著者
青木 繁
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.33, no.365, pp.229-235, 1984-02-15
被引用文献数
1
著者
青木 聡子
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
vol.21, pp.129-133, 2015
著者
八代 尚 滝川 雅之 須藤 健悟 菅原 敏 青木 周司 中澤 高清
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.233-233, 2009

大気中水素(H<SUB>2</SUB>)はメタンに次いで濃度の高い反応性気体であり、土壌細菌による消費を主な吸収源とすることから、陸域-大気間の相互作用を研究する上で有用なトレーサーである。本研究において観測された日本上空のH<SUB>2</SUB>濃度は明瞭な鉛直勾配を示し、地表付近での大きな季節変動が明らかになった。全球三次元化学輸送モデルCHASERを用いたH<SUB>2</SUB>濃度の計算結果はおおむね観測結果を再現するが、北半球で秋から冬にかけて過小評価の傾向を示し、より詳細な吸収過程の表現を必要とすることが示された。
著者
瀧本 佳史 青木 康容
出版者
佛教大学
雑誌
社会学部論集 (ISSN:09189424)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.93-113, 2013-03-01

沖縄県における米軍用地は,今日いくらか返還の途上にあるとはいえなお相当な規模を占めている。戦後占領下において農耕地や宅地が接収されていったが,本稿は戦後それがどのように規模を拡大させてきたかについてその背景を探るとともに,地域によってどのような接収に違いがあるのかなどについて追究するものである。米軍の軍用地接収は沖縄戦終了後の占領とともに始まり,これを第1 期とすれば第2 期は国際環境の変化によって大規模かつ組織的な接収が行われる1950 年代半ばからであるということができる。接収地には地料が支払われ,その金額や支払い方法をめぐって住民と米軍との間の軋轢がやがて基地反対の「島ぐるみ闘争」となって全島を巻き込み戦後沖縄史を飾る戦いが繰り広げられた。その最中に米軍基地を自ら誘致したいという沖縄北部の農民たちが現れ,この闘争は分裂の経過を辿り終息していく。その背景には沖縄中部と北部における土地所有形態の相違があり,個人所有地の多い中部に対して北部の土地は殆どが入会地であり村有など共有地・杣山であったことである。共有地であることがかえって合意形成を容易にしたのである。入会地からの資源を保持する山経済よりは地料が確実な基地経済を選択することで貧困な村落社会の利益を守り維持していこうとしたのであろう。後半では杣山の歴史を俯瞰する。
著者
青木 淳一
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.38, pp.26-30, 1988-12-25

四国の室戸岬の最御崎寺(ほつみさきでら)にはホソバカナワラビ-スダジイ群集の森がよい状態で保存されており,その林床に堆積した落葉落枝の中からササラダニ類の3新種,すなわちムロトツヤタマゴダニ(新称)Liacarus murotensis,シコクツブダニ(新称)Oppiella articristata,マルガオフリソデダニ(新称)Neoribates pallidus,が採集されたので命名記載した.
著者
青木 務
出版者
神戸大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

木管楽器としてクラリネットとリコーダーを用い.音の「聞こえ」の心理量と周波数分析などにより得られる物理量を関係づけることを試みた。すなわち.いつも一定の条件で楽器音が得られるように.まず簡便な吹奏装置を作製した。次に音色の管能評価実験を行った。最後に両者より得た物理量と心理量を関係づけるとともに.良い音色をだすリードとはどのようなものかを.吸水実験などから検討した。得られた結果は以下の通りである。(1)クラリネットの音色においては.響きのある豊かな音が好ましいとされた。一方リコーダーでは.豊かな音が好ましいとはされたが.響きや柔らかさには適度の範囲があるようであった。(2)両者とも,残響時間が長いほど.減衰速度が遅いほど「よく響く」音と評価されていることを確認した。なお.プラスチック管は木管と比べて.響きすぎるきらいがあると言える。(3)音の豊かさは.倍音当りのdb低下量と関係し.この低下の割合が少ないと芯のある良い音になることが確認できた。ただ.豊かさは柔らかさにも影響されることも明らかとなった。すなわち.低次寄数倍音が多くても.高周波成分の多いかたい音であれば貧弱に聞こえる。(4)リードが吸水するに伴い.音色は一度好ましくない状態になるが.一定時間後には好ましい方向に変化する。しかしそれ以降.再び好ましくない音色へと緩やかに変化する。このような変化は.吸水による材の軟化を水分吸収による質量増加の効果が組み合わさつて生じると考えられる。(5)ティップへの吸水は.材の軟化を重量増加を生じさせ.音を低周波側に移動させる。ハートへの吸水は.高周波側に移動させるが.軟化によりリードがたわみ.リードの開きが狭くなることに起固する。
著者
小松 輝久 三上 温子 鰺坂 哲朗 上井 進也 青木 優和 田中 克彦 福田 正浩 國分 優孝 田中 潔 道田 豊 杉本 隆成
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.127-136, 2009-02-27

海面に浮遊している藻類や海草のパッチは流れ藻と呼ばれ,世界の海で見られる.日本周辺では,ホンダワラ類がそのほとんどを占めている.ホンダワラ類は,葉が変形し,内部にガスを貯め浮力を得ることのできる気胞を有しており,繁茂期には数メートルにまで成長する.沿岸から波などにより引き剥がされた後,その多くは海面を漂流し,流れ藻となる.東シナ海の流れ藻の起源を,固着期と流れ藻期のアカモクの分布調査,遺伝子解析,衛星位置追跡ブイ調査をもとに推定した.その結果,中国浙江省沖合域の島嶼沿岸から流出している可能性が示された.ホンダワラ類の流れ藻は,漂流中も光合成,成長などの生物活動を行っている.伊豆半島下田地先のガラモ場での現地調査および陸上水槽実験を通じて,流れ藻の発生時期とその量,成長,成熟,光合成速度,浮遊期間を調べた.最後に,ホンダワラ類にとっての流れ藻期の生態的意義について議論した.
著者
森谷 雅人 高木 融 鈴木 敬二 佐々木 啓成 伊藤 一成 片柳 創 土田 明彦 青木 達哉 小柳 〓久
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.2114-2117, 2002-09-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
13

症例は61歳,女性.胃癌にて1997年12月9日,胃全摘術,膵脾合併切除施行. 1998年1月9日より化学療法施行. 18日より経口摂取不良となり,高カロリー輸液(以下, TPN)を開始したが, 2月10日より記銘力低下, 14日より意識レベル低下し, 15日に急性循環不全を呈した.血液ガス分析では, pH 7.136, PaO2 157.0mmHg, PaCO2 9.8mmHg, HCO3-3.3mEq/l, Base Excess -23.4mEq/lと代謝性アシドーシスを呈していた.炭酸水素ナトリウム500ml投与するも効なく,乳酸値を測定したところ144.0mg/dlと高値を示したためビタミンB1欠乏による乳酸アシドーシスを疑い塩酸チアミンを投与したところ,投与後6時間でpH 7.598, Base Excess 8.9mEq/lとなり,意識レベル,循環動態も改善した. 自験例を含めたTPN施行時のビタミン欠乏による乳酸アシドーシスの報告例について文献的考察を加えて報告する.
著者
青木 慎也 初田 哲男 石井 理修 根村 英克
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.745-753, 2012-11-05

最近提案され成功をおさめている格子QCDによる核力研究を紹介する.核力研究の科学的な重要性とその現状を述べた後で,なぜQCDを使って核力を研究するのが難しいか,そして我々はその困難をどのように解決していったか,などを紹介する.格子QCDによる核力ポテンシャルの世界初の結果を示し,その意義を議論する.また,この結果や我々の方法への様々な疑問や誤解に関しての理論的な考察も述べる.そして,核力ポテンシャルの計算法の拡張とそれを用いた最近の発展に関してもできる限り紹介していく.
著者
丸山 剛 青木 伸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.1222-1224, 2007-08-01

We have developed a stereovision method that uses a monocular head-mounted display (mono-HMD). In the past, both images in stereovision have been set in either a virtual world or in the real world. In the former case, a person wearing special glasses can see 3D images, but other people can't even see 2D images. In the latter case, viewers can only see 3D images from a particular location. Our method solves both problems. In our method, one image is set in a virtual world displayed in a mono-HMD, and the other image is set in the real world. The viewer wears the mono-HMD and moves her body to align one retinal image with the other retinal image. The brain's vision center then perceives the two images as one stereoscopic image. Our experiments have shown that 3D images can be viewed stereoscopically using our method.
著者
海野 徳仁 河野 俊夫 岡田 知己 中島 淳一 松澤 暢 内田 直希 長谷川 昭 田村 良明 青木 元
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.325-337, 2007-03-25 (Released:2013-08-05)
参考文献数
21
被引用文献数
1 5

Hypocenters of the main shocks and aftershocks of the 1933 Mjma 7.1, 1936 Mjma 7.4, 1937 Mjma 7.1, 1939 Mjma 6.9, 1978 Mjma 7.4, and 1981 Mjma 7.0 Miyagi-oki, NE Japan, earthquakes are relocated by using S-P times reported in the Seismological Bulletin of the Japan Meteorological Agency (JMA) and those re-read from original smoked-paper seismograms observed at Mizusawa station of National Astronomical Observatory of Japan (NAOJ) and at Mukaiyama station of Tohoku University. In order to avoid large errors caused by inaccuracies in the arrival times of P- and S-waves and the limited number of observation stations, we determined hypocenters by using a grid search method based on the assumption that these events occurred at the boundary between the subducting Pacific plate and the overriding plate. The main shock epicenters of the 1933, 1936, 1937, and 1978 earthquakes are determined close to each other, and distributions of their aftershocks show that aftershock areas of 1933, 1936, and 1937 events partly overlap with that of the 1978 event and occupy its easternmost, central, and westernmost portions, respectively. It is likely that the 1933, 1936, and 1937 events possibly ruptured a part of the source area of the 1978 event, that is the eastern, central, and western portions, respectively. Locations of the main shock and aftershock area of the 1939 event are adjacent to the eastern edge of the source area of 1978 event. After the 1978 event, the 1981 earthquake had occurred there following the slip on the asperities in the presumed Miyagi-oki earthquake source area.
著者
青木 俊明 星 光平 佐藤 崇
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.43-53, 2006

本研究では集団状況における協力意向の形成機構を検討した.私的利益,手続き的公正,同調圧力を操作した心理実験の結果,以下の知見および示唆を得た.1)集団状況では,私的利益感,同調圧力感が重要な態度形成要因であること.2)同調圧力を作用させた実験参加者の約1割が公的受容を伴う同調で態度を形成していた.3)私的受容による同調と合わせると,4割強の実験参加者が同調圧力の影響を受けて態度を形成していた.4)私的受容と公的受容の分岐要因は,同調圧力感,私的利益感,手続き的公正感と推察される.5)同調を示す場合,私的利益感と手続き的公正感が低く,同調圧力感が高い場合には公的受容が促され,私的利益感と手続き的公正感が高く,同調圧力感がさほど高くない場合には私的受容が促されることが示唆された.
著者
青木 健
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
vol.146, pp.72-41, 2004-12

An Annotated Translation of Zoroastrian Book Pahlavī Literature, the Dēnkard Book III: No. 1by Takeshi AOKIThe Dēnkard is one of the most voluminous Zoroastrian Book Pahlavī literature, edited by Zoroastrian high priests, Ādurfarrōbay-ī Farroxzādān and Adurbād-ī Ēmedēn in the 9^th and 10^th centuries.Here presented is an annotated transcription and Japanese translation of its third volume, which consists of 420 polemics against bad religions-Manichaeism, Judaism and Islam.Our process of preparing this translation can be divided into two steps.1. The late Prof. Gikyō Itō made a Pahlavī letters' transcription and its Japanese translation preciously corresponding to Madan's Dēnkard edition.Unfortunately, however, he passed away before completion this work.2. After Gikyō Itō's death, Takeshi AOKI made his work up-to-date, and added ① linguistic commentaries on Pahlavī letters' transcription and ② religious commentaries on Japanese translation.This time we can print only the 6^th chapter to the 9^th chapter, but we hope publishing serially the whole transcription and translation of the Dēnkard Book III in this Memoirs.
著者
青木 健一
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

遺伝子と文化の共進化の事例研究を3つ行った。1.成人乳糖分解者が多い人類集団で家畜の乳を飲む習慣が普及していることを説明するため、3つの仮説が提唱されている。乳糖分解者と飲乳者の共進化を集団遺伝学のモデルに基づいて理論的に研究し、それぞれの仮説の妥当性を検討した。まず、文化歴史的仮説あるいはカルシウム吸収仮説が成り立つためには、従来言われているよりはるかに強い自然淘汰が要求されることを示した。また、乳に対する好みの効果を検討し、逆原因仮説が成り立つためには乳糖分解者と分解不良者の間で好みに違いがあることが必要で、しかも文化伝達係数がある不等式を満足しなければならないことを示した。逆に、好みの違いが大きすぎると、前者2仮説が成り立ちにくいことも分かった。2.手話とは聾者の自然言語であり、文化伝達によって維持されている。一方、重度の幼児期失聴の約1/2が遺伝性であり、その約2/3が複数の単純劣性遺伝子によって引き起こされている。劣性遺伝の特徴として聾者が世代を隔てて出現する傾向にあるため、親から子への手話の伝達が阻害される。遺伝子と文化の相互作用の観点からこの問題を解析し、劣性遺伝子が2つ存在する場合、手話が失われないためには聾者同士の同類結婚が重要であることを示した。実際、日本や欧米で約90%の同類結婚率が報告されており、手話という特殊な文化現象の存続が聾に関する同類結婚によって可能になっていることが暗示された。さらに、聾学校などで家族以外の者から手話を学習する機会がある場合について検討を加えた。3.文化伝達能力と父親による子育てが共進化する可能性を理論的に検討した。有性一倍体モデルを完全に記述し、平衡点の同定と安定性解析を行った。その結果、母親からの文化伝達の効率がよく、父親からの文化伝達に補助的な意義しかない場合、文化伝達能力と父親による子育てがほぼ独立に進化することが分かった。一方、父親からの文化伝達が特に重要である場合には強い相互作用が見られ、文化伝達能力と父親による子育ての共進化が促進される。また、より現実的な二倍体モデルを部分的に解析したが、本質的な結果において一倍体モデルと一致した。さらに、父性信頼度の低下による効果も検討した。
著者
青木 健
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
vol.167, 2015-03

As a beginning of this small paper on the Āzar Kayvān School, a good starting point is the outline of Āzar Kayvān School Studies until 2014, especially the publication data of Āzar Kayvān School’s eight Persian treatises and their translations. Prior interpretations of Āzar Kayvān school’s religious thought can be best summarized in Rezania 2014 and Sheffield 2014a. In the latter half of the 20th Century, Āzar Kayvānian religious thought is always explained as a Zoroastrian branch of Suhrawardī Maqtūl’s Illiminationism. Representative scholars of this interpretation are Henry Corbin (especially Corbin 1989), Fath Allāh Mojtabā’ī (Mojtabā’ī 1989), Seyyed Hossein Nasr (several surveys of Islamic mysticism), Kevin R. D. Shepherd (Shepherd 1988) and Takeshi Aoki (Aoki 2001a and 2001b). At the turn of the century, however, the trend changed drastically. Some scholars began to connect Āzar Kayvān School with other religious thoughts in Safavid Iran and Mughal India. Takeshi Aoki tried to connect Āzar Kayvān School’s Eschatology with Dīn-e Ilāhī (Aoki 2002a), and connect the contents of the Jām-e Kay Khosrow with the soteriology of the Nūrbakhsh order (2002b). Kathryn Babayan supposed close connection between Āzar Kayvān School and the Nuqtavī order (Babayan 2002). Since 2009, however, I continue to search for the Zoroastrian Persian MSS possessed at Islamic MSS libraries both in Iran and India and, in the course of those researches, I discovered some new MSS of already-known Āzar Kayvānian treastises (not in Yazd or Kermān, but mainly in the western part of Iran). According to their colophons, a part of them were written before the publication of lithographies in the 19th century and there are some differences between the lithographies and those MSS. So we must look more carefully into the MSS data to prepare new editions of Āzar Kayvānian literature. In this paper, I would like to take up a Persian treatise as a possible Āzar Kayvānian lost treatise, Dāstān-e Mōbedān Mōbed Dādār Dāddukht va Keyfīyat-e ān in the Majles 13522 Codex possessed at the National Congress Library of Iran (Tehrān).

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著者
藤森 淳 酒井 広文 宮原 ひろ子 横山 祐典 小林 修 青木 秀夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.10-14, 2008-09

半導体スピントロニクス材料の複雑な磁性/気体分子の向きを揃える新手法を開発/樹齢2000年の屋久杉を使って太陽活動の歴史を探る/樹齢2000年の屋久杉を使って太陽活動の歴史を探る/水中での有機合成における革新的技術を開発/鉄系新高温超伝導体の理論を提唱
著者
青木 義男
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.325-330, 2014-10-05

従来から提案されてきた宇宙エレベータは,静止軌道に質量中心をもつ上下に長い衛星として,質量中心や端部を構成するステーションと間をつなぐケーブル(テザー)によって概念図が描かれている.ただし宇宙往還システムとしての宇宙エレベータには,ケーブルを昇降する機構が必要となることはいうまでもない.この昇降機構はケーブルを支索(軌道)として自立昇降するもの(ロープモノレール型),ケーブルを支曳索とするもの(ロープウェイ型)に大別され,様々な駆動制動方式や制御方式が検討され始めている.本稿では宇宙エレベータクライマが基本的に有すべき機能・性能について解説し,内外のクライマ開発事例について紹介する.また,現状での課題と共に今後検討が必要な要素技術について述べる.最後に宇宙エレベータクライマの開発モデルの宇宙往還機以外への応用事例として,ケーブル支持構造の自動点検用移動機構として検討されているプローブクライマについて言及する.