著者
渡辺 隆行 田中 学
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.907-911, 2018-12-10 (Released:2019-09-26)
参考文献数
13

水プラズマは水を原料とする熱プラズマであり,H,O,OHラジカルが高温領域に多く存在するため,有機物の分解時にH2を豊富に含んだガスを回収することができる.水プラズマは冷却水による電極からの外部への熱損失がなくなるため,90%以上の熱効率が得られること,ガスボンベなどの外部からの作動ガスの供給が不要であるという特長を生かして,車載型の水プラズマ発生システムが開発された.我々は,高速度カメラにバンドパスフィルタ光学系を組み合わせた計測システムを用いて,これらの水プラズマのアーク変動現象や温度分布を計測し,廃棄物処理へ応用するための水プラズマの特性を明らかにした.
著者
佐々木 康子 渡辺 隆幸
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
秋田県総合食品研究センター報告 = Bulletin of the Akita Research Institute of Food and Brewing (ISSN:21856699)
巻号頁・発行日
no.20, pp.37-42, 2018-12

本研究では、市販のいぶりがっこの成分分析を行うことにより成分の特性を明らかにした。また、製造工程における「燻り」の工程の解明のため、熱風乾燥モデル試験を行い、ダイコン重量の変化と乾燥時間について検討した。その結果、同一温度におけるダイコン重量の減少割合は一定であり、乾燥温度が下がるほど乾燥効率が下がることが分かった。
著者
河原 英雄 石坂 芳男 油井 香代子 秋元 秀俊 山形 徳光 夏見 良宏 増田 純一 上濱 正 Henry H Takei Perry R Klokkevold 林 崇民 Anthony Rowley 河津 寬 渡辺 隆史
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.249-258, 2015

ディスカッションに先立って河原先生は,多くの患者に生き甲斐のある暮らしを提供することを目的に,「嚙むことの大切さ」を掲げ,治療時には特に義歯の新製を行わず義歯を調節する,それも和食を箸にて食べる文化を尊重し, Balanced occulusion で前歯で咬める咬合を付与すると説明した.調整前後のビデオでは義歯が調整されるだけで,患 者の人としての行動に改善が見られ,目が開き,話し,笑い,歩き,歌を唄った.エビデンスは確立していないが咬合の回復によって運動能力の活性化や認知症の改善をもたらす.「転ばぬ先の杖」元気なうちに義歯を作りそれをうまく使いこなすことが大切であると説明.まさに歯科医療は暮らしを支える医療となったと提言された.増田先生から長寿社会を生き抜くためには,まず「健口」な子どもの口腔を作る必要があることが説明された.具体的には,3 歳までに咬合の基本と土台を習得し,う蝕はゼロ,4 ~5 歳までこれを維持,第一大臼歯の萌出が始まったら,3 ~4 年間う蝕に罹患させない.そして,下顎位を完成させる.その後1 年くらいで側方歯が萌出して永久歯に生え変わり,12 歳でう蝕なしを達成する.このようにして,健全な永久歯と咬み合わせを持った「健口」な状態で人生の旅立ちができるようになると提唱. それらの説明を受けて上濱理事長は「口の健康が元気に生きる源である.嚙んで食べて消化吸収して,元気な体を作ることは生涯の宝である」とし,前述の二方の先生の話を生理学的根拠からまとめた.的確な咀嚼で刺激が脳に伝えられ,脳血流も増加する.また,唾液とよく混和された食物は適切に消化管で分解・吸収され,全身の源となる.子どもに対しては,母乳で育て,正しい方法・バランスで離乳食を食べさせ,しっかり嚙ませてう蝕にしないこと.幼児期に自然の味覚を覚えることも生涯において宝である.成人期は口腔内の疾患を早期に治療し,よく嚙ませる.高齢期は残存歯を維持する,口腔を清潔にする,入れ歯でよく嚙める環境を維持する.これによって健康な頭と体を取り戻す.たとえ脳血管障害,認知症などの患者でも,徐々に嚙み応えのある食事を応用した「食事による総義歯リハビリテーション」を行おうと提言した. これらの学会活動は学会内・外問わず注目され,メディアからの取材をはじめ外人記者クラブによる記者会見は記憶に新しい.今回のディスカッションではこれらの講演を元に変わりゆく日本の歯科医療について語っていただいた.
著者
渡辺 隆司
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-13, 2007 (Released:2007-01-31)
参考文献数
92
被引用文献数
13 9

バイオリファイナリーとは,バイオマスから燃料,エネルギー源,化学品を化学産業,エネルギー産業として体系的に生産することであり,20世紀に発達した石油化学工業を,根本的に変える新しいコンセプトである。原料となるバイオマスは,植物の光合成による二酸化炭素の固定化によって作られるため,地球温暖化と資源枯渇問題の切り札になると期待されている。近年,バイオマス由来のエタノールやその他の有用化学品の生産に関する研究が急展開しており,米国エネルギー省(DOE)ではバイオリファイナリーの核となる基幹化合物(プラットフォーム化学品)を12種選定し,新しい化学産業の創成に向けた研究開発が活発に行われている。ここでは,バイオリファイナリーのプラットフォーム創成に向けた動きと,リグノセルロース変換のための白色腐朽菌を利用した生物的前処理法を紹介する。
著者
渡辺 隆 岩上 直幹 小川 利紘 中村 正年 Takashi WATANABE Naomoto IWAGAMI Toshihiro OGAWA Masatoshi NAKAMURA
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
no.69, pp.111-115, 1980-03

冬期高緯度において,中間圏オゾンのロケット観測を太陽吸光法を用いて行った.得られた高度分布は,典型的な中緯度の値にくらべて著しく小さい.
著者
渡辺 隆幸
出版者
秋田県総合食品研究センター
巻号頁・発行日
no.12, pp.33-46, 2010 (Released:2012-12-06)
著者
高橋 砂織 渡辺 隆幸 畠 恵司
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
秋田県総合食品研究センター報告 (ISSN:21856699)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-16,図巻頭1枚, 2014

秋田県では大豆や小豆の栽培が盛んである。その中で秋田県の在来種である「てんこ小豆」は、秋田市雄和地区で古くから栽培され同地区や秋田県内で小豆の代わりに赤飯に多用されている。てんこ小豆は、黒ささげの秋田での名称であり、小粒で黒大豆様の形態をしている。てんこ小豆で作った赤飯は、小豆の赤飯に比べはるかに濃い赤褐色の着色があり、且つ風味が豊である。てんこ小豆は生産量が少ないこと、単価が高いことなどからその消費は伸び悩んでいる。また、てんこ小豆の機能性に関する研究は皆無である。そこで本研究では、血圧調節系として最も解析が進んでいるレニン・アンギオテンシン系(RAS)に注目して、RASの重要な構成要素であるレニン、アンギオテンシン変換酵素(ACE)やキマーゼを標的酵素として、てんこ小豆抽出液の阻害活性について検討した。さらに、培養細胞系を駆使して脂質代謝改善効果作用も併せて検討することで、てんこ小豆の機能性素材としての可能性を探った。てんこ小豆の機能性が明らかになることで、秋田県内での作付け拡大と消費拡大が期待される。
著者
石川 匡子 内田 詩乃 佐藤 春香 伊藤 俊彦 渡辺 隆幸
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.308-316, 2016 (Released:2017-09-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2

市販魚醤を用い,品質ならびに呈味評価を行った.魚介類と食塩のみで製造する場合は,魚介類自体のタンパク質の自己消化のみで分解するため,長期熟成が必要であり,微生物繁殖抑制のため塩分濃度が高めに設定されていたが,遊離アミノ酸総量やグルタミン酸量も多いという特徴があった.魚介類に食塩と麹を添加する方法では,短期熟成が可能であり,塩分濃度が低く,麹により甘くクセが抑えられた香りという特徴があった.魚種や製法の違いは,アミノ酸量や有機酸量にも反映された.特に,グルタミン酸,アラニン,乳酸量は魚醤のうま味や甘味,酸味の強さとなって現れた.これらの味質は,お吸い物に用いた際に,まろやかさや好ましさに影響しており,魚醤の味質に合わせた最適添加量を求める必要性が示唆された.
著者
渡辺 隆行 茂田 正哉
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

プラズマ中に豊富に存在するOHラジカル,酸素ラジカル,水素ラジカルを用いた廃棄物分解システムを開発した。このシステムは直流放電にて水のみから成る熱プラズマを用いて,有機系物質を分解するシステムである。排水処理を目的としたフェノール水溶液の分解,および難水溶性物質の1-デカノールをエマルションとした分解実験を行った。これらのプロセスは1万℃のプラズマ中における分解プロセス,1千℃程度における副生成物の再合成プロセスの反応機構に分けられる。有機物は水プラズマ中で迅速に分解されるが,その中間物質としてCHラジカルとCH3ラジカルの生成を確認し,これらが副生成物発生に重要な役割を果たすと考えられる。
著者
河西 正興 渡辺 隆夫
出版者
The Ecological Society of Japan
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.279-283, 1977-12-30 (Released:2017-04-11)

The two sibling Drosophila species, D. simulans and D. melanogaster, are believed to coexist in nature sharing food and space. However, D. simulans prefers a semi-natural environment while D. melanogaster lives near human habitation. A weak seasonal isolation was observed between the two species, i.e., a unimodal population distribution peaking in August was found for D. melanogaster while a bimodal population distribution peaking in July and September was found for D. simulans.
著者
姫野 賢治 渡辺 隆 丸山 暉彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.378, pp.269-278, 1987-02-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
38
被引用文献数
1 7

A new framework for the prediction of fatigue failure life of asphalt pavements was presented. The new fatigue failure criterion based on energy dissipation theory, which was verified to be valid for wide range of mix stiffness modulus, was combined with the theoretical temperature estimation method. Traffic and environmental effects were incorporated into the new prediction system as probabilistic variables. In this system, the fatigue failure is assumed to take place at both top and bottom surfaces of the mix slab. With the method, an attempt was made to predict the fatigue failure lives for some routes of national highways in Japan, showing reasonable agreement between the predictions and the observations.
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
渡辺 隆行 大城 貞次 守田 昌美 八木 敦子 今井 厚 寺島 茂 高野 靖悟
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.104, 2009

〈はじめに〉わが国のHelicobacter pylori(以下H. ピロ<BR>リ)感染者は推定5,000万人とも言われている。H. ピロリ<BR>は胃炎や胃十二指腸潰瘍の主な原因として,さらに胃癌と<BR>の関わりも注目されている。当院では2005年よりH. ピロ<BR>リ感染診断と除菌判定法の検査として尿素呼気試験,2008<BR>年4月より尿中H. ピロリ抗体検査を行っている。尿素呼<BR>気試験は非侵襲的,簡便で感度,特異度ともに高く,尿素<BR>呼気試験陰性の場合は除菌成功の信頼性は高い。<BR>〈目的〉H. ピロリ検査の現状を把握し,スクリーニング<BR>検査として人間ドックに新規検査項目としての導入効果が<BR>あるか検討した。<BR>〈方法〉2008年2月から2009年1月までの1年間における<BR>尿素呼気試験440件の陽性率,年代別検査依頼数と陽性<BR>率,尿中H. ピロリ抗体の陽性率と尿素呼気試験陽性患者<BR>の除菌治療後の除菌成功率について検討した。<BR>〈結果〉尿素呼気試験陽性率は27%であった。年代別検査<BR>依頼数と陽性率を比較すると,30代では42件で38%,40代<BR>では66件で23%,50代では105件で23%,60代では151件で<BR>26%,70代では58件で33%,80代以上では14件で29%で<BR>あった。尿中H. ピロリ抗体の陽性率は58%であった。陽<BR>性患者の除菌治療後の除菌成功率は85%であった。<BR>〈考察〉尿素呼気試験陽性患者の除菌治療後の除菌失敗率<BR>は15%であった。薬剤耐性菌の存在も確認されたとの報告<BR>もあり,1回の除菌だけでは効果がない場合も考えられ<BR>る。尿素呼気試験と尿中H. ピロリ抗体との陽性率の比較<BR>では,尿素呼気試験の陽性率が低くなったことからも,今<BR>後,人間ドックのスクリーニング検査としては,検体採取<BR>が容易で迅速に結果報告が可能な尿中H. ピロリ抗体を行<BR>い,除菌後は尿素呼気試験でH. ピロリの有無を評価する<BR>方法を提案していきたい。<BR>
著者
田中 方士 渡辺 隆 宮内 義浩 伊良部 徳次 村上 信乃
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.105-107, 1994-02-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
8

慢性腎不全で内シャントによる血液透析を受けている356例571手術につき, そのシャント閉塞の危険因子につき検討を行った. 検討した因子は, 手術時年齢, 性別, 原疾患, Ht値である.全体での5年開存率は68%, 10年では57%であった. 性別, Ht値は, シャント開存に関係なかったが, 原疾患 (糖尿病), 手術時年齢はシャント開存に影響を与えた.