著者
辻村 壮平 秋田 剛 小島 隆矢 佐野 奈緒子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.80, no.711, pp.397-405, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
23
被引用文献数
9

In order to investigate an influence of indoor sound environment in office on knowledge creative activity, subjective experiments were conducted in our study. In this experiments, subjective evaluations on “ease of meeting”, “quietness of sound environment” and “listening difficulty of speech” in two different types of group meetings (decision-making meeting and discussion to think of creative ideas) were measured under five types of sound environmental conditions (no-noise LAeq, 5min 38 dB, ambient noise (conversation noise) LAeq, 5min 40 dB, 45 dB, 50 dB, 60 dB) in a meeting room of the university. From the results, in regard to “quietness of sound environment”, we found that subjects start feeling noisy (not quiet) in sound environmental condition of ambient noise 50 dB, and that of 60 dB have an increased “listening difficulty of speech”. In the ambient noise 50 dB, “ease of meeting” was the highest evaluation for discussion to think of creative ideas among these experimental conditions. Furthermore, to investigate psychological factors related to ease of meeting, multiple regression analysis was performed using the data obtained from subjective experiments. These results of multiple regression analysis show that a quiet sound environment is not necessarily desirable in discussion to think of creative ideas. It was found that very quiet sound environment decrease the evaluation of “ease of meeting” in discussion to think of creative ideas. Thus, it was suggested that recommended indoor sound environmental condition to conduct discussion to think of creative ideas was ambient noise 50 dB.
著者
辻 英之 益田 和彦 杉本 洋輔
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.157-161, 2011-09-25

症例は58歳女性、50歳時にVogt-小柳-原田病(原田病)を発症し、最近はステロイド点眼のみを続けていた。2010年7月より4.5kgの体重減少あり。8月に入り、咽頭痛、口渇、全身倦怠悪化するため8月2日近医受診、随時血糖433mg/dl、HbA1c 9.8%(以下HbA1cは国際標準値で表記)あり、投薬加療開始されるも、ケトーシス悪化傾向にあり、当院紹介され8月6日入院となった。入院時採血、検尿で、抗GAD抗体 1214.3U/ml、血中CPR空腹時 1.0ng/ml、食後2hr 1.2ng/ml、尿中CPR 15.6マイクロg/日、CPR 5min 0.5ng/mlであること、約1年前の空腹時血糖84mg/dl、HbA1c 5.6%であることなどから急性発症自己免疫性1型糖尿病と考え、インスリン強化療法を導入、加療を開始した。入院時の眼底検査では典型的な夕焼け眼底を認めるものの、糖尿病性変化はなかった。患者の同意を得、測定したHLAでは、A*1101 A*2402 B*3501 B*5401 C*0102 C*0303 DRB1*0405 DQB1*0401 DPB1*0501でVogt-小柳-原田病、1型糖尿病に疾患感受性のあるHLA DRB1*0405が陽性であった。
著者
恩田 裕一 辻村 真貴 野々田 稔郎 竹中 千里
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
水文・水資源学会誌 = JOURNAL OF JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY & WATER RESOURCES (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.688-694, 2005-11-05
被引用文献数
9 18

近年,林業労働力の不足,材価の低迷のため,適切に管理されずに放置され荒廃した林分が年々増大している.従来の研究によれば,人工林,特にヒノキ一斉林では,樹冠の閉鎖が進むと下層植生が消失し,浸透能が低下することが知られていたが,従来の浸透能測定法では,裸地化した林床における浸透能を正確に表現していない恐れがある.そこで本研究では,冠水型浸透計,霧雨散水型浸透装置,樹幹上から散水をする大型の浸透計を用い林内における浸透能の把握をすることを目的に研究を行った.その結果,霧雨散水型が294-670 mm/h,冠水型浸透計での測定値は,210-456 mm/h程度とかなりばらつきが多く,また,非常に高い浸透能を示す.これに対し,降雨強度35-45 mm/hの人工降雨を4回,林冠上から散水した結果,浸透能は26-34 mm/hと一桁低い値で比較的安定した値を示した.人工降雨型の浸透試験器は,スプリンクラーにより樹冠上から散水されるために,雨滴径も大きく,林内雨を再現していると考えられるため,人工降雨型を用いた場合の値が,林床が裸地化したヒノキ林の浸透能を示すとするのが妥当であり,他の方法では過大な値を得る結果となる可能性が高い.
著者
山下 雅子 前田 樹海 北島 泰子 辻 由紀
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.35, 2014 (Released:2014-10-05)

入院患者の死期予見経験を持つ看護職の存在については、逸話として耳にすることはあってもその実証的研究はほぼ皆無である。本調査では、それが実体のない風聞なのかそれともそのような予見経験を自覚する看護職は実在するのかを実証的に調べることにより、一般にはあまり知られていない、看護職内での直感的推論の例を示すデータを提示することを目的とした。結果として調査対象者(277名)の約3割が、生命徴候変化の無い死期予見経験がある、またはそのようなことができる看護職を知っていると報告していることから、患者の死期予見は全くの風聞ではなく、少なくともその経験を自称する看護職は稀な存在ではないと考えられた。
著者
上辻 章二 山村 学 權 雅憲 奥田 益司 山道 啓吾 山本 政勝
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.211-214, 1991
被引用文献数
1

正常ラットに閉塞性黄疸を作製し, 胆汁うっ滞型肝障害時に閉塞を解除, 解除後より小柴胡湯合茵〓蒿湯を投与し, 肝機能障害改善効果について検討した。<br>非投与群では, GOT, GPT, T-Bil, ALP 値は, 閉塞解除後徐々に改善し, 2週間後にはほぼ閉塞前値に回復するのに対して, 投与群では, GOT値およびALP値が解除3日目で非投与群に比べ有意に改善された (p<0.01およびp<0.001)。T-Bil値は解除5日目で有意に改善された(p<0.001)。<br>以上より, 小柴胡湯合茵〓蒿湯の閉塞性黄疸解除時よりの投与は, 胆汁うっ滞型肝障害に対し, 速やかな改善傾向を示し有効であった。
著者
山田 幸子 谷 喜雄 大辻 一義 中村 一郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.17-24, 1994
被引用文献数
1

(1) 冷凍パイ生地に発生する黒斑を光学および電子顕微鏡で観察したところ,微生物の繁殖によるものではなく,〓の存在部位に黒斑が認められた.このことから,〓中のPolyphenol oxidase が黒斑に関与しているのではないかと考えた.<BR>(2) 〓より得た粗酵素Polyphenol oxidase の活性はpH3.0, 4.0, 6.5で高く,数種の酵素が混在すると思われるが硫安分画による分離は困難であった.<BR>(3) 小麦粉を110℃で加熱してパイ生地をつくると黒斑は認められなかった.また〓を0.01%加えた小麦粉を用いると黒斑の数は著しく増加したが,110℃で加熱した麸を加えると黒斑増加は認められなかった.<BR>(4) 小麦PPOはpH6.5において,用いたすべての還元剤(亜硫酸ナトリウム,グルタチオン,ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム,アスコルビン酸,ジチオスライトール,パルミチルアスコルビン酸)(10mM)によって完全に阻害された.これらの還元剤をパイ生地に0.1%添加することによって,いずれの場合も黒斑形成は完全に抑制された.また食感にもほとんど影響はなかった.<BR>(5) アクリルアミドゲル電気泳動後のゲル上での活性染色により,小麦PPOには少なくとも6種のアイソザイムが存在することを確認した.<BR>(6) 制限量の還元剤存在下での活性染色により,黒斑形成に関与しているPPOアイソザイムは基質がDOPAであると仮定した場合,比移動度O.13のバンドであることが示唆された.<BR>(7) パイ生地の黒斑形成におよぼす他の因子にっいて検討したところ,システイン,にんにく汁(アリルメルカプタン)に阻害効果が認められた.逆にリジンは黒斑形成を促進した.
著者
辻村 弘美
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.129-136, 2006-05-01

【目的】中国で整体看護普及のために看護過程学習会を開催し,その理解度や関心度などを検討した.【方法】河北省唐山市の病院で働く,臨床経験5年以上の看護師23名を対象に,質問紙調査を行った.【結果】講義内容の項目の中で最も理解度が高かったのは,「看護過程の5段階」で23名中18名(78.3%)であり,「臨床で活用できる」と回答したのは16名(69.6%)であった.「看護診断」と「情報関連図」に関しては最も理解度が低かった.また,「臨床で看護過程を用いることの利点」に関しては16名(69.6%)が良く理解できたと回答しているものの,「臨床で活用できる」と回答したのは5名(21.7%)だけであった.【結語】看護過程の概論的なことは理解できていても,実際に看護過程を事例に展開することは困難である.
著者
辻 英明 志澤 寿保
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー学会誌 (ISSN:09167382)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.16-21, 2000-05-31
被引用文献数
6

数種殺虫剤を用い,直径5.5cmの処理ろ紙面の中心の無毒餌と,無処理面中心の無毒餌に接近摂食する個体数を比較し,処理面通過接触による死亡の起こり方も観察した.ペルメトリン水性乳剤処理(10倍希釈0.4cc)ろ紙は激しく忌避され(50分〜78分後3区平均87.7%忌避),死亡率は低かった(6日後平均5.6%).フェニトロチオン乳剤処理(10倍希釈0.4cc)ろ紙にはやや忌避性があったが(4区平均42.3%),長期間後に若干の死亡がみられた(6日後平均37.5%).ダイアジノンMC剤処理(10倍希釈0.4cc)ろ紙では忌避は少なく(2区平均-39.6%),ホウ酸粉末に次ぐ死亡率が得られた(6日後平均83.3%).プロペタンホス乳剤処理への忌避は殆どなかったが(10倍希釈で-61.3%,3倍希釈で16.4%),死亡率は低かった(10倍希釈3区6日後平均5.6%).ホウ酸粉末処理(200メッシュ篩過紛50mg)ろ紙に対する忌避は少なく(3区平均4.3%),殺虫効果は最も高く,かつ最も速やかであった(6日後3区100%).ホウ酸粉末剤+プロペタンホスのエアゾール剤(不快害虫用市販品)200mg(乾燥後の重さ)を処理したろ紙上(直径11cm)に市販ベイト(ヒドラメチルノン)を置いた場合,ベイト容器への侵入は阻害されず,無処理ろ紙上にベイトがある場合より1〜2日速くゴキブリが全滅した.
著者
辻 誠一郎 南木 睦彦 大沢 進
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.279-296, 1984
被引用文献数
5 13

相模地域の後期更新世の大型植物化石・花粉化石群集を記載し, 植物群と植生, および古環境を論じた.<br>植物分類・地理学上注目すべきイワヒバ・カラマツ・トウヒ各属の大型植物化石の形態を記載した. このうちトウヒ属は, トウヒ, ヒメバラモミの2種とトウヒ属A・B・Cの3型に分けられた.<br>主に, スギおよびヒメバラモミからなる冷温帯針葉樹林が約9万-6万年前に優勢であった. これは上部冷温帯の年降水量の多い湿潤な気候を示す. 約6万-5.5万年前の三崎海進を通じての植生は, 冷温帯のナラ類林の拡大によって区別される. これは年降水量の少ない比較的温暖な気候を示す. 約5.5万-5万年前の主にヒメバラモミとカラマツ属からなる亜寒帯ないし冷温帯針葉樹林は, 関東地方で従来知るかぎり後期更新世における最初の寒冷気候を示す. この時代は立山で確認された室堂氷期にあたる. 亜寒帯針葉樹林と冷温帯落葉広葉樹林の間の移行的な混交林が約1.6万-1.3万年前に優勢であった. このような森林は更新世末期の南関東に分布拡大していたと思われる. この時代の富士山東麓における亜寒帯針葉樹林の下降は1,000m以上であった.<br>(地名)<br>Eda 荏田<br>Ekoda, Egota 江古田<br>Iseyamabe 伊勢山辺<br>Kyuden 給田<br>Nippa 新羽<br>Rengeji 蓮花寺<br>Shijuhasse River 四十八瀬川<br>(地層名)<br>Kissawa L. 吉沢ローム層<br>Younger L. 新期ローム層<br>Anjin Pumice 安針軽石
著者
辻井 博
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.503-524, 1973-03

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
辻 正敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.555-558, 2013-05-01

本研究では,屋外防犯用途のマイクロ波センサにおいて,草葉の揺れ物体による誤検知を大幅に減少させる手法を提案する.その手法は,検出物体の移動距離を求め,そのしきい値を設けて判定するものである.Xバンドのマイクロ波センサを用いて草葉の移動距離のデータが採取され,分析が行われる.その結果,検出物体の2秒間の累積移動距離のしきい値を0.4mにしたとき,草葉の揺れに対する誤検知率を従来の受信新号のレベル判定のみを行うセンサと比較して0.0134%程度まで減少させることができた.また,揺れ物体の移動距離は,正規分布に従うため,設定した移動距離のしきい値に対する誤検知率を推定することが可能であることが分かった.
著者
辻 悟一
雑誌
経済学雑誌 (ISSN:04516281)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.164-178, 1999-03
著者
辻 悟一
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.370-371, 2002-12-31
著者
横溝 佐夜子 山本 由美 山下 英代 四谷 美和子 水野 千恵 丸山 悦子 荻野 正子 深蔵 紀子 山田 克子 瓦家 千代子 冨岡 和子 内田 真理子 梶田 武俊 辻 郁代 花崎 憲 生野 世方子 吉村 美紀 芥田 暁栄 山野 澄子 奥田 展子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.43-48, 2002-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
15

5種の設定した加熱条件下でじゃがいもを加熱した場合の針入度と官能評価について,以下の結果を得た. 1.針入度による硬さの測定では,測定部位,測定時間による差がみられた. 2.設定した5種の加熱での官能評価では,弱火32分が最もやわらかいと評価されたが,総合評価は3分放置では中火20分が,20分放置では強火16分が最もよい評価となり,加熱条件と官能検査項目や放置時間との影響が確認された. 3.官能評価項目を5種の加熱条件での有意差の表れ方で比較すると,加熱条件の影響を受けやすい項目と,受けにくい項目とに分類できることが認められた. 4.5種の加熱条件における硬さの官能評価と針入度の間には,一致した傾向が認められた.