著者
信田春満 尾形哲也 奥乃博 高橋徹 日下航
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.125-126, 2011-03-02

認知ロボティクスにおいて身体図式の獲得は重要なテーマの一つである。従来研究では運動指令値と視覚を相関学習させるため,視覚中の身体位置が既知であることが前提であった。対して本手法は「予測(操作) できる部分が身体である」という考えに基づき、運動指令値と視覚の関係を予測学習することによって画像中の他者と自己の身体識別を可能とした。具体的には神経力学モデルであるMTRNN に運動指令値及び自己と他者の身体を含む視覚情報を入力し予測学習させ,予測可能部分を自己身体とした。実験の結果,MTRNN は運動指令値のみから自己身体を他者身体に比べ平均10 倍の精度で予測できることが確認された。
著者
高橋 克巳 梅村 恭司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1906-1915, 1995-08-15

日本人名のかな表記にゆれとよばれる変形が存在し、日本語情報検索システムの問題となっている。本論文では人名のかな表記にゆれが存在してももれのない検索を可能とする近似文字列照合法を提案する。ゆれの問題に対処するためには表記を統一して検索を行うことが一般的であるが、現在かな表記を統一する墓準は明らかではなく、そのため統一すべきゆれが多種になった場合の対策も明らかになっていない。本文では日本人名約3 000万件を解析し、姓のゆれのデータを収集分析する。その結果、娃は9万種の姓のゆれ単位に分類できること、実データ上で58%の姓に何らかのゆれが存在すること、ゆれの原因は連濁などの接続部の変化が大部分を占めることを明らかにする。さらにこのゆれの関係に墓づいた正規化による照合を提案する。すなわち、実際にすべてのゆれを21 276組の文字列の等式関係で記述し、そこから自動的に15 841の正規化規則を作成して照合する方法を提案する。この正規化規則を使った照合法を人名の分布にしたがった検索に適用し、再現率と適合率の観点から評価を行った。その結果、93%の適合率を達成したうえで、完全一致検索では1検索あたり15%存在していたゆれによる検索もれを解消した。人名についてかな表記のゆれが荏在してももれのない検索が可能となった。
著者
松井 大樹 大沢 勇統 高橋 篤 大星 直樹
雑誌
2017年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017-09-15

ゲノム解析におけるマッピング処理は、扱うデータ量の大きさから、膨大な処理時間を必要とする。本稿では、処理速度の向上を目的として、マッピング処理を並列化し、PCクラスタ上で動作させ、処理速度の計測を行った。その結果を示す。
著者
中村 正人 山崎 敦 田口 真 岩上 直幹 佐藤 毅彦 高橋 幸弘 今村 剛
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.4-7, 2016

金星探査機「あかつき」は2015年12月に金星周回軌道に入った.日本初の惑星周回機の誕生である.観測機器の初期チェックは順調に進んでいる.中村プロジェクトマネージャーと観測機器担当者が所感を記す.
著者
高橋 梵仙
出版者
専修大学
巻号頁・発行日
1960

博士論文
著者
永吉 奈央子 依田 千恵美 徳山 清之 高橋 裕子
出版者
日本禁煙科学会
雑誌
禁煙科学
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.1-5, 2015

<b>要 旨</b><br><b>目的:</b>当院禁煙外来における未成年の現状を評価した。<br><b>対象:</b>2010年9月~2013年8月に当院を受診した未成年者62名(男子46名、女子16名)<br><b>方法:</b>初診時の問診票と診療記録から、受診者の特徴と治療成績を調査した。<br><b>支援方法:</b>3か月間の通院治療を目標とし、ニコチン依存度に応じた薬物療法と行動療法で支援した。<br><b>結果:</b>初診時平均年齢15.1歳、初回喫煙年齢平均12.6歳、常習喫煙年齢平均13.1歳、喫煙本数平均9.8本/日。同居する喫煙者は、なし23名(37.1%)父親20名(32.3%)母親12名(19.4%)両親3名(4.8%)その他4名(6.5%)。受診の主な理由は、自分からやめようと思った39名(62.9%)、学校からの指導37名(59.7%)であった。禁煙動機は、たばこ代がかかる、健康のため、体力のため、などであった。たばこへの気持ちは、やめたい、吸ったことを後悔している、等であった。たばこの入手方法は、先輩、友人がタスポを貸す、親が買ってくれる、お店に買ってくれる大人がいる、であった。<br><b>治療経過:</b>2名(3%)は初診時すでに自力で禁煙しており、3か月の禁煙継続を確認した。5名(8%)は3か月通院を継続し禁煙成功を確認した。36名(58%)は通院を中断し、最終受診時点で9名は禁煙しており27名は禁煙していなかった。19名(31%)は初診以後来院しなかった。<br><b>結語:</b>自ら禁煙を希望した受診者が6割いるにも関わらず、卒煙を確認できた者は1割程度であった。通院が継続できない者が半数認められ、医療機関だけでのフォローは限界があると思われる。社会環境の影響の大きさも伺え、地域、家庭、医療、学校との連携による禁煙支援が必須と思われた。
著者
三村 孝俊 嶋田 かをる 多久島 寛孝 與座 嘉康 山鹿 敏臣 高橋 徹
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
保健科学研究誌 (ISSN:13487043)
巻号頁・発行日
no.6, pp.15-22, 2009-03-31

熊本保健科学大学では2010年より「敷地内全面禁煙」を実行することを決定し,目標実現のために平成20年度にプロジェクトチームが発足している。その行動支援として現在の状況を把握することが重要であると考え,学生の喫煙に対する実態調査を行なった。調査の内容は [1]回答者の属性,[2]喫煙の状況,[3]喫煙経験と今後の禁煙意向,[4]たばこに対する態度,[5]日本看護協会の「たばこ対策」の認知と賛同意向,の5項目に大別して行なった。その結果,全学生の喫煙率は8.3%であった。また喫煙経験者のはじめての喫煙経験は10〜15歳と低年齢から始まっているが大学に入学してからも喫煙を始める機会があり,大学での友人や周囲の影響が大きいことが判明した。彼らは喫煙行動の理由として緊張の緩和や気分転換をあげており,さらに酒席の機会も喫煙行動を促している。一方,喫煙者の禁煙に関する関心は低くない。禁煙の理由として「健康」,「たばこ代」そして「医療従事者としての自覚」がある。喫煙による健康被害として呼吸器や循環器疾患については認知されていた。そして,「たばこ」について知りたい情報としては「受動喫煙による疾病」と「禁煙したい人への支援組織」が多かった。なお,非喫煙者に「喫煙問題に対する対策について関心がない」という者が少なからずおり,禁煙プロジェクトチームとしては無関心層の啓蒙,具体的な禁煙支援の情報を伝えていかなければならない。
著者
高橋 史宜
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.117, no.6, pp.F7-F13, 2010

After giving a review of recent cosmic-ray observations such as PAMELA, ATIC/PPB-BETS, Fermi and H.E.S.S, I explain what kind of conditions must be met if the PAMELA/Fermi excesses are due to dark matter. Finally I will give one dark matter model based on a Wino LSP with a tiny R-parity violation.
著者
高橋 敏行
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1114-1123, 2021-11-10

Point・脳神経外科医における脊髄脊椎・末梢神経外科領域の知識習得と症例経験は,神経医としての診察能力および外科技術の向上のために重要である.・脊髄脊椎・末梢神経外科の魅力は診断の奥深さと治療選択肢の多様性であり,患者の要望や達成目標を踏まえた手術戦略の立て方も醍醐味となる.・日本脊髄外科学会は脳神経外科医にとって脊髄脊椎・末梢神経外科教育が円滑となるよう努力しており,今後も社会的・国際的な役割は拡大すると考える.
著者
高橋 順治
出版者
NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
雑誌
自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.71-79, 2012-10-20 (Released:2019-04-25)
参考文献数
5
被引用文献数
2

本研究は、不登校状態にあり、自閉症スペクトラム障害が疑われる小学校6 年生のA児の事例について、本児と家族、そして、担任へ実施した総合的な支援についてまとめたものである。本事例では、2 年にわたって支援してきた経緯を振り返り、A児を指導する担任へ、A児を支える家族へ、通級指導教室に通級するA児へ、それぞれの場面で行った支援がどのように効果をもたらしたかを検証した。その結果、構造化やスモールステップ等の方法を、さまざまな場面で援用して総合的な支援を行ったことが、不登校状態のA 児へいかに効果をもたらしたかを明らかにした。
著者
谷村 篤 岡 信和 川口 創 西川 淳 高橋 邦夫 真壁 竜介 Hosie Graham 小達 恒夫 Atsushi Tanimura Nobukazu Oka So Kawaguchi Jun Nishikawa Kunio T. Takahashi Ryusuke Makabe Graham Hosie Tsuneo Odate
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-8, 2008-03

2002年及び2003年の南極海の夏季,東部インド洋区のウイルクスランド沖の東経140度線上において,白鳳丸及びタンガロアによる3回の調査航海によって行われたRMT-8(目合: 4.5mm, 開口面積: 8m3)ネット採集によって得られた標本に基づいて,大型動物プランクトン群集構造を調べた.クラスター解析の結果,大型動物プランクトン群集は,南極周極流の南縁(SB-ACC: Southern Boundary of the Antarctic Circumpolar Current)で大きく二つの群集に分けられた.すなわち,SB-ACCの北方では大型動物プランクトン群集は,Salpa thompsoni, Euphausia frigida及びThemisto gaudichaudiiなどのoceanic communityが卓越していた.一方,SB-ACCの南方ではEuphausia superba及びEuphausia crystallorophiasなど大陸寄りに主分布域をもつ動物プランクトンが卓越していた.SB-ACCは,南極海の上記の主要な大型動物プランクトン種の出現の差によって特徴付けられることが示唆された.
著者
山本 梨絵 林 明子 高畑 卓子 芝山 和則 高橋 久恵
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.263, 2015 (Released:2021-03-10)

目的 重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))は不安や気分障害、中枢の機能障害のために睡眠リズムが不整でしばしば不眠が見られる。オルゴール音楽は睡眠障害に有効との研究があるため、重症児(者)にもオルゴール音楽が催眠効果や中途覚醒に有効か検証する。 方法 消灯から入眠までに1時間以上を要する、または中途覚醒があり睡眠時間が継続しない重症児(者)10名を選出。オルゴール音楽のCDを20時から4時まで流す。第1期:音楽非介入期、第2期:音楽介入期、第3期:音楽非介入期に分け、各28日間、21時から4時まで1時間毎に睡眠状態を記録。消灯から熟眠に要する時間は、測定開始から熟眠判定した時間を算出。睡眠状態については覚醒3点、浅眠1点、熟眠0点で調査し、中央値の比較とウィルコクソン検定を行う。 結果 消灯から熟眠に要する時間において、第1期と第2期では中央値は1.5時間から0.75時間となり熟眠までに要する時間は短縮された。第2期と第3期を比較し、中央値は0.75時間から2時間となり熟眠までに要する時間が延びた。睡眠状況において、第1期と第2期では中央値は9.5点から7点となり、熟眠、浅眠が増加した。第2期と第3期の比較では中央値は7点から9点となり、オルゴール音楽を中止した後も効果の持続がみられた。 考察 重症児(者)は中枢神経系に障害を持つことから、睡眠−覚醒パターンを整えるケアは重要である。今回、オルゴール音楽を睡眠前に流すことでヒーリングミュージックによるリラクゼーション効果が導かれ、副交感神経優位の状態に変化したと考えられる。また、侵襲が少なく簡易的なオルゴール音楽を取り入れたことで重症児(者)の心理的安定を促進し催眠状態に導くことが出来たと考える。 結論 睡眠前よりオルゴール音楽を取り入れることで、睡眠−覚醒パターンに変化が見られたことから、重症児(者)に対しても有効であることが明らかになった。