著者
遠藤 俊郎 下川 浩一 安田 貢 布施 洋 袴田 敦士 伊藤 潤二
出版者
山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要 = 教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.84-94, 2009-03-31

本研究は,大学における運動部活動(バレーボール)の練習場面における現代の集団規範の実態を把握するとともに,競技水準によってどのような違いがあるかを明らかにし今後のコーチングに役立てるための一資料にする.また,10年前の選手の集団規範と比較することによって今日の選手の特徴を明確にすることを目的とした.その結果,男子における集団規範下位尺度得点において,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手に対してすべての下位尺度得点で高い値を示した.男子における社会的アイデンティティ各項目得点においては,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手よりも高い評価が得られた.このことから,男子において競技水準が高いほうが集団帰属意識は強く,規範も厳しいことが示唆された.また,90年代と現代の集団規範の比較においては,「現代の選手」が3つの下位尺度得点(態度規範・上下序列規範・奉仕規範)で高い値を示した.このことから「現代の選手」において規範に対する耐性が低下している可能性があることが示唆された.
著者
池田 志織 遠藤 俊郎 安田 貢 三井 勇 田中 博史 横矢 勇一 飯塚 駿
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.141_2, 2016 (Released:2017-02-24)

チーム力とは「環境や課題の変化に適応しながら、成果に直結させることのできるチームレベルの能力」(池田、2009)と定義されているが、チーム力に関してスポーツチームを対象として行われた研究はわずかである。そこで本研究は2015年度春季関東及び関西大学バレーボール1部リーグに所属する男女バレーボールチーム(男子18チーム496名、女子19チーム603名)を対象に質問紙調査を行い、集合的効力感、チームの振り返り、スポーツ・コミットメントがチーム力にどのような影響を与えるかを検討することを目的とした。重回帰分析の結果、集合的効力感の「準備力」、「結束力」と、チームの振り返りの「タスクの振り返り」、「社会的振り返り」がチーム力のコミュニケーション能力(R2=.77)、目標設定(R2=.74)に対して正の影響を与えていた。このことから、日頃からチーム内で話し合いをして、課題を見極め改善していくことによって、チーム力が高まるのではないかと示唆された。また、各メンバーのコミットメント能力が高すぎると、チームとしての機能を失い、チーム力を低下させる可能性が示唆された。
著者
山寺 博史 中村 秀一 鈴木 英朗 遠藤 俊吉
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.53-56, 1997
被引用文献数
1

We experienced a 49 years old female SAD patient who showed a good response the next day after alprazolam 1.2 mg administration. The back ground EEG of the patient showed a abnormal EEG with slow waves. The personality was colored with histerical features. The nadir of body core temperature from rectum slightly delayed in remission phase compared with depressive phase. The patient became hypomania and calmed down gradually. Alprazolam tratment is seemed to be available for SAD patients. (J Nippon Med Sch 1997; 64: 53-56)
著者
渡邉 亮 遠藤 俊太郎 曽我 治夫
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.39-46, 2017

鉄道の廃線敷は、土地利用の転換・活用が難しく、特に地方部で有効に活用されている事例は少ない。しかし、一部では観光施設として有効活用されている事例もある。本研究では、国内3事例、海外1事例について、誕生の背景や施設の保有・運営形態、採算性等をヒアリング調査した。その結果、鉄道時代を上回る集客力を有し、一定の収支を確保している事例が確認でき、廃線敷を活用した施設が新たな観光資源として都市と地域の交流を生む可能性を秘めていることが明らかとなった。
著者
佐藤 豪 池永 雅一 俊山 聖史 太田 勝也 上田 正射 板倉 弘明 津田 雄二郎 中島 慎介 遠藤 俊治 山田 晃正
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.38-42, 2019 (Released:2020-02-29)
参考文献数
20

症例は51歳,男性.開腹歴はなし.腹痛,嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した.来院時,腹部は膨満し,臍下に間欠的自発痛と圧痛を認めた.前日の夕食にしゃぶしゃぶを食べていた.腹部単純X線検査では小腸ガスの貯留と鏡面像を認めた.腹部造影CTで絞扼所見を認めなかったため,胃管減圧チューブを留置して緊急入院した.翌朝,腸管拡張の改善がなかったためイレウス管を留置した.その後2日間経過観察したが,腹部症状の改善が乏しかったために緊急手術を施行した.拡張した腸管の先端で軟らかい腫瘤を触知し,腸を切開して摘出した.術後に再度問診を行い,入院前夜に大量に摂取した木耳(きくらげ)による食餌性イレウスと診断した.木耳による食餌性イレウスは本邦でこれまで報告がなく,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
清水 嘉子 関水 しのぶ 遠藤 俊子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.261-270, 2010 (Released:2011-04-07)
参考文献数
13
被引用文献数
7 3

目 的 本研究では,臨床での汎用性を高めるため,清水,関水,遠藤他(2007)が開発した多面的な育児幸福感を捉えるCHS(Child-care Happiness Scale)の短縮版を作成し,その信頼性と妥当性の検討を行った。対象と方法 6歳以下の乳幼児を持つ母親を対象に,CHSの育児の中で感じる幸せな気持ちが生じる様々な場面についての41項目を,5段階で評価を求めた。併せてCHS短縮版の妥当性の確認のため,心理的健康を測定する「主観的幸福感」と「ベック絶望感」の回答も求めた。結 果 有効回答672名であった。短縮版の項目を選定するために,CHSの41項目の回答について因子分析を行い,「育児の喜び」,「子どもとの絆」,「夫への感謝」の3因子からなる13項目を選定した。3つの因子のそれぞれの項目の内的整合性を表すα係数は,0.77~0.86と充分な値が得られた。CHS短縮版と主観的幸福感との間には,有意な正の相関があった。一方,ベック絶望感とは,有意な負の相関があった。また,「育児の喜び」と「子どもの絆」は母親年齢が高くなると低下する傾向が,一方「夫への感謝」は末子年齢が4歳以上よりも1歳以下の母親の方が高く,また1人っ子の母親が最も低くかった。結 論 考察では,CHS短縮版とオリジナルCHSとの違いやその実用性,そして今後の問題ついて議論した。CHS短縮版は心理的健康との関連性が示唆された。CHS短縮版はコンパクトとなったので,個々の母親の育児幸福感の様子を表すプロフィールを母親自身にすぐフィードバックすることができ,母親たちが自分の子育てに対する気持ちを振り返る資料として今後役立てられることが期待できる。
著者
樋貝 繁香 遠藤 俊子 比江島 欣慎 塩江 邦彦
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Japanese Lournal of Maternal Health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.91-97, 2008-04-01
参考文献数
21
被引用文献数
1

生後1ヵ月の子どもをもつ父親の産後うつの実態と関連要因を把握することを目的に関東近郊の9ヵ所の医療機関で調査した。調査内容は,基本属性,子どもの出生時の状況,職場環境,職務内容,給与に関する満足感尺度,産後うつを測定する尺度はEPDSとCES-Dを用いた。配布数は592名で回収数は166名(28.04%)であった。EPDSでは13.75%,CES-Dでは18.67%の父親がうつ状態であった。産後うつとの関連要因は,職務内容や職場環境,給与であり,子どもの出生時の状況との関連性は認めなかった。父親への精神的サポートは,親としての自信がもてるアプローチの必要性が示唆された。
著者
藤盛 寿一 遠藤 俊毅 田澤 泰 中村 起也 渡辺 みか 冨永 悌二
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.495-500, 2011 (Released:2011-09-27)
参考文献数
10

脊髄出血にて発症した脊髄海綿状血管腫の2例を経験した.症例1は72歳の男性で左下肢近位筋の筋力低下,左第2~3腰髄(L)領域の感覚障害および左膝蓋腱反射の亢進を認めた.MRIにて第11胸椎(Th)レベル傍正中左側の海綿状血管腫および第9-10胸椎レベルの脊髄出血を認めた.39病日目に血管腫摘出術が施行され神経症状の回復は良好であった.症例2は65歳の女性で,上腕内側,側胸部,背部の体動時の痛みを左側優位に認めたが他覚的神経学的異常を認めなかった.MRIでは第1胸椎レベル傍正中左側の海綿状血管腫および第6頸椎(C)から第4胸椎(Th)レベルの脊髄出血を認めた.疼痛は半減したが残存した.他覚的異常に乏しいことから経過観察の上,再出血を認める場合には積極的に手術を検討する方針とした.脊髄海綿状血管腫は稀な疾患で,脊髄出血により急性発症する場合があり,個々の症例に応じた治療方針決定が重要となる.
著者
吉田 康成 西 博史 福田 隆 遠藤 俊郎 橋原 孝博
出版者
The Japan Journal of Coaching Studies
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.183-197, 2015-03-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
17

The purpose of this study was to investigate the read blocking techniques against quick attacks with combination attacks in volleyball. 28 occurrences of blocking motions in 4 games (Poland vs Iran, Poland vs Japan, Cuba vs Argentina, Cuba vs Serbia) from the 2011 Men’s World Cup Volleyball were analyzed by the Direct Linear Transformation Method.     The findings were as follows: (1) The number of occurrences of double blocking (Middle blocker with side blocker) was 11 (Right-side blocker 5 times, Left-side blocker 6 times). Most blocks were single blocks by the middle blocker.     The average of the highest finger-tip heights for blocking motions were right-side 2.80m, middle block 2.97m, and leftside 2.84m. (2) In 11 occurrences of when a middle blocker touched the ball, the average of the finger-tip height for the right fingertip was 2.91m (range: 2.76 to 3.04m), and the left finger-tip height was 2.85m (range: 2.70 to 2.99m). In 8 occurrences, the middle blocker took off -0.016 to -0.134 seconds before the quick spiker hit the ball. (3) When the quick spiker took off, the distance from the net to the middle blocker’s position averaged 0.90m (range: 0.38 to 1.91m). On the other hand, when the quick spiker hit the ball, the distance from the net to the middle blocker’s position averaged 0.66m (range: 0.31 to 1.34m). There was a significant difference between the distance at the time the quick spiker took off and the distance at the time the quick spiker hit the ball (p<0.01). Middle blockers took off 0.150 seconds later when their stance was usually wider than 0.6m.
著者
鈴木 潤 菅野 直人 西山 修平 金子 仁彦 三須 建郎 竪山 真規 遠藤 俊毅 青木 正志
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.571-575, 2012 (Released:2012-08-27)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

症例は30歳男性である.受診半年前より頭部MRIで異常信号を指摘されていた.1カ月前より歩きにくさ,尿の出にくさが出現し当科受診.神経学的には両下肢の中等度の筋力低下,胸部以下の温痛覚低下,排尿困難,便秘,陰萎をみとめた.腰髄MRIでは円錐部に辺縁の造影効果をともなう浮腫性病変があり,頭部MRIでは無症候性の散在性白質病変をみとめた.末梢血ではみられなかったが脳脊髄液中には好酸球の増加が明らかであり,これはステロイドパルス後に変性像が観察された.寄生虫感染や骨髄増殖性疾患が否定的であり,特発性に好酸球が病態に関与する再発性脳脊髄炎と考えられた.急性期および寛解維持にステロイドが著効する点が特徴的であった.
著者
尾縣 貢 木越 清信 遠藤 俊典 森 健一
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.117-124, 2015

Purpose of this study was to examine the recovery process of delayed onset muscle soreness, jump performance, force to contact with the ground and lower limbs movement after intensive jump exercise (IJE), and the relationships between muscle soreness, changes of jump performance and lower limbs movement. Nine males who have experience in special jump exercise participated in this study voluntarily. For the measurement, subjective investigation of the muscle soreness, drop jump performance using a 30 cm high box [jump height, contact time and drop jump index (jump height / contact time)], ground reaction force and movements of lower limbs. This measurement was carried out before IJE (Pre), and at 4 hours (P4), 24 hours (P24) and 72 hours (P72) after IJE. Main results are as follows ; at the time of P24 when intense muscle soreness appeared, significant jump height decreases and contact time increases were shown, and the jump index decreased markedly. This decrease of performance correlated to the change of knee and ankle joint movements during the eccentric phase. At P4, for a subject who felt strong muscle soreness, the decrease of jump height and jump index were considerable. At P72, most subjects recovered to the levels of jump height and contact time to the Pre level. The findings reveal that the jump performances are related to the degree of delayed onset muscle soreness.
著者
山寺 博史 中村 秀一 鈴木 英朗 遠藤 俊吉
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.53-56, 1997-02-15 (Released:2009-07-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

We experienced a 49 years old female SAD patient who showed a good response the next day after alprazolam 1.2 mg administration. The back ground EEG of the patient showed a abnormal EEG with slow waves. The personality was colored with histerical features. The nadir of body core temperature from rectum slightly delayed in remission phase compared with depressive phase. The patient became hypomania and calmed down gradually. Alprazolam tratment is seemed to be available for SAD patients. (J Nippon Med Sch 1997; 64: 53-56)
著者
桑山 直也 久保 道也 遠藤 俊郎 坂井 信幸
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.12-19, 2011-01-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
8
被引用文献数
29 25

硬膜動静脈瘻の治療の現状を知るため,全国の脳血管内治療専門医を対象とする調査を実施した.【方法】日本脳神経血管内治療学会専門医388人を対象とし,2005〜2006年の2年間に経験した症例の年齢/性,部位,症状,mRS,治療法,転帰,合併症を調査した.【結果】863症例の回答を得た.男性43%,女性54%,平均年齢は64歳であった.海綿静脈洞(CS)が46%,横・S状静脈洞(TSS)27%,その他27%であった.814例に積極的治療(血管内88%,外科7%,放射線4%)が施行された.治療後(ほぼ)完全閉塞が83%であった.mRSは1.4から0.6に改善した.治療合併症が4%に出た.【まとめ】CS,TSSの成績は良好であった.前頭蓋底,頭蓋脊椎移行部では安易な血管内治療が行われている可能性があり,外科治療を再評価すべきと思われた.
著者
豊嶋 陵司 田内 健二 遠藤 俊典 礒 繁雄 桜井 伸二
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.197-208, 2015 (Released:2015-06-13)
参考文献数
27
被引用文献数
5 3

The purpose of this study was to clarify the biomechanical factors that influence intra-individual variations in step frequency (SF) and length (SL) during sprint running. One male sprinter participated as a study subject, and performed a 60-m sprint at maximal effort. Experiments were conducted 5 times, with a total number of 14 trials. The ground reaction force and positions of markers attached to the joints were recorded using force plates and a motion capture system. Trials were divided into SF type and SL type depending on the SF/SL ratio, and the kinematic variables and ground reaction force were compared. The main results were as follows.   1)  There were no significant differences in sprint velocity and stance time between the SF type and the SL type.   2)  The flight time of the SL type was longer than that of the SF type.   3)  Vertical components of the ground reaction force and impulse during the stance phase were larger for the SL type than for the SF type.   4)  The thigh angle of the swing leg was larger for the SL type than for the SF type during almost all phases.   5)  The hip joint of the swing leg was flexed to a greater degree during the stance phase and first half of the flight phase for the SL type than for the SF type.   6)  There were no marked differences in the segment and joint angular velocities between the SF type and the SL type.   These results indicate that changes in step frequency and step length with flight time are due to an increase or decrease of vertical impulse. Moreover, it was revealed that vertical impulse is influenced by the thigh angle of the swing leg during the stance phase, rather than by the angular velocity of the swing leg.