著者
田中 伸治 白石 智良 小宮 粋史 花房 比佐友 林 誠司 平井 洋 桑原 雅夫
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.259-262, 2012 (Released:2012-04-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

交通シミュレーションを利用してCO2排出量等を推計する際には, 国内外で異なるモデルが使用される可能性が高いため, モデル検証の手続きを国際的に共通化することが重要である.そこで本プロジェクトでは, 交通シミュレーションモデルおよびCO2排出量モデルの検証の枠組みを提案し, 国際ワークショップを通じた合意形成のための議論を行っている.また, この検証に利用可能な実交通データを取得するため現地観測調査を行い, 得られたデータを利用して検証の枠組みの妥当性を確認するための試行検証を実施している.
著者
田中 伸司
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ソクラテスが知の所有者であることを否認しつつ(無知の自覚) 、 他方で自分こそが真理を語る者であると断言するという矛盾とみえる事態の解明に取り組み、ソクラテスの真理の捉え方がイデア論と通底しているという仮説の検証を行った。その結果、真理主張には想起というレトロスペクティヴな構造が関わっていることを明らかにし、さらに『国家』の魂論・友愛論の分析によって自分自身との関係性が正義の核にあることを論証した。
著者
渡辺 高志 小山 鐵夫 岡田 稔 朴 〓宣 木内 文之 川原 信夫 水上 元 田中 伸幸 伊藤 美千穂 杉村 康司 飯田 修 渕野 裕之 PITISOPA Fred TAVIE Clemen GIDEON Solo PATTSON Tofu
出版者
高知工科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ソロモン諸島は,豊富な熱帯雨林に恵まれ未開の地と云え,生物は種類が豊富であり,ソロモン固有種が多く生育しており4,500種を超える高等植物が確認されている.従って薬用植物の分布も多く,未研究種が大半である事から,主に新薬創出・代替生薬の発掘のため,カギカズラ属Uncaria(生薬「釣藤鈎」として利用),ゴシュユ属Tetradium (Euodia)(生薬「呉茱萸」類縁品として利用)などを中心に探索収集し,さく葉標本は2392種(SIMB 1-2392)で7020点,そして生薬標本は1440点に達した.
著者
藤澤 茂樹 奥隅 豊栄 安元 信廣 柴田 昌三 田中 伸一 小澤 徹三
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.351-356, 2009-11-30
被引用文献数
1

近年,表土をのり面緑化に利用する工法が行なわれており,その利用方法の一つとして,表土マット移植工法を考案して,高速道路建設工事において施工した。採取した表土マットは,ミヤコザサの地下茎や萌芽性の木本植物の根系などを含み,緑化資材として有効と考えられる。その効果が明らかになり始めた既施工地では,表土マットに含まれる木本植物からの萌芽を確認しただけでなく,ミヤコザサの活着ならびに地下茎の伸長も確認することができた。さらに,条件のよいのり面では木本種が侵入して階層構造を形成しつつあることから,表土マット移植工法が切土造成地における植生復元を早期に行える工法であることが確認できた。
著者
松田 純 山下 秀智 浜渦 辰二 上利 博規 田中 伸司 森下 直貴
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

・本研究は,21世紀を「生命ケア文化再構築の時代」ととらえ,個の自己決定と社会的な相互扶助の両者のバランスがとれた,わが国の文化風土にあったケア文化のあり方を探求してきた。西洋と東洋の死生観の相違がしばしば問題にされるが,それはいずれかが勝っているというのではなく,分析や合理性を重んじる西洋的思考と,総合や直観を重んじる東洋が互いに学びあう必要がある。一方で,文化の差を自覚しつつ,同時に,文化ナショナリズムに陥ることなく,いのちをめぐる諸問題の国際化にも対応していかなければならない。「アジア的」とか「日本的」といった類型化・固定化に陥ることなく,西洋のケア文化の歴史的深みと現代的展開の意味も十分に理解しなければならない。21世紀の生命ケア文化再構築は,グローバル化のなかで,比較文化論的視点に立った柔軟な発想で進めていく必要がある。以上のような研究成果を,国際シンポジウムを開催するなど,国際的に開かれた討議空間のなかで検証してきた。・臨床学的アプローチのなかでは,<施設から在宅へ>が後戻りできない流れであり,それを支えるコミュニティ・ケアとスピリチュアル・ケアが極めて重要となってきていることが明確になった。・21世紀ケア文化を担う新しい世代に対しては,「いのちの大切さ」を漠然と教えるのではなく,いのちが向かう先にある<いのちの美しさ>を芸術作品などを通して感得しこの世に在ることへの大きな信頼を取り戻し生きる力を高めるような生命ケア教育が必要である。例えば理科教育のなかでも,自然の奥深い構造を示すとともに,それらについての科学的知見と技術的応用が社会にもたらす影響についても具体例に即して考える教育プログラムと授業展開が必要であろう。以上のような成果を研究成果報告書,ホームページや著書,公開講座,授業展開などの形で発信してきた。
著者
長瀬 美子 小谷 卓也 田中 伸
出版者
大阪大谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

「心情」「意欲」「態度」にかかわるわが国の幼稚園教育の目標は、その総合性のため、明確な到達目標が描きにくく、幼児教育・保育に携わる者の共通認識になりにくいという課題がある。本研究では、乳幼児期に、あそびを通して形成した力を、小学校以降の学校教育での科学教育につなぐためには、形成すべき力を明確にし、それを体系化することが必要であると考え、現在の幼児教育の基本である5領域について、「観察」「コミュニケーション」能力が年齢にそってどのように発達するかを体系化した。このことで、発達の筋道が明確になり、保幼小連携型カリキュラムを作成するためのモデルが提供できた。
著者
川嶋 辰彦 平岡 規之 山村 悦夫 田中 伸英 平岡 夫之
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.我が国の「都市圏システム」及び「都市圏の核都市システム」について:(1)都市圏システムは集中化段階をほぼ終えており、近い将来加速的分散化段階に入る可能性が大きい。(2)核都市システムは分散化段階をほぼ終えており、近い将来加速的再集中化段階に入る可能性が大きい。(3)核都市システムは、空間的循環過程に於いて都市圏システムより凡そ20年先行している。2.我が国の「巨大都市圏システム」及び「中小都市圏システム」について:(1)巨大都市圏システムは、減速的分散化段階の後半期にある。(2)中小都市圏システムは、減速的集中化段階の後半期にある。3.我が國の大都市圏人口の変化について:(1)三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の人口増減は、米国大都市圏の人口増減動向を後追いしている。(2)「都市圏人口の純減過程」に対する先行指標と見做せる「核都市人口の純減過程」に目を遣ると、二大都市圏(大阪、名古屋)の核都市人口は既に比較的長期間に恒り続減している。(3)大都市圏の核都市は、空間的人口集散過程の文脈に於て、将来郊外部に対して相対的強者(即ち人口吸収力が相対的に勝る立場)となり得る。(4)大都市圏の核都市は将来、中小都市圏の核都市に対して相対的強者となり得る。(5)三大都市圏人口は1960年代以降続伸しているが人口成長率は三者とも0%に近づきつつあり、これら大都市圏は将来中小都市圏に対して暫らく弱い立場に立つとは言え、上述の諸点に照らすと比較的早い時期に中小都市圏に対して再び相対的強者となり得る可能性が小さくない。4.以上を踏まえて判断すると、大都市圏の核都市部が今後極めてクリティカルな都市機能的役割りを果たす可能性が大きく、その意味で特に東京都市圏中心地域の積極的な創造的都市投資が強く乞われている。
著者
邑田 仁 東馬 哲雄 田中 伸幸 秋山 弘之 林 蘇娟 米倉 浩司 菅原 敬 根本 智行 永益 英敏 遊川 知久
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

ミャンマーに延べ6回18人を派遣し合計5282点の標本資料を採集した。その他地域から補足的に収集した標本、および従前の「南ヒマラヤの植物多様性」調査で収集した標本資料等を合わせて分子系統解析を含めた系統分類学的解析を行い、新分類群を含む多数のミャンマー新産植物を発見した。このうち45新産植物、1新属、6新種はすでに論文等で公表した。この結果南ヒマラヤ地域の植物相は日華区系の西端としての特徴を示すと同時にインド区系の東端やインドシナ区系の北西端としての性格をもっていることが再確認され, 区系地理学的境界領域としてのより精度の高い解析の必要があることが明らかとなった。
著者
近藤 ふさえ 中島 亨 鈴木 麻美 田中 伸一郎 田中 利明 下山 達宏 半田 桂子 浅間 泉 古賀 良彦 石田 均
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.435-443, 2006-09-01

本研究は、T2DMを対象に携帯型身体活動測定器(以後Actigraphと略す)を用いて測定した。睡眠時活動量とPittsburgh睡眠調査票(PSQI)、起床時睡眠調査票AM版(OSA)、およびHbA_<1c> を分析した。その結果、T2DMでは高齢者よりも非活動期(睡眠期)時の活動量(mG)が多く、入眠時の活動と中途覚醒による活動が推察された。HbA_<1c>が高いほどGlobal scoreは高くなる傾向はあるが、有意な差は認めなかった(r=0.30, p=0.304)。また、OSAでは「I起床時眠気」「II入眠と睡眠時間」で平均より低かった。T2DMは「眠れない」と自覚する以前に睡眠障害が出現している可能性が示唆された。
著者
田中 伸哉 西原 広史
出版者
北海道大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

これまでの研究で、アダプター分子Crkの癌化における役割を解析し、癌腫、肉腫、脳腫瘍など様々なヒト癌細胞株を用いてsiRNA法にてCrk knockdown細胞株を樹立した。何れの種類のCrk knockdown細胞においても、接着能、浸潤能、足場非依存性増殖能、in vivo造腫瘍能など、癌細胞の悪性化を示す指標に、著明な減少がみられ、Crkはヒト卵巣癌、軟部肉腫、脳腫瘍において、悪性化に必須の分子であることが明かとなった(Oncogene, 25,2006 : Mol.Cancer Res., 7,2006)。また、Crkの癌化におけるシグナル伝達メカニズムを詳細に解析するために、NMRを用いた構造解析を行い(Nature Struct.Mol.Biol., 2007)、昨年度は、Crkのシグナル伝達を抑制する薬剤開発する前段階として、単一の遺伝子変化に対応する薬剤スクリーニングの系を確立した(BBRC,373,2008)。この系を用いてCrkを発現させたアストロサイトに対して、dual luciferase assayを行い96wellプレートで薬剤をスクリーニングして、Crkシグナル阻害薬を同定した。以後の研究では、真にCRKシグナルを抑制する薬剤か否かを個別に判定していき臨床応用可能か否かをin vivoの系で解析していきたい。また、今年度の研究において癌細胞の浸潤能にはシグナル伝達アダプター分子CRKが必須であることが判明しているが、CRKによるGab1のY307のチロシンリン酸化制御が重要であることが明らかとなっていたが、本年度の研究ではY307F変異体により細胞接着斑の形成異常が誘導されることが明らかとなった(Watanabe, et al.Mol.Cancer Res., 2009)。さらにCrkはDock180を介して細胞の運動を制御するが、その際にDock180結合蛋白であるElmoのりん酸化が必要であることが判明した。
著者
近藤 ふさえ 中島 亨 鈴木 麻美 田中 伸一郎
出版者
杏林大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

【目的】本研究は、携帯型身体活動測定器(Actigraph)と主観的睡眠調査票を用いて2型糖尿病患者の睡眠状態の特徴を明らかにすることを目的として、就労している外来通院中の2型糖尿病患者(以後T2DM・Ptと略)21名と健康成人11名を対象に行った。【方法】Actigraphを5日〜8日間連続装着し、その期間中はOSA睡眠調査票MA版(OSA-MA)を用いて主観的睡眠感を調査した。Actigraphより得られた記録から活動期(覚醒時)と非活動期(睡眠時)の判定を行い、非活動期の活動量と睡眠覚醒のタイミングを観測した。また、PSQIとHbA1_cとの相関関係および糖尿病歴、合併症の有無、HbA1_cと活動量との関連を分析した。【結果】T2DM-Ptの非活動期(睡眠期)における活動量mG=0は、健康成人と比べ低かった。睡PSQI-睡眠の質が高得点ほどHbA1_cの値が高い傾向にあった。また、糖尿病歴が長く、HbA1_cが高い人ほど非活動期(睡眠時)の活動量が多い傾向にあった。【考察】T2DM-Ptは健康成人より睡眠中の活動量が多いことが推察される。Actigraph上で入眠期と睡眠途中の活動量の増加を認めたことから、T2DM-Ptの主観的な良い睡眠を阻害する要因は早朝覚醒よりも入眠困難と中途覚醒と考える。また、主観的に良い睡眠が得られている人でも、Actigraph上では活動量が多く、睡眠覚醒のタイミングが不明瞭な傾向にあり、T2DM-Ptは「眠れない」と自覚する以前から睡眠の問題が潜在している可能性があると考える。糖尿病歴が長くHbA1。が高いT2DM-Ptに対しては、生活リズムや睡眠状態を聴取し、睡眠の問題が潜在していないかのアセスメントを行い、食事、運動と合わせ良く眠るための生活指導の必要性があると考える。
著者
名木田 恵理子 田中 伸代 板谷 道信 小林 伸行 WATERBURY David H. 小林 香苗
出版者
川崎医療短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

川崎学園内の3大学においてESP(English for Special Purposes)の考え方に基づいて「医学用語(英語)」と「医療英文」のe-learning用教材を自主制作し、学園内サーバを利用してイントラネットで運用した。「医学用語(英語)」コースは、2002年の運用開始から2007年現在まで933名の学生が利用している。「医療英文」コースは、公開から2年を経て114名の利用があった。これらの実践において経年的に集めた学習データの分析から、さらに効果的な運用方法を考案、試行している。主なLMS(学習管理システム)はInternet Navigwareである。「医学用語(英語)」コースについては授業に導入してブレンディッド・ラーニングとした。講義のみの授業形態のときに比べ、学習到達度の向上は明らかであった。また実践していく過程で、意識調査、医学用語の基礎知識テスト、コンピュタリテラシ測定、到達度テストなどを実施し、教材改善に役立てると同時に、e-learning導入においてのデータとして蓄積している。これらの分析結果から学習者特性を考慮に入れて、新たにLMSとしてMoodleを利用したe-learningを構築し、協調学習も導入した。当該科目におけるe-learningの可能性はより広がっている。「医療英文」コースはセルフラーニングとして提供した。「基本単語」、「文法20」、「長文読解」をESPの観点から整えた。音声付教材の「基本単語」は医療に特化しているため、他の語彙学習サイトとリンクさせることによって充実を図った。「文法20」、「長文読解」も素材となる英文はすべて医療系であり、主に4年制大学への編入学を目指す短大学生に利用された。
著者
原口 庄輔 岡崎 正男 佐々木 冠 時崎 久夫 田中 伸一 寺尾 康 上田 功 米田 信子 小松 雅彦 西山 國雄 白石 英才 三間 英樹 田端 敏幸 本間 猛 深澤 はるか
出版者
明海大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、今まで一見すると混沌した状況にあった音韻類型に関する諸問題について、帰納的接近法、演繹的接近法、相関関係からの接近法、という三つの方法論により、新たな知見を得ることを目的としたものである。研究期間中に、三つの方法論により次の研究成果が上がった。(1)個別言語の具体的な音韻現象に関する新たな一般性の発見、(2)最適性理論における制約に関する新たな提案、(3)語の韻律構造と文の語順の相関関係の明確化。これらの知見は、すべて、新しい音韻類型確立に貢献するものである。
著者
名木田 恵理子 板谷 道信 田中 伸代 小林 伸行 重田 崇之
出版者
川崎医療短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、医療関係のESP(EnglishforSpecialPurposes)教育として、「医学用語(英語)」と「医療英文読解」において、eラーニングに協調学習をブレンドした授業モデルを設計・実践し、その教育効果を検証することである。対象者の前提条件やモチベーションに応じて、知識獲得型プログラム学習のためのInternetNavigwareとインタラクションに適したMoodleの、2つの学習管理システムを用いた。その結果、協調学習は、どちらの学習管理システムを使っても導入可能であり、学習者意識にプラスの効果をもたらすことや前提条件、学習者特性に対する配慮が有益であることなどがわかった。