著者
鍬田 豊 野田 茂昭 安達 政人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-08-13
被引用文献数
2

NTTでは, クリーンなエネルギー源である燃料電池を通信用エネルギーシステムに適用する「燃料電池卜ータルエネルギーシステム」の研究開発を進めている. 通信用給電システムでは商用電源が停電した場合でも通信用負荷へ安定に電力を供給するため予備電源を設置している. 今回, 燃料電池を平常時は商用電源と連系して常用発電装置として用い、商用電源停電時にはエンジン発電機と連系して予備電源として用いる給電システムの制御法について報告する.
著者
柏木 圭介 野田 健登 孫田 岳史 松本 仁美 東福寺 規義 南谷 晶 海老沢 恵 正門 由久 内山 善康
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100529-48100529, 2013

【はじめに、目的】 肩腱板断裂術後患者において,日常生活動作の獲得は重要な要素である.日常生活動作の獲得は様々な運動機能や環境要素が組み合わさることで可能となるものであり,医療従事者側からの客観的評価(JOA score,Constant score 等)のみではなく患者側による評価も重要な要素である.この患者側による評価を用いた研究は術後6ヶ月,1年,2年と経過の長い対象の報告が多いが,詳細な経時的なデータはなく,術後6ヶ月以内の比較的早期の報告はない.今回我々は2011年に日本肩関節学会より作成された患者立脚型評価システムShouder36 V.1.3(以下,S36)を使用し,当院で行った肩腱板断裂術後患者を対象に経時的評価を行ったので報告する.【方法】 対象は関節鏡を利用したmini-open法で手術を行い,当院の肩腱板断裂術後プロトコールで理学療法を施行した中断裂以下の肩腱板断裂患者12名12肩(男性:9名,女性:3名)とした.手術時年齢は平均57.3±13.0歳であり,術後3,4,5ヶ月時点にS36の用紙による自己記述式アンケート調査を実施し,各領域において各月の点数を比較検討した.なお,S36は全6領域36項目であり,各項目の順番をランダム化し,疼痛(6項目),可動域(9項目),筋力(6項目),日常生活動作(7項目),健康感(6項目),スポーツ能力(2項目)について回答する.点数は5段階(0-4)で値が大きいほど良好な状態を示し,各領域間の平均値を算出するものである.統計処理はTukeyのHSD検定を用い,有意水準5%未満を有意差有りとした.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は,東海大学医学部付属病院臨床研究審査委員会(受付番号11R085号)により承認された.尚,対象者には研究目的および研究方法を十分に説明し同意を得た.【結果】 S36の各項目の得点は,術後3ヶ月,4ヶ月,5ヶ月の順に,可動域は3.3点,3.7点,3.8点であり,3ヶ月と5ヶ月間に有意な改善を認めた(p=0.017).疼痛は3.2点,3.7点,3.8点であり,3ヶ月と5ヶ月間に有意な改善を認めた(p=0.016).筋力は2.9点,3.3点,3.5点,日常生活動作は3.3点,3.8点,3.8点,健康感は3.3点,3.8点,3.8点,スポーツ能力は2.3点,2.6点,2.9点であり,筋力,日常生活動作,健康感,スポーツ能力においては有意差を認めなかった.【考察】 S36において,術後3ヶ月と5ヶ月間で可動域と疼痛の改善に有意差がみられた。これは可動域と疼痛の項目は肩関節下垂位や挙上90°以下の動作が多く,比較的難易度が低い運動であるため,術後に改善が得られたと考える.しかし,筋力の項目は挙上90°以上での保持動作が多いため,3ヶ月から5ヶ月の短期間では改善が乏しく,差が出なかったと考えられた.次に有意差を認めた領域の項目を検討すると,可動域において術後3ヶ月と5ヶ月間で最も得点の変化が少なかったのが「反対側のわきの下を洗う」であり,次いで「エプロンのひもを後ろで結ぶ」であった.これは,今後の内転,内旋動作獲得の重要性が示唆された.また,疼痛の項目において術後5ヶ月で最低得点であった「後ろポケットに手を伸ばす」は患側の肩関節伸展,内旋動作により棘上筋への伸張ストレスによる疼痛が考えられ,改善が乏しかった.このことより,当院の肩腱板断裂術後プロトコールでは伸展と内旋のストレッチを6週まで制限しており,その他の運動と比較すると運動許可時期が遅いため,その後の改善に時間を要すと考えた.以上より,疼痛と肩関節内旋可動域制限との比較の必要性が示唆された.さらに,術後3ヶ月で最低得点であった「患側を下にして寝る」は術後5ヶ月で改善がみられた.それは圧迫ストレスの疼痛であり,術後の炎症や術前の疼痛が関連し,術後経過と共に疼痛が軽減したものと考えられる.日常生活動作と健康感は術後3ヶ月時点ですでに高得点であり,その後の改善に有意差を認めなかった.スポーツ能力は術後3ヶ月から5ヶ月において低い得点のままであり,対象の年齢では項目の難易度が高いことが考えられた.【理学療法学研究としての意義】 患者立脚型評価としてのS36を用いて,中断裂以下の肩腱板断裂術後患者における各領域の3ヶ月から5ヶ月の経過を追い,術後3ヶ月から5ヶ月で可動域と疼痛の項目の改善を認めた.今後はS36と医師(整形外科医,リハビリ科医),理学療法士からの客観的評価を比較検討していきたい.
著者
新見 道治 野田 秀樹 河口 英二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.1132-1140, 1998-06-25
参考文献数
8
被引用文献数
40

本論文は新たな画像深層暗号化法を提案するものである.これまでに, 離散コサイン変換を用いた画像深層暗号化法が提案されている.この方法によると, 埋め込めるデータ量は, 濃淡画像をダミー画像とした場合, たかだかダミー画像の13%程度である.一方, 本手法は2値画像のノイズ状の領域に秘密データを埋め込もうとするものである.ノイズ状の領域であるか否かは, "複雑さ"なる尺度を利用することにより判定する.本手法では視覚的に簡単な複雑な領域に変換できる"コンジュゲート"演算を利用して秘密データを加工することにより, どんなデータでも埋込みが可能となる.実験では8ビットのダミー濃淡画像に対して, 原画像の約36%のデータ量のJPEGファイルを, 35dB程度の視覚的に見劣りがしない状態で, 埋め込むことができた.
著者
野田 幹雄 北山 和仁 新井 章吾
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.5-13, 2002-07-15
被引用文献数
15 5

アイゴ科魚類は、インド・太平洋の熱帯・亜熱帯水域に分布の中心をもち、全世界で27種が知られている。いずれの種も植食性で、緑藻・紅藻・褐藻類に属する糸状の微小藻類や葉状・樹枝状・膜状の芝生状の海藻類を主要な食物源とするグループである。アイゴ科魚類の中でもっとも広範囲の緯度(本邦中部域からオーストラリア南部)にわたって分布するアイゴもその例外ではないと考えられている。また、アイゴ科魚類はシンガポール・フィリピン・パラオ・ハワイなどの熱帯地方や地中海東部のイスラエルにおいて重要な水産資源であり、上述した食性上の特性から低蛋白質餌料による低コストでの養殖の可能性が検討され、各地で増養殖に対する研究がさかんに行われている。本邦でもアイゴ科魚類は沖縄県では水産上重要な有用種である。一方、本邦温帯域では藻食性魚類の採餌活動が天然藻場の衰退に深く係わるとともに、藻場造成や海藻養殖の成否にも大きな影響力をもつことが近年指摘されており、その原因種の一つとしてアイゴが注目されている。実際、本種がコンブ目とヒバマタ目の大型褐藻類を採食することは、野外での行動観察や水槽内での採餌実験において確認されている。しかし、自然条件下での本種の食性については極めて断片的な知見が散見されるにすぎず、定量的に調査された報告は見あたらない。
著者
池田 崇 増田 真希 辻 耕二 鈴木 浩次 北原 侑奈 野田 玄 平川 和男
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.453-459, 2010-12-20
参考文献数
22

【目的】本研究の目的は,低侵襲性人工股関節全置換術(MIS-THA)における術前身体活動量と術前・術後の下肢機能との関係を明らかにすることである。【方法】MIS-THAを施行した女性66例を対象に,国際標準化身体活動量問診票を用いて1週間の消費kcalを求め,高活動群と低活動群に分類した。術前から術後6ヵ月間まで理学療法介入を行い,追跡調査した。等尺性外転筋力,疼痛,10m歩行時間,関節可動域,日本整形外科学会股関節機能判定基準(JOA),生活状況(就業状況と環境因子)の評価を実施した。【結果】高活動群は,術前の10m歩行時間は有意に短く,JOA,立ち仕事の割合は有意に高値を示した。他の項目は差を認めなかった。身体活動量と外転筋力に相関は認めず,術前と術後2ヵ月の外転筋力に有意な正の相関を認めた。【結論】術前身体活動量は,就業状況と関係し,10m歩行時間と相互に関係する可能性が示唆された。外転筋力と疼痛は,影響を認めなかった。一方,術前の外転筋力は術後2ヵ月の外転筋力に関わることが示唆された。術前の理学療法は,身体活動量の維持よりも,筋再教育・筋力増強練習の実施が望ましいと考えられる。
著者
相良 二朗 見明 暢 田頭 章徳 種村 留美 長尾 徹 野田 和恵 Jiro SAGARA Nobu MIAKE Akinori TAGASHIRA Rumi TANEMURA Toru NAGAO Kazue NODA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

少子高齢化が進行している我が国において、認知症者の増加は予想をはるかに上回り、2012年時点で高齢者人口の15%にあたる約462万人が認知症を発症していると発表された(朝田隆、厚生労働省研究班、2013)。一方、2010年現在、高齢者のいる世帯は全体の4割を占め、独居高齢者は男性140万人、女性346万人と推計されている(平成24年版高齢者白書、内閣府)。加齢に伴う生活不安の一つは自身あるいは家族が認知症になることであり、認知症が進行すれば在宅生活をあきらめざるを得ない。アルツハイマーに代表される認知症は進行性の疾患であり、数年間に及ぶ初期症状の段階を経て要介護状態となる。この初期段階における日常生活上の困難や混乱によって生じる「問題行動」は生活行為を縮小させ、認知機能の廃用を引き起こし、認知症の進行を早める危険性がある。著者らは、生活環境とりわけ日常生活で使用する家庭電化製品等(以下家電等と略記)が認知機能の低下に配慮していないことに起因していると仮定し、独居もしくは日中独居の高齢者がどのような家電等を継続使用しているのか、使用を中断したものはないか、といった調査を行い、その結果から認知力が低下しても継続使用が可能な家電等のデザイン方法について7つの知見を得た。In 2013, a research unit of Ministry of Health, Labor and Welfare announced that more than 4.62 million are dementia and around 4 million are MCI (Mild Cognitive Impairment), extremely exceeding expectation. On the other hand, households which have elderly counted 42% in 2010 in Japan. The cabinet estimated 1.3 million men and 3.5 million women of over 65 live alone.One of the fears of aging people is to be a dementia. People must move to institute when the stage of dementia goes deep. The dementia like an Alzheimer's disease become worth in several years, after intermediate stage so called MCI. In this intermediate stage, if some kind of problems happens, family member tend to take his/her independent activities. This makes dementia worth.The authors interviewed 91 elderly who live alone to find what kind of everyday technology are still used or quite using. Finally we found seven items of knowledge to design those elderly friendly.
著者
木下 紀正 野田 二次男
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.496-504, 1981-07-05

高エネルギーでの素粒子実験の進歩はめざましく, ハドロン・ハドロン及びレプトン・ハドロン衝突と共に重心系エネルギー35GeVに達する電子・陽電子衝突のデータも得られつつある. これらの高エネルギー反応における主要な現象は沢山のハドロンの生成であり, それらはいくつかの向きに束になったジェット構造をなして放出される. これらの現象の研究から, ハドロンの内部構造や, ハドロン相互作用の基礎理論と考えられる量子色力学の量子であるクォークとグルーオンの生態と行動を読みとる事が進められている.
著者
野田 英明 吉田 幸苗 井上 敏宏 片岡 真 阿蘓品 治夫
出版者
国立国会図書館 関西館 図書館協力課
雑誌
カレントアウェアネス (ISSN:03878007)
巻号頁・発行日
no.307, pp.4-7, 2011-03-20
被引用文献数
1

現在、大学を始めとする教育・研究機関で提供される電子コンテンツの大半は、出版社などのベンダーと各機関との間でライセンス契約を結んでいるもので、その認証は、IPアドレスによって行われることが多い。しかし、米国情報標準化機構(NISO)のワーキンググループであるSERU(Shared Electronic Resource Understanding)がガイドラインとして示したように、一般的に教育機関に所属する学生、教職員等のユーザは、キャンパス外からでもこうしたライセンスリソースへのアクセスが認められるようになってきている。これを技術的に実現するために、VPNや、リバースプロキシなどが用いられてきた。なかでもEZproxyは、ユーザ側が特別なソフトウェアをインストールすることなく、ユーザID/パスワードによりアクセスできること、また電子コンテンツへのアクセスに特化しており、利用者コミュニティが充実していることなどから、図書館で広く使われてきた。このような状況のなか、最近、IPアドレス認証に代わり、機関が個人認証を行う技術としてShibboleth(シボレス)が注目を集めている。IPアドレスによる認証が、キャンパスという「物理的な場所」に基づいて認可を行うのに対し、Shibbolethによる認証は、アクセスする利用者の「属性」(所属部局、教員/学生など)に基づいた認可を実現している。また、キャンパスの内外を意識することなく各サービスへアクセスできること、シングルサインオン(SSO)、パーソナル機能との連携、ユーザ管理の利便性向上などのメリットもある。さらに、ライセンスリソースへのアクセス認証管理を一元化するため、英米を始めとする世界各国で、国レベルのShibbolethフェデレーションを運用する動きが広がりを見せており、日本でも国立情報学研究所(NII)を中心とした「学術認証フェデレーション」(学認:GakuNin)が立ち上がっている。また、GakuNinの運用を行うため、NIIと大学関係者により、「学認タスクフォース」が立ち上がっており、筆者らは図書館関係者としてこのタスクフォースに参加している。本稿では、Shibbolethについて国内外の動向をまとめるとともに、GakuNinの取り組みを紹介する。
著者
野田 耕作 庵原 知子 平野 裕子 早渕 仁美
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.691-695, 1991-08-15

L-アスパラチル-L-フェニルアラニンメチルェステル(アスパルテーム, APM)の各種果汁中における安定性について,果汁溶液に溶かしたAPMをアミノ酸分析計を用いたイオン交換タロマトグラフィーで分析することにより調べた.その結果,APMはキウイフルーツ,パインアップル,パパイアおよびメロンの各果汁溶液中で加水分解されることがわかった. とくに,メロン果汁溶液中では, APM 0.1%,果汁25%の条件下で約15時間でAPMは完全に分解した.パパイア果汁も高いAPM分解活性を示した.それに対して,オレンジ,温州みかん,グレープフルーツ, レモろ りんご,ぶどバいちごおよびマンゴの各果汁溶液中ではAPMは安定であった.キウイフルーツおよびパインアップル果汁溶液中でのAPMの分解産物は,レアスパラチ'トレフェニルアラニンであった.一方, パパイアおよびメロン果汁溶液中では,APMはその構成アミノ酸であるレアスパラギン酸とL-フェニルアラニンにまで分解された.
著者
浅田 稔 野田 彰一 俵積田 健 細田 耕
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.68-74, 1995-01-15
被引用文献数
49 18

We propose a method which acquires a purposive behavior for a mobile robot to shoot a ball into the goal by using the Q-learning, one of the reinforcement learning methods. A mobile robot (an agent) does not need to know any parameters of the 3-D environment or its kinematics/dynamics. Information about the changes of the environment is only the image captured from a single TV camera mounted on the robot. Image positions of the ball and the goal are used as a state variable which shows the effect of an action taken by the robot during the learning process. After the learning process, the robot tries to carry a ball near the goal and to shoot it. Computer simulation is used not only to check the validity of the method but also to save the learning time on the real robot. The real robot succeeded in shooting a ball into the goal using the learned policy transferred to it.
著者
櫛田 真由 小谷 悠 水野 智博 室崎 千尋 浅井 玲名 肥田 裕丈 平林 彩 鵜飼 麻由 荻野 由里恵 後藤 綾 山下 加織 松本 友里恵 毛利 彰宏 鍋島 俊隆 野田 幸裕
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.10-17, 2013-01-10 (Released:2014-01-10)
参考文献数
12

We held classes and practice sessions on medicines for pupils and parents at elementary schools with the aim of promoting appropriate drug use. Pharmacy students participated in this project as volunteers where they taught pupils and learned and improved their communication skills at an early stage in their professional development. To evaluate whether pupils improved their medicine-related knowledge after attending these classes and practice sessions, we conducted medicine-related questionnaires (pre- and post-questionnaires) before and after the classes and practice sessions. Positive answers for the post-questionnaire were significantly higher than those for the pre-questionnaire, suggesting that the medicine-related knowledge of pupils was improved by attending the classes and practice sessions. The present results suggest that this activity benefits the education of pupils regarding appropriate drug use in Japan.
著者
榊原 伸一 上田 秀一 中舘 和彦 野田 隆洋
出版者
獨協医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

神経系前駆細胞、神経幹細胞の分裂タイミング調節などの幹細胞維持機構の一端を明らかにするために、神経幹細胞に強く発現する新規遺伝子を同定し、SE90/Radmis(radial fiber associated mitotic spindle protein)と命名した。radmis mRNAは塩基配列から80kDaのタンパク質をコードすると予測されるが、既知の遺伝子との有意な相同性を示さず、また保存されているモチーフ構造も有さない。ノーザンプロット分析によりradmis mRNAは神経幹細胞で強く発現しているが、分化誘導により発現が低下、消失することが明らかになった。さらに特異的抗体を作製しradmisタンパク質の発現パターンを詳細に解析した。その結果、Radmisはnestin陽性神経幹細胞に強く発現し、胎生期の終脳胞において、Radmisは神経上皮細胞(神経幹細胞)の放射状突起(radial fiber)に発現していた。また脳室に面する部位に見られるリン酸化Histon3陽性の分裂期の神経幹細胞では、有糸分裂紡錘体に非常に強く局在していた。分裂期の発現解析からRadmisはM期の前中期、中期、後期の神経幹細胞の紡錘体に発現し、分裂面とは無関係に発現することから、対称性・非対称性分裂の両方の分裂様式で機能することが示唆された。さらに成体脳では側脳室前角のSVZのわずかな細胞に発現が限局される。これら陽性細胞では、胎生期と同様に、分裂期の紡錘体で発現が見られ、さらにその周囲のnestinまたはGFAP陽性の細胞突起にも発現が認められることから、RadmisはTypeB、TypeCなどの成体の神経幹細胞および神経前駆細胞に発現することが示された。また培養細胞系においてRadmis遺伝子の強制発現を行なったところ、mitotic indexの亢進と異常な紡錘体微小管形成が観察された。以上のデータから、Radmisは神経発生期、成体期を通して神経幹細胞あるいは前駆細胞の分裂時の細胞骨格再編成、あるいは紡錘体微小管の形成調節などを通してこれらの細胞の維持機構に役割を担っている可能性が考えられる。
著者
古茂田 恵美子 森田 幸雄 田村 真理 山本 茂貴 野田 雅博 小澤 邦壽 木村 博一
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.721-725, 2011-11-15 (Released:2013-09-05)
参考文献数
36

We examined the prevalence of three foodborne organisms, Arcobacter, Campylobacter and Salmonella, in 50 samples of retail ground chicken meat. Arcobacter spp. was isolated from 26 (52%) of these samples, A. butzleri being detected in 21 samples, A. cryaerophilus (group 1B) in 3 samples, both A. butzleri and A.cryaerophilus (group 1B) in 1 sample, and A. skirrowii in 1 sample. C. jejuni was isolated from 11 (22%) of the samples, and Salmonella was isolated from 6 (12%) of the samples. Serovars S. Infantis was detected in 5 samples and S. Yovokome in 1 sample. These findings suggest that retail ground chicken meat may be a potential vehicle for transmitting Arcobacter, Campylobacter and Salmonella infectious diseases.
著者
野田 哲夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.355-362, 2013-09-01 (Released:2013-09-01)
参考文献数
14

IT産業において日本発のオープンソースプログラミング言語Rubyの活用が注目されている。2012年4月にはRubyはその言語仕様が国際規格ISO/IEC 30170として承認された。これによってRubyの安定性や信頼性が増すと同時に,Rubyを活用した市場がさらに拡大することが期待される。本稿では,オープンソースがビジネスにつながることを根拠として,RubyおよびRuby on Railsの特徴とこれが注目される背景,そして島根県松江市で始まったオープンソースRubyを活用した地域産業振興の成果と課題について概説する。
著者
野田 公夫 足立 泰紀 足立 芳宏 伊藤 淳史 大田 伊久雄 岡田 知弘 坂根 嘉弘 白木沢 旭児
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

1930年代日本において、経済的価値を生み出す源として「資源」という言葉がクローズアップされたが、とくに戦争準備の過程に強く規定されたところに大きな特徴があった。農林業は持続性を犠牲にして戦争に総動員されるとともに、工業原料にめぐまれない日本では「あらゆる農産物の軍需資源化」という特異な事態をうんだ。これは、アメリカはもちろん、同じ敗戦国であるドイツとも異なる現象であり、当時の日本経済が巨大寡占企業を生み出しながら就業人口の半ばを農業が占める農業国家であるという奇形的構造をとっていたことの反映であると考えられる。