著者
下山 萌子 後藤 春彦 馬場 健誠
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.1074-1080, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
21

バラック飲み屋街の大部分は、近年において開発の危機や店主の引退により減少傾向にある。しかし同時に、地域資源として積極的にその価値を評価する立場も存在している。そのような中で新宿ゴールデン街は観光地化や若い世代からの出店の増加が近年進んでおり、新旧の店舗が併存し地域全体が転換期にあると言える。以上より、新宿ゴールデン街における店舗の更新実態を、地域社会を活かし共有されてきた店主間のアドバイスとともに記録し、地域の共有財として継承する必要性を再認識することは、今後地域の都市更新を考える上で重要である。本研究では、新宿ゴールデン街の更新過程において新旧の店舗の混在という点に着目し、その更新の様相を詳細に捉える。またそのために、更新過程において店主間で交わされたアドバイスの内容とその機会を把握する。より具体的には以下の3点を明らかにする。1)店舗数の増減から見た歴史的特徴(第2章),2)新旧店舗の混在とその更新の実態(第3章),3)店舗更新時における店主間のアドバイスとその継承の機会(第4章)以上より新宿ゴールデン街の更新とそれに伴う店主間のアドバイスを把握し、今後の課題について論じる。
著者
国武 陽子 寺田 佐恵子 馬場 友希 宮下 直
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.217-220, 2010 (Released:2011-05-27)

アオキ(Aucuba japonica)の花粉媒介様式と主要な花粉媒介者を、網掛けによる訪花者の排除実験と訪花昆虫の観察から推定した。花序当たりの結果率は、花序に網(1mmまたは3mmメッシュ)を掛けて昆虫の接触を制限すると、無処理区に比べて著しく低下したが、網を掛けて人工授粉を施すと無処理区との差はみられなかった。また、1mmと3mmメッシュの網では、網掛けの効果に有意な差はみられなかった。以上の結果より、アオキの種子生産は主に虫媒依存であることが示唆された。次に訪花昆虫の同定と体サイズの測定より、花粉媒介者は、ジョウカイボンおよびゾウムシなどのコウチュウ目や、クロバネキノコバエなどの長角亜目であることが推測された。花粉媒介はこれらの昆虫の機会的な訪花に依存していると考えられる。
著者
伊藤 厚子 馬場 薫 田中 幸子
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部看護学科
雑誌
東北文化学園大学看護学科紀要 = Archives of Tohoku Bunka Gakuen University Nursing (ISSN:21866546)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-11, 2020-03

本研究の目的は、病院で看護職が受ける職員間暴力・ハラスメントの実態と抑うつとの関連を明らかにすることである。400床以上500床未満の3病院、1,107名の看護職を対象に質問紙調査を行い、抑うつ状態の評価はCES-Dを使用した。職員間暴力・ハラスメントを受けた者のうち、所属長に報告した者は32.7%であり、言葉の暴力・いじめ・パワハラを受けた者は受けたことがない者よりCES -D得点が高いことが明らかとなった。職員間暴力・ハラスメントの中でもいじめを受けた者は特に抑うつ傾向を誘発しやすいことから、管理者は職員の人間関係に注意するとともに、職員が報告や相談をしやすい環境や関係作りの必要性が示唆された。
著者
鈴木 紗弥子 馬場 章
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.25-31, 2016 (Released:2019-10-01)

テレビゲームは技術の進歩に伴って、CGアニメーションによるカットシーン(イベントムービー ) が用いられるようになっている。その後、カットシーン中の画面上にボタン押下指示を表示させる QTE (Quick Time Event)と呼ばれる表現手法が作られた。本研究ではこのQTEを模したプログラムを 用いて実験を行い、ボタン押下の速度、映像内容に関する理解度を調査した。その結果、ゲーム初心者 にとってはボタン押下指示の間隔が大きく開くと、反応に遅れが生じることが分かった他、全体的に映 像内容の理解度に疑問が発生することも示唆された。
著者
木村 友亮 馬場 浩充 大洲 人士
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.969-975, 2020-08-15

要旨 【目的】本研究の目的は,歩行未自立の急性期脳卒中患者に対する長下肢装具(knee ankle foot orthosis:KAFO)を用いた歩行練習の有無が,急性期病院退院時の下肢の運動麻痺と回復期病院退院時の移動能力に及ぼす影響を調査することである.【方法】脳卒中患者47名を対象に,急性期病院退院時の下肢Brunnstrom Recovery Stage(BRS),回復期病院退院時の歩行項目と階段項目の機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)点数,在院日数を後方視的に調査し,分析した.【結果】下肢BRSは,KAFO不使用群に対してKAFO使用群で,より運動麻痺の改善を認めた.また,歩行項目および階段項目のFIM点数において2群間に有意差を認めたが,在院日数に有意差は認められなかった.急性期病院退院時下肢BRSと回復期病院退院時の歩行項目および階段項目のFIM点数における相関関係は,KAFO使用群で有意な正の相関を認め,KAFO不使用群では歩行項目のFIM点数のみ正の相関を認めた.【結論】急性期脳卒中患者に対する歩行練習は,運動麻痺の回復や歩行,階段動作の獲得における長期予後に影響しており,歩行未自立者に対してKAFOを用いて可及的早期より歩行練習を行うことの有効性が高いことが示唆された.
著者
井口 洋夫 MUNRO I.H. UNDERHILL A. PHILLIPS D. SARRE P.J. ROBB M.A. DAY P. 丸山 有成 宇理須 恒雄 吉原 經太郎 斎藤 修二 中村 宏樹 伊藤 光男 DAY Peter R J.Donovan J P.Simons 平谷 篤也 阿波賀 邦夫 川嶋 良章 十倉 好紀 馬場 正昭 宮島 清一 長嶋 雲兵 M H.Palmer 藤平 正道 入江 正浩 P B.Davies A Carrington B J.Howard J M.Brown R N.Dixon 吉野 勝美 川口 健太郎 遠藤 泰樹 小尾 欣一 高見 道生 廣田 榮治 福井 一俊 MUNRO I. MEECH S.R. STACE A.J. SIMONS J.P. DONOVAN R.J. 岡田 正 川崎 昌博 加藤 肇 西 信之
出版者
岡崎国立共同研究機構
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

分子計算化学に関する5+5ミーティング、放射光利用化学に関する5+5ミーティング及び分子科学5分野合同のミーティングをそれぞれ、岡崎の分子科学研究所、英国ダ-ズベリ-研究所及び英国アビントンのSERC会議所において下記の通り開催した。学術研究上の情報交換・討議が大変有意義な中に実施され、将来計画についても忌憚のない意見交換が行われた。詳細は別途冊子にまとめられる。(1)分子計算化学5+5ミーティング平成5年7月15日-17日に分子科学研究所に於て日英5+5ミーティングが行れた。イギリス側の参加者はDr.B.Sutcliffe(Univ.York),Prof.M.Robb(Kings Colledge),Dr.H.Rzepa(Imperial Colledge),Dr.D.Wales(Cambridge Univ.)とProf.J.Connor(Univ of Manchester)の5名であり、日本側は中村宏樹、大峰巌(分子研)、平尾公彦(名大、東大)、岩田末廣(慶応)、加藤重樹(京大)、山下晃一(基礎化研)の6名であった。英国における計算分子科学の現状、非断熱遷移と多次元トンネル、光異性化反応、水素結合多様性、クラスターの光解離、クラスターの構造、光解離反応、量子波束動力学、溶液のダイナミックス、反応における共鳴現象等々広範囲に亘る有益な討論が行われた。最後に、共同研究実施の問題点、将来への改良点を検討した。若手研究者の交流を深める事、出来れば1996年英国で会合を開く事で合意した。(2)放射光利用化学5+5ミーティング平成5年10月21-22日英国ダ-ズベリ-研において同分野のミーティングを開催した。出席者は日本側から伊藤光男分子研所長、井口洋夫岡崎機構機構長、宇理須恒雄、小杉信博、鎌田雅夫、見附孝一朗、西尾光弘(分子研)及び岩田末廣(慶大)の8名、英国側はA.J.Leadbetterダ-ズベリ-研所長、Munro、West、Hasnain、Jones、Eastham(ダ-ズベリ-)、Comer(マンチェスター)及びWeightman(リバプール大)の8名であった。会議はダ-ズベリ-研の研究プログラムの紹介、分子研SORにおける日英交流の成果報告にはじまり、13件の学術報告がなされた。原子分子の高励起状態、タンパク質分子、固体電子状態、反応素過程、固体表面反応、電励起電子状態理論及び有機材料の光電子分光などについて有益な討議が行われた。最後に、原子分子、固体表面、光表面反応等に関する将来の共同研究の可能性及び1995年に次回ミーティングを開催する可能性について議論した。(3)5分野合同ミーティング平成5年10月17日-20日、英国アビントンのSERC会議所において、5分野合同のミーティングを開催し、学問的議論を行うと共に、今後の日英協力のあり方について討議を行った。学問的討議内容及びその他の詳細については別途に作成される冊子にまとめられる。将来計画等についての議論の概要は次の通りである。(1)英国側科学行政一般についての説明(2)日英協力事業の日本側での運用方法についての説明(3)他機関・財団等に関する情報交換(4)本事業の将来計画について今迄の本協力事業の実績をお互いに振り返り、将来計画を討議した。少ない予算の中でも、大変有意義に進められてきた事を確認しあった。特に、5+5ミーティングは両国間の研究活動情報の交換と共同研究育成の為に大変有益に作用している。今後は、若手研究者の相互長期滞在による共同研究の奨励を一層推進していくべきであるという点で合意した。これには上記(3)の活用が不可欠となろう。来年度以後の具体的計画についても話し合い、その大筋を認めあった。各分野のキーパーソン同志の連絡を一層緊密にする事とした。因みに、平成6年度には、高分解能分光のミーティングを英国で、電子構造のミーティングを日本で開催し、予算の許す範囲で日本人若手研究者を3〜4名派遣する事とした。
著者
馬場 正美 洲崎 英子 平良 梢 伊藤 友里 加地 ひかり 岡田 温
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.291-299, 2020-07-25 (Released:2020-09-04)
参考文献数
26
被引用文献数
1

目的:コラーゲンペプチドが骨格筋量に影響を及ぼすかどうかを検討するため,回復期リハビリテーション病棟において,コラーゲンペプチド含有経口栄養補助食品摂取群(以下 介入群)と非摂取群(以下 コントロール群)の間に,体組成,身体計測値,Activities of Daily Living,食事摂取栄養量に違いがあるかどうかを検討した.方法:2018年6月1日~2018年8月31日までの間に骨折または脳卒中で回復期リハ病棟に入院した65歳以上の患者19名を対象とし,介入群にはコラーゲンペプチド10ℊを含有するONSを摂取させた.結果:患者の平均年齢は介入群が78.3±7.0歳,コントロール群が75.2±5.5歳,男女比は介入群が男性3名,女性7名,コントロール群が男性2名,女性7名であり,患者の在院日数は介入群が72.9±29.7日,コントロール群が69.7±15.4日であった.介入前後におけるFFMの変化量は,介入群が+0.55±1.4 kg,コントロール群が-1.67±2.2 kg,SMMの変化量は介入群が+0.29±0.8 kg,コントロール群が-0.96±1.3 kg,SMIの変化量は介入群が+0.11±0.3 kg/m2,コントロール群が-0.31±0.4 kg/m2であり,FFM,SMM,SMIのいずれの項目においてもコントロール群に比べて介入群の変化量は有意に大きかった.また,介入群のSMIは1日あたり0.002±0.03 kg/m2増加した.結論:コラーゲンペプチドの経口摂取は,回復期リハビリテーション病棟患者の骨格筋量を増加させる可能性が示唆された.
著者
馬場 健司 木村 宰 鈴木 達治郎
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.68-77, 2004
被引用文献数
4

近年急速に導入が拡大している風力発電の立地, 大規模ウィンドファームの開発については, いくつかの公益を巡ってコンフリクトが発生するケースがしばしばみられる. 立地プロセスにおけるアクターの参加の場や意思決定手続きについて, 文献調査とヒアリング調査により日米のケースを比較した結果, 以下が明らかとなった. 日本では自然公園での立地ケースについては公式プロセスの中で景観に限定したアジェンダが設定されるのみであるのに対して, 制度要求に基づく環境影響評価が適用された米国の洋上立地ケースでは, 第三者的専門家による非公式プロセスが補完しながら, そこで得たインプットが公式プロセスへとフィードバックされるなど, 事業の早い段階から幅広い参加の場とアジェンダが設定されている.
著者
馬場 幸 寺本 信嗣 長谷川 浩 町田 綾子 秋下 雅弘 鳥羽 研二
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.323-327, 2005-05-15 (Released:2011-03-02)
参考文献数
26
被引用文献数
9 10

嚥下障害のスクリーニングのために, ベッドサイドで実施可能な簡便な検査法がいくつか提唱されてきている. しかしながら, 痴呆を持つ高齢患者においては, それらの検査法の臨床的な有用性や限界について十分に検証されているとはいえない. 今回, 37例の入院患者 (平均年齢81.8±12歳) を対象として, 嚥下機能評価を, 反復唾液嚥下テスト (repetitive saliva swallowing test, 以下RSSTと略す) および簡易嚥下誘発試験 (simple swallowing provocation test, 以下SSPTと略す) を用いて実施し, 同時に認知能と言語コミュニケーション能力について, 改訂長谷川式簡易知能評価スケール (以下HDS-Rと略す) およびミニコミュニケーションテスト (以下MCTと略す) を用いて評価した. RSSTが実施できたのは22例のみであり (59%), 一方, SSPTは全例に実施可能であった. HDS-RスコアおよびMCTスコアは, RSST実施不可能群において, 実施可能群に比べ有意に低値を示した(HDS-R: 7±1 vs 15±3, p<0.01; MCT: 47±8 vs 81±5, p<0.01). また, RSSTにて異常反応は14例 (64%) に, SSPTでの異常反応は5例 (14%) に認められた. 異常反応を示した患者では, 認知能 (p<0.05) および言語コミュニケーション能力 (p<0.05) は有意に低下していた. また, SSPTにおいてむせのあるなしは, 認知能の影響がみられた. この結果より, RSSTは高齢患者における嚥下障害の検出に有用であるが, その適応については患者の認知能と言語コミュニケーション能力に影響されることが示唆された. 高齢者の嚥下障害についてその検査法を選択するうえで, 老年医学的総合評価を行うことは有用であると考えられた.
著者
馬場 悠男
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.102-108, 2014 (Released:2014-06-24)
参考文献数
10

初等中等教育の限られた授業時間の中で,生徒たちに人類学および人類進化の本質を理解させ,現在と未来の私たちのあるべき姿を考えるヒントを与えられるような試案を提示した。具体的には,教えるべき理解の要点,教える際の注意点,簡易なストーリー説明,「人間らしさ」を示す最新の研究結果によるトピックを簡略に述べた。
著者
馬場 昌範 西條 政幸
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成 29 年度までの研究により,重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因ウイルスである SFTSV に対する in vitro 抗ウイルスアッセイ系を確立し,それを用いた薬剤のスクリーニングにより,アモジアキンに選択的な抗 SFTSV 効果を同定した。さらに,種々のアモジアキン誘導体について,それらの抗 SFTSV 効果を検討したところ,アモジアキンと比較して,抗ウイルス活性が 10 倍程度高い新規誘導体(# 90)を同定することに成功した。そこで,平成 30 年度の本研究では,# 90 について,研究代表者が in vivo 実験用に必要な量の薬剤を準備するとともに,研究分担者が国立感染症研究所において SFTSV に感受性を有する1型インターフェロン受容体ノックアウトマウスを用いた in vivo 投与実験を行った。その結果,SFTSV 感染マウスに対し,# 90 の最大量(100 mg/kg)の経口投与群においても,非投与群と比較して,有意な致死率の減少をもたらさなかった。一方で,非感染マウスの最大量投与群においても,体重減少などの有害事象が全く認められなかったため,# 90 については in vivo における薬物体内動態(経口吸収性など)に問題があるのではないかと思われた。そこで # 90 の体内動態を改善することを目的に,原体から塩体(塩酸塩)への変換を行った。次年度は #90 塩酸塩を用いて,in vitro 活性試験および in vivo 活性試験を行う予定である。また,本研究から派生した研究成果として,米国のテキサス・バイオメディカル研究所の BSL4 施設を用いた国際共同研究を実施し,# 90 に強い in vitro 抗エボラウイルス効果を有することも明らかにした。
著者
高見 知寛 鈴木 功一 馬場 達也 前田 秀介 松本 隆明 西垣 正勝
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26(2006-CSEC-032), pp.209-214, 2006-03-17

本稿ではキーボード入力を取得するというキーロガーの挙動に着目し,キーボード入力に用いられるAPIの使用を検出することでキーロガーの検知を行う方式を提案する.本来のDLLの代わりにAPIの使用を検出する機能を付加した検査用DLLをプログラムにロードさせた上で試実行させることが本方式の特徴であり,ウイルス検知における動的ヒューリスティック法的なアプローチによるキーロガー検知方式となっている.本稿では本方式の基礎実験を行い,その検知率と誤検知率について評価する.
著者
馬場 英朗
出版者
關西大學商學會
雑誌
關西大學商學論集 (ISSN:04513401)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.43-56, 2019-12-25

休眠預金活用法が成立し,約30億円の資金を子どもや若者・生活困難者の支援,地域社会の活性化などに助成することが予定されている。このとき,広く国民の理解を得るためにロジック・モデル等に基づく社会的インパクト評価を実施すると定められているが,その内容についてはいまだ明確になっていない。インパクトとは,介入により個人や社会に生じた変化を抽出することで捕捉された,公益活動が直接的に生み出す社会的価値のことである。イギリスでも公共サービス分野において,インパクト評価が導入されているが,成果を科学的に証明するというよりも,様々な利害関係者がお互いに合意できる立証水準を確保することに主眼が置かれている。成果主義が過度に強調されると,失敗した事業が存在しないかのように取り繕って,十分な成果が出たと見せかける危険性もあるため,活動のプロセス (短期・中期) や政策及び予算 (長期) を適時に見直すことにより,成果指向の考え方を浸透させることが重要になる。
著者
奈良 梨央 鍋島 怜 佐藤 大輔 市川 浩 馬場 康博 下山 好充
出版者
日本水泳・水中運動学会
雑誌
水泳水中運動科学 (ISSN:18806937)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-9, 2019 (Released:2019-12-07)
参考文献数
19

For competitive swimmers, the streamlined position is the most important position for reducing water resistance. Therefore, this study investigated the effect of spinal alignment during the streamlined position on passive drag generated by towing. Twenty-three male collegiate swimmers underwent a spinal alignment test and a passive drag test. The spinal alignment test measured the angles of thoracic kyphosis and lumbar lordosis when the participants took the prone streamlined position on land. The spinal alignment data were collected using a Spinal Mouse to record the sagittal outline of the back. The passive drag test at streamlined position was measured by the passive towing method using a towing series comprising four 20-m towing trials at towing speeds of 0.7 m/s, 1.2 m/s, 1.7 m/s, and 2.2 m/s. Significant correlations were found between the angle of thoracic kyphosis and the coefficients of drag at 1.2 m/s, 1.7 m/s, and 2.2 m/s. No significant correlations were found between the angle of lumbar lordosis and coefficient of drag at any towing speed. These results suggest that the angle of thoracic kyphosis during the streamlined position would have a significantly effect on passive drag generated by towing.
著者
綿引 大祐 吉松 慎一 吉武 啓 馬場 友希 上里 卓己 島谷 真幸 指宿 浩 湯田 達也
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.19-26, 2013-02-25 (Released:2013-06-29)
参考文献数
16
被引用文献数
2

The genus Spodoptera Guenée mainly distributed from tropical to subtropical regions throughout the world includes many pests of food crops, vegetables, forage crops and grasses. The African armyworm, Spodoptera exempta (Walker) has been known from Africa, South East Asia, parts of Australia to some Pacific islands as a pest of crops or pasture, however, no damage by this pest had been reported from Japan before 2010. From Japan, only five adult specimens had been collected before 2010. These specimens probably flew from the tropical region of Asia to Japan because S. exempta is a well known migratory pest in Africa. Severe damage of forage crops and grasses by this species was recognized for the first time from Japan at Nansei Islands in 2010. Therefore, survey using a synthetic sex pheromone for S. exempta was conducted by the Okinawa Prefectural Plant Protection Center and the Kagoshima Prefectural Institute for Agricultural Development. As a result, several species of Spodoptera were collected by the pheromone trap for S. exempta including S. exempta. We made a key to distinguish all eight Japanese species of Spodoptera mainly using male genitalia. Furthermore, we were able to distinguish six Japanese Spodoptera pest species using standard DNA barcoding.