著者
吉田 寛 田尻 孝 真々田 裕宏 谷合 信彦 平方 敦史 川野 陽一 水口 義昭 清水 哲也 高橋 翼
出版者
日本門脈圧亢進症学会
雑誌
日本門脈圧亢進症学会雑誌 (ISSN:13448447)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.185-188, 2002-12-15 (Released:2012-09-24)
参考文献数
9

内視鏡的静脈瘤結紮術 (EVL) の意義と適応を検討した.対象は, 初回にEVLを施行した80例で, 後日EVL追加した34例 (EVL群) と後日1%ASによる内視鏡的硬化療法 (EIS) を追加した46例 (EVL+EIS群) の2群に分類した. (EVL, EVL+EIS) (mean±SD) (1) 完全消失率 (94.1, 93.5%) (NS), 治療回数 (2.5±0.5, 3.1±1.0回) (p<0.005), 総結紮数 (22.1±8.2, 13.2±4.9) (p<0.0001). (2) 累積初回再発率は有意にEVL群で高率 (p<0.05). (3) 再発例 (30例, 36例) (NS) に対する追加治療再入院回数 (1.8±0.6, 2.9±1.2回) (p<0.0001).うち手術, 塞栓術を追加例 (3例, 12例) (p<0.05) であった.EVL群では再発率は高率だが, 少ない追加治療回数にてコントロール可能であった.-方EVL+EIS群は, 内視鏡治療の限界例が多かった.EVLは, 当初より再発を念頭にいれ, 追加治療も含めて一連の治療法と考えれば, 良好な長期成績が得られ, first choiceの治療法になりうる.
著者
村嶌 由直 森 義昭 岡田 秀二
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

本研究は,一つは北米における育成的林業の成立過程と,それの採取的林業との併存構造を解明し,木材の対日輸出の経済力を問うこと,あと一つはその結果として,それが日本国内でどのような問題を生んでいるか,とりわけ日本林業との競争関係を解明することであった。明らかになった点をあげると以下のようである。1. 北米における採取的林業から育成的林業への展開は,old growthの生産から second growth の生産へ移行しつつ,その過程でアメリカ国内市場における地域問競争の激化と対日輸出の拡大をよんでいる。2. また一方,old growthの生産は環境保護を求める動きのもとで制約を受け,国公有林の生産規制へと発展している。その結果,輸出は木材企業(紙パルプ多国籍企業)の売り手独占的な構造になり,比較優位をより確実なものにさせている。3. しかも,80年代半ばからの円高ドル安移行とその定着は,製品輸入に中心を移しつつ,より外材化を進めた。それが日本の国内自給率を4分の1段階へといっそう後退させる結果になっている。4. しかし,円高現象は日本の企業の海外活動を活発化させた。日本の紙パルプ企業の北米企業の工場買収や,経営参加,さらには発展途上国における植林など新たな動きが展開した。製材企業や木材問屋の中にも海外投資を展開する企業が現れた。5. こうした外材中心の市場体制のもとで日本林業は後退傾向を強めているし,建築用の木材市場をみたとき輸入製品,国内挽き製品,国産材製品の三者が激しく競争を展開している。この中で日本の森林資源の管理の在り方が問われている。
著者
佐々木 義隆 水野 伸也 今田 和史 吉田 豊 守山 義昭 足立 伸次
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 = The aquiculture (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.211-219, 2008-06-20
参考文献数
16
被引用文献数
2

2003年6月9日から9月10日にかけて天塩川水系のヤマトシジミを採取し軟体部および生殖巣指数の変化を調べるとともに、生殖巣の組織像から成熟時期の推定を行った。また、人工産卵誘発条件として最適な水温および塩分条件、並びに成熟時期と産出卵から着底稚貝までの生産性の関係について検討した。その結果、天塩川では雌雄ともに軟体部および生殖巣指数は6月上旬に低く7月上旬にかけて上昇し、その後短期間に急激に減少した。生殖巣の組織像は6月上旬から下旬にかけて成長期を示し、7月上旬には成熟期から放出期に移行していた。このことから軟体部指数および生殖巣指数の急激な減少は成熟卵および精子の放出によるものと推測された。また、供試貝を水温条件20〜30℃に保った塩分0〜10psuの水に移行し産卵数から最適な水温および塩分条件を検討した結果、水温25℃、塩分5psuの条件で最も多くの産卵がみられた。この条件を用いて7月7日〜8月5日にかけて5回人工産卵誘発を行ったところ、7月9日に人工産卵を行った群において雌親個体あたりの産卵数が最も多く、また10日後における着底稚貝までの生残率が最も高かった。天塩川水系産ヤマトシジミにおいて人工種苗生産に適した時期は極めて限られた期間であり、成熟時期の把握が極めて重要であることが示唆された。
著者
石黒 義昭
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1-14, 2002-03-31

In der Kunst-Abhandlung Der Ursprung des Kunstwerkes hat Heidegger die Kunst als "den Streit zwischen Welt und Erde" bestimmt. Obwohl Heidegger, wie allgemein bekannt, den Begriff Welt schon in den 20er Jahren ofter benutzt hat, hat "die Erde" hier einen ganz neuen Klang. Die Kunst-Abhandlung kann man also als einen Begegnungsort von der bisherigen Terminologie und der neuen betrachten. Warum aber ist der Erd-Begriff vorgelegt? So besteht die Aufgabe dieser Uberlegungen darin, die Herkunft des Begriffs der Erde herauszustellen. Es kann dabei helfen, dass Heidegger das Erdhafte des Kunstwerkes auf das Dinghafte des Dinges bezieht. Wie in den Kant-Vorlesungen oder im Kant-Buch gezeigt wird, spielt die Frage nach dem Dinghaften um die Zeit der sog. "Kehre" eine grosse Rolle. Es scheint mir, dass Heidegger zuerst das Dinghafte des Dinges erortern muss, um den "Sinn von Sein" zu erlautern. Zu den anderen Worten liegt dieses Interesse am Ding von vornherein in Heideggers Denken zugrunde und fuhrt ihn zum Spatgedanken. In diesem Sinne ist sein Denken als "die Frage nach dem Ding" zu kennzeichnen. Unterwegs zum Dinge begegnet Heidegger das Kunstwerk. Sein Dinghafte wollte er doch nicht mit dem Stoff oder der Materie bezeichnen, weil das Kunstwerk weder das Zuhandene noch das Vorhandene ist. Daher ist der Erd-Begriff als eine conditio sine qua non fur die ontologische Bestimmung des Kunstwerkes aufgetreten. Diesen Begriff fuhrt Heidegger in die Kunst-Abhandlung, indem er zu den Gedanken der Vorsokratikern zuruckkehrt. Infolgedessen kommt es, dass uber die Erde zuruck zur Physis einmal nachgedacht werden muss.
著者
森光 義昭
出版者
近畿大学九州短期大学
雑誌
近畿大学九州短期大学研究紀要 (ISSN:09164383)
巻号頁・発行日
no.38, pp.27-37, 2008

今、これまでの物質文明時代から心の豊かさを求めていく時代に移行しているなか、教育も新しい学力の在り方を求めて、学校では日々実践されている。最近の教育の動向は教育課程と学校の創造が中心的課題として、周囲の関心を集めている。 そこで、本論文では、学校教育における新しい学力観のもとでの、現代社会に適応できる学力とは何か、これからの社会を担っていく子供たちに何を学ばせればよいか、どのような社会人を育成すればよいかなど、特にゆとり教育と学力の関連に観点をおいて提案する。 (英文) Now time is just changing the shift from material culture to mental richness. According to this, "what the new scholastic ability should be" has also being considered in the educational field. The aim of this paper is to suggest some subjects on school educational management such as what the scholastic ability which can be adaptable to present society is, what chirdren who will shoulder coming future should learn, how they should be trained as member of this society and so on, especially from the view of the relationship between space education and scholastic ability.
著者
鈴木 義昭
出版者
早稲田大学語学教育研究所
雑誌
講座日本語教育
巻号頁・発行日
vol.第21分冊, pp.78-88, 1985-07-01
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 飛田 国人 松原 小夜子 柴田 祥江 福坂 誠 吉岡 むつみ 宮川 鮎子 叢 志超 馬 豫 岩垣 裕紀 桑野 朝子 山崎 彩乃 高見 初音 大塚 弘樹
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ライフスタイルの変更による省エネルギー策の一つとして,視覚・聴覚要因を活用することに注目して,アンケート調査,被験者実験,熱負荷シミュレーション等を行った。視覚・聴覚要因による省エネルギーの可能性は実験室実験だけでなく,実態調査・アンケート調査でも可能性が示唆され,行動が変容できれば,暖冷房エネルギーは約7~8%削減され,また設定温度の変更を想定するとより大きな削減が予想できた。
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 中谷 岳史 飛田 国人 下村 孝 松原 小夜子 下村 孝 松原 小夜子 小東 敬典 中村 知朗 宮田 希 青木 祐樹 井上 ともみ 地濃 祐介 谷村 真由美 櫻井 洵子 大山 哲司
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

暮らし方による暖冷房使用期間の変更による省エネルギー効果は, 次世代モデルでは暖房で最大17%, 冷房で最大32%, 無断熱モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大28%であること推定された。また, 補助暖冷房器具を併用した場合の省エネルギー効果は, 次世代モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大22%, 無断熱モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大37%であると推定された。
著者
小松 俊文 四宮 義昭 石田 啓祐
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
no.73, pp.61-63, 2003-03-20
被引用文献数
1

2時間ちょっと.四国がこんなに近いことが信じられなかった.京都で10時のバスに乗り, 淡路島を経由して鳴門に着いたのが12時半.確かに時刻表どおり.しかし, 本当に2時間そこそこで着いてしまうとは….以前, 徳島を訪ねた時は, JRで瀬戸大橋を渡り, 初日は移動日で翌日からが化石採集.徳島の化石産地を訪ねるのは, それなりの準備と覚悟が必要だった.ところが, 今では京都・大阪在住の化石愛好家にとって, 車さえあれば十分日帰りの地域になっている.徳島県には白亜系の地層が広く分布する.勝浦盆地周辺にはアンモナイトや二枚貝, 植物化石などを豊富に産出する主に白亜系下部の堆積物が広がり(沼野・中野, 1964;Nakai and Matsumoto, 1968;小川, 1971;前田他, 1987;松川・江藤, 1987;石田・橋本, 1991;石田ほか, 1992), 瀬戸内周辺には, 白亜系上部の和泉層群が露出する.また, 古生代や中生代三畳紀, ジュラ紀の化石を含む地層もあり, 化石の種類や産出量は申し分ない.多くの化石愛好家が育つのはあたり前の環境である.今回, 著者の一人である小松は勝浦盆地の傍示(ぼうじ)層・藤川層の化石産地を案内してもらう目的で, 徳島化石同好会の方々にお会いした.なお, この記事はその時の体験にもとづいて記されている.
著者
岡室 博之 港 徹雄 三井 逸友 安田 武彦 高橋 美樹 堀 潔 原田 信行 本庄 裕司 福川 信也 土屋 隆一郎 加藤 雅俊 濱田 康行 村上 義昭 鈴木 正明 柴山 清彦 島田 弘 池内 健太 西村 淳一
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

2007年1月以降の新設法人企業に対して、2008年11月以来4回の継続アンケート調査を実施し、特に研究開発型の新規開業企業の創業者の属性や資金調達・雇用、研究開発への取り組みと技術成果・経営成果等について独自のデータセットを構築した。それに基づいて、新規開業企業の研究開発に対する創業者の人的資本の効果(資金調達、技術連携、イノベーション成果)を計量的に分析した。さらに、政府統計の匿名個票データを入手して自営開業について統計的分析を行い、アンケート調査に基づく分析を補完した。また、知的クラスターに関するアンケート調査と訪問調査を実施し、クラスター政策と新規開業・イノベーションの関連等を考察・分析し、国際比較を交えて関連政策の評価を行った。