著者
森園 節生
出版者
跡見学園女子大学文化学会
雑誌
フォーラム (ISSN:02883295)
巻号頁・発行日
no.11, pp.巻頭, 1993-03
著者
西井 竜彦 村松 高 四万村 三恵 古市 基彦 大森 一光 塩野 元美
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.972-975, 2010-09-15 (Released:2011-02-22)
参考文献数
8

大血管手術以外の周術期に発症した非常に稀な脊髄梗塞の1例を経験したので報告する.症例は70歳男性,左肺癌に対して硬膜外併用全身麻酔下に,左上葉切除およびリンパ節郭清を施行した.術後3時間後より,右下肢,右手関節以下の麻痺が認められた.硬膜外カテーテルの影響が考えられたため,直ちに硬膜外注入を中止した.翌日になりさらに麻痺が進行し,頭部・脊椎MRIが施行されたが,診断がつかなかった.術後第3病日に施行された頚胸髄MRIでC1からTh2までの広範囲の脊髄梗塞が認められた.ステロイド,高浸透圧性利尿剤の投与で麻痺の改善傾向を認めたため,27病日リハビリ病院転院となった.
著者
益本 貴之 尾形 理江 森本 規之 岡田 朋子 三浦 徹
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.265-268, 2007

今回われわれは子宮内外同時妊娠の1例を経験した.文献的考察を加えて報告する.症例は35歳既婚.0経妊0経産.平成○年2月3日を最終月経の開始日とした無月経を主訴に,当院を平成○年3月22日初診となった.既往歴,家族歴に特記事項なし.排卵誘発等の不妊治療歴はなし.初診時の腟鏡診,内診では異常所見を認めず,経腟超音波検査にて子宮内に胎嚢と思われるエコーフリースペースを認めた.平成○年4月4日,性器出血を主訴に再診.腟鏡診にて外子宮口からの少量の性器出血を認め,内診では右付属器領域に圧痛を認めた.経腟超音波検査にて子宮内にエコーフリースペースと,右付属器領域に胎児心拍を伴うエコーフリースペースを認めた.子宮内外同時妊娠(右卵管妊娠および稽留流産)を疑い,本人および家族に十分なインフォームドコンセントを行ったうえで,同日腹腔鏡下手術を施行とした.腹腔内には凝血塊を含む約200gの血液が貯留していた.右卵管は腫大しており,同部位の妊娠が疑われた.右卵管切除術を行い,同時に経腟的に流産手術を施行した.患者の術後経過は良好にて,術後3日目に退院とした.摘出組織の病理組織検査にて,右卵管は右卵管妊娠組織,子宮内組織は流産組織であることが確認された.近年のARTのめまぐるしい進歩に伴い,子宮内外同時妊娠の頻度は増加していると考えられる.本症例では初診時に超音波検査にて子宮内に胎嚢を確認したが,右付属器の異常所見を確認するには至らなかった.再診時に内診にて右付属器領域の圧痛を認め,初めて超音波検査にて右卵管妊娠の存在を確認できた.日常診療において子宮内に胎嚢が確認できたとしても,子宮内外同時妊娠の存在を念頭に置き,付属器領域等を注意深く超音波や内診により診察する習慣をつけることの重要性を再認識した.〔産婦の進歩59(4):265-268,2007(平成19年11月)〕<br>
著者
森本 ゆり 宮本 浩徳 古瀬 充宏
出版者
ペット栄養学会誌
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.5-6, 2006

ドワーフハムスターであるジャンガリアンハムスターとロボロフスキーハムスターにおいて,食の嗜好性に違いがあるか否かについて調査した。まず,飼料の色に対する嗜好性を調べたところ,ジャンガリアンハムスターは緑色の飼料を好んで摂食した。次に,実験動物用ペレット,ニボシ,ヒマワリの種およびカボチャの4種類に対する選択摂取テストを行った。その結果,カボチャを摂取する割合が最も高かった。また,ほとんど摂食しなかったニボシに対して,嗜好性が高かったカボチャの風味に対する反応テストも行った。結果として,嗜好性が低い食物であっても,好んで摂食するものの風味付けにより摂食量が増加することが示唆された。さらに,水分を多く含むキュウリとキャベツならびに水分の少ないヒマワリの種とクルミの4種類に対する選択摂取テストを行った。どちらのハムスターも水分含量が多い食物を多くの割合で摂食した。
著者
長濱 澄 名取 優太 岩附 直登 川島 一朔 森田 裕介 百瀬 桂子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42026, (Released:2018-09-26)
参考文献数
9

本研究では,映像コンテンツの高速提示により生じた認知負荷に関する客観的な評価指標として,振動プローブ刺激に対するP300振幅を活用することの有用性を検討し,映像コンテンツの視聴速度と注意配分量の関連性を明らかにした.実験では,被験者21名に対して,等質性が確認された2種類の映像コンテンツをランダム順に等倍速条件と2倍速条件で提示した.また,映像コンテンツ視聴中に振動プローブ刺激を与え,標的刺激に対するキー押し課題を課し,ワイヤレス生体計測器を用いて課題中脳波を記録した.P300振幅の分析の結果,2倍速条件におけるP300振幅は,他の条件に比べて有意に小さく,映像コンテンツを2倍速で視聴する場合,等倍速で視聴する場合に比べて,注意配分量が大きくなる可能性が示唆された.
著者
川邉 翔平 浅野 勇 森 充広 川上 昭彦
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.II_17-II_23, 2017 (Released:2017-04-05)
参考文献数
9

農業用コンクリート開水路の補修工法として,無機系表面被覆工が多く施工されている.しかし,無機系表面被覆工の中性化深さの供用環境による差や空間的なばらつきについては明らかにされていない.これらに関する知見は,今後の中性化深さのモニタリングに際する調査位置や調査点数を決定するための重要な基礎データとなる.本研究では,施工後約3年経過した実水路の無機系表面被覆工を対象に,中性化深さの多点調査を行った.その結果,中性化深さは正規分布を仮定でき,その変動係数は20-40%であること,水路側壁の気中部と水中部では,気中部の中性化深さが大きいこと,などが示された.また,本調査結果に基づくと,中性化深さを信頼度95%,誤差20%で得る場合には,サンプル数を9以上とする必要があると推定された.
著者
橋爪 章仁 光上 義朗 遊佐 真一 森島 洋太郎
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
pp.2018-0039, (Released:2018-10-23)
参考文献数
31

An unsymmetric diblock copolymer b-Q57A97 of (ar‑vinylbenzyl)trimethylammonium chloride (Q) and N,N-dimethylvinylbenzylamine (A), synthesized by reversible addition-fragmentation chain transfer radical polymerization, and its molecular assemblies were characterized by static and dynamic light scattering and steady state fluorescence using N-phenyl-1-naphthylamine (PNA) as a probe. Scanning electron microscopy observations indicated that b-Q57A97 formed a unique fern leaf-like morphology in the presence of NaCl.
著者
松本 実 田辺 明 栗山 美子 森山 徳長 石川 達也
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.296-299, 1992-09-20
被引用文献数
1

日本の歯科医師団体の発祥は,東京における明治26年11月の『歯科医会』に端を発する.この会は次第に発展し,ついには現在の日本歯科医師会となる母体となった.本会が明治28年に,発行した小冊子『歯牙保護論』は,業権の確立と一般庶民への啓蒙を目的としている.明治初年に桐村,伊沢,高山らの先覚者が執筆した一連の歯科衛生啓蒙書のうち,歯科医師団体が発行した本書の書誌学と,歯科医会の志向していたところの詳細を本論文で解析した.
著者
中野 三敏 花田 富二夫 松原 孝俊 大庭 卓也 宮崎 修多 飯倉 洋一 亀井 森 川平 敏文 久保田 啓一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本調査チームによって収集された、草双紙や仮名草子、木活字、唐本、画譜、銅版など、三十項目以上のジャンル別善本を、ホノルル美術館において精査して、その画像データを公開した。本プロジェクトの目的は、世界で所蔵される和本・和刻漢籍などを総合的、体系的に調査しつつ、在外和本総目録の基礎データを作成し、その公開・発信に努めることにあるが、それと同時に、重要視したのは、「日本学」次世代研究者養成や国際的日本学研究者コミュニティー構築に貢献することであった。日本人だけでなくあらゆる国の次世代研究者対象の書誌調査講習なども実施して、「和本リテラシー」を普及しつつ世界の日本学研究振興に応分の貢献を果たした。
著者
岩田 大吾 土岐 知弘 大森 保 石橋 純一郎 高井 研
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.137, 2008 (Released:2008-09-06)

鳩間海丘は南部沖縄トラフの水深1,500 mに位置する直径約4 kmのカルデラ火山である。沖縄トラフの海底熱水系は背弧・島弧系であり,堆積物が豊富であるという特殊な環境から世界で初めて海底面からの二酸化炭素ハイドレートの噴出が観測されるなど,日本における熱水研究に様々な科学的題材を提供してきた。鳩間海丘における熱水活動は,1999年の有人潜水探査船「しんかい2000」による潜航調査において初めて発見された。2006年8月に行われたNHKの取材時には,世界で初めて熱水が青く見える現象が観測された。過去の調査では観測されたことのない青色熱水であることから,海底熱水活動の活発化した可能性等が指摘された。本研究では,発見当時青く観測された熱水噴出孔から2007年3月及び7月に熱水試料を採取し,化学分析すると共に分光学的に解析を行い,2000年の分析結果と比較して化学組成の変化と青く観測された原因を明らかにした。
著者
金森 貴洋 厳 網林
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.261-274, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
29
被引用文献数
2

東日本大震災から6年が経過し,津波被災地では集団移転が完了しつつある.究極的な津波予防対策である集団移転によって安全性が確保される一方で,高齢者住民の生活は大きく変容することが予想される.本稿では,人口減少・高齢化が進む中で行われた地形起伏の大きい地域における集団移転が高齢者住民の徒歩による生活にどのような影響を与え得るのかを明らかにした.具体的には傾斜・身体機能による影響を反映した歩行負荷量を算出し,各集団移転団地から最寄りの生活施設までの徒歩アクセシビリティ評価を行った.分析の結果,気仙沼市において全96団地中6割が公共交通の徒歩圏外にあり,15団地は全ての生活施設まで徒歩で到達することが困難であることが明らかになった.また,標高が高い団地は徒歩アクセシビリティが悪化する傾向がみられた.
著者
池田 資尚 板村 英典 池信 敬子 森下 伸也
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.75-85, 2012-07-21 (Released:2017-07-21)

私たち人間は日常生活を送る中で「笑い」という行為を意識的あるいは無意識的に表出している。このような人間の「笑い」という現象を科学的に考察するためには、それらを客観的に把握する手法を構築することが求められる。本稿では、笑いが発生する際に反応の見られる「顔」、「喉」、「腹」の3つの身体部位に着目し、それらの動きを計測する「3点計測システム」を用いて、笑い発生時の各身体部位の反応の有無を検出することから笑いの客観的な分類を試みるとともに、それらの組み合わせから笑いを論理的に8つのパターンに分けて捉える「笑いの分類モデル」を導出した。「3点計測システム」の視座から人間の笑いを客観的に把握・分類することは、「笑い」の多様性に対して新たな視点を提起することにつながり、日々の生活の中で忘却されがちな私たち人間の笑いのあり方を自覚的に捉えるための契機になると考えられる。
著者
木下 利喜生 橋崎 孝賢 森木 貴司 堀 晋之助 藤田 恭久 幸田 剣 中村 健 田島 文博
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100176, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】 当院リハビリテーション(リハ)科では、リハ室で患者が急変した場合、緊急カート、心電図モニター(ECG)、パルスオキシメーター、血圧計、ストレッチャーなどの準備、装着を現場スタッフで行う。同時に他のスタッフがリハ医へ報告、現場での診察を依頼し、身体所見やモニターなどの情報をもとに対応の指示を仰ぐまでの一連の流れを救急時対応とし、全スタッフを対象にトレーニングを実施している。そのため、当科では、これまでにも幾度となく血圧や意識レベル低下などの急変が発生しているが、全ての案件において対応が可能であった。 今回、リハ実施時において、開設から始めて患者が心肺停止となる状況に直面した。その際にリハ科で対応可能であったこと、またシステム上の不備や対応不足が明らかとなったことを情報の共有のために報告する。【方法】 10時20分頃、理学療法室で立位練習開始、血圧低下認めないため、平行棒内での歩行練習をこの日より開始する。平行棒内での歩行練習後もバイタルの著明な変動ないため、10時40分頃に歩行器での歩行練習を行う。歩行器歩行10m程度で両下肢の脱力、意識消失を認め、理学療法士数名でベッドへ寝かせている間に、リハ医と外来看護師に連絡、ECG、パルスオキシメーター、血圧計を装着した。ECG上60台でサイナスリズム、酸素飽和度98%、血圧測定行えないためベッド上で下肢挙上する。10時45分頃リハ医・看護師到着、何度か血圧測定するも測定できず、病棟に連絡し、ストレッチャーでの迎えを要請する。その後、意識レベル改善認めず、徐々に酸素飽和度が低下し始めたため、10時48分にホワイトコール(救急対応依頼の全館放送)を要請する。リハ医と看護師により酸素投与開始し、アンビューバックを準備している際に多数の医師、看護師到着。頚動脈も触知困難のため救急医師により、心臓マッサージ、挿管により気道確保され、救急処置室へ搬送される。その後の検査の結果、急変原因は肺血栓塞栓症であることが判明した。【倫理的配慮、説明と同意】 本症例の情報は、医療記録から特定できないよう匿名化し、プライバシーに配慮した。また、今回の発表にあたり当大学医療安全推進部に発表内容および目的を十分に説明し、発表の了承を得た。【結果】 初期対応は、手順通り実施できており問題ないと思われた。しかし、多数の医師、看護師が到着、理学療法室内が騒然とし、リハ中の患者を移動するなどの対応をとるべきであったが、これまでに心肺停止でのホワイトコール経験がなく、迅速な対応が行えず、駆け付けた看護師の判断により、病棟へ帰室するかたちとなった。 また、当科では酸素配管はあるがボンベを常備しておらず、リハ室から救急対応室へ搬送する際の酸素ボンベを救急部に借りに行く必要があった。【考察】 今回の対応の不備は、これまでに心肺停止によるホワイトコールの経験がなく、我々の想定していない状況下に陥った事が背景にある。これを受けて、ボンベの常備を早急に行い、ホワイトコール時は、一旦、リハ中の患者を発生現場以外の訓練室に移動したのち、病棟へ搬送すると決定した。また、シミュレーションをホワイトコールまでを想定したものに変更し、すぐに全体研修を実施、また人事異動のある4月初旬に必ず全体研修を実施すると決めた。 院内対応としては、長期臥床患者のリハを開始する際は、下肢深部静脈血栓症・肺梗塞のリスク因子を評価し、必要があれば下肢静脈エコーを行うなど早期発見・早期予防に務めるよう全科へ指導が行われた。当科でも下肢の腫脹などの身体所見の確認だけでなく、Dダイマー、FDPなどの血液データの確認を指導した。またリハ科で行える静脈血栓塞栓症の予防として、早期からの歩行および積極的な運動が重要であることを再教育し、早期離床を再度徹底した。 今回の案件を経験し、考えうる最悪の状況を想定した急変時対応を常に考えていく重要性を痛感した。本案件だけでなく、ひとつひとつの事例背景を分析し、対応マニュアルの強化、更新が必要であり、また積極的に文献抄読や学会参加をすることで、常に新しい情報を収集しておくことも重要であると感じた。【理学療法学研究としての意義】 最も重篤な急変の1つである心肺停止事例における、対応時の問題、さらにその解決策を報告することは、今後のリハ室での急変時対応マニュアル作成や強化などをする際の貴重な情報になると考えられる。
著者
森下 誠也 三浦 理沙 曽我本 雄大 山中 孝訓 森 一起
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0022, 2015 (Released:2015-04-30)

【目的】ICU入院中の患者に対して理学療法実施中に心停止となった患者の経験に対する考察【症例提示】年齢性別:70歳代男性。診断名:脳梗塞,第5頸髄損傷,右肋骨骨折,右肩甲骨骨折,外傷性気胸。現病歴:外来リハビリ受診時にレベル低下。MRI施行し脳梗塞にて入院。第26病日に頚動脈血栓内膜剥離術施行。第31病日に転落により第5頸髄損傷,右肩甲骨骨折,右肋骨骨折,右外傷性気胸及び血胸受傷。【経過と考察】第32病日に呼吸状態悪化し気管挿管し人工呼吸器管理。第37病日理学療法実施中に心停止。ボスミン投与後即座にセラピストによる胸骨圧迫を行い,3分後心拍再開。第39病日より理学療法再開。その後のバイタルサインや意識レベルに関しては心肺停止による影響はなかった。今回の心肺停止の原因は挿管チューブが若干浅く,側臥位への体位変換時に更に浅くなり,人工呼吸器での換気が不十分になったことによる低換気が引き金になったと考えられる。理学療法再開までの期間が短期間であった理由に,ICUでの理学療法であったため心停止の認識が早かったこと,心拍再開までの時間が短かったことが挙げられる。その他,セラピストはBasic Life Support(BLS)を受講しており心停止時の胸骨圧迫に対する知識および技術が十分にあったことも要因の一つであったと考えられる。今回のようなモニタリング管理下でのリハビリは,異常があればアラームが鳴ることや医師や看護師が近くにいるため,緊急時の対応は行いやすい。しかし,リハビリの実施場所はモニタリングのないリハビリ室や,他の職種のいない訪問リハビリでの現場の方が多く,その際は各セラピストが緊急性の判断を行うこともある。今後,リハビリスタッフへの救急救命教育が必須であると考える。
著者
西原 健司 山岸 功 安田 健一郎 石森 健一郎 田中 究 久野 剛彦 稲田 聡 後藤 雄一
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.247, 2012 (Released:2012-08-15)

日本原子力学会和文論文誌 Vol. 11, No. 1 (2012), pp.13-19   著者の申し出により,14–16頁の Table 4, 7(1/2), 7(2/2)に誤りがありましたので,PDFの通り訂正いたします。