著者
岩柳 智之 中村 文彦 田中 伸治 三浦 詩乃 有吉 亮
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.A_223-A_229, 2017

<p>2011 年 3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震により、千葉県浦安市では液状化現象が発生し、交通障害や断水の被害が生じ、応急給水活動が行われた。本研究では浦安市での応急給水活動に着目し、最短経路探索を用いて水の運搬による身体的負担について評価し、また給水支援が不足した場合の備えを給水の待ち行列計算から推定した。その結果、前者について現況では全体として運搬時間 6 分以上の無理な負担が存在し、対策として耐震化した受水槽等の整備により運搬時間 10 分以上の過大な負担が大きく減少することが明らかになった。後者について 8000 人程度の断水人口を受け持つ応急給水拠点では給水車が不在となる時間や給水所開設時間内に水を受け取れない人が発生し、これを避けるには 1L/人・日の備蓄が必要であることが明らかになった。</p>
著者
十川貴行 小松怜史 田中伸介
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2018(神戸)
巻号頁・発行日
2018-06-20

コンクリート床版上面の表層品質が防水層との一体性に及ぼす影響を検討するために,打込み面の養生期間および表面研磨の有無の条件が異なる試験体を製作し,建研式引張試験,せん断疲労試験,膨れ抵抗性試験を実施した。表層品質はシングルチャンバー法によって評価した。その結果,打込み面のごく表層の品質が防水層とのせん断疲労抵抗性に大きく影響することが分かり,建研式引張試験で現行の引張接着強度の基準を満足するだけでは,防水層とのせん断疲労抵抗性を適切に評価できないことが分かった。また,防水層の膨れ抵抗性評価には表層品質を適切に考慮する必要性が示された。
著者
奥 万寿男 Kim Jin-Yong 田中 伸一
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.844, pp.135-150, 2003-03-31
被引用文献数
3

「CD」と「DVD」に続く直径12cmの光ディスクが2003年にいよいよ船出する。HDTV映像を2時間以上録画できる録画機を当初の主なアプリケーションに定め,普及に向けた土台を築く。HDTV画質の映画などを収めたパッケージ媒体も実現可能になる。本誌ではこの次世代光ディスク技術を不定期連載で詳説する。その第1回となる今回は「Blu-ray Disc」規格が生まれた理由と技術の総覧を試みる。
著者
長沼 毅 山崎 敬人 平賀 博之 丸本 浩 沓脱 侑記 岡本 英治 小茂田 聖士 山下 雅文 柏原 林造 田中 伸也 林 靖弘
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.39, pp.291-296, 2010

本研究では, 地球外生命という未知の課題を解決するために, 理科で学習した内容や既知の学問を活用して, 「クリティカルシンキング」の手法を使いながら, もっとも確からしい答えに辿り着くための体験を生徒に講義し, それを通して, どのような思考の展開が必要となるかを伝える方法を研究した。ここでいう「クリティカルシンキング」とは, 「適切な基準や根拠に基づき, 論理的で偏りのない思考をする」, 「よりよい解決に向けて複眼的に思考し, より深く考えること」を意図している。具体的には, 「地球外生命探査」をテーマとして, 科学者が学問を探究していく上で, どのように思考し, その思考を発展させ, どのように証明していくか, そうした思考の過程を授業の対象として盛り込むことで, 科学者の思考を生徒に追体験させることを意図した高大連携の授業を構築することができた。この授業の内容そのものがこの研究の最大の成果だと考える。
著者
小林 正武 南里 和紀 田中 伸幸 長谷川 明 田口 丈士 齊藤 和裕
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.704-709, 2010 (Released:2010-11-04)
参考文献数
25
被引用文献数
1

症例は76歳女性である.12年前に多系統萎縮症と診断され徐々に歩行障害が進行し独歩困難となった.頭部MRI T2強調画像で両側被殻は低信号,その外側に線状高信号をみとめ,SPECTでは両側線条体の血流低下所見をみとめた.抗GAD抗体陽性1型糖尿病,抗甲状腺抗体陽性,抗内因子抗体陽性ビタミンB12欠乏症であり多腺性自己免疫症候群3型に関連したパーキンソニズムと診断,ビタミンB12筋注治療,大量免疫グロブリン療法により安定した歩行が可能となった.診断困難な難治性神経疾患患者を診療する際には多腺性自己免疫症候群に関連したビタミンB12欠乏症,自己免疫機序の神経障害である可能性を考慮し十分な鑑別診断をおこなう必要がある.
著者
田中 伸一 大嶋 光昭
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 21.57 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.33-38, 1997-10-08 (Released:2017-06-23)

DVDのROM型ディスクに1枚毎に異なる情報を追記する方式を開発した。CW-Qスイッチ型のYAGレーザのパルスレーザー光を照射して金属反射膜を除去し、約10μm幅のストライプをピットに重ねて形成する。一定幅のストライプの間隔を変調して、188バイトの情報が記録される。この記録方式はBCA(Burst Cutting Area)としてDVD規格に採用された。光ヘッドでBCA部分を再生すると、形成したストライプに対応して、信号レべルがゼロ近くに低下する。高周波のピット信号を簡単なローパスフィルタで除去し、CPUを用いてソフトウェアで簡単に復調・復号してBCAデータが読み取られる。
著者
田中 伸和
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.54-57, 1986

This paper reviews vibration phenomena of reactor internal structures in French prototype LMFBR "Super Phénix-1", being observed during its pre-service operation. French efforts to solve the phenomena are outlined, including countermeasures applied to the plant. Also, CRIEPI's study on this issue is briefly explained.
著者
飛田 努 松村 勝弘 篠田 朝也 田中 伸
出版者
日本財務管理学会
雑誌
年報財務管理研究
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-17, 2014

本稿は,2010年夏に東京証券取引所第1部上場企業を対象として実施したアンケート調査から得られた結果をもとに,日本企業の経営管理システムと企業業績との因果関係を分析したものである。その結果,以下の点が明らかになった。(1)企業価値や利益を重視することは人事制度や業績連動給与に正の影響を及ぼす。(2)人事制度や業績連動給与といった評価システムが組織成員のコミュニケーションに正の影響を及ぼす。(3)社員のコミュニケーションがそのモチベーションに正の影響を及ぼす。(4)これらのシステムとは独立して,価値観を共有することは組織成員のモチベーションに正の影響を及ぼす。(5)サンプル全体ではモチベーションの向上により,業績(ROA)に正の影響を及ぼす。
著者
三浦 久 洪 性俊 田中 伸治 桑原 雅夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_1143-I_1148, 2012
被引用文献数
1

本稿では首都高速道路3号上り線の六本木付近を対象に追突事故直前における交通流特性について分析した結果を報告する.大橋JCT供用前後の日交通量の変化に比べて事故発生率が大きく変化したことは,追突事故が発生しやすい特定の交通流状態が存在し,その状態が減少したことが要因と考えられる.パルスデータを利用して個別車両の速度等を分析した結果,研究対象区間の下流側から上流側への減速波の伝播の有無が大きく影響することが確認され,追突事故リスクの高い交通流状態となる条件を抽出した.また,判別分析を行い,ある交通状況において減速波が上流側に伝播するかを精度高く予測することができた.
著者
香川 隆英 田中 伸彦
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.201-204, 1995-03-31
被引用文献数
1 1 3

我が国における森林の風致施策は,明治6年の「官林調査仮条令」において,社寺林を風致林として保護するところから始まる。その後,今日までの120年の間に様々な歴史・変遷の過程を経ながら,森林の風致施策は展開してきた。その風致施策の2本の柱は,保安林制度の中での施策と,国有林におけるレクリエーションの森を代表とする施策である。本論では,保安林制度における,風致保安林と保健保安林について,保安林制度及び森林風致施策の歴史の中での位置づけを明らかにする。
著者
田中 伸彦 伊藤 太一
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

「里山」を「人里近くにあって人々の生活と結びついた山や森林」と定義した。その里山を、観光デスティネーション(D)としてとらえ、レジャー観の多様性を体系化し、科学的根拠に基づき計画的提言を行った。内容は1.観光Dとして里山を捉える意義、2.観光学におけるDマネジメントと資源/施設との関連、3.里山観光を巡る興味関心と施策の変遷に関する考察、4.Dとしての里山の地理評価法の開発、5.里山の自然公園管理から構成される。成果としては、市民の里山に関する興味関心の広がりを時系列的に明らかにし、里山観光Dの地理的集散状況の経年変化を定量化する指標を開発し、客観的な里山観光地評価を行うことを可能とした。
著者
草原 和博 棚橋 健治 溝口 和宏 桑原 敏典 鴛原 進 橋本 康弘 山田 秀和 渡部 竜也 藤本 将人 田中 伸 田口 紘子 後藤 賢次郎 小川 正人 川口 広美
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,社会科教育研究の日米比較を通して,それぞれの学界で確立されてきた研究方法論を抽出し,再構成することで,国際的な研究交流にたえうる「研究法ハンドブック」を開発しようとした。米国の研究者を招いたシンポジウムでの討論と聞き取り調査,ならびに文献調査を踏まえて,効果が期待される以下3つの方法論を導出し,論文作成の手続きを定式化することができた。(1)規範的・原理的な提言(2)実験的・実践的な開発(3)実証的・経験的な研究。