著者
三橋 邦宏 高木 渉 近藤 将弘
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp._2A1-H13_1-_2A1-H13_4, 2008

A floor-reaction-force measurement base and joint angle measurement links were created, and man's joint angles and floor reaction forces in a jump were measured. These measured data were inputted into the numerical model of a hopping robot which has a wire rolling-up actuator which attached a spring in series in a wire, and the spring constant which makes a motion of an actuator small was presumed. The motions of a wire rolling-up actuator in consideration of the effect of this spring were approximated by sinusoidal wave forms, and the simulations of man's jumps were carried out. As a result, it was shown that energy of the motor for a jump can be made small to 40% - 60% with a spring as compared with energy without a spring.
著者
市川 尚斉 武藤 周 篠崎 一雄 松井 南 中澤 美紀 近藤 陽一 石川 明苗 川島 美香 飯泉 治子 長谷川 由果子 関 原明 藤田 美紀
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.428, 2007

優性突然変異を引き起こすミューテーションは、遺伝子ファミリーを形成する遺伝子群のゲノム的機能解析など、遺伝子破壊型のタギング法では表現型が現れない遺伝子の機能解析に欠かせないテクニックである。我々は総合的な遺伝子の機能付加を目指して、約1万種の独立シロイヌナズナ完全長cDNAからなる標準化cDNAライブラリーをアグロバクテリアのバイナリーベクター上で作成した後、このバクテリアライブラリーをシロイヌナズナに花感染させることでシステマティックに形質付与を起こさせる方法として、Fox Hunting Systemを開発した。T1世代の植物を15,000ライン以上観察したところ、可視変異の起きた1,487ラインを単離した。そのうち本葉でうす緑色の変異を起こした115ラインに関して次世代植物の観察を行ったところ、59ライン(51%)が優性もしくは半優性にT1表現系を再現した。cDNAの再導入によって表現型が再現したラインの1つは、ペールグリーンの性質の他に花芽形成が早まり、徒長成長も示すことが判明した。遺伝子配列を解析したところ、このcDNAは未知の遺伝子で分泌たんぱく質様の構造を持つ95アミノ酸配列の小型のたんぱく質をコードしていることがわかった。この新規機能遺伝子を例にしてFOX-hunting systemの有効性を議論する。
著者
梶本 卓也 中井 裕一郎 大丸 裕武 松浦 陽次郎 大沢 晃 Abaimov Anatoly P. Zyryanova Olga 石井 篤 近藤 千眞 徳地 直子 廣部 宗
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.265, 2005

中央・東シベリアの永久凍土連続分布域には、近縁2種のカラマツ(L. gmelinii, L. cajanderi)が優占する疎林が分布している。これまでの調査から、成熟した林(100年生以上)では、根が全現存量に占める割合は30-50%と北方林の中でも顕著に多く、同化産物のアロケーションが根にかなり偏っていることがわかっている。このことは、個体の成長や林分発達が地上部の光獲得競争よりも地下部での土壌養分、とりわけ窒素をめぐる競争に支配されていることを示唆している。本研究では、こうした点を裏付けるために、中央シベリアの成熟した林(約100年生)や山火事更新直後の若齢林(10年生前後)を対象に新たに伐倒・伐根調査を行い、既存のデータも加えて、アロケーションや根系発達が時系列でどう変化するのか検討した。その結果、100年生林では根が現存量に占める割合はやはり30%以上と高く、各個体の根系水平分布面積は樹冠投影面積の3-5倍に達していた。また林分レベルで推定された根系分布面積合計、単位土地面積当たり1を大きく上回り、根系がすでにほぼ閉鎖していることが示唆された。一方、更新直後の実生や若木では、根の割合は個体サイズとともに低下し、成長良好な大きめの個体で15-20%と成熟木よりかなり少なかった。この永久凍土地帯では、山火事更新後、コケや地衣、低木等林庄植生の回復に伴って、地温が低下し活動層の厚さも徐々に減少する。そして、もともと限られた無機態窒素の利用も制限されていく。こうした根圏環境の時系列変化を踏まえてカラマツ個体のアロケーションを考えると、土壌養分吸収の制限が少ない山火事後の更新初期段階では地上部の成長に偏っているが、数10年を経ると地上部から根へ大きくシフトし、その時期を境に地下部での個体間競争が起こって、やがては根系が閉鎖した林分状態に達することが推察される。
著者
伊藤 美智予 近藤 克則
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.153-166, 2007
被引用文献数
2

本調査では,次の2点を明らかにする目的で現地ヒアリング調査を実施した.第1に,アメリカの質マネジメントシステムへのナーシングホーム側からみた評価を明らかにする.第2に,アメリカの経験から日本への示唆について検討する.対象は,3つのナーシングホームのマネジャーら12人とした.本調査結果に基づけば,同システムがケアの質向上へつながるとの積極的評価が過半数を占めた.同システムがケアの質向上に寄与している理由には,(1)データ提出義務化,(2)現場が納得する評価すべき要素の抽出,(3)利用者レベルでのケアのプロセス改善につなげる方法の開発,(4)他施設との比較可能な量的指標群の開発,(5)評価結果の監査での活用,(6)評価結果の公表,の6点が考えられた.ただし,評価指標のリスク調整など課題もあった.日本への示唆として,データの入手方法の検討,他施設と比較可能な量的指標群の開発,監査方法の再検討の3点が挙げられた.
著者
近藤 余範 野口 昭治 近藤 孝之 直井 一也 高辻 利之 黒澤 富蔵
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.406, 2004

歯形測定機の精度を2個のマスタボールを用いてnmオーダで校正する研究開発を行っている。この場合、ボール中心間距離の測定不確かさは100nm以下であることが要求される。この目的には、三次元測定機が一般的に用いられるが、測定精度が十分でなく、測定点数には限りがあり、ボールの形状偏差が大きな不確かさ要因となる。そこで、ボールの形状を連続的に測定し、形状偏差の影響を受けにくいボール中心間距離測定装置を開発した。
著者
有田 悦子 坂本 満夫 恩地 ゆかり 小俣 栄 圓藤 孝子 近藤 芳子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.47-55, 2003-02-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
9
被引用文献数
5 5

During our efforts to develop a training program for new pharmacists, we have come to the opinion that it is essential to understand the personality characteristics of each individual pharmacist. The present study was undertaken to examine the effects of various personality characteristics of new pharmacists regarding their work by psychological tests with existing education programs. The ultimate goal of obtaining basic data would be useful for devising effective training plans for new pharmacists. The subjects consisted of 16 new pharmacists who participated in the training program for new pharmacists conducted at the Q Pharmacy in April through June of 2001. A psychology test, the Tokyo University Egogram (TEG), was administered at the beginning and at the end of training, and the State-Trait Anxiety Inventory (STAI) was administered at the beginning and at the end of training and once a month for two months.An analysis of changes in egograms taken both before and after the training suggested that the effects of the training were manifested in their personality even after a short period of training.Some personality characteristics that seem desirable for pharmacists were derived from the data obtained for pharmacists with highly appraised performances. These include moderately high Critical Parent (CP) and Free Child (FC), high Nurturing Parent (NP) and Adult (A), and moderately low Adapted Child (AC). It is possible that more effective training can thus be provided if not only the trainee but also the trainer understands one's own personality haracteristics.
著者
東 久美子 塚川 佳美 近藤 豊 Dallmayr Remi 平林 幹啓 尾形 純 北村 享太郎 川村 賢二 本山 秀明 的場 澄人 青木 輝夫 茂木 信宏 大畑 祥 森 樹大 小池 真 小室 悠紀 對馬 あかね 永塚 尚子 繁山 航 藤田 耕史
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

2014年春にグリーンランド氷床北西部のSIGMA-Dサイトで225メートルの深さまでのアイスコアが掘削された。積雪のアルベドに影響を及ぼす物質として注目されているブラックカーボン(BC)の変動を高時間分解能で復元するため、国立極地研究所で開発されたアイスコア連続融解析装置(CFA)を用いてこのコアの深度6~113mを高時間分解能分析した。CFAはアイスコアを融解しながら連続的に分析する方法であるが、融解部に接続したWide-Range SP2 (Single Soot Photometer)によりBCを分析した。コアの上部6mは空隙の多いフィルンであり、CFAを用いることができなかったため、約5cmの長さ毎に切り、試料表面の汚染を除去して融解した後、SP2で分析した。主としてナトリウムイオン濃度と酸素同位体比の季節変動を利用してこのコアの年代決定を行い、1年を12に分割して月毎の変化を調べた。ブラックカーボンの質量濃度と数濃度はともに1870年頃から増加し始め、1920~1930年頃にピークを迎えたが、その後減少に転じた。1870年頃からの濃度の増加は、化石燃料の燃焼によって発生する人為起源のブラックカーボンがグリーンランドに流入したためであると考えられる。化石燃料起源のBC濃度の増加に伴ってBCの粒径が大きくなる傾向が見られた。これはグリーンランドに到達する化石燃料起源のBCの粒径が森林火災起源のものよりも大きいことを示唆している。BC濃度の季節変動を調べたところ、BC濃度の増加は主に秋~冬に生じていることが分かった。また、人為起源のBCの影響がない時代にはBC濃度は夏にピークを示していたが、人為起源のBCが多量に流入した時代には冬にピークを示していたことも分かった。夏にはしばしばBCが短期間だけ50µg/Lを超える高濃度になることがあったが、これは森林火災によるものと考えられる。本発表では、SIGMA-Dコアの結果を他のグリーンランドコアと比較して議論する。
著者
近藤 光男 南野 博美 奥山 源一郎 本田 計一 永沢 久直 大谷 泰永
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.14-18, 1983-11-15 (Released:2010-08-06)
参考文献数
7

Physicochemical properties of β-glycyrrhizin (β-G, a triterpenoid saponin) and α-glycyrrhizin (α-G, a stereoisomer of β-G, newly developed in this study) were examined in connection with cosmetics.Both α- and β-G's exhibited similarly considerable interfacial activity. However, the aqueous solution of β-G formed extremely rigid gel in acidic media, whereas α-G showed no sign of gelation.β-G can emulsify various oily materials lying in a wide range of required HLB value, while α-G has the solubilizing ability for several perfume materials.A series of experiments were carried out to obtain some informations on the solubilizing, emulsifying, and gelling mechanisms of G's by using 13C-NMR, scanning electron microscope and various derivatives of G's.The results suggested that β-G molecule which was found to be cyclically constructed constitutes the micells which in turn orient anisotropically to form the rigid gel and stabilize the emulsion.
著者
山本 康貴 馬奈木 俊介 増田 清敬 近藤 功庸 笹木 潤 宋 柱昌 吉田 祐介 赤堀 弘和
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

EUでは、環境に配慮した農業生産を行うなどの一定要件を満たした農業生産者に補助金等を支払うというクロス・コンプライアンス(CC)を適用した農業政策が実施されている。本研究では、CC受給要件を、農業由来の環境負荷などの外部性効果とみなして評価し、CC受給要件の内容設計に資する手法の開発や適用を試みた。農業生産活動由来の環境負荷に及ぼす環境影響を経営段階のミクロレベルや国全体のマクロレベルで定量評価できる手法の開発と適用を行い、CCを適用した新たな農業政策の設計に資する基礎知見を得ることができた。
著者
熊本 吉一 小泉 博義 黒沢 輝司 山本 裕司 呉 吉煥 鈴木 章 松本 昭彦 近藤 治郎 清水 哲 梶原 博一
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.1429-1434, 1984-11-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
10

急性腸間膜血管閉塞症は,絞扼性イレウスと共に腸管の血行障害をきたす代表的な疾患である.最近我々は塞栓摘除術のみで救命せしめた上腸間膜動脈塞栓症の1例を経験したが発症より手術による血流再開に至るまで3時間40分と短時間であったため腸切除を免れた.また横浜市立大学第1外科のイレウス症例中,術前に動脈血ガス分析をおこなった33例を検討したところ,腸切除を免れた.すなわち腸管が壊死に陥らなかった症例ではbase excessはすべて-2.8mEq/l以上であった.このことより絞扼性イレウスの手術適応決定の指標としてbase excess測定が有用であるとの結論を得たが,本来イレウスにおける手術適応の決定は遅くとも腸管の可逆的な血行障害の時点でなければならず,この点よりbase excessのみでの適応決定は慎重でなければならないと考えられた. これらの経験をもとに,腸管の血行障害における有用な補助診断法としての的確な指標を検討するために犬を用いて上腸間膜動脈を結紮する実験をおこなった.その結果,早期診断の一助として, total CPK, base excessが有用であるとの結論を得た.
著者
平賀 慎 杉田 洋 村川 三郎 近藤 貴道
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.616, pp.153-158, 2007-06-30 (Released:2017-02-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

This paper proposes the cleanliness check system which is constructed by the evaluation of students for the purpose of efficient cleaning management. This system was applied to a certain university as a case study. First the viewpoints and judgment conditions on which the cleanliness of campus were evaluated were extracted by the hearing investigations to the students. Then, some items for the cleanliness check were decided based on these results. Furthermore, importance level to the check items and user satisfaction to the current conditions were investigated. As a result, the necessary knowledge to improve concretely the cleaning management was obtained.
著者
小池 香代 江崎 哲夫 樋田 治夫 矢崎 蓉子 水野 裕之 竹内 敏明 前田 徹 大橋 千草 荒川 由佳 長崎 淳 黒田 純子 服部 隆宏 浅野 知子 近藤 勝弘 丹村 貴之 山田 芳敬 野間 秀一 藤田 幸子 長谷川 信策
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.116-125, 2002-04-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
19

In Nagoya City University Hospital, a two-week training program for senior students in pharmacy training was carried out up until 1999. The large majority of senior students took a passive role in this pharmacy training course and therefore did not understand that importance of such training. Therefore, the pharmacy training period was extended from two-weeks to four-weeks in 2000. We thus evaluated what differences there were after the training was increased from two-weeks to four-weeks.The four-week training program was found to increase student motivation toward the pharmacy training. Our survey concluded that approximately 69 % of all senior students were interested in pharmacy training and 75% of senior students understood the role of the pharmacist. In addition, 87% of senior students had an improved image of pharmacists after the new pharmacy training. The reason for such an increase was that the senior students gained a better understanding of the reasons for training and also obtained practical experience in pharmaceutical care. These findings suggest that the four-week training program with self-learning exercises was useful for normally passive senior students. It also enabled hospital pharmacists to make an even greater contribution to the pharmacy training program.
著者
近藤 雅典
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.11-17, 2011

ギンガショウジョウバエ属は, 頭部から胸部にかけて特徴的な銀白色縦条を持っており, そのため, 同様に銀白色縦条を持つトゲアシショウジョウバエ属との分類の混乱が見られた. そこで, 本稿では, まずギンガショウジョウバエ属の分類変遷について概観し, トゲアシショウジョウバエ属との分類の混乱の実態を明らかにした. 次に, これまでのショウジョウバエ科のいくつかの系統仮説を紹介し, 本属および, これまでに類縁が示唆された属との系統関係について考察した. さらに, 銀白色縦条が非相同形質であることを明らかにしたYassin et al.(2010)の研究を紹介し, 最後に, ギンガショウジョウバエ属の今後の研究の方向性を示した.生物進化研究のモデル生物群としてのショウジョウバエ. 北海道大学低温科学研究所編
著者
大久保 功子 玉井 真理子 麻原 きよみ 近藤 浩子 百瀬 由美子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.1-11, 2003-06-30 (Released:2012-10-29)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

当事者の視点から遺伝子診断による選択的中絶の意味を記述し, 看護への示唆を得ることを目的に, Cohenらの解釈学的現象学を用い, 同意の得られた場合に限り遺伝病の子どもを持つ夫婦3組の出生前遺伝子診断の参加観察と, 1名の研究参加者に3回の深いインタビューからデータを得た. 浮かび上がった主テーマ「つながりの破壊」と「障害者の存在に対する相反する価値との直面」を基に物語を再構成した.出生前遺伝子診断では遺伝病という衝撃が生んだ,夫婦の心のすれ違いと障害の差異化によって破壊された人とのつながりの中で, 家族の中での犯人探し, 自己疎外, 障害者の存在の肯定と否定を招き, 選択的中絶によって相容れない価値観に引き裂かれ, 内なる優生思想と出会いつつ, あらたなつながりを希求することとなっていた.よって看護には家族と社会とクライエントとのつながりに関心を払い,診療科を超えた継続的ケアが必要とされていることが示唆された.