著者
近藤 昌和 安本 信哉 秋吉 佑樹 高橋 幸則
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.87-101, 2013-02

魚類の好中球顆粒の種類は,多様であることが報告されている。著者らは前報において,ブリSeriola quinqueradiataの好中球の形態学的および細胞化学的特徴を調べ,ブリの好中球には好酸性(好エオシン性)顆粒(α顆粒),難染性顆粒(β顆粒)および好塩基性顆粒(γ顆粒)の3種類の顆粒が存在することを明らかにした。また,ブリのα顆粒は酸性条件下のMay-Grünwald(MG)染色によって橙色を呈するが,Giemsa染色では染まらず,MG-Giemsa(MGG)染色では染色性が低下すること,β顆粒にはアルカリ性フォスファターゼ(AlP)とペルオキシダーゼ(PO)が,γ顆粒にはα-ナフチルアセテートエステラーゼ(α-NAE)が検出されることを報告した。本研究では,魚類における好中球顆粒の多様性を明らかにするために,ブリと同様にアジ科に属し,水産増養殖対象となっているマアジTrachurus japonicus,カンパチS.dumeriliおよびヒラマサS.lalandiの好中球の形態学的および細胞化学的特性を明らかにし,これまでに報告した各種魚類と比較した。
著者
近藤 晶
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.12, pp.39-42, 2013-10-26

筆者はこれまで、Web上でのインタラクティブなコンテンツを制作するため、WebカメラとActionScript3.0を使用してきた。このWebデザイン業務で培った技術や知識を応用し、福井市の地域活性化プロジェクトなどでインタラクティブアート作品の制作・展示を行っている。最初の作品は単純なプログラムであったが、機能の追加・修正を行った結果、Webデザインで使用される技術を用いた制作手法に一定の可能性を確認することが出来た。以上のことから、2011年に行われたシンサカエ・ナイト・ミュージアムと2012年に行われた上味見雪まつり前夜祭の制作研究報告を行う。本論文では二つの作品に使用したプログラムの概要とそれにより可能となった視覚表現について説明すると共に、鑑賞者の行動の変化について報告を行う。
著者
熊倉 国勝 近藤 達彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.106-110, 1979-02-01
被引用文献数
1 1

これまでのクロマキーで得られる合成画像の画質は, 充分満足できるものではなかった.この装置は, 高品質な合成画像をねらって開発したもので, 合成画像の境界に生じるチラつきがない上にクロマキーブルーのかぶりも「色消去」と呼ぶ新しい方法で消してしまい, リアルで立体感のある画像づくりを可能にした.
著者
近藤 久 谷口 節子
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本微生物學病理學雜誌
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.211-219, 1942

京都ハ傅染性牛流産菌ノ汚染地帯ナルヲ以テ, 罹患牛, 汚染牛乳等ニ接觸スル機會多キ牧夫並ニ牛乳處理者間ニハ<I>Bang</I>氏病患者ガ潜在スルニ非ズヤトノ豫想ノ下ニ京都市近郊ノ21牧場116名ニ就キ血清反應試驗ヲ施行セルニ, 豫期ニ反シテ2名ノ感染容疑者ヲ發見セルニ止マレリ.
著者
伊藤 華江 保沢 こずえ 牧野 伸二 近藤 玲子 熊谷 知子 平林 里恵 関口 美佳
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.191-196, 2009-11-30
被引用文献数
2 1

<B>【目的】</B>プリズム非装用時と眼鏡内組み込みプリズムレンズ、膜プリズム装用時の視力、コントラスト感度、高次収差を比較検討した。<BR><B>【対象と方法】</B>屈折異常以外に眼疾患のない正常者20例20眼(21~47歳、平均28.8歳)を対象に、屈折矯正下でプリズム非装用下(装用なし群)、8Δ組み込みプリズム装用下(組み込み群)、8Δフレネル膜トライアルレンズ装用下(膜プリズム群)の視力、コントラスト感度、高次収差を測定した。コントラスト感度は、CAT-2000™(ナイツ)を用い、昼間視の状態で100%、25%、10%、5%、2.5%で測定した。高次収差はKR-9000PW™(トプコン)を用い、瞳孔測定径4mmのコマ様収差(S3)、球面様収差(S4)、全高次収差を測定した。<BR><B>【結果】</B>視力(logMAR)は装用なし群の-0.08±0.0に比較すると、組み込み群では-0.07±0.02と有意差はなかったが、膜プリズム群では0.04±0.10と有意に低下した(p<0.001)。コントラスト感度は装用なし群と組み込み群ではいずれのコントラストでも有意差はなかったが、膜プリズム群では有意に低下した。高次収差は装用なし群と組み込み群ではS4で有意差がなかったが、S3、全高次収差は組み込み群で有意に大きく(p<0.05)、膜プリズム群ではS3、S4、全高次収差の全てで有意に大きかった(p<0.005)<BR><B>【結論】</B>眼鏡内に組み込み可能な8Δまでの組み込みプリズムでは、同じ度の膜プリズムに比べ、視機能への影響は少ないことが推測された。
著者
大原 美保 川崎 昭如 近藤 伸也 田中 淳
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.553-556, 2012

近年,災害情報の伝達手段の一つとして,携帯電話のエリアメールによる情報伝達が普及しつつある.2011年9月に台風12号が通過した際,香川県内ではエリアメールによる住民向けの避難情報の伝達が行われた.本研究ではこの事例に着目し,住民アンケート調査に基づいて情報伝達・受容の実態調査を行った.住民にとってはエリアメールによる災害・避難情報を初めて受け取る機会であったが,否定的な意見は少なく,効果に期待する声が多かった.一方,避難の必要性を伝える文面については課題も見られ,今後の情報発信への示唆が得られた.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
坂本 光弘 松本 理器 十川 純平 端 祐一郎 武山 博文 小林 勝哉 下竹 昭寛 近藤 誉之 髙橋 良輔 池田 昭夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.609-616, 2018 (Released:2018-10-24)
参考文献数
26
被引用文献数
4 2

自己免疫性てんかんが近年注目されているが,抗神経抗体以外の特異的な診断法は確立していない.今回我々は最初に病歴・臨床症候,次に検査成績と2段階で自己免疫性てんかんを診断するアルゴリズムを作成し,臨床的有用性を予備的に検討した.自己免疫性てんかんが疑われた70名に後方視的にアルゴリズムを適応した.MRI,髄液,FDG-PET検査のうち,2項目以上異常所見があれば診断に近づく可能性が示された.一方で抗体陽性13名のうち2名は,第一段階の臨床症候で自己免疫性てんかんの可能性は低いと判断された.包括的抗体検査のもと診断アルゴリズムの更なる検証,改訂が望まれる.
著者
中島 敬二 上田 貴志 植田 美那子 望月 敦史 近藤 洋平 稲見 昌彦 遠藤 求 深城 英弘 河内 孝之 小田 祥久 塚谷 裕一
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

植物は一生を通じて器官や組織を作り続けながら成長する。このような特性に起因して、植物の形態には固有の周期性が現れる。植物の周期形態は遺伝的プログラムや環境変化といった、内的・外的因子により変化し、植物はこれを積極的に利用することで、器官のかたちや細胞の機能を変化させる。植物の形態や成長に現われるこのような「可塑的な周期性」は、植物個体の内部に潜在する未知の周期性とその変調に起因すると考えられるが、周期の実体やそれが形態へ現れる仕組みは不明である。本新学術領域では、植物科学者・情報科学者・理論生物学者が密接に連携して共同研究を展開し、周期と変調の視点から植物の発生原理を解明する。

1 0 0 0 OA 続史籍集覧

著者
近藤瓶城 編
出版者
近藤出版部
巻号頁・発行日
vol.第3冊, 1917
著者
近藤 勲 河崎 雅人 山本 尚武 河原 美智子 平家 浩子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 24 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.327-328, 2000-07-29 (Released:2018-05-16)
参考文献数
1

視覚並びに聴覚サブリミナル効果の有無について検証するために,情動の変化を皮膚電気活動(EDA:Electrodermal Activity)並びに精神性発汗(Emotional Sweating)に変換して測定し、その結果をもとに検討した.標本には、映像情報としては,中性刺激と見なせる構成のビデオ映像約4.5分,及び7分間に恐怖心を惹起させると期待される画像を1/30秒間ランダムに14,及び26ヵ所に挿入し視聴させた.被験者は男女学生合わせて20名である.音声・音響情報としては,クラシック音楽に人間の声と動物の声を挿入したテープを20名の被験者に聴取させた.この結果,前者の被験者については,何らかの情動の変化が検出されが、後者の被験者については明確な変化は見られなかった.したがって,映像情報については、サブリミナル効果の存在を否定できないが、音声情報については判別できないという結果を得た.
著者
杉山 統哉 田中 宏太佳 鄭 丞媛 松本 大輔 近藤 克則
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B3O2093, 2010

【目的】<BR> 脳卒中後の機能回復の予後において社会的サポートのレベルが高いほどActivities of Daily Living (以下ADL)点数が高くなるという報告がある.社会的サポートとは周囲の人々から得られる有形・無形の援助のことであり,家族介護者は社会的サポートの主な提供者の1つである.そこで介護力の有無により自宅退院率だけではなく,脳卒中後の機能回復に影響があるのかどうかを明らかにすることを目的とした.<BR> 日々の臨床においてもリハビリテーション(以下リハ)の対象となる患者は,関わる人が多い場合,帰結が良くなるという印象がある.仮説として特に家族介護者の関わりが多い方がより早く治したい,動けるようになりたいという感情が強くなり,帰結に影響を及ぼしているのではないかと考えた.しかし脳卒中後リハ対象患者において人の関わりがADLにどう影響を及ぼしているかを検討した報告はほとんどない.そこで多施設参加型データベースであるリハビリテーション患者データバンク(リハDB)に登録されている脳卒中患者のデータを使用し,検討したので報告する.<BR>【方法】<BR> 2009年5月までにリハビリテーション患者データバンク(以下リハDB)に登録された3,930名(30病院)のうち入院病棟区分が「一般病棟」の2,238名(19病院)から今回の検討するデータが入力されている9病院から入院時歩行不可である618名(男性365名,女性253名)を対象にした.患者選択基準は「発症前modified Rankin Scale(以下mRS)0~3」,「入院時mRS4・5 」,「55歳以上84歳以下」,「在院日数8日以上60日以下」,「発症後リハビリ開始病日21日以下」,「発症後入院病日7日以下」,以上の基準を満たすものを分析対象とした.対象の内訳は年齢72.4±7.9歳,発症から入院までの日数1.3±0.7日,発症後リハ開始病日2.8±2.8日,在院日数29.1±12.3日,リハ期間26.0±12.3日,1日あたりのリハ単位数(保険請求分)4.0±2.3単位であった.今回の検討は転・退院時の歩行状態が自立か非自立を帰結にした.そこで対象を転・退院時歩行自立294名と歩行非自立324名に分類した.転・退院時の歩行の自立・非自立の定義は入院時のFunctional Independence Measure(以下FIM)とmRSを掛け合わせることで設定した.リハDBのデータ項目の中から転・退院時の歩行状態を予測する因子として性別,年齢,確定脳卒中診断分類(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血),在院日数,糖尿病の有無,高血圧の有無,合併症の有無,脳卒中既往歴,発病前mRS,発症後リハ開始病日,認知症の有無,意識レベル,下肢運動,入院時半側空間無視の有無,入院時感覚障害の有無,入院時FIM運動項目合計,入院時FIM認知項目合計,介護力の有無,装具処方の有無,リハ専門医の関与の有無,カンファレンスの実施状況,休日・付加的な訓練の有無,1日あたりのリハ単位数を選択した.上記の項目を独立変数とし,転・退院時の歩行自立・非自立を従属変数としてSPSSver12.0を用いてロジスティック回帰分析を行った.また,有意水準は5%未満とした.<BR>【説明と同意】<BR> 本研究において用いたデータは,リハDBについて説明の上同意した協力施設から,匿名化処理をし個人情報を削除したデータの提供を受けた.<BR>【結果】<BR> 選択した各変数の単変量解析(χ2検定)を行った結果,糖尿病の有無,高血圧の有無,発症後リハ開始病日,装具の処方の有無,カンファレンスの実施状況,1日あたりリハ単位数以外は有意確率0.05以下であった.<BR> ロジスティック回帰分析の結果は性別が「男」,脳卒中確定診断分類のうち「脳梗塞」,脳卒中既往歴「なし」,発症後リハ開始病日が「3日以内」,下肢運動「正常」,感覚障害「正常」,入院時運動・認知項目合計得点が高い,介護力「0~1人」「1人以上」,リハ専門医の関与「あり」が転・退院時の歩行自立が多い因子(p<0.05)であった.判別的中率は87.3%,HosmerとLemeshowの検定ではχ2=4.485(p=0.811)であった.今回の検討項目である介護力の有無に関してのオッズ比は歩行非自立を「1」としたとき,介護力「なし」に対して「0~1人」が7.142(95%信頼区間:1.846~27.625),「1人以上」が7.448(95%信頼区間:1.799~30.832)であった.<BR>【考察】<BR> 入院時の他の条件が同じ患者でも介護力が大きい人ほど歩行自立する確立が高いことが示された.1993年StrokeのGlassらによると高いレベルの社会的サポートは脳卒中後の機能回復に関連し,重要な予後因子であるかもしれないと報告している.今回の結果においても介護力の有無が脳卒中患者における歩行自立の重要な予後因子であるかもしれないということが示唆された.<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 本研究の結果から,急性期脳卒中患者において集約的合理的にリハを行う・予後予測する一助になると考えられる.
著者
近藤 勲
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.28, no.9, pp.706-711, 1974

VHF帯においてトランジスタを用いたアクティブバンドパスフィルターの設計法および実験結果について述べている.試作した4段構成のバンドパスフィルターは挿入損失がなく, 雑音指数が約6dB, カラーテレビ信号による赤色混変調は入力レベル70dB/<SUB>u</SUB>Vにおいて-50dBであった.また, これらの結果をもとに実用性についての検討も行い, 低レベルの回路であれば充分実用可能で, さらに小型で軽量なフィルターであることも述べている.