著者
長谷川 珠代
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ケアする人々の健康増進を目的としたヘルスケア・アートプログラムは、楽しみが得られる場、交流の場等として認識され、『ケアする人』に専門職も含めた結果、ケアされる方や家族との一体感、気持の共有が図られた。このプログラムはケアする人々が感じる精神的・身体的な疲労感を解消でき、アートを活用することで精神面と身体面の双方への効果が得られ、心身の緊張緩和、意欲の向上に繋がることが示唆された。またNPOやボランティアと連携した実施により、地域ケアシステムとして稼働可能性が示唆された。
著者
長谷川 雅康 渡辺 芳郎 田辺 征一 門 久義 池森 寛 土田 充義
出版者
鹿児島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

(1)反射炉;反射炉の発掘調査結果を種々検討した。重要な結果は、反射炉の基礎部分の寸法が、ヒューゲニンの技術書の寸法にほぼ一致する。2炉・2煙突をもつ基本的な反射炉で、2号炉である。水気防止や強度向上のための工夫と苦労が薩魔人独自の石組の緻密さに見られ、薩摩焼の陶工による耐火煉瓦の焼成が典型である。反射炉建造は壮大な集成館事業の種々採用された諸技術の中核をなし、日本の近代化の先駆的事業であったことが確認される。(2)建築,集成館事業の第一期斉彬時代に、外観は日本の伝統的木造建築で、柱間寸法と小屋組が特徴、機械設備を入れる広い内部空間確保のための試みがみられる。第二期忠義時代(薩英戦争後)は、石造機械工場や鹿児島紡績所の建築など大規模な洋風工場建築の時期。後者の建築には外国人と直接関わり、近代建築技術を摂取した。「薩州見取絵図」や写真・現地測量・地下探査調査結果を踏まえ、コンピュータ解析し、第二期の工場群配置図と模型を完成した。(3)水車動力,川上取水口での流量測定の結果及び磯地域で発見された当時の水路溝の落差・断面積から熔鉱炉や鑚開台で使用の在来型木製縦型上掛け水車の動力を見積った。国内外の水車の歴史を総括し、薩摩藩の鉱山や集成館の水車の技術史上の位置を考察した。(4)工作機械,尚古集成館所蔵のオランダ製形削り盤(重文)の各部の寸法を測定して、図面化した。また、その運動解析を行い、バイトの運動状態とストロークとの関連などを解明した。(5)紡績技術,2種類の「薩州見取絵図」にある綿繰機、広幅織機の絵図を詳察し、復元可能な製作図面を作成し、綿繰機復元に着手した。薩摩藩の綿繰機のわが国繊維技術史における位置付けを検討した。英国プラット社が鹿児島紡績所に輸出した機械類のリストを同国で見出し、従来の定説と比較検討した。
著者
伊藤 秀和 石澤 広明 石川 和夫 大倉 力 木村 嘉孝 西澤 賢一 長谷川 有貴 長谷川 有貴
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.811-815, 2010-12-01

近年の食の安全,安心に対する要求は高く,色々な問題が発生し,複雑化している.照明学会としてこの分野に寄与するため,平成19年に「食物安全への赤外放射応用研究調査委員会」が活動開始した.赤外線とさらに広い波長範囲の光までも含んで,色々な研究・調査が実施された.この3年間の研究期間を終了し,研究活動を振り返り,今後の見通しも含め,委員会メンバーによる座談会を平成22年7月26日に実施した.
著者
長谷川 聖修 衣笠 隆 木塚 朝博 本谷 聡 檜皮 貴子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

研究の目的は、JPクッション・ソフトジム・Gボール・バランスボードなど、動的なバランス運動「遊び」に関するブログラムを開発し、高齢者の動的バランス能力や不安定な環境時の身体動作の改善を目指すことであった。高齢女性26名を対象に6ヶ月間にわたる転倒予防教室を実施した。各種体力測定を実施した結果、動的なバランス能力に改善が認められた。また、アンバランスな状態からの回避動作に改善傾向が示唆された。
著者
平尾 和洋 高尾 克樹 瀬戸口 健 長谷川 豪
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.68, no.574, pp.105-112, 2003
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

This parper studies on an ideal method of residence improvement of kampung of Yogyakarta, Indonesia through general improvement progress of RMK(Romo Mangun Kampung). Major finding in this parper consist of following points. 1. RMK was a sqatter area until 70's. Resistance movement, improvement campaign of RMG developed into the right of residence recognition of inhabitants. 2. RMK is high density, the narrow residence, a low educational background district, but the young group is improved on both working and income side. Community activities are maintained as a place of argument among inhabitants, 3. Buildings of RMG design are narrow, and infrastructure of the area is unarranged. The enlargement of kitchen and living tend to be done by the front of a house in RMK. Voluntary improvement consciousness of inhabitants becomes high. 4. Satisfaction for residence environment and a domiciliation state are connected with encouragement of house improvement consciousness of inhabitants.
著者
長谷川 公一 青木 聡子 上田 耕介 本郷 正武
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

温暖化防止活動推進員に対する郵送調査によって、推進員は、高学歴者の割合が高く、定年後あるいは定年を目前にした男性と活動的な専業主婦が主力であり、男性では、これまでの経験を活かし社会的に有意義な活動に貢献したいという意欲が高く、女性では婦人会役員などが行政の勧誘によって推進員になっている場合が多いことなど、男女別の相違点が明らかになった。3年間の各都道府県代表の全国大会応募申請書をもとにデータベース化を行い、関係主体間の連携と環境学習を重視し、地域資源を活用したすぐれた実践が多いことが明らかになった。
著者
長谷川 政美 加藤 真 湯浅 浩史 池谷 和信 安高 雄治 原 慶明 金子 明 宝来 聰 飯田 卓
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

マダガスカル固有のいくつかの生物群について、その起源とこの島における多様化の様相を明らかにする分子系統学的研究を行った。(1)マダガスカル原猿類(レムール類)とアフリカ、アジアの原猿類との進化的な関係を、ミトコンドリアのゲノム解析から明らかにし、レムール類の起源に関して新しい仮説を提唱した。(2)テンレック類についても分子系統解析によって、その起源とマダガスカルでの多様化進化を明らかにする研究を行った。テンレックについては、前肢運動器官の比較解剖学的解析を行い、この島における適応戦略を探った。(3)マダガスカル固有のマダガスカルガエル科から、アデガエル、マントガエル、イロメガエル3属のミトコンドリア・ゲノムを解析し、この科がアオガエル科に近縁であることを示した。(4)マダガスカル固有のバオバブAdansonia属6種とアフリカ、オーストラリアのものとの進化的な関係を、葉緑体ゲノムの解析から明らかにした。マダガスカルの6つの植生において、植物の開花を探索し、それぞれの植物での訪花昆虫を調査した。いずれの場所でも、訪花昆虫としてマダガスカルミツバチが優占していたが、自然林ではPachymelus属などのマダガスカル固有のハナバチが観察された.このほか,鳥媒,蛾媒,甲虫媒なども観察された。マダガスカル特有の現象として、長舌のガガンボ類Elephantomyiaの送粉への関与が、さまざまな植物で観察された。Phyllanthus属4種で、ホソガによる絶対送粉共生が示唆された。マダガスカルの自然と人間の共生に関する基礎的知見の蓄積のため、同国の海藻のフロラとその利用に関する研究、及びマングローブ域に特異的に生育する藻類の生育分布と交雑実験による生殖的隔離に基づく系統地理学的解析を行った。マダガスカル南西部漁村の継続調査から、生態システムと文化システムの相互交渉を浮かび上がらせた。
著者
鈴木 幹雄 堀 典子 長谷川 哲哉
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本科学研究費補助金研究では、事例カッセル・ドクメンタを手掛りに、芸術学校バウハウス第二世代が第二次世界大戦後ドイツにおける文化的・芸術的な文化創出システム《ドクメンタ》にどのような貢献を行ったかについて研究した。その為に、まず第一に、バウハウスを改革史的な文脈に生まれた学校と位置付け、戦後ドイツの教育界、芸術学校の世界の中でバウハウス第二世代がどのように活躍したかを明らかにした(対象:ハンブルク芸術大学、ベルリン芸術大学、デュッセルドルフ芸術大学)。当該研究の研究経過は次の通りであった。課題設定・分析・調査(平成14-15年度):(1)カッセル・ドクメンタの展開とA・ボーデの構想、(2)戦後ドイツにおけるバウハウス第二世代の教育思想と造形芸術観の形成過程・展開過程について(モティーフ:ハンブルク芸術大学長ハッセンプフルークの教育理念、同芸術大学「自由芸術」コース招待講師講義(1953-55年))、(3)デュッセルドルフ芸術大学の戦後改革とその学長代行E・マタレの芸術学校改革について、(4)ベルリン芸術大学の戦後改革について(モティーフ:同芸術大学教授G・フィーツの教育実践)。当該研究の成果(平成14-16年度):ドクメンタ参加芸術家と戦後の芸術運動団体Zen 49グループの活動を糸口に、ハンブルク芸術大学、カッセル芸術大学、デュッセルドルフ芸術大学、ベルリン芸術大学へ在職していた「バウハウス第二世代」教授達が、カッセル《ドクメンタ》の発展に重要な貢献を行ったことを解明した。
著者
平松 力 長谷川 健吾
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.46, no.404, pp.392-400, 1980-04-25

大型扇風機において,羽根表面にごみなどが付着し,アンバランス力による過大振動や騒音を生じることがある.この系は,がたを含む非対称復原力の方程式となり,回転数の高調共振を起こすことがある.この問題について解析し,時系列言語を用いて数値解析し,ガード共振の計算結果と測定値とのよい一致を得た.それよりがたを含む非対称復原力の振動系では,回転の二次高調波に対し固有振動数を15%以上離すべきことを明らかにした.
著者
川合 將義 渡辺 精一 粉川 博之 川崎 亮 長谷川 晃 栗下 裕明 菊地 賢司 義家 敏正 神山 崇 原 信義 山村 力 二川 正敏 深堀 智生 斎藤 滋 前川 克廣 伊藤 高啓 後藤 琢也 佐藤 紘一 橋本 敏 寺澤 倫孝 渡辺 幸信 徐 超男 石野 栞 柴山 環樹 坂口 紀史 島川 聡司 直江 崇 岩瀬 宏 兼子 佳久 岸田 逸平 竹中 信幸 仲井 清眞
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

高エネルギー高強度陽子ビーム場の材料は、強烈な熱衝撃や放射線によって損傷を受ける。衝撃損傷過程と影響を実験的に調べ、その緩和法を導いた。また放射線損傷を理論的に評価するコードを開発した。さらに、損傷に強い材料として従来の材料に比べて強度の4倍高く室温で延性を持つタングステン材と耐食性が4倍高いステンレス鋼を開発した。衝撃実験における応力発光材を用いた定量的な方法を考案し、実用化の目処を得た。

1 0 0 0 IR 研究紹介

著者
坪井 俊 山本 智 蓑輪 眞 西原 寛 雨宮 昭南 三谷 啓志 松本 良 江崎 雄治 朝倉 清高 長尾 敬介 長谷川 哲夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.24-36, 1998-03

カラビ不変量とオイラー類/サブミリ波望遠鏡をつくる/太陽アクシオンの直接検出実験/一次元レドックス共役分子、オリゴフェロセニレンの物性/動物の発生と左右非相称性/光回復酵素:生きながらえるべきか、死すべきか/御前崎沖南海トラフのガスハイドレート/人口「還流移動」発生率のエスティメーション/異方性表面を用いた表面原子配列制御/宇宙線生成希ガスからみた火星隕石の歴史/天の川銀河の地図をつくる
著者
金保 安則 長谷川 潤 船越 祐司
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

脂質性シグナル分子産生酵素のPIP5KとPLDの各アイソザイムの生理機能解析を行った。PIP5Kγ661は、海馬神経細胞において、クラスリンアダプター複合体AP-2と相互作用してAMPA受容体のエンドサイトーシスを促進し、長期抑制を誘起すことを明らかにした。さらに、PIP5KαとPIP5Kβは、精子形成に重要であることを明らかにした。また、PLDは、好中球機能に重要であることが報告されているが、それらの研究結果はアーチファクトである可能性を示唆した。
著者
吉田 克己 長谷川 晃 瀬川 信久 稗貫 俊文 田村 善之 潮見 佳男 曽野 裕夫 道幸 哲也 亘理 格 山下 竜一 池田 清治 村上 裕章
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は、現代社会を構成する政治=行政、経済=市場、生活=消費という3つのサブシステムの内部変化と外部変容(相互関係の変化)を、実定法学という観点から構造的・総合的に把握することである。共同研究を通じて、これら3つのサブシステム相互関係の変容を端的に表現するのが公私のクロスオーバーという現象であることが明らかとなった。また、そのような問題が集中的に現れる問題領域として、競争秩序と環境秩序があることも明らかになった。競争秩序の維持・確保は、その公共的性格のゆえに、伝統的に行政機関が担当すべきものとされてきた。ところが、近時、市民を主体とする民事法的対応の可能性が模索されている。このような動向に応じるためには、市民を主体とするものとして「公共性」を捉え返す必要があること、そして、競争秩序違反に対する損害賠償や差止を可能にする法理もまた、そのような観点から再構成されるべきことが解明された。さらに、競争秩序の形成に関して、上からでなく、下からの自生的秩序形成の可能性とその条件が検討された。競争論の観点からの民法学の原理論的考察も行われ、物権・債権の二分法に基礎には競争観念があることが明らかにされた。環境秩序に関しては、近時、理論的にも実践的にも重要な争点となっている景観問題などを素材として、公私のクロスオーバー現象が分析された。行政法の領域からは、公益、個別的利益および共同利益の相互関連が検討され、民事法の領域からは、差止を可能にする法理として、地域的ルール違反に対するサンクションとしての差止という法理が提示された。そして、刑法の領域からは、環境を保護法益として捉える場合のおける近代刑法原理の限界に関する分析が行われた。さらに、「憲法と民法」の相互関連という問題を通じて、公私の再構成に関する原理的な検討が行われた。
著者
長谷川 まどか 加藤 茂夫 田中 雄一
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,携帯デバイスを対象としたマルチセンソリー認証方式の開発を目的としている.現在,携帯デバイスでの認証には暗証番号やパスワードが多用されているが,覗き見への耐性の面で問題がある.本研究では,画像などの視覚情報,音声などの音響情報,振動などの触覚情報といった複数の知覚要素を組み合わせて認証に利用することで,覗き見への耐性が高く,かつ,ユーザが使いやすい認証方式の検討を行った.さらに,携帯端末を振る動作や空中描画動作などの行動的特徴を認証に利用する方式についても検討を行った.
著者
吉田 克己 田村 善之 長谷川 晃 稗貫 俊文 村上 裕章 曽野 裕夫 松岡 久和 池田 清治 和田 俊憲 山下 龍一 亘理 格 瀬川 信久 秋山 靖浩 潮見 佳男 伊東 研祐
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

公正な競争秩序や良好な自然環境、都市環境を確保するためには、行政機関や市町村だけでなく、市民が能動的な役割を果たすことが重要である。要するに、公私協働が求められるのである。しかし、公私峻別論に立脚する現行の実定法パラダイムは、この要請に充分に応えていない。本研究においては、行政法や民法を始めとする実定法において、どのようにして従来の考え方を克服して新しいパラダイムを構築すべきかの道筋を示した。