著者
渡邊洋一
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要(人文科学)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, 2002-02-15
著者
熊谷 亮平 稲坂 晃義 濱 定史 渡邊 史郎
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.23-34, 2017

木密地域である神楽坂地域では,既存木造建築の改修・用途変更による商業店舗が増加し,来街者の多い住商混在エリアを形成している。これらのリノベーションは建物や環境を維持しながらエリアの活性化に資する可能性を持っている。本研究では特に近年この傾向が顕著な神楽坂上を対象としてエリア特性や建物属性を把握し,その分布や集積の実態を明らかにした。用途変更を含めた木造建築の活発な更新実態,花街エリアである神楽坂下との地域的差異,改修工事における課題や施工方法・体制の一端を示した。また比較対象として木密地域のリノベーションが活発な大阪の中崎町・空堀地区などの分析を行い,用途や分布の傾向などを考察した。
著者
渡邊 芳之 瀧本 孝雄 サトウ タツヤ 田中 信市
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
pp.28.1.11, (Released:2019-06-18)

日本パーソナリティ心理学会(旧・日本性格心理学会)初代理事長で本学会名誉会員でもある詫摩武俊先生のご逝去については,パーソナリティ研究第27巻1号の訃報でお知らせしたとおりです。訃報記事で予告しましたように,本号では詫摩先生にゆかりのある3人の本学会会員から寄稿を得て追悼特集とし,会員の皆さまとともに詫摩先生を偲びたいと考えます(渡邊芳之)。
著者
山岡 明子 阿部 弘 渡邊 庸平 角田 文彦 梅林 宏明 稲垣 徹史 虻川 大樹 柳田 紀之 箕浦 貴則 森川 みき 近藤 直実 三浦 克志
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.801-809, 2011
被引用文献数
10

【目的】アレルギー疾患を有する小児が東日本大震災によってどのような影響を受けたかを調査し,今後の対応を検討する.<br> 【対象と方法】対象は,宮城県立こども病院総合診療科,仙台医療センター小児科,森川小児科アレルギー科を定期受診した402名のアレルギー疾患の小児の保護者.口頭で同意を得た後,外来の待ち時間にアンケート記入を行い,診察時に回収した.<br> 【結果】困った事で最も多かった回答は,それぞれ,気管支喘息では「停電のため電動式吸入器が使用できなかった」,アトピー性皮膚炎では「入浴できず湿疹が悪化した」,食物アレルギーでは「アレルギー用ミルクやアレルギー対応食品を手に入れるのが大変だった」であった.<br> 【まとめ】大震災に対する今後の対応として,気管支喘息では停電の時でも吸入できるような吸入薬や吸入器の備え,アトピー性皮膚炎では入浴できない時のスキンケアの指導,食物アレルギーではアレルギー用ミルクを含めたアレルギー対応食品の備蓄や避難所などの公的機関で食物アレルギーへの理解を深める啓蒙活動が必要と考えた.<br>
著者
岩下 功平 三宮 克彦 徳永 誠 渡邊 進 野口 大助 中薗 寿人 當利 賢一 當利 綾 大迫 健次 松本 彬 田中 昭成 中井 友里亜
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Bb1192, 2012

【はじめに】 当院における脳卒中片麻痺患者のクリティカルパスは、入院時のFunctional independence measure(以下FIM)を基に、A~Eの5コースに分類している。各コースはそれぞれアウトカム設定が異なり、A、B、Cコースでは退院時移動手段を歩行獲得に設定している。今回、その中でも歩行獲得困難なCコース(入院時FIM70~89点)に関して、退院時の身体機能から歩行獲得に影響を及ぼしている要因を分析したので報告する。【方法】 対象は、当院の回復期リハビリテーション病棟に入棟した初発の脳卒中片麻痺患者でCコースに該当する79例とした。退院時の実用移動手段が歩行であったものを歩行群、歩行以外であったものを非歩行群に分類した。調査項目は、年齢、性別、退院時Fugl-Meyer Physical Performance Scale(以下FM)とした。FMにおいては、股・膝・足関節の随意運動、下肢の協調性・スピード、バランス、感覚、関節可動域、疼痛の6項目のそれぞれの合計点を用いた。FMの評価尺度は、各小項目が3段階で点数化されており、点数が高いほど正常に近いことを意味する。各項目を歩行群と非歩行群の2群間でMann-WhitneyのU検定及びカイ二乗検定を用いて検討した(P<0.05)。次に歩行群と非歩行群の間で有意差のあった項目を独立変数とし、退院時実用歩行の可否を目的変数としてロジスティック回帰分析(Stepwise)を行った。【説明と同意】 当院の倫理委員会の規定に従って承認を得て実施した。【結果】 年齢、性別において、歩行群は、平均年齢66.5±14.2歳、男性45名女性14名、非歩行群は、平均年齢69.4±12.6歳、男性11名女性9名であり、2群間で有意差は認めなかった。FMは、股・膝・足関節の随意運動(歩行群中央27点最大32点最小11点、非歩行群中央17点最大28点最小8点)、下肢の協調性・スピード(歩行群中央6点最大6点最小2点、非歩行群中央4.5点最大6点最小2点)、バランス(歩行群中央12点最大14点最小6点、非歩行群中央8.5点最大11点最小4点)、感覚(歩行群中央20点最大24点最小8点、非歩行群中央13.5点最大24点最小2点)、関節可動域(歩行群中央44点最大44点最小20点、非歩行群中央41点最大44点最小30点)、疼痛(歩行群中央44点最大44点最小20点、非歩行群中央41.5点最大44点最小38点)の全ての項目で歩行群が有意に高かった(P<0.05)。ロジスティック回帰分析においては、FMバランス(p=0.0051、95%信頼区間1.31-3.82、オッズ比2.10)、感覚(p=0.0071、95%信頼区間1.10-1.63オッズ比1.30)が歩行獲得に有意な関連性があった。【考察】 脳卒中片麻痺患者の歩行獲得の要因は、年齢、性別、発症部位、発症から入院までの期間、麻痺側、在院日数、随意運動、感覚障害、高次脳機能障害、認知機能、バランス機能など多様な報告がある。しかし、歩行獲得に関連する諸因子を抽出することは、その病態の多様性から容易でない。本研究においては、入院時FIMが70~89点の脳卒中片麻痺患者に限定しており、歩行群と非歩行群の年齢、性別において有意差を認めず、影響はない。FMは、股・膝・足関節の随意運動、下肢の協調性・スピード、バランス、感覚、関節可動域、疼痛の全項目で有意に点数が高く、身体機能全般において歩行群の能力が高いことがわかった。また、ロジスティック回帰分析により、歩行獲得にはFMのバランス、感覚との関連が高く、歩行獲得に重要な要因であることが示唆された。望月やBohannonらは、脳卒中片麻痺患者の立位バランスが歩行能力に深く関与していると述べており、本研究においてもバランスが歩行獲得に関連する結果となった。しかし、バランス項目の詳細な内容やその他のバランス評価との関連性については言及できず、今後さらに検討していく必要があると考える。歩行獲得と感覚の関連性においては、諸家の意見は様々であった。臨床の現場においても重度の感覚障害患者は歩行獲得に難渋する印象にあるが、推測の域のため今後、詳細に検討していく必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】 FMは標準化された脳卒中患者の身体機能評価として世界的に使用されており、その評価を用いて歩行獲得に関与する要因を検討することは重要と考える。また、今回の研究においては、入院時FIM70~89点で歩行予後が判断しにくい症例が、歩行獲得を目指す上でFMのバランスと感覚が1つの指標となる可能性がある。
著者
新井 沙也加 横川 実加 小島 聖 中屋 順子 渡邊 晶規
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】ハイヒールを着用した歩行では足関節底屈位が強制されることから,下肢関節への悪影響が懸念される。この影響について,これまで重心動揺や姿勢との関連を検討した報告が散見される。しかし,裸足とハイヒール着用での歩行における角速度の相異については不明な点が多い。そこで今回,裸足とハイヒール着用での歩行について,膝関節の角速度の変化を明らかにすることを目的に本研究を実施した。【方法】対象は下肢に整形外科的な既往のない健常女性8名(平均年齢21±2.1歳,平均身長158.8±6.7cm,平均体重49.2±5.3kg)とした。すべての被験者は,日常生活にてハイヒールを愛用しており,それを着用した歩行に十分慣れている被験者に限定した。また,ハイヒールは被験者が履きなれたものとし,足長に対して40~45%のヒール高を本研究で用いた。角速度の測定は,3軸ジャイロセンサ(MP-G3-01B,MicroStone社製)を用いた。センサの装着部位は右下腿の脛骨粗面下1横指に貼付し,動作中の筋収縮によってセンサが動かないことを確認した。X軸上の運動は膝の屈曲(+)・伸展(-),Y軸上の運動は下腿の内旋(+)・外旋(-),Z軸上の運動は膝の内反(+)・外反(-)に一致するように設置した。センサは疼痛のない範囲でビニールテープを用いて強固に固定した。サンプリング周波数は10msにて導出した。センサからの出力は信号処理ボックスを介してパーソナルコンピューター(dynabook T350,TOSHIBA社製)に取り込み,専用データ解析ソフトにて解析した。歩行の測定は,初めに裸足歩行,次にハイヒール歩行を実施した。歩行速度は被験者の快適スピードとし,加速と減速の影響を排除するため最初の4歩行周期を除外した5,6,7歩行周期の立脚期を抽出してデータ解析に使用した。1歩行周期の時間が被験者により異なるため,各被験者の歩行周期を時間で正規化した。なお,被験者は測定中のセンサ装着状況に慣れる必要があり,通常の歩行に可能な限り近似するよう測定前には十分練習を行った。また,測定中にバランスを崩した際には再度測定を行った。各方向への角速度からピーク値を算出し,それぞれ裸足歩行と比較した。統計学的手法としては,統計ソフトR(Ver.2.15.1)を用いピーク値の群間比較に対応のあるt検定を行った。危険率5%未満で有意差の判定を行った。【結果】膝の屈曲・伸展および内反・外反における角速度の変化については,裸足歩行とハイヒール歩行は概ね同様の波形を示した。しかし膝の内旋・外旋角速度は裸足歩行に比してハイヒール歩行の方が内旋角速度が減少しピーク値は有意に低値であった(p<0.05)。その他については有意差は認められなかったものの,いずれにおいても裸足歩行に比してハイヒール歩行は低値を示す傾向が認められた。【考察】ハイヒールを着用した歩行では,動作中に足関節底屈位を強制されることから,膝関節の伸展可動域が減少すると考えられている。本研究の結果で得られた膝内旋角速度の減少は,膝関節の伸展可動域減少に追随する終末強制回旋運動の不足が生じ,結果として角速度が減少したものと考えられる。すなわち,ハイヒールによる不安定さを可動域を減少させることにより担保しているものと推察される。【理学療法学研究としての意義】履物による足関節への影響は種々の報告があるものの,膝関節への影響については不明な点が多い。今回,膝関節の角速度について検討し,履物が身体に与える影響を明らかにした点で意義がある。
著者
津田一磨 鈴木秀和 旭健作 渡邊晃
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.405-406, 2014-03-11

Bluetoothに代表される近距離無線通信技術の発達により,ホームオートメーションの普及が期待されている.今後,宅内にある近距離無線通信機器を外出先から操作したいという要求が高まると考えられる.しかし,このような機器には通信可能範囲に制限があり,外出先から直接操作することができない.筆者らは,Bluetooth機器のハードウェアとソフトウェアの間で交換されるコマンド等をインターネット経由で転送することにより,遠隔地のBluetooth機器へ接続する手法を提案している.この手法によると,ユーザはBluetooth機器の位置を意識することなく,一般のBluetoothアプリケーションを用いてシームレスに接続することができる.本稿では,提案手法をLinux PCへ実装し,動作検証を行った結果を報告する.外出先の操作端末が遠隔地にあるBluetooth機器の検出が可能であることを確認した.
著者
橘 雅明 渡邊 寛明 伊藤 一幸
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.235-241, 2002
被引用文献数
3

ヨーロッパ原産の帰化雑草ハルザキヤマガラシ (<i>Barbarea vulgaris</i> R. Br.) の東北地域における発生実態について, 農業改良普及センターを対象としたアンケート調査および観察調査を実施した。1993年と1996年のアンケート調査では, 東北全県からあわせて29件の発生確認の回答があった。2001年に実施した観察調査においても全ての県で発生が確認されたことから, 東北地域において本種が広く分布し, 定着していることが明らかとなった。特に発生数の多い地域は, 青森平野, 秋田県横手盆地, 岩手県北上盆地, 雫石盆地, 遠野盆地であった。<br>ハルザキヤマガラシの発生が多かった秋田県横手盆地の仙北地域では, 1994年と比べて2001年には高密度で発生している地点数は減少したが, 発生地点数は増加し, 分布は拡大していた。ハルザキヤマガラシの種子は2年間の水中貯蔵後も3割程度が生存し, 発芽力を有することが明らかとなった。また, 河川周辺および用排水路周辺の水田畦畔・道路端に発生が多く, 河川の中州や用水整備などで畦畔に上げられた用排水路の底土において発生が確認された。これらのことから, 河川や用排水路がハルザキヤマガラシの拡散経路の一つであると考えられた。
著者
田村 慎司 田村 由美子 鈴岡 宣孝 大岡 恵 長谷川 孝寿 内田 和幸 渡邊 洋平 朝長 啓造
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.49-52, 2006 (Released:2007-11-14)
参考文献数
14

急性の脳幹・辺縁系症状を呈した猫が,各種検査で広範な脳炎と診断された。安楽死後,通常の病理組織学的検査により,MRIで炎症像が認められた部位に一致したクリプトコッカス脳炎と診断された。血清中の抗ボルナ病ウイルス(BDV)抗体が陽性だったため,脳組織を免疫染色したところ,MRIおよびH&E染色による病理組織学的検査でともに異常が認められなかった小脳・橋・延髄の神経細胞内に免疫染色でBDV抗原が検出され,BDV感染が確認された。
著者
舘 和彦 小川 宣子 下山田 真 渡邊 乾二 加藤 宏治
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.456-462, 2004-09-15
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

乾熱卵白を生中華麺に添加した時の影響について力学物性値の測定と官能試験の結果より評価した.また走査型電子顕微鏡を用いて中華麺の表面および断面構造を解析することにより,以下の結論を得た.<br>(1) 中華麺に乾熱卵白を添加することで茹で伸びを抑制し,破断応力,瞬間弾性率は上昇し,硬さおよび弾力性に改善が見られた.さらに付着性の低下より舌触りが良くなること,引っ張り時の歪率の上昇から伸長が良く切れにくくなっていることが推測された.<br>(2) 官能試験の結果より,乾熱卵白を添加した中華麺は噛みごたえ,弾力性,つるみ感,伸長度において無添加麺や乾燥卵白を添加した麺よりも良い評価となり,且つ高い嗜好性を示した.<br>(3) 走査型電子顕微鏡による観察結果より,乾熱卵白を添加した麺の表面構造は,無添加麺や乾燥卵白を添加した麺と比較して隙間が狭く,滑らかであった.また乾熱卵白を添加した麺の断面構造も,蛋白質によって構成される網目構造が細かく,密であった.
著者
渡邊 栄治 尾関 孝史 小濱 剛
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.41-44, 2014

面接においては,回答内容だけでなく,受験者の動作(視線,顔の動きなど)が面接官の評価に大きな影響を及ぼすことがある.また,面接官の評価は面接官の動作として表出され,受験者にフィードバックされるなど,両者による動作の間にはインタラクションが生じる.本報告では,模擬面接における受験者による動作を分析した結果について報告する.具体的には,受験者の動作と面接官による評価との関係について検討する.
著者
三沢 大介 大島 慶太 渡邊 真 浅井 幹一 井野 晶夫 上田 真努香
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.1393-1395, 2005-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

2年3カ月間に経験した横紋筋融解症11例について検討した. 7例が冬期に発症し, 65歳以上の高齢者が7例を占めた.症状は意識障害,食欲低下など非定型的なものが多く,筋痛,筋力低下を訴える例は少なかった.原因および誘因は長時間の体動不能による筋圧迫5例, A型インフルエンザ1例,感染性腸炎1例,熱中症1例,悪性症候群1例,テオフィリン製剤の多量内服1例などが推測された.合併症として腎不全,血管障害,肺炎が多く見られた.当内科入院患者における横紋筋融解症(以下RM)の臨床的特徴について検討した.
著者
二宮 仁志 渡邊 法美
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_93-I_102, 2011

現在,地方公共事業においては,一般競争入札の適用範囲の拡大を進めるとともに,簡易な総合評価方式など,各自治体に実情に応じた入札制度の導入・適応が模索されている.価格競争入札では,応札者の多くが最低制限価格狙いで応札し,くじ引きくじ引きで受注者が決定される工事が頻出するなど,受注社側の品質確保・確実な施工への懸念が高まっている.総合評価方式は,品質確保やダンピング防止等の効果が期待される一方,取引コストの増大は避けがたく,総合評価方式が建築業の中長期経営に及ぼす影響について必ずしも十分に議論されているとは言い難い.本稿は,地方公共団体における「くじ引き」と「総合評価方式」が建築業経営に与える影響・メカニズムについて分析し,その特性と可能性について考察することを目的とする.先行研究において開発した入札・契約・経営シミュレーションモデル(SUMM)を発展させた新たなモデルを構築し,くじ引き入札と総合評価方式について比較分析した.また,地方建築業の健全な経営環境を"正直者"の業者による競争としてモデリングし,入札・契約制度改革の将来像をイメージ・議論する材料の提案を試みた.
著者
大沼 俊博 藤本 将志 赤松 圭介 渡邊 裕文 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.15-23, 2012 (Released:2012-12-27)
参考文献数
7
被引用文献数
1

In clinical practice, sensory tests are performed for patients with a disorder to establish a diagnosis or verify a hypothesis concerning sensory impairment. The hypothesis is set up by the therapist through observational assessment and a graphic display of movements based on a top-down approach. This paper discusses sensory testing based on a top-down approach by presenting effective clinical methods to identify sensory impairments.
著者
渡辺 恵三 中村 太士 加村 邦茂 山田 浩之 渡邊 康玄 土屋 進
出版者
Ecology and Civil Engineering Society
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.133-146, 2001-12-27 (Released:2009-05-22)
参考文献数
55
被引用文献数
24 21

本研究では河川構造の空間スケールの階層性および関連性に着目し,河川改修が底生魚類の分布よび生息環境におよぼす影響を明らかにすることを目的とした.調査は,1998年9月から1999年9月までの1年間,石狩川水系真駒内川において施設整備の異なる約2km区間を河道区間スケール(護岸区間,自然区間,流路工区間)として設定し,各区間を通過する物質量を測定した.さらに各河道区間内において瀬と淵を流路単位スケールとして設定し,各流路単位における底生魚類と生息環境の関係の解析をおこなった.ハナカジカの生息密度は,自然区間,護岸区間に比べて流路工区間で著しく低かった.しかし,フクドジョウの生息密度は河道区間による差はみられなかった。パナカジカの生息密度が低かった流路工区間では自然区間,護岸区間と比較して河床の特性に違いが認められ,特に小粒径砂礫が多く,浮き石が少なかった.また,ハナカジカの生息密度は,巨礫と浮き石の割合に強い正の相関が認められた.このことから,流路工区間で生息密度が低かったのは,生息環境や産卵環境および避難場所として利用可能な巨礫や浮き石の減少によるものと考えられた.流路工区間の瀬において巨礫や浮き石の割合が自然区間および護岸区間に比べて低かったのは,河道区間スケールの影響として増水時における掃流力の低下にともなう小粒径砂礫の堆積および河床が動きづらくなったことすなわち攪乱が起こりにくくなったことが考えられた.さらに,流路単位スケールにおいては,平水時における微細粒子の被覆・堆積によるものと考えられた.このように,河道区間スケールおよび流路単位スケールの階層性のある各空間スケールに関連した要因によって,ハナカジカの主な生息場所である瀬の河床材料およびその状態が改変した結果,流路工区間においてハナカジカの生息密度は低かったと考えられる。
著者
渡邊 光一 Koichi WATANABE
巻号頁・発行日
no.3, pp.A167-A180, 1996-12-20