムを理解しづらいものにするソフトウェア保護手法である.従来の名前難読化手法は,各名前を静的に別の文字列で置換するものであり,プログラム中に現れる任意のユーザ定義の名前を隠ぺいできる.しかしながら,従来手法を用いてシステム定義の名前(標準ライブラリやAPIの呼出し等)を難読化することは,プログラムの移植性を著しく低下させるため,現実的に不可能である.そこで本論文では,オブジェクト指向言語を対象に,システム定義の名前をも隠ぺい可能な新たな名前難読化手法を提案する.具体的には,プログラム中の名前使用部分をあらかじめ暗号化しておき,実行時に名前を復号して当該処理を実行する,動的名前解決の仕組みを導入する.提案手法では,オブジェクト指向言語のリフレクション機構を用いて,クラスの参照,メソッド呼出し,フィールドの参照・代入に現れる任意の名前を動的解決する方法を実現している.また,提案手法をJavaプログラム用に実装し評価実験を行った.ある実用プログラムへの適用では,4.11倍の性能劣化でプログラム中のすべてのクラス名,メソッド名,フィールド名(計10,580回出現)を難読化できることが分かった.