著者
佐野 主一 立川 博邦 木之瀬 正 相野田 隆雄 宮崎 吉規 山本 安幸 池田 昌弘 赤羽 賢浩 藤野 雅之 鈴木 宏
出版者
山梨医科大学医学会
雑誌
山梨医科大学雑誌 = 山梨医科大学雑誌 (ISSN:09120025)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.125-130, 1988

症例は58歳男性,海外渡航歴なし。右側腹部痛,発熱を主訴に昭和60年10月当科入院。入院時検査所見では WBC 28300,CRP 6(+),梅毒反応陽性,HBs抗体陽性であった。US,CTで,肝右葉に径7cmと4cmの中心部壊死を思わせる局在性病変を認め,肝膿瘍と診断。ドレナージ施行。膿汁の鏡検でEntamoeba histolyticaを確認。内視鏡検査にて腸管病変は確認し得なかったが,糞便の鏡検でも同様の原虫を認めた。このため metronidazole 1500mgを18日間,tinidazole 2000mgを11日間投与した結果自覚症状は消失し,白血球数も正常化し,CT上膿瘍腔の縮小化も認めた。現在は再発なく外来通院中である。近年アメーバ性肝膿瘍は男性同性愛者に多発すると報告されているが,本例では確認し得なかった。
著者
杉浦 むつみ 大前 由紀雄 池田 稔 中里 秀史 赤野間 百香
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.140-143, 2001-02-20

はじめに Ramsay Hunt症候群(以下,Hunt症候群と略)は,外耳道,耳介のへルペス疹に加え,同側の顔面神経麻痺とさらに内耳神経症状を認める症候群で,その原因は水痘帯状疱疹ウイルス(以下,VZVと略)の膝神経節における再活性化とされている1)。帯状疱疹におけるVZVの再活性化は,同一のあるいは隣接する神経根または神経節で起こり,その支配領域に臨床症状を呈することが多い。しかし,皮膚科領域からの報告では,異なる神経節においてウイルスの再活性化が同時に起こることが知られている。特に両側性に,かつ隣接しない神経節において帯状疱疹が出現するものは,複発性帯状疱疹として取り扱われている2)。 今回われわれは,耳介の帯状疱疹を伴わずに,反対側の体幹に帯状疱疹を同時に認めた顔面神経麻痺の症例を経験したので,その経過と病態に対する若干の考察を加えて報告する。
著者
林 ちか子 池田 瑞音 相澤 勝治 村井 文江 目崎 登
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.197-203, 2004-04-01
被引用文献数
3 2

The purpose of this study was to evaluate the change in dynamic and static balance ability during the menstrual cycle among young women. The subjects were young healthy women (n = 12, age 20.4 ± 1.2 years) with regular exercise and a normal menstrual cycle. The menstrual cycle was divided into 5 phases : Menstrual, Follicular, Ovulatory, Early luteal and Late luteal. Measurements were taken using the dynamic balance test, static balance test and looseness test. The dynamic balance test did not change during the menstrual cycle. Length/Time within the static balance test increased in the late luteal phase compared to other menstrual cycle phases. The deviation of the mean of X within the static balance test increased in the follicular and late luteal phase and decreased in the ovulatory phase. Also, the deviation of the mean of X increased in the follicular phase compared to the menstrual phase and decreased in the menstrual and early luteal phases compared to the follicular and ovulatory. Left arm upper of laxity in hand on the back test within looseness test increased in the menstrual and early luteal phases compared to other menstrual cycle phases. These results suggest that static balance ability changes during the menstrual cycle.
著者
大田 裕之 川村 和郎 福留 秀暢 田島 貢 岡部 堅一 池田 圭司 保坂 公彦 籾山 陽一 佐藤 成生 杉井 寿博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.139, pp.115-119, 2008-07-10
参考文献数
9

本論文では新しい歪み技術である不純物閉じ込め層(DCL)をNMOSに、2層のNiフルシリサイド(Ni-FUSI)をPMOSにそれぞれ用いたハイブリッドゲート構造について報告する。DCL技術はIEDM2007において我々が報告した歪印加効果が大きいストレス・メモリー(SMT)に属する手法である。2層Ni-FUISIはFLA(フラッシュ・ランプ・アニール)を用いてPMOSゲートのみに選択的に形成した。結果として、PMOSの実効酸化膜換算膜厚の薄膜化による飽和電流の向上、仕事関数差によるしきい値変動からRoll-off特性の向上が得られた。またNMOSに関してもFLAによる不純物の活性化、実効酸化膜換算膜厚の多少の薄膜化による飽和電流の向上、ハローの不活性化抑制によるRoll-off特性の向上が得られた。性能としては|V_d|=1.0VにおいてnMOSFET、pMOSFETで1255/759μA/μmが得られた。
著者
上石 勲 山口 悟 佐藤 篤司 兒玉 裕二 尾関 俊浩 阿部 幹雄 樋口 和生 安間 莊 竹内 由香里 町田 敬 諸橋 良 後藤 聡 輿水 達司 内山 高 川田 邦夫 飯田 肇 和泉 薫 花岡 正明 岩崎 和彦 中野 剛士 福田 光男 池田 慎二 会田 健太郎 勝島 隆史
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.507-512, 2007-07-15
参考文献数
1

2007年2月~4月にかけて4件の大きな雪崩事故が発生した.2007年2月14日には八甲田山系前岳で表層雪崩によってツアースキーヤーの2名が死亡,8名が負傷した.3月18日には,北海道積丹岳で,スノーモービルで走行中の人など16人が雪崩に巻き込まれ,4人が死亡,1人が重傷を負った.また,3月25日には,富士山富士宮口五合目付近でスラッシュ雪崩が発生し,建物と道路施設に被害を与えた.さらに4月18日には富山県立山雷鳥沢で山スキーヤーとスノーボーダーが表層雪崩に巻き込まれ,1名死亡,2名が負傷する事故が発生した.これらの雪崩事故調査から山岳地域では暖冬でも雪崩の危険性は低くないことが確認された.
著者
池田 光穂 Ikeda Mitsuho イケダ ミツホ
出版者
大阪大学COデザインセンター
雑誌
Co*Design (ISSN:24349593)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-17, 2020-08-31

軍事的インテリジェンスという用語は第二次大戦後に広く世界に膾炙するが、その起源はそれ以前の連合国ならびに枢軸国と呼ばれる国々ですでに1920年代末から始まっていた。本稿は、軍事的インテリジェンスと当時それらの地域で研究が本格化する民族学(文化人類学)との倫理的な関係について論じる。それらの関係は「協働」という言葉で表現することができ、(i)積極的協力、(ii)相反あるいは矛盾する協力、(iii)価値中立的関与、という3つの関係に整理できる。これらの関係性の検討のため、将来における具体的な研究課題として「ペーパークリップ作戦」(米軍によるナチ科学者のリクルートと戦争犯罪免責)と「オデッサ」(正体不明の戦犯ナチ移送支援組織)を紹介、分析する。戦争の苛烈な現実に我々が直面した際に「科学がもつ冷徹さ」と「道徳的かき乱し」との間の認識論的混乱を避けるために、この研究分野の倫理的-法的-社会的連累(ELSI)の検討が急務であることを指摘した。
著者
池田 幸弘
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.82-86, 2017 (Released:2020-02-22)
参考文献数
11

本研究では, 500字所収の複数(4種類)の漢字教材を比較した場合,500字のうち,何字ぐらいの漢字が共通して取り上げられているか調査を行った。その結果,355の漢字が4種の教材で共通して取り上げられていること,102の漢字が4種の教材のうち3種で共通して取り上げられていること,73の漢字が4種の教材のうち2種で共通して取り上げられていること,1種の教材のみで取り上げられている漢字が128あることがわかった。また、4種の教材で658の異なる漢字が取り上げられていた。この結果から,658の異なる漢字数における複数の教材で共通して取り上げられている漢字数という割合から見ると,その割合はそれほど高くないが,各教材の500字における他の教材と共通する漢字の数の割合という点から見ると,ある程度の共通性はあるのではないかということが示唆された。
著者
倉田 陽平 相 尚寿 真田 風 池田 拓生
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.459-460, 2015-03-17

Flickr等の写真共有サイトに投稿された旅行写真データは,観光行動分析や観光情報ツールの基盤として頻用されている.このような活用例が信頼に足るものであるためには,その前提として,各写真のタイムスタンプやジオタグが精確でなければならない.しかし我々の調査によれば,Flickr上の写真の2.7%に昼夜逆転レベルの大幅なタイムスタンプの誤りが見られた.そこで本研究では,タイムスタンプの誤差をもたらす要因について整理し,これをふまえて投稿写真群のタイムスタンプの信頼性を向上させる手法を開発した.本手法では,①カメラ内蔵時計およびGPSで計測されたタイムスタンプの相互比較,および②時間帯別投稿頻度を元にしたタイムゾーン設定の推定により,タイムスタンプを補正できるものは補正し,信頼度が低く補正も施しようのない写真についてはデータから排除する.これにより,昼夜逆転レベルの写真の割合を0.05%にまで減少させることができた

1 0 0 0 回顧録

著者
池田謙齋述 入澤達吉編
出版者
入沢達吉
巻号頁・発行日
1917
著者
宮良 広大 松元 秀次 上間 智博 廣川 琢也 野間 知一 池田 恵子 下堂薗 恵 川平 和美
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.90-97, 2015-04-20 (Released:2017-06-09)

【目的】脳卒中片麻痺下肢への全身振動刺激(Whole body vibration;以下,WBV)による痙縮抑制メカニズム解明のために,脊髄前角細胞の興奮性評価に用いられる誘発電位F波(以下,F波)を測定し検討した。【方法】対象は下肢痙縮を有する脳卒中片麻痺患者10名。WBV実施姿勢は股関節90°屈曲位,膝関節伸展位0°で長座位とした。WBVは下腿三頭筋とハムストリングスを中心に,周波数30Hz,振幅4〜8mmの条件で5分間実施した。WBV前後にModified Ashworth Scale(以下,MAS)とF波,足関節自動および他動関節可動域,10m歩行テストを測定した。【結果】MASは有意に低下し,足関節自動背屈角度と他動関節可動域,歩行能力が有意に改善した。さらにF波振幅で低下傾向,F/M比で有意な低下を認めた。【結論】WBVによる痙縮抑制メカニズムとして脊髄前角細胞の興奮性低下の関与が示唆された。
著者
吉野 博 中村 安季 池田 耕一 野崎 淳夫 角田 和彦 北條 祥子 天野 健太郎 石川 哲
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.74, no.641, pp.803-809, 2009-07-30 (Released:2010-01-18)
参考文献数
15
被引用文献数
4 3

In order to make clear the relationship the chemical substances concentration and symptom of sick house syndrome, an investigation of 62 houses in Japan has been done for 9 years. The results showed that the indoor air of many sick houses was polluted with high carbonyl compounds and Volatile Organic Compounds (VOC) concentrations exceeded the criterions of Japan Standard. In addition, high concentration was found not only in the houses which were just built or renovated, but also in the houses with well-air-tightened and low air change rate.