著者
鈴木 庄亮 ROBERTS R.E. LEE Eun Sul. ORLANDAR Phi 町山 幸輝 BLACK Thomas 小林 功 山中 英寿 BUJA Maximil SHERWOOD Gue 倉茂 達徳 土屋 純 BURKS T.F. 伊藤 漸 BUTLER Patri 中島 孝 石川 春律 SHERWOOD Gwendolyn BURKS F.thomas THOMAS Burks 森下 靖雄 ROBERTS R. E 鈴木 守 LEE Eun Sul 古屋 健 JUDITH Crave RONALD C. Me GUENDOLYN Sh 大野 絢子 GEORGE Stanc 城所 良明 近藤 洋一 PAUL Darling 三浦 光彦 村田 和彦
出版者
群馬大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

平成5年度に、医学教育全般、基礎医学、看護教育、大学院教育及び病院管理を中心に相互の調査研究を実施した。これをうけて平成6年度は臨床医学教育、臨床病理・検査医学、教育技法を中心に相互訪問し、資料作成提供、説明とヒアリング、見学と討論及びセミナー開催を行なった。(1)日本側大学: 群馬大学及びその医学部、生体調節研究所(前内分泌研究所)、及び医療短期大学部。研究分担者は各部局の長および医学部教務担当教授、内科、外科、臨床病理の教授。(2)相手校: 州立サキサス大学健康科学センターヒューストン校(H校と略す)およびその医学部、公衆衛生学部、看護学部、医療技術学部、及び生物医学大学院。研究分担者は教務担当副医学部長を代表として各部局の教務関係教官。(3)渡米した教官: 中島孝(医学部教務担当、病理学)、小林功(内科学、臨床検査医学、団長)、山中英寿(外科学)、及び倉茂達徳(医短、臨床病理学)の4教授。(4)訪日した教官: 教務担当副医学部長PMバトラ-女史(医、小児精神医学、団長)、Mブヤ(医、病理学主任教授兼医療技術学部教授教授)、PMオルランダー(内科学)、及びCTブラック(外科学)の4教官。(5)研究分担者会議を日米7回開催し、研究の概要説明、研究計画実施手順、資料収集、研究討論、などを行った。(6)前年度のサキサス大学訪日団の報告書の修正、入力、整理、翻訳を行い学内関係者に回覧し、意見を求めた。(7)渡米・訪日期日: それぞれ、6月6-13日と10月22-29日。(8)渡米団の活動: 前年度訪日したH校副学長、医学部長から歓迎の意を表された。目的とする卒前卒後の臨床医学教育訓練を中心テーマとして、予定されたプログラムにそって、資料提供、説明、見学、討論が行われた。すなわち、ヒューストン校の概要、医学部カリキュラム、医学部卒後教育、臨床病理学教育及び施設、学習資源センター、医学総合図書館、教育関連病院、学生相談システム、学生評価、教官採用評価昇進等について見学と討論が行われた。(9)訪日団の活動: 日本の医学教育及び群馬大学医学部における卒前卒後の医学教育訓練について、内科外科臨床教育を中心に各研究分担者が用意した資料にもとづいて説明し、討論した。附属病院内科外科外来病室及び臨床病理中央検査部で詳細な現地見学聴取討論をし、卒後臨床教育の観点から学外の大学関連病院および開業医2ヵ所を見学した。医学教育セミナーを開催し、H校の4教官がそれぞれの立場から具体的な医学教育の方法、内科診断学教育、一般外科の実習、臨床病理学の教育、問題解決型学習および標準患者による臨床実習の方法について説明と話題提供をした。(10)報告会と報告書: 渡米した4教授による調査研究の公開報告会を7月12日に開催し、報告書の提出を得た。今年度訪日した4教官の報告書入手中。(11)本事業の意義について: 双方の教官は、相互訪問し各自の医学教育システムを最大限わかってもらえるよう努めた。相互訪問で視察と討論を行うことにより相互の文化的背景にまで及ぶほど理解が深まった。とくに西欧社会はこれまでわざわざアジアを理解しようとすることは少なかったので、テキサス大学教官にとっては国際理解のいい機会になった。米教官の一人はこのような試みに研究費を出す日本政府は米政府より将来優位に立つかもしれないと述べた。(12)日本にない米医学教育システムの特色: 入学者選抜は約15倍の学士である志願者に対して1.5時間におよぶ面接口頭試問を含む、PhD教官による基礎科学と医師による臨床医学の接続がうまくいかない、カリでは行動科学・プライマリケアが重視されている、問題解決型学習が定着している、カリにゆとりがあり積極的な自己学習を期待している、標準患者による具体的で実際的な診断学教育が行われている、学生当たりの教官の数が5割程度多い、卒後医学教育が「医局」でなく一定のプログラムの下に行われ専門医等の資格に至るようになっている、臨床検査技師教育はより専門分化している、等である。
著者
馬場 敏幸 苑 志佳 相澤 龍彦 河村 哲二 近藤 章夫 兼村 智也 折橋 伸哉 佐藤 隆広 田中 美和
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

今年度はブラジルサンパウロ、ジョインビレ、カシアスドスルを訪問した。ジョインビレとカシアスドスルはこれまでの調査で判明したブラジルの金型クラスターである。ジョインビレはドイツ系移民による工業都市であり、ブラジル第一の金型集積地である。ブラジル金型工業会もジョインビレに位置する。ジョインビレの金型技術は大手配管メーカーと大手家電メーカーの部品成形およびそれらの成形のための金型作成を核として形成されていった。やがて蓄積された技術をもとにして自動車など他産業向けの金型作成も盛んに行われるようになった。ジョインビレでは金型メーカーおよび中核企業である家電メーカーの金型部門を訪問した。金型はドイツ・マイスター風の金型製作手法がとられ、製作される金型品質はグローバルレベルであった。カシアスドスルはプラスチック射出成形が盛んなイタリア系の移民都市である。金型製作はイタリアカロッチェリア風の金型手法がとられ、製作される金型品質は高かった。今年度の訪問により、これまでの企業のグローバル化および企業の成立・調達・技術系製などの経営学的・工学的知見に加え、ブラジル金型産業クラスターの成立という経済地理的観点からも大きな知見が得られた。特に興味深かった点は、金型クラスターごとに異なる形成経緯である。すなわち、コスモポリタン的な形成がなされたサンパウロABC地域は1950年代以降の自動車産業振興に伴って金型クラスターはコスモポリタン的に形成されたが、ジョインビレ地域はドイツ系移民のもちこんだ工業蓄積と共に形成され、カシアスドスル地域はイタリア系移民のもちこんだ工業蓄積と共に形成された。ブラジルの金型産業の形成・発展に「移民」のキーワードが重要であるとの点が明らかになった。これはアジア地域の地場民族による金型産業・クラスター形成とは異なるタイプの金型産業・クラスター形成であり、大きな発見であった。

1 0 0 0 OA 蘇東坡詩醇

著者
近藤元粋 編
出版者
青木嵩山堂
巻号頁・発行日
vol.巻之1, 1907
著者
古賀 俊策 福場 良之 福岡 義之 近藤 徳彦 西保 岳
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

人類が直立二足歩行によって獲得した身体活動能力、とりわけ全身持久的運動能力は他の動物よりも優れた生理機能(循環調節や発汗など)によって支えられる。実際の持久的身体活動時には、活動強度や温度などの環境刺激が時間と共に変化する非定常状態が多くみられる。この状態では潜在的な統合生理機能(全身的協関)が顕著に抽出されるので、ヒトが進化過程で獲得した持久的運動能力の特性がより明らかになる。しかし、各々の生理機能(呼吸、循環、筋肉、体温など)が統合的に調節される仕組みについては不明な点が多い。今回は全身的協関がより顕在化する非定常状態に着目して、生理人類学的視点からヒトの持久的運動能力を総合的に検討した。
著者
中川 博文 北村 純一 近藤 徹 飯沼 和三 高橋 賞
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.61, no.582, pp.466-471, 1995-02-25
被引用文献数
4

The efficiency of visual biofeedback (VFB) training method using a Photoelastic imaging system on restoring and stabilizing a standing position of stroke patients was investigated. As a stroke group, seven hemiplegics were selected with the mean of 57 year-old. Twelve age-matched healthy subjects were selected as controls. The subjects were asked to stand upright on the photoelastic apparatus and to gaze at a marker 1.5M distant on the wall. Then, VFB training was performed for ten minutes by self recognition of his own pressure patterns which were produced by photoelastic system and were monitored on a TV screen. The patterns were photographed in each different condition such as in a standing position with eyes open or closed before and after l0-minute-training with VFB, and were comparatively analysed. The results showed that (1) the ratio of affected side to unaffected definded by the number of first fringes produced increased significantly after VFB up to the control level, (2) the ratio of body weight loading on the affected side to unaffected was significantly increased after VFB, and (3) the position of center of contact pressure on the longitudinal axis of an affected sole was found to be significantly more posteriorly sifted than in the control and was remained unchanged after VFB. In conclusion, the VFB method using a photoelastic imaging system may be useful to enhance visual-contact motor balancing functions in patients with hemiplegics and also to study a restoring process of neurological impairment leading to a postural problem.
著者
山脇 功 桂 秀樹 平良 真奈子 角陸 知妹 橋本 幾太 千代谷 厚 近藤 光子 玉置 淳 永井 厚志 金野 公郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.1331-1336, 1996-12-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
21

最近1年間に漢方薬による薬剤誘起性肺臓炎と診断した6症例を臨床的に検討した. 発症までの薬剤投与期間は14日から110日 (平均38日) であった. 症状は呼吸困難, 発熱, 乾性咳嗽が多く, 聴診上 fine crackles を聴取した. 検査所見では全例でCRPとGOTの異常を認め, LDH上昇は5例, 好酸球増多は1例であった. 胸部単純X線およびCT写真上, 陰影は両側びまん性で線状・網状の間質陰影を主体に種々の程度の浸潤影を伴うものが多く, その分布に一定の傾向はなかった. また, 1例は胸水を伴っていた. 4例に行われた気管支肺胞洗浄液では, リンパ球の増加とCD4/CD8比の低下が多く認められ, 経気管支肺生検では4例中3例に器質化肺炎像と胞隔炎の組織所見が得られた. 薬剤リンパ球刺激試験では6例中4例が陽性であった. 2例は漢方薬の中止により, 4例はステロイド投与により軽快した. 漢方薬服用中は薬剤誘起性肺臓炎の発現に注意が必要と考えられた.
著者
上村 益永 高橋 祐 猿渡 洋 鹿野 清宏 近藤 多伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.143, pp.43-48, 2008-07-11

本稿では,スペクトル減算処理過程で生じるミュージカルノイズ量の計量尺度を提案する.スペクトル減算法はミュージカルノイズと呼ばれる人工的で耳障りな歪みを生じ,音質の劣化が著しいという問題を抱えている.そのため数多くのミュージカルノイズ対策手法が提案されているが,ミュージカルノイズの評価尺度が存在しないために,その効果を定量的に議論することができない.我々は,スペクトル減算処理によるミュージカルノイズ発生量が処理強度と原信号の確率密度関数の形状に関係深いことを発見した.この関係に着目し,高次統計量を利用することで確率密度関数の形状を考慮できるミュージカルノイズ発生量の計量尺度を提案する.最後に,主観評価実験により提案尺度とミュージカルノイズが高い相関を持つことを示す.
著者
近藤 直 飯田 訓久 難波 和彦 栗田 充隆 谷脇 滋宗 河野 靖 西 卓夫
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

生産物の品質、環境保全、安心安全な「食」情報に貢献する農業を展開するため、西日本で多くの面積を占める階段畑等のカンキツを対象とし、移動型選果ロボットを開発すると同時に、フィールドサーバおよび衛星画像等からの情報を表現できる2次元および3次元マッピング手法の開発を行った。これらの成果により、カンキツ生産における精密農業が推進されるものと考えられた。
著者
中邑 賢龍 坂井 聡 苅田 知則 近藤 武夫 高橋 麻衣子 武長 龍樹 平林 ルミ
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、デジタルペンを用いて小学生の読み書きデータを取得し、読み書き速度の標準データを明らかにした。同時に、書字プロセスを時系列的に分析する事で、書き困難を3つのタイプに分類することが出来た。それぞれの困難さに対応した支援技術は即効的であった。支援技術を早期から導入する事で学習の遅れを防ぐ事が出来ると考えられ、その利用を前提にした教育が必要である。
著者
和田基 塚本潤 小林弘明 高橋昭宏 坂本龍一 佐藤未来子 天野英晴 近藤正彰 中村宏 並木美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-8, 2013-04-18

細粒度 PG (Power Gating) 制御を行うプロセッサでは,温度やキャッシュのヒット率などの動的なスリープ要因を適切に反映した命令列を実行することが重要である.本発表では,JIT コンパイラの生成するコードに対して,動的要因として実行時のチップ温度を考慮した細粒度 PG 制御を最適化する方式を提案する.筆者らが研究している Geyser アーキテクチャの細粒度 PG 方式を QEMU ベースである AndroidEmulator によってシミュレートした評価実験において,PG 制御を行わない場合と比較し,VM と JIT コンパイラおよび生成されたコードを実行するプロセス全体で平均 6%,最大 22% でリーク電力を削減することができた。
著者
村山 昌平 近藤 裕昭 三枝 信子 森本 真司
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

岐阜県高山市の冷温帯落葉広葉樹林において、炭素循環素過程の収支を評価するために、林内外の大気中CO_2濃度及びその酸素安定同位体比(δ^<18>O)、及びδ^<18>Oの変動要因と考えられる土壌中CO_2、降水、土壌水、水蒸気、葉内水のδ^<18>Oの系統的な観測を行った。得られた結果より大気中CO_2の^<18>Oの変動の特徴を明らかにし、その変動要因を考察するとともに、光合成、呼吸に伴う^<18>Oの同位体分別の変動を推定し、^<18>Oの収支からフラックス観測で得られる正味CO_2交換量を光合成と呼吸に分離評価する可能性について検討を行った。大気中CO_2のδ^<18>は、CO_2濃度と比べて複雑な日内変動を示したが、日中乾燥時には、光合成時のCO_2の^<18>Oの同位体分別が増大することに起因すると考えられる顕著なδ^<18>の増加が観測された。日中森林上で得られたCO_2のδ^<18>Oデータの季節変動は、冬季に低い値、春季に高い値を示したが、成長季は年々異なる変動を示した。成長季の変動については、相対湿度と負、日射量と正の有意な相関が見られ、夏季に湿潤であった年には初夏にδ^<18>Oは急減し、少雨で比較的乾燥した年には、初夏に最高値を示したのち緩やかに減少した。北半球中緯度の他サイトとの比較により、後者のような季節変動は、北米・ヨーロッパの多くのサイトで見られたが、前者のような変動は、モンスーンアジア域の特徴であることが示唆された。フラックス観測から推定された光合成・呼吸量と同位体分別を組み合わせてCO_2の^<18>Oのフラックスを推定し、林内1ボックスの収支モデルを用いて、観測されたCO_2のδ^<18>Oの変動と比較したが、推定された^<18>Oのフラックスから観測値の変動パターンを再現できず、光合成・呼吸量を精度良く分離推定するためには、森林内外の各層における素過程を再現する多層キャノピーモデルを用いた解析を行う必要があることが示唆された。
著者
羽生 宏人 和田 英一 丹羽 崇博 近藤 靖雄 川村 尚史 丸山 信也 岡村 彩乃 山科 早英良 永井 康仁 中道 達也 上道 茜 田中 成明 小林 直樹 笠原 次郎 森田 泰弘
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-21, 2010
被引用文献数
1

The educational hybrid-rocket was successfully launched and it also landed within the predicted area. Aerodynamic characteristics of the rocket designed by students of Tsukuba University were evaluated by the wind tunnel testing with the support of Tokai University. The flight path affected by the environmental condition, especially wind direction and velocity, was simulated with the original calculation program. The altitude of the rocket was measured with the optical equipment and the apex was 123 m although the calculation indicated 198 m. We expected that the insufficient filling or the volatilization of Nitrous oxide as an oxidizer led to this result. And then, the apex was verified with a function of the oxidizer filling ratio. The results showed that 81.2 % of the oxidizer volume in comparison with the firing test condition was accumulated in the tank at the launch.
著者
近藤 貴志
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2007-03

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2398号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2007/3/15 ; 早大学位記番号:新4485
著者
西尾 文彦 近藤 昭彦 中山 雅茂
出版者
千葉大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

寒冷な大気状態で降る雨や霧雨(着氷性降水)が付着凍結する雨氷現象は、森林被害や構造物・送電設備の倒壊被害を発生させる。本研究では、日本における着氷性降水の気象学的および気候学的な特徴の解明を目的として、(1)気候学的な特徴の把握(総観規模の特徴)、(2)発生条件の形成過程の解明(局地規模の特徴)、(3)大気の熱力学的構造の解析(雲物理規模の特徴)の観点から解析と研究を行った。そして、着氷性降水の発生予測手法を提案し、地上降水種(降雪・雨氷・凍雨・雨等)の地域分布の予測手法の可能性を示した。(1)では、中部地方以北の内陸山間部と関東地方以北の太平洋側平野部で着氷性降水の発生率が高く、着氷性降水の発生に関する季節変化と経年変化、地上気圧配置の特徴について示した。(2)では局地解析より、内陸山間部では盆地地形による寒気滞留が発生気象条件の形成に寄与し弱風下で発生し、太平洋側平野部では内陸からの局地的な寒気移流が関与して風を伴って発生するのが特徴である。この違いにより、太平洋側平野部では雨氷表面における負の熱フラックスが大きく、雨氷が発達しやすい大気状態にある。(3)では、熱力学的な理論計算により降雪粒子の融解条件と雨滴の凍結条件を求め、これと地上の露点温度の条件から着氷性降水の発生を予測する方法を提案した。推定された地上降水種の地域分布は、関東平野の事例における実際の降水種の地域分布に良く一致した。本研究では、着氷性降水の現象解明から発展して予測手法へ導く極めて独創性のある研究成果であると考えています。