著者
宝木 和夫 林 義昭
出版者
社団法人 日本印刷学会
雑誌
日本印刷学会誌 (ISSN:09143319)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.288-295, 1992-05-31 (Released:2010-09-27)

The Bank Card with the magnetic stripe which was started to use in a full scale since 1970 has remarkably been increased in number because the card was recognized as the best suited media for the computer systems in terms of its reliability in transactions, security and high operation speed. As the network systems enlarged and the number of applications increased, however, the number of misused cards and of insolvents has also been increased. Since the IC Card has emerged as the next generation media with the excellent security, the technological perspective for the future use should be seeked both on the multi-purpose application and the security sides.
著者
白上 房男 岡島 義昭 前小屋 千秋 高田 芳矩
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.413-418, 1989-09-05
被引用文献数
1 3

土壌中の水溶性及び交換性の無機態窒素を迅速に連続測定するFIA法を検討した.亜硝酸及び硝酸態窒素の測定ではジアゾ化-アゾ化合物生成に高温反応(90℃)を適用した.なお,硝酸態窒素の測定では還元カラム(Cu-Cd粒状,φ3×300mm)の活性寿命及び還元効率への流量依存性を評価した.アンモニウム態窒素の測定では多孔質膜分離-インドフェノール法の常温反応における最適条件を検討した.土壌2gを浸出液50mlで振り混ぜ抽出し,その40μlを各成分の測定に供する.本法の繰り返し測定の再現性は相対標準偏差で0.3〜0.5%であり,定量範囲は亜硝酸態窒素:0.1〜7ppm,硝酸態窒素:1〜20ppm,アンモニウム態窒素:1〜150ppmである.なお,3成分連続測定の所要時間は約10分間である.
著者
森光 義昭 関 聡
出版者
久留米信愛女学院短期大学
雑誌
久留米信愛女学院短期大学研究紀要 (ISSN:13487310)
巻号頁・発行日
no.37, pp.59-68, 2014-07

A young man in today is grown in the becoming information-oriented and the industrialization society. Therefore, the basic living habit and the prototypical experience are lacking. The child-care worker who is engaged in the education in today from the thing, too, seems not to be the limit. The state of the teacher education about the higher education was reviewed from such a situation and a school-teaching practice was devised to the teacher-training course subject in the university. Each university is the place to tackle the improvement of the class as the state of the teacher education. It is the place to be practicing while making the state of the class to form the practicing capability of the child-care worker effectively in the science, too, a problem. The this paper is the one which finds a problem to the class from the inside to practice a class and states the viewpoint of future class.
著者
森光 義昭
出版者
近畿大学九州短期大学
雑誌
近畿大学九州短期大学研究紀要 (ISSN:09164383)
巻号頁・発行日
no.34, pp.45-56, 2004

現代社会を表現する言葉の一つとして情報社会と称しているが、目まぐるしく変化する社会に対応するためには学校教育の場においても、従来から行われてきた教育に対しての変革が求められている。その中でもIT産業に伴う情報の発展はコンピューターやその周辺機器の開発が進み、人々はそれらの操作の仕方を学習することに追われている状態である。次から次に商品の開発が進められていくと、青少年たちは情報についての正しい知識や理解を得ることに追いついていくことができずに、ただ目新しい商品へと関心が寄せられることになっている。 本研究ではその方法として、大学1年生男女(教職課程科目履修者)に対して質問紙によるアンケート調査を行う。現代の若者の携帯電話を中心に据えてそれらの関連性の実態を把握することによって、現代の青少年の情報に関わる課題を分析し、情報化社会をどの様に捉え、展望や課題性をどの様な認識をもってスタンスを取っているか、また、携帯電話に対する理解や認識、携帯電話が日常の生活にどの様な影響を与えているか、さらに、今後の教育の在り方等について研究する。 調査結果から見えてくるものは、携帯電話はほとんどが高校生までに保護者から買ってもらって持っている。携帯電話を持った動機としては友人が持っているのでという何となくという状況である。1ヶ月間の携帯電話の使用料は5,000円以上~10,000円未満がもっとも多い。また、使用している回数も3回から5回辺りに集中しており、中には11回以上というのもあり、時間的にも1時間程度使っているという状況である。したがって、経費もかなりの高額になっている。最近の若者の活字文化離れが指摘されているが、手紙を書くという生活経験も少なく、手紙を書く形式や手紙に用いられる用語等の理解も十分ではない。また、新聞、小説(本)、雑誌などを読む習慣も身に付いていない。 情報社会における情報機器(マス・メディア)に対する認識としては、その機器に対する生産性や目的の正の効果と負の効果の両側面を十分に捉えることができないでいる。特に、情報機器(携帯E-メール)の利点として、人と直接会わないで連絡が取れるから便利であると認識していることに対しては多くの課題があるように思われる。したがって、情報や情報機器についての学習の在り方として、パソコンの使い方(操作の仕方)の学習や実際に学習課題の解決のためのソフトを使った学習や教科の学習は行っているが、これからは、「情報機器が産業社会や日常生活にどの様な豊かさや危機をもたらしているか」という観点での「情報」に関する学習のカリキュラム編成が重要な課題となってくる。機器の取り扱い方の習得は言うまでもないが、新しい学力観に立った情報教育の在り方が幅広く求められることになる。
著者
弘中 義昭 鬼頭 誠 末永 充弘 登坂 敏雄
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1347-1352, 1996-06-17

吹付けコンクリートの施工性および品質の向上を目的として、シリカフユームや細骨材の0.15mm以下の微粒分を混入した吹付けコンクリートの現場施工試験を平成2年度以来,北陸新幹線加越,五里ケ峯,新倶利伽羅トンネルにおいて行ってきた。これらの結果、吹付けコンクリートのリバウンドおよび粉塵濃度抑制等の施工性が向上するばかりでなく,品質面においても硬化体が緻密化することによる高強度化,AE減水剤の添加により凍結融解抵抗性の向上等,吹付けコンクリートの高品質化にも大きな効果があることを確認した。
著者
松田 晃一 三河 佳紀 森 重雄 中村 庸郎 岩谷 淳 加藤 義昭
出版者
苫小牧工業高等専門学校
雑誌
苫小牧工業高等専門学校紀要 (ISSN:03886131)
巻号頁・発行日
no.39, pp.31-35, 2004-03

Oji Engineering Co., Ltd is a company, supporting engineering works at paper product of Oji Paper Co., Ltd. In June 2002, Oji Engineering have presented new system, to control power station facilities for grade up, to Oji Paper. The system has some new information technologies like network, database, and this project is great step up for Oji Engineering. So, Oji Engineering offered to develop this system with cooperative, to Department of Computer Science and Engineering. We accepted this offer, have developed with Oji Engineering, and have completed this new system. We report about this project on this paper.
著者
秋田 義昭
出版者
福岡女子大学
雑誌
香椎潟 (ISSN:02874113)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1-16, 1993-03-31
著者
宮田 義昭
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.100, no.9-10, pp.843-855, 1988 (Released:2009-03-30)
参考文献数
31

The thalamic afferents to the cortical taste area in the cat were studied by retrograde transport of horseradish peroxidase. The taste area extends from the lateral lip of the presylvian sulcus to the posterior part of the orbital gyrus. It is bounded anteriorly and anteromedially by area 6, medially by the fundus and medial bank of the presylvian sulcus, laterally by the first somatosensory area, and posteriorly by the insular area. The taste area receives fibers mainly from the medial smaller-celled part of the posteromedial ventral nucleus (VPMM). Cortical projections of the VPMM form a complicated pattern, but are organized roughly in a topical manner anteroposteriorly. The anterior part of the taste cortex receives fibers from the anterodorsal and posteroventral portions of the anterior two-thirds of the VPMM, whereas the posterior taste cortex receives fibers from the anteroventral, posterodorsal and posterior portions of the posterior two-thirds of the VPMM. In addition, there appears to be a mediolateral organization of cortical projections of the VPMM to the taste area. The taste cortex receives a few projections from the ventral lateral, ventral medial, submedial, paracentral, lateral central, parafascicular and medial central nuclei.
著者
内山 学 ファム バン フック 千葉 修一 井上 義昭 浅見 暁
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2015-HPC-151, no.20, pp.1-6, 2015-09-23

本報告は流体コード OpenFOAM を基にして,MPI 並列と Thread 並列を用いた Hybrid 並列の検討を行う.OpenFOAM は Thread 並列には対応していないため,CG 法と BiCG 法を対象に Thread 並列化を可能とする行列のオーダリング方法を示すとともに,計算効率を向上させる行列の格納方法を示す.更に,全体通信回数の少ないアルゴリズムを採用し,そのアルゴリズムの特徴を生かして行列演算の効率化を行う.CG 法と BiCG 法以外の部分に対しても Thread 並列化の方法を示し,最後に,Hybrid 並列コードと MPI 並列コード,元コードを 「京」 コンピュータ上で比較する.
著者
ファム バン フック 井上 義昭 浅見 暁 内山 学 千葉 修一
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2015-HPC-151, no.19, pp.1-9, 2015-09-23

本研究では C++ オープンソース OpenFOAM を対象として,利用しているデータ交換形態,C++ テンプレートおよび MPI プラットフォームの特徴とその課題を述べた.また,「京」 コンピュータの Tofu 高機能バリア通信機能を活用して,データ型に合わせたテンプレートの追加による全体実行時間の軽減を確認した.また,OpenFOAM 特有の PstreamBuffer 全体データ交換形態を必要最小限の隣接データ交換形態に改良し,通信バッファサイズおよび通信時間が減少した.これらにより大規模並列処理を可能にして,アプリケーション全体の実行効率が大幅に向上した.
著者
中村 大 神田 和重 小柳 勝 山村 俊雄 細野 浩司 吉原 正浩 三輪 達 加藤 洋介 Mak Alex Chan Siu Lung Tsai Frank Cernea Raul Le Binh 牧野 英一 平 隆志 大竹 博之 梶村 則文 藤村 進 竹内 義昭 伊東 幹彦 白川 政信 鈴木 裕也 奥川 雄紀 小島 正嗣 米谷 和英 有薗 尚倫 久田 俊記 宮本 晋示 野口 充宏 八重樫 利武 東谷 政昭 伊藤 文俊 亀井 輝彦 亀井 輝彦 丸山 徹 井納 和美 大島 成夫 大島 成夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.6, pp.25-29, 2008-04-10
被引用文献数
10

43nm CMOSテクノロジを用いた16ギガビット4値NANDフラッシュメモリを開発した.66NANDと新規コントロールゲートドライバー回路を用いた構成とし、アレー上にパワーバス配線を配することでチップサイズ120mm^2を実現し、micro SDカードへ実装可能とした.デュアルステージドライバーを用いることで1.8V VCCQで25nsのサイクルタイムを実現した.
著者
中野 義昭 種村 拓夫 杉山 正和 小関 泰之 肥後 昭男 久保田 雅則
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2014

(1) 量子井戸型偏波制御器の設計と試作前年度に開発した量子井戸型偏波制御器の高速化と省電力化を図るために, 逆バイアス駆動により量子閉じ込めシュタルク効果を用いた変調素子を試作実証した. 並行して, さらなる高性能化に向けて量子構造の最適化を進めている.(2) 偏波解析素子の設計と試作前年度に作製した量子井戸型受光素子を搭載した完全にモノリシックな集積回路を評価し, ポアンカレ球面上の任意の偏波状態を検出できることを実証した. さらに, 高感度化に向けて, 4ポート構成を新たに提案し, 素子パラメータの設計を完了した. 現在, 4ポート素子の作製を進めている.(3) 光波合成チップの設計と試作前年度に提案したランダム信号を用いた駆動手法を大規模光波合成チップに適用し, その有効性を実験的に検証した. 同時に, 2次元化に向けて, 回折格子カプラを集積した素子の試作を行った. これらの素子の応用の一つとして, 2次元イメージング実験を進めている.(4) ユニタリ変換チップの設計前年度に作製した3×3ユニタリ変換チップを用いて, 任意光ユニタリ変換機能を実験的に検証した. 並行して, 作製誤差に対して耐性のある新規構造の素子を完成させ, 評価を進めている.
著者
長澤 勲 手越 義昭 牧野 稔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.1058-1067, 1989-08-15
被引用文献数
14

近年建築設計の分野では パーソナルコンピュータ上に実現されたCADシステムが普及し 設計作業の合理化に貢献している.しかし これらのCADシステムは 建築設計の幾っかの側面である設計図書の編集 構造計算 積算等の作業を個別的に支援しているのが現状であり 次のような問題点がある建築設計では 設計が完了した後で発注者の要求や施工上の問題点を解決するために頻繁に再設計が行われる.設計条件が変化した場合の再設計は 従来から行われている手作業と 個別作業の支援のシステムを併用する方法では 図面の変更や構造計算の基礎データを設計者自身が修正しなければならず十分な効果を上げることが因難である.本研究では 設計の個別的な支援による問題点を解決するため 次の特徴をもつCADシステムを開発した.(1)建築物の設計情報を一元的に表現した建築物モデルを中心として 意匠設計 構造設計 積算などの設計作業を支援するモジュールを醒置した・このことによって設計者は 設計データの変換にわずらわされることなく一貫して設計作業を進めることができる.(2)建築物モデルの一貫性を管理する建築物モデル管理機構を設け システムの保守を容易にした.(3)段計者が行う標準的な設計作業の流れを想定し これを一貫して支援できるように配慮した.実際の設計例に適用した結果 従来の方法に比べて設計期間を約1/20に短縮できた.
著者
市丸 夏樹 中村 貞吾 宮本 義昭 日高 達
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.79, pp.21-28, 1993-09-16
被引用文献数
3

シソーラスを意味的な分類として利用し、コーパスから収集した用例と、確率文法を用いて派生語を解析する方法と、大量データに対する仮名漢字変換実験によるその方法の評価について述べる。派生語の語幹名詞と接尾語の連接性を大量の用例データから学習し、学習した用例に含まれていない派生語についても取り扱うことを可能とした。用例そのものを学習に使用した場合には、生成能力が不十分であることが判明したため、用例の語幹をシソーラス上の上位語で置き換えた、一般化サンプルを使用した仮名漢字変換実験を行った。その結果、用例の一般化によって十分な生成能力を得ることができ、正解率を向上させることができることを示した。We are engaged in a research on using a thesaurus to analyze Japanese derivative words, and presented Example-Based Approach with Stochastic Grammar, which gives preference to words of high frequency. Using only raw examples for learning, however, turned out to be failure to produce enough derivative words out of given examples. Our solution to this problem was to use generalized examples for learning; i.e. to propagete the suffixes to synonyms of the body of the examples. In an experiment on kana-kanji convertion, we confirmed that there was a great improvement in number of correct answers.
著者
北尾 邦伸 安井 鈞 長山 泰秀 稲田 充男 新村 義昭 片桐 成夫 井口 隆史 瀧本 義彦 北尾 邦伸
出版者
島根大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1991

輪島・鳳至地域の現地においてアテ・複層林の森林を対象にして種々の計測を行った。また、その複層林を経営する担い手の経営構造やアテ材の生産・流通構造についても現地調査を行った。さらに、固定試験地の林分構造に関する過去20年間のデータの解析に努めた。これらのことから、次のような新たな知見や林分構造に対する理論モデルを導出した。1.複層林の直径分布および樹高分布は各齢階ごとのそれぞれの分布が結合したものと仮定して、頻度分布モデルとして混合対数正規分布g(w)を誘導し、計測データをあてはめた。結果はよく適合した。2.択伐林内の樹木の伐採確率分布の誘導を行い、混合マルコフ過程を応用した択伐林直径分布モデルを誘出できた。3.よく施業されたアテ択伐林分では直径や樹高の度数分布は逆J字型を示す。施業がよくない光環境のもとでは、上層木のみが成長して択伐林型が崩れる。これら林分構造・成長・光環境の関係を定量的に明らかにした。4.2つのアテ択伐林分における林分各部分の栄養塩類の集積量、およびそれに影響をおよぼす土壌の化学性を下層土壌を含めて明らかにした。これは、森林土壌の肥沃度および物質集積量の基礎的データとなる。5.暴風害の被害形態は幹折れ、根返りが多く、直径・樹高の全てのクラスに及んだ。折損被害は形状比が60-80のものに多く、冠雪害の場合よりも小で、折損高は2-3m、折損比高0.1-0.3と冠雪害に比較して低かった。6.光環境を整える枝打ち作業が労働力不足のために困難となり、この点を基軸にして伝統的なアテ択伐の経営構造が変容を迫られている。また、外材率20%という地域材の地場需要の強い伝統的な生産・流通構造も、その規模が小さく、飛躍的に増大した戦後アテ造林の資源的成熟に伴って、大消費地とのつながりにおける産地形成を迫られている。これらの点を実証的に明らかにした。
著者
竹末 芳生 横山 隆 児玉 節 山東 敬弘 村上 義昭 宮本 勝也 津村 裕昭 立本 直邦 松浦 雄一郎
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1921-1925, 1994-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
17

過去5年間において当科で経験した術後MRSA腸炎24例を対象とし,発症時期によりMRSAを分類し,その病態,発症機序につき検討した.術後6日以内の早期発症は16例, 7日以降の晩期発症は8例認められた.早期発症例は中等,重症例が75.0%を占め,また末梢血中白血球減少例が62.5%であり,晩期発症例の25.0%, 12.5%と比較し高率であった.これは早期発症例では術後腸管運動が回復しておらず, MRSAが産生した毒素が腸管内にとどまり血中に吸収されたためと考えた.晩期発症例の特徴は長期絶食(11.8±3.1日),抗生剤長期投与(13,9±8.2日)であった.これらは常在細菌叢の変化を生じ, MRSAへの菌交代現象をおこし易いが,腸管運動が正常のため毒素血症は稀であり,軽症例が多くを占めたと推察した.晩期発症例は内科領域で経験されるMRSA腸炎と類似の発症機序が考えられ,早期発症例が術後腸炎の特徴を有していると考えた.