著者
首藤 晃一 入江 一成 熊谷 智浩 西尾 弦一 辻 久雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.77, pp.9-14, 1997-12-11
参考文献数
4

ホームユーザ、中小ビジネスユーザに対しオフィスと同様なLAN環境を提供する地域情報ネットワークシステムにおけるグループ管理サーバ(GMS)とローエンドカード(LEC)の開発について述べる。地域情報ネットワークシステムは、今後の普及が見込まれるパソコン通信サービスのためのアクセス系通信基盤としての役割を担い、地域社会に新たなコンピュータ通信の利便性を生み出すことを目的としている。本稿ではセンタ側に設置され情報の一括管理とネットワーク監視を行うGMSと、ユーザ宅に置かれインタフェースの変換と接続パソコン端末の自動検出を行うLECについて基本設計と評価結果を報告する。さらに、実用化に向けシステムの保守運用性向上のため必要なGMSにおけるパケットフィルタリングテーブルのダイナミック更新について述べる。
著者
大川 秀郎 辻井 久恵 下地 みゆき 今宿 芳郎 今石 浩正
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.197-203, 1999-05-20
参考文献数
39
被引用文献数
3

チトクロームP450モノオキシゲナーゼは農薬などの外来性化合物の解毒または活性化に, 並びに, 殺菌剤, 植物成長調節剤, 殺虫共力剤, 除草剤セイフナーなどの作用点として重要である.最近のゲノムプロジェクトの成果により, P450遺伝子は生物界のバクテリア, プロトゾア, 植物, 動物, 糸状菌のすべてに分布しており, 動物や植物の種には多くの遺伝子が存在することが明らかになった.特に, モデル植物であるシロイヌナズナには約400の遺伝子が存在すると推定されている.これらP450酵素の生化学的性質を明らかにすることが, 生理学的な役割の解明に重要である.高等植物では, シロイヌナズナT-DNA変異株を用いた研究が生理学的な役割の解明に有効であり, また, 酵母を用いた遺伝子発現系は実際に酵素機能の解明に広く用いられている.さらに, 薬物代謝に係わるP450分子種を発現したトランスジェニク植物の作出は, 除草剤選択性植物やファイトレメディエーション用植物の育成に重要である.
著者
辻 稜三
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.374-384, 1985-08-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1
著者
白星 伸一 垰田 和史 辻村 裕次 北原 照代
出版者
佛教大学保健医療技術学部
雑誌
保健医療技術学部論集 (ISSN:18813259)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-12, 2017-03-01

滋賀県理学療法士協会員のうち,滋賀県内の医療機関,福祉・保健施設,教育,行政機関などに勤務する理学療法士611名を対象として,無記名自記式による質問紙調査を実施した. 腰痛の既往率は78%と高率であり腰痛のリスクが高い職業であるといえる.就労後2年以内に腰痛を発症する率が高く,業務の特性を考慮した独自の取り組みが必要である.また,腰痛に関する知識がある故に自らの判断で対策を講じる傾向が見受けられた.さらに,腰痛予防に関する教育機会の提供が十分とは言い難く,職場の意識改革に基づく総合的な予防策を講じる必要がある.職業性腰痛理学療法士質問紙調査
著者
原川 守 辻 政雄 小宮山 美弘
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.119-124, 1981

シアン化合物を含む雑豆(バター豆)を用いて製あん工程を改善し,安全でかつ合理的製造方法を確立することを目的とし,まず現在操業中の新旧の典型的な2工場の工程解析を行った。<BR>現在の食品衛生法に準拠して製造した場合,製品に遊離シアンは検出されなかったが,渋切りや煮熟が不十分であると定量値も高く検出されやすかった。一方遊離したシアンの一部は排水中に流出し,特に豆の浸漬温度が高い場合の排水に多かった。浸漬工程でのシアン遊離率(シアン化合物分解率)は新しい工場で30.2%,古い工場で21.3%であった。
著者
辻 圭秋 Yoshiaki Tsuji
出版者
同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)
雑誌
一神教世界 = The world of monotheistic religions (ISSN:21850380)
巻号頁・発行日
no.1, pp.15-26, 2010-02-28

本論文は、「イスラーイーリーヤート」という概念に対する理解を、(1)現代イスラーム世界のウラマー、(2)I.Goldziher、(3)S.D.Goitein、の三者から探り、Goiteinのイスラーイーリーヤート理解が前二者とは大きく異なることを明らかにする。(1)現代イスラーム世界のウラマーによるイスラーイーリーヤート理解は、「ユダヤ教・キリスト教的な信頼できない言説の総体」であり、実際にユダヤ教に由来するかどうかは問わない。(2)Goldziherも、個々の言説のユダヤ教的来歴を問題として俎上に載せることはあっても、大部分はウラマーの規定に従っている。他方、(3)Goiteinはイスラーイーリーヤートを、「ユダヤ教に由来する言説」と理解する。Goiteinによるイスラーイーリーヤート研究の方法論は、ユダヤ学における教父研究に近いものであり、一神教研究のみならず、イスラーム・ユダヤ教交渉史を考える上で極めて有益な知見をもたらすものであることを明らかにする。
著者
辻 周吾
出版者
Kyoto University of Foreign Studies International Society of Language Culture
雑誌
国際言語文化学会日本学研究 (ISSN:2424046X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.97-105, 2019 (Released:2022-01-14)

More Chinese employees are now working at Japanese companies. However, very little is known about how these employees attempt to engage in communication at their companies. In this study, I survey the types of conflict these employees encounter with regard to systems and work-styles at Japanese companies caused by cultural differences. This survey covered eight topics: “lifetime employment,” “seniority system,” “paid leave system,” “workplace assignment/job rotation,” “reporting/contacting/consultation,” “work outside of job scope,” “reporting work mistakes,” and “unconvincing instructions.” The results of the survey show that it is difficult for Chinese employees working at Japanese companies to accept management systems such as seniority by length of service and lifetime employment. It is easier for them to accept business customs involving work-related communication, such as reporting/contacting/consultation and working outside of their job scope.
著者
山影 進 田中 明彦 鈴木 一敏 阪本 拓人 山本 和也 保城 広至 服部 正太 木村 香代子 森 俊勝 光辻 克馬
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

国際関係論の重要分野である秩序変動の研究を、近年世界的に注目を集めているマルチエージェント技法を用いて行った。理論的観念的なレベルにとどまらず、政府内、住民集団間、国家間等さまざまなレベルの国際関係の事例についての実証研究に用いるためにモデル構築をおこなった。構築したモデルは、具体的な事象について高い再現性を示すことに成功し、それらの成果を書籍や論文のかたちで公表できた。
著者
田中 武夫 辻 智生
出版者
山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要 = 教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:18816169)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.159-171, 2015-03-31

学校教育における英語リーディング指導の課題の1つに、教科書の英文テキストの内容をどのように生徒に深く理解させ、テキスト内容をもとにどのように生徒の意見や考えを英語で表現させるかという課題がある。英文テキストの深い理解と豊かな表現を促すための指導方策として、読解指導において教師が発問を効果的に活用することが重要であることをこれまで筆者は提案してきた。しかし、発問にはどのような効果や課題が実際の読解指導において見られるのかはまだ十分に明らかにされていない。そこで、本論は、ある高等学校において1 年間通して行われた、推論発問、および、評価発問を活用した英語リーディング指導の実践の指導結果について報告する。とくに、読解指導における推論発問、および、評価発問を長期間にわたって活用する実践を行った結果、推論発問および評価発問を生徒はどのように認識しているかについて質問紙調査を行った。その結果をもとに、読解指導における推論発問および評価発問の活用に対する考察を行う。
著者
梅田 靖之 石田 藤麿 辻 正範 古川 和博 佐野 貴則 当麻 直樹 阪井田 博司 霜坂 辰一 鈴木 秀謙
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
Journal of Neuroendovascular Therapy (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.69-77, 2015 (Released:2015-05-31)
参考文献数
21
被引用文献数
7 10

【目的】瘤内コイル塞栓術を仮想した多孔質媒体モデルを用いた数値流体力学(computational fluid dynamics: CFD)解析をおこない,術後閉塞状態の予測に有用な血行力学的パラメータを開発する.【方法】コイル塞栓術を施行した未破裂脳動脈瘤20 例を対象とした.瘤内残存血流体積(residual flow volume,RFV)という血行力学的パラメータを考案し,術後閉塞状態の予測に有用か後方視的に検討した.【結果】術後6~12 カ月の脳血管撮影で完全閉塞は11 例,不完全閉塞は9 例であった.仮想コイル塞栓術後CFD 解析では,RFV は不完全閉塞群で有意に大きかった.RFV はreceiver operating characteristic(ROC)解析において,コイル充填率よりもROC 曲線下面積が大きく,RFV の閾値血流速度を1.0 cm/sec 以上とする設定が最も診断精度が高かった.【結語】多孔質媒体モデルを用いたCFD 解析により,術前算出可能なRFV が術後塞栓状態を予測する有用な血行力学的パラメータであることが明らかとなり,治療戦略への応用が期待できる.
著者
Tsuji Keita 辻 慶太
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, 2015-11

図書館の利用を増加させるラーニング・コモンズ(LC)像を調査分析した。具体的には,小山(2012)に示されている24のLCをサンプルとし,『日本の図書館:統計と名簿』に記されている入館者数,貸出数,参考受付総件数を利用量として取り上げ,これらを増加させるLCの要素を分析した。結果,プリンタ,コピー機,ノートPCがあり,学生一人当たりコンピュータ設置台数が多く,さらにTA・SAによる支援があって,1階に設置されているLCは,他のLCに比べて,入館者数や参考受付総件数を増加させる可能性があることが示された。
著者
辻 美智子 堀 光代 西脇 泰子 木村 孝子 長屋 郁子 坂野 信子 長野 宏子 山澤 和子 山根 沙季 横山 真智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】岐阜県に伝承されている家庭料理の中で、おやつとして食べられている料理の特徴についてまとめることを目的とした。<br />【方法】日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」のガイドラインに沿い、岐阜県の家庭料理について平成24年~27年に聞き書き調査を行った。調査対象地域を岐阜、西濃、中濃、東濃、飛騨の5圏域に分類した。対象者は調査地で30年以上居住し、家庭の食事作りに携わった43名である。聞き書き調査の結果からおやつに関する料理を抽出し、圏域別に特徴をまとめた。<br />【結果】岐阜圏域の「みょうがぼち」は、空豆餡を小麦粉生地で包み、茗荷の葉を巻き、蒸して作られ、初夏の食材を活かし田植えの合間に食されていた。西濃圏域の今尾地区の「竹寒天」は、竹神輿の材料である竹の中に寒天液を流し込んで作られ、左義長に出されていた。中濃圏域では初午の「まゆだんご」や端午の節句や田植え休みの「ぶんだこ餅」など、米や米粉に砂糖や小豆を加えたおやつを作り、ハレの日に食されていた。中濃・東濃圏域では、新米の収穫時期に「五平餅」が作られ、来客時にも供されていた。東濃圏域の「からすみ」は、米粉に好みの味(黒砂糖、抹茶、胡桃、紫蘇など)を加えて蒸したものであり、桃の節句には欠かせないものであった。また、秋には特産の利平栗を用いた「栗きんとん」や「栗蒸し羊羹」も親しまれていた。飛騨圏域の「甘々棒」はきな粉を主原料とした飴菓子であり、かつて寒冷地の農業普及に大豆の栽培が奨励され、大豆を美味しく食べる工夫がされていた。内陸県である岐阜県のおやつは、田畑や山などで収穫される季節の食材を活かし、小麦粉・米・米粉に砂糖、小豆などを用い、折々の喜びを食にも込めていた。
著者
周藤 俊樹 万年 英之 辻 荘一 後藤 信男
出版者
日本動物遺伝育種学会
雑誌
動物血液型蛋白多型研究情報
巻号頁・発行日
vol.1992, no.20, pp.27-31, 1992
被引用文献数
1

著者らは, 実験動物であるウサギ, マストミス, ハムスターから核DNAを精製し, M13ファージDNAの反復配列をプローブとしてDNAフィンガープリントを得た。その結果, 各個体で多数のバンドが検出され, そのバンディングパターンは各個体に特有であった。ウサギの同一個体の肝臓と血液からのDNAを用いて本法を行ったところ, 両者の間に相違は認められなかった。これらの結果より, M13ファージ反復配列を用いる本法のウサギ, ハムスター, マストミス等遺伝的モニタリング法が確立していない実験動物への適用に有効な方法であると考えられる。また, ウサギの日本白色種とニュージーランドホワイト種の交配による親子2組の親子鑑別を行ったところ, F1のバンドは両親のバンドのどちらかに由来していた。
著者
辻 二郎
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.619-632, 1983-07-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
54
被引用文献数
9 8

Following reactions of various allylic compounds catalyzed by palladium-phosphine complexes are surveyed. Allyl carbonates react with nucleophiles under neutral conditions at room temperature. Allyl alkenyl carbonates and allyl β-keto esters undergo decarboxylation and regioselective intramolecular allylation to afford allylated ketones. 1, 3-Dienemonoxides react with nucleophiles to give 1, 4-adduct with high selectivity. Palladium-catalyzed cyclization of methyl (E) - 3-oxo-8-phenoxy-6-octenoate gives 3-vinylcyclopentanone-2-carboxylate, which is useful starting material for steroids and jasmonate syntheses. Allyl alkenyl carbonates and allyl β-keto esters are converted to α, β-unsaturated ketones by decarboxylative dehydrogenation in acetonitrile using diphosphine. Allylic compounds are converted to mainly 1-olefins by hydrogenolysis with formates. Allyl carbonates are carbonylated under mild conditions to give β, γ-unsaturated esters. Conjugated dienes are formed from allylic compounds by palladium- catalyzed elimination reaction.
著者
辻田 明子
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-19, 2011

In texts of ancient Mesopotamia figure both a female Dumuziabzu and a male Dumuziabzu. According to royal inscriptions, the goddess Dumuziabzu was the tutelary deity of Kinunir (or Kinirša) in Lagaš, whereas the god Dumuziabzu was the son of Enki in a god-list (An = <i>Anum</i>). In earlier studies, these two gods were considered to be identical, and the sex of this god/goddess was occasionally thought to be determined by location; for example, the god is female in Lagaš and male in Eridu. In this context comparison between Dumuziabzu and Dumuzi was also taken into account. Because of the common element dumu-zi in their names, a direct link between them was suggested earlier, but this view is now largely abandoned. In this study, evidence on Dumuziabzu has been thoroughly gathered from documents dating from the third to the first millennium BCE, in order to see as precisely as possible the relation between the female Dumuziabzu and the male Dumuziabzu.<br>&emsp;The following observations have been made. First, the female Dumuziabzu was an influential deity in Lagas in the third millennium BCE. Her worship disappeared almost totally with the decline of Lagaš after the Third Dynasty of Ur. However, her name and the district whose deity she was, Kinunir, were passed down in the literary texts after the Third Dynasty of Ur, even in the lamentations written during the first millennium BCE. Furthermore, a few literary texts indicate some confusion between Dumuziabzu and Dumuzi. It seems that Dumuziabzu came to be considered male since the name contains dumu-zi, and that, because of his association with abzu, he then came to be regarded as one of the gods in Enki's circle.
著者
田近 敦子 井手 一茂 飯塚 玄明 辻 大士 横山 芽衣子 尾島 俊之 近藤 克則
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.136-145, 2022-02-15 (Released:2022-03-02)
参考文献数
33

目的 厚生労働省は2014年の介護保険法改正を通じて,本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた取組も進めるとし,通いの場づくりを中心とした一般介護予防事業を設けた。しかし,通いの場への参加による介護予防の効果を複数の市町を対象に検証した報告は少ない。本研究の目的は通いの場参加による要支援・要介護リスクの抑制効果を10道県24市町のデータを用い検証することである。方法 日本老年学的評価研究(JAGES)が10道県24市町在住の要介護認定を受けていない65歳以上を対象に実施した,2013・2016年度の2時点の自記式郵送調査データを用いた。目的変数は要支援・要介護リスク評価尺度(Tsuji, et al., 2018)の合計点数(以下,要介護リスク点数)5点以上の悪化とし,説明変数は通いの場参加の有無とした。調整変数は2013年度の教育歴,等価所得,うつ,喫煙,飲酒,手段的日常生活動作,2013年度の要介護リスク点数(性・年齢を含む),さらに独居と就業状況を加えた9変数とした。統計学的分析は全対象者,および前期・後期高齢者で層別化したポアソン回帰分析(有意水準5%)を行った。感度分析として,要介護リスク点数を3点,7点以上の悪化とする分析も行った。結果 対象者3,760名のうち参加者は全体で472人(前期高齢者316人,後期高齢者156人),12.6%(11.8%,14.5%)であった。参加なしに対して参加あり群における要介護リスク点数5点以上の悪化の発生率比は全対象者で0.88(95%信頼区間:0.65-1.18),前期高齢者で1.13(0.80-1.60),後期高齢者で0.54(0.30-0.96)となり,後期高齢者で有意であった。また,要介護リスク点数3点や7点以上の悪化を目的変数とした感度分析でも同様の結果であった。結論 非参加者と比較し,通いの場参加者において,要介護リスク点数5点以上の悪化は,後期高齢者で46%抑制されていた。とくに後期高齢者が多い地域に対して通いの場づくりを進め参加者を増やすことが,介護予防を推進する上で有効である可能性が示唆された。
著者
辻 周吾
出版者
学校法人 京都外国語大学国際言語文化学会
雑誌
国際言語文化学会日本学研究 (ISSN:2424046X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-11, 2019 (Released:2022-01-14)

This study investigates how the original meaning of words changes by adding the Japanese prefixes ‘O’ or ‘Go’. First of all, there are three cases where this change of meaning occurs: ①terms related to spirits, buddhas and noblemen(Omae, Okazari, etc.) ② items from daily life (Okazu, Otama, Oshibori, etc.) and ③negative expressions(Oshyaka, Oshikise, Osomatsu, Onagare, etc.). Moreover, there are two cases where the change of meaning is limited to certain contexts: ①in daily life(Ohiya, Otsumami, Otsuri etc.) and ②in personal relationships(Otyoshimono, Ochame, Oshare, etc.). Compared to ‘O’, ‘Go’ doesn’t produce so many changes of meaning. For example, ‘Goden’, ‘Goriyaku’, ‘Gomen’, ‘Gochisou’, etc. The common link between them is an expression of respect towards elder people, but this is a feature that is shared with the use of ‘Go’ as a sign of respect towards your listener. This study shows the effects for the original words by adding prefix of ‘O’ or ‘Go’. In addition it also investigates the features of its original word meanings.