著者
金田一 京助
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:24240508)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-20, 1948 (Released:2018-03-27)

It has been contended by physical anthropologists and prehistoric archaeologists that Ezo and Emishi, whose names appear in ancient Japanese history, were distinct from the Ainu. The author, basing his case on documentary and linguistic materials, particularly on place names of Ainu origin in northeastern Honshu, concludes that the Ezo and Emishi were one and the same group with the Ainu, and that they had moved down from the north to settle in northeastern Honshu.
著者
林 基哉 小林 健一 金 勲 開原 典子 柳 宇 鍵 直樹 東 賢一 長谷川 兼一 中野 淳太 李 時桓
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和元年度大会(札幌)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.45-48, 2019 (Released:2020-10-31)

事務所の衛生環境の実態を把握するため特定建築物の行政報告例の分析、事務所の空気環境の調査を行う。本報告では空気環境不適率の上昇要因を明らかにするため、行政報告例不適率の実態を把握し、不適率上昇の要因に関する統計解析を行った。特定建築物数が増加する中、湿度、温度、二酸化炭素濃度の不適率が1999年以降上昇している。また、法定検査を利用した報告徴取が増加している。湿度、温度、CO2濃度の不適率上昇の要因として報告徴取数の増加が挙げられ、これらの不適率は、北の自治体ほど高い傾向がある。
著者
金児 石野 知子 石野 史敏
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.11-20, 2016-06-25 (Released:2017-05-09)
参考文献数
28
被引用文献数
2 4

ヒトゲノムには,LTRレトロトランスポゾン由来の獲得遺伝子が30以上存在している.これらの多くは哺乳類(真獣類)特異的遺伝子として存在しており,哺乳類の進化との関係に興味が持たれている.筆者らは,sushi-ichiレトロトランスポゾン由来のSirh遺伝子群に関する網羅的なノックアウトマウス解析から,Sirh11/Zcchc16遺伝子が注意や衝動性など認知に関わる脳機能に関係すること報告した.胎盤機能に関係する複数のSirh遺伝子に加え,この発見は哺乳類における胎生の起源と進化だけではなく,大きく発達した脳機能の進化にも獲得遺伝子群が関与した可能性を示すものである.興味深いことに,この遺伝子は真獣類の幾つかの系統において大きな構造変化を起こした後,それらの系統内で種特異的な機能の多様化を起こしたと予想される.Sirh11/Zcchc16は個体発生には必須な遺伝子ではないが,恐竜の絶滅後に起きた哺乳類の大規模な適応放散のプロセスにおいて,脳機能の調節に関わることで生存の適応度の向上に寄与した可能性があるのではないかと考えている.
著者
深田 亮 古矢 丈雄 竹内 弥彦 金 勤東 赤坂 朋代 村田 淳
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11907, (Released:2021-01-23)
参考文献数
29

【目的】脊髄後索障害により,脊髄性運動失調を呈した歩行障害に対する理学療法について報告する。【対象】胸椎黄色靭帯骨化症でロンベルグ徴候と歩行障害を呈した73 歳男性である。第10/11 胸椎高位において,胸椎黄色靭帯骨化症に伴う硬膜管の圧排および同部位の脊髄圧排が確認された。不全対麻痺で立位保持,歩行が困難となり,第10/11 胸椎椎弓切除術,12 胸椎頭側1/2 部分椎弓切除術,黄色靱帯骨化切除術が施行された。【方法】術後5 日目から,歩行動作の獲得を目的に自転車エルゴメーター,トレッドミル歩行練習を中心に実施した。【結果】術後13 日目,ロンベルグ徴候は陰性となり,独歩が可能となった。【結語】術後急性期から自転車エルゴメーターやトレッドミル歩行練習を施行したことで,転倒なく独歩で日常生活に復帰できた。
著者
小西 文昂 廣田 敦士 松尾 星吾 家原 瞭 小原 宗一郎 加賀 ゆうた 鶴田 穣士 脇上 幸洋 金尻 良介 深田 智 田中 一晶 岡 夏樹
雑誌
2017年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017-09-15

SeqGANは、DNNによる学習と評価を交互に繰り返し行うことで精度向上を図る学習生成モデルの一種である。本研究の目的は、SeqGANを用いて、人か機械、どちらが詠んだ俳句か判別しにくい俳句を生成することである。
著者
金澤 雅人 高橋 哲哉 川村 邦雄 下畑 享良
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.699-706, 2019 (Released:2019-11-08)
参考文献数
42
被引用文献数
5

脳梗塞に対する組織プラスミノゲン・アクチベーター(tissue plasminogen activator; t-PA)投与は,予後を改善させるが,症候性頭蓋内出血はt-PA療法後の転帰不良に関連する要因である.我々は,出血合併を抑制し,予後を改善させるt-PAに併用する血管保護薬の開発を行っている.治療標的分子として血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor; VEGF)に注目し,血液脳関門(blood-brain barrier; BBB)破綻に関する検討を行った.発症4時間後にt-PAを投与すると,出血合併が生じる,脳塞栓モデルを用いた検討において,遅延したt-PA投与がVEGFを著増させ,タンパク分解酵素マトリックス・メタロプロテナーゼ-9を活性化,BBB構成蛋白を分解し,出血合併を来すことを示した.さらに,VEGF-VEGF受容体シグナルの抑制薬は,脳出血合併を抑制することを明らかにした.
著者
八田 有洋 西平 賀昭 東浦 拓郎 金 勝烈
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.43-52, 2010 (Released:2017-02-15)
参考文献数
44

長期的な剣道鍛錬が脳─脊髄運動神経機能に及ぼす影響について, 末梢の脊髄運動神経機能については末梢運動神経伝導速度 (motor nerve conduction velocity : MCV) を用いて, 中枢の随意運動に伴う脳内処理過程については運動関連脳電位 (movement-related cortical potentials : MRCP) を用いて剣道鍛錬者と一般健康成人を対象に研究を行った. 1) 剣道鍛錬者は利き側だけでなく, 非利き側の尺骨神経伝導速度も一般健康成人より有意に速い値を示した. 2) 自発的な非利き側握力課題に先行して頭皮上より記録される運動準備電位 (Bereitschaftspotential : BP) の開始潜時は剣道鍛錬者が一般健康成人よりも有意に短い値を示した. 3) 一次運動野の皮質錐体路ニューロンの活動を反映するmotor potential (MP) 振幅は, 利き側と非利き側の握力課題において剣道鍛錬者が一般健康成人よりも有意に大きい値を示した. したがって, 脳─脊髄運動神経機能に長期的な運動トレーニングによる適応変化が生じる可能性が示唆された.
著者
米田 圭吾 金子 俊一 渋谷 久恵 前田 俊二 仁戸部 勤 飯塚 正美 中山 透
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.1182-1188, 2014-12-05 (Released:2014-12-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

Bullet identification is the difficult work that only specialists can do. It requires a high level of skill and takes a long time. So we are trying to assist appraising workers by using an image processing technology. In this paper, we propose a method to express the similarity between two bullets numerically and to estimate whether two bullets were fired by the same firefream.
著者
金 〓英
出版者
日本ロシア文学会
雑誌
ロシア語ロシア文学研究 (ISSN:03873277)
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-14, 1999-10-01

ヨシフ・ブロツキーにとって,<言語>は詩人としての自らの営為のみならず, 亡命者としての彼の人生においても特別な意味を持っている。そもそも詩とは言語を限りなく彫琢しそれを構築する芸術であるがゆえに, 詩人にとって言語が何よりも尊い存在であることは改めて言い立てるまでもない。それにもかかわらず敢えてここでブロツキーの<言語>を論じようとするのは, <言語>に関する認識とその詩的表現によって彼独自の世界観が構築され, それによってブロツキーが他の詩人たちと大きく一線を画しているからである。ブロツキーの<言語>に対する態度は彼の作品に様々なレベルで多層的に織り込まれているが, 本稿では, 文字, 音, 単語, 文といった言語の諸要素をモチーフとした個々の表現に焦点を合わせ, それらがいかに詩的形象とされているかを検討し, それによってブロツキーの言語観, さらには彼の世界観の根源に脈うっている詩と自由の問題に迫りたい。
著者
平川 経晃 小寺 良尚 福田 隆浩 公益財団法人日本骨髄バンク 黒澤 彩子 田島 絹子 山崎 裕介 池田 奈未 小島 裕人 田中 秀則 金森 平和 宮村 耕一
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.153-160, 2018

<p>骨髄バンクコーディネートにおける実情把握を目的として,2004年1月~2013年12月に日本骨髄バンクへ登録された患者18,487人,ドナー延べ223,842件の解析を行った。末梢血幹細胞移植例は除外した。移植到達患者あたりのコーディネート件数の中央値は11件,登録から移植までの日数中央値は146日,登録患者の40%が移植未到達であった。HLA6/6抗原フルマッチドナー推定人数が多い場合に,移植到達率が上昇し,移植到達日数が短縮した。ドナー側のコーディネート終了理由は年齢・性別で異なり,20代男性ドナーは健康理由による終了率が低く,ドナー都合による終了率が高かった。複数回コーディネートを受けたドナーのうち,前回の終了理由が患者理由の場合,ドナー理由で終了した場合と比較して採取到達率が高かった。本結果を基盤情報として,より効率的で迅速なコーディネートを目指した施策の検討が必要であると考えられた。</p>
著者
金子 正大 南川 哲寛 谷口 英史 山田 恭弘 中村 潤 沖原 宏治 中内 博夫
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1, pp.44-47, 2016-01-15 (Released:2017-01-27)
参考文献数
10

精巣鞘膜悪性中皮腫の一例を報告する.93歳,男性.主訴は有痛性の右陰嚢腫大.石綿暴露歴なし.超音波検査およびMRI検査にて右陰嚢水腫の診断.陰嚢水穿刺細胞診にて,中皮細胞を認めるも異型性に乏しく明らかな悪性所見を認めず,classIIIaであった.右陰嚢水腫根治術を施行したところ,切除標本の組織診断にて上皮型の精巣鞘膜悪性中皮腫を認め,追加治療としてdartos筋膜を全周性に付けて右高位精巣摘除術を施行した.術後6カ月時点で再発を認めない.精巣鞘膜悪性中皮腫は稀な疾患で,術前の正診率は低い.急速増大する血性の陰嚢水腫や精巣固有鞘膜から生じた腫瘤を認めた際は悪性中皮腫の可能性を考慮すべきである.予後不良の疾患であり,二期的手術となっても高位精巣摘除術を行う必要がある.
著者
宮本 吾郎 金下 武士 知場 三周 古原 忠
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.339-347, 2015 (Released:2015-07-01)
参考文献数
38
被引用文献数
8 21

Attention to lath martensite and bainite in steels has been increasing due to their good mechanimcal properties. Various boundaries bewteen K-S variants contained in those microstructures contribute to their high strength and toughness so that deeper understand of nature of those boundaries is required. EBSD analyses have revealed that different variant grouping tendencies appear depending on composition and transformation temperature, such as variants belonging to the same Bain group, variants sharing the same close-packed plane parallel relationship. Kinematical compatibility (KC) condition can explain variant pairs coupled preferentially in lenticular and thin plate martensite satisfactory. In addition, it is revealed that some of the variant pairs observed in lath martensite and bainite are favorable for the KC condition when double shears are assuemd for lattice invariant shear.
著者
吉田,金彦
出版者
訓点語学会
雑誌
訓点語と訓点資料
巻号頁・発行日
no.60, 1977-11-30
著者
金田 由美 岡本 恭明 尾迫 貴章 前田 浩 徳山 正徳 竹中 義昭 服部 益治 谷澤 隆邦
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.49-54, 2002-04-30 (Released:2008-02-29)
参考文献数
14

症例は12歳男児。ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対し,シクロスポリンを併用し症状の改善をみたが,白血球減少症という稀な副作用を認めたため減量を余儀なくされた。追加治療としてLDL吸着療法を試み,血中コレステロール値,LDL値が吸着療法前値に戻った約2ヵ月後,ステロイドを再開したところ著効し,完全寛解を得ることができた。LDL吸着療法の効果発現機序は明らかでないが,難治性ネフローゼ症候群において薬剤感受性の改善や吸着療法による未知の物質を吸着除去することによる臨床的改善効果の可能性が示唆されたので,若干の考察を加え報告する。