著者
松岡 友実 五十嵐 公嘉 齋藤 智之 高田 希望 橋本 玲奈 一條 聖美 小林 悠 田中 裕也 川本 俊輔 宮里 紘太 秋谷 友里恵 小林 洋輝 堀越 周 馬場 晴志郎 高島 弘至 逸見 聖一朗 功力 未夢 岡本 裕美 阿部 雅紀
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-6, 2023 (Released:2023-01-28)
参考文献数
8

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において透析患者は重症化リスクが高く,COVID-19流行初期は,原則として全例入院加療で対応していた.しかし,東京都においては受け入れ可能な入院施設は限定され,新規陽性患者数の急増により,入院調整が困難な状況に陥っていた.そのため,東京都は2021年12月中旬に透析患者の受け入れが可能なCOVID-19透析患者の収容施設として,旧赤羽中央総合病院跡地を活用した酸素・医療提供ステーション(東京都酸素ステーション)を開設した.2022年1月1日~8月31日まで,酸素ステーションで受け入れたCOVID-19透析患者の現況を報告する.入所患者は211人,平均年齢は65歳,転帰は,自宅退院194例(92%),転院16例(7.5%)(そのうち肺炎の疑い13例(6.1%)),死亡1例(0.5%)であった.当施設は東京都のCOVID-19透析患者の入院待機者数の減少および病床ひっ迫の緩和の機能を果たし,また,治療の介入により重症化や入院を予防しており,施設の運用は有効であった.
著者
松島 健 山下 幹也 安原 達二 堀口 浩 宮町 宏樹 戸田 茂 高田 真秀 渡邉 篤志 渋谷 和雄 Takeshi Matsushima Mikiya Yamashita Tatsuji Yasuhara Koh Horiguchi Hiroki Miyamachi Shigeru Toda Masamitsu Takada Atsushi Watanabe Kazuo Shibuya
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.395-408, 2003-11

南極氷床上のクレバス帯等の,地上からは到達困難な地域での人工地震観測を目的とした投下型地震観測装置(南極ペネトレータ)を開発し,第43次日本南極地域観測隊で実施する東南極みずほ高原における人工地震探査で使用するために,22本のペネトレータを昭和基地に持ち込んだ.しかし,開発の遅れに伴う国内試験の不足から種々の不具合が発生し,今回は本観測での使用をあきらめざるを得なかった.当初の目的は果たすことができなかったが,国内では得られない環境でのペネトレータ投下実験を行い,投下姿勢,着地衝撃力,温度変化等の貴重なデータを得るとともに,南極内陸部での実際のヘリコプター運用への知見を得ることができた.これらの成果はペネトレータ型地震計の改良のみならず,今後の各種投下型観測機器の開発・製作に多いに役に立つものと考えられる.
著者
高田 琢弘
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.163-165, 2022-12-05 (Released:2022-12-05)
参考文献数
13
被引用文献数
1

This study investigated the relationship between problem gambling levels and mindfulness among Japanese adults. A web-based questionnaire was administered to 1505 Japanese adults to measure their problem gambling and mindfulness levels. The results indicated a negative relationship between problem gambling and mindfulness levels. Further, the possibility of using mindfulness for the prevention and treatment of problem gambling is discussed.
著者
高田 直俊
出版者
地盤工学会
雑誌
土と基礎 = Soil mechanics and foundation engineering (ISSN:00413798)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.13-15, 1996-03-01
参考文献数
5
被引用文献数
6
著者
横井 輝夫 加藤 浩 藤川 純朗 高田 聖歩 米中 幸代
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.833-835, 2009 (Released:2010-01-28)
参考文献数
6

〔目的〕体幹の側屈と頚部の立ち直りの有無が嚥下動態に与える影響を明らかにすること。〔対象〕研究に同意が得られた健常者12名(平均年齢21.3歳)とした。〔方法〕安楽にした椅子座位,体幹30度側屈・頚部の立ち直り有りと無しでの3条件について,表面筋電図を用いて,おかゆ10 gを嚥下した際の舌骨上筋群の活動持続時間(嚥下時間の指標)を測定した。〔結果〕舌骨上筋群の活動持続時間は,安楽にした椅子座位に対して,体幹30度側屈・頚部の立ち直り有りとの間では有意差は認められず,体幹30度側屈・頚部の立ち直り無しでは有意な延長が認められた。〔結語〕嚥下時間は体幹の側屈のみでは延長せず,頚部の立ち直りの有無に左右されていた。嚥下時間の延長は,誤嚥の危険性を高めるとされているため,摂食姿勢を整える際,特に頭部の垂直位保持に留意することの重要性が示された。
著者
水谷 太貴 松原 豊 高田 広章
雑誌
研究報告システムとLSIの設計技術(SLDM) (ISSN:21888639)
巻号頁・発行日
vol.2018-SLDM-183, no.5, pp.1-6, 2018-02-28

先進運転支援システム ADAS や自動運転の実現に向けて,車載制御システムに対する機能要件や性能,アーキテクチャの柔軟性や再利用性が求められている.これらに対する車載ネットワークを実現するため,サービス指向通信ミドルウェアである SOME / IP (ScalableService-Oriented MiddlewarE over IP) の標準化が進められている.一方,航空交通システムや金融システムなどで採用実績のあるデータ中心指向である DDS (Data Distribution Service) も候補として挙げられる.本論文では,SOME / IP と DDS を対象に,機能と通信性能の両面から,比較 ・ 考察する.
著者
水谷 太貴 松原 豊 高田 広章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2017-EMB-44, no.5, pp.1-6, 2017-03-02

先進運転支援システムや自動運転の実装により環境の変化が非常に加速している自動車業界では,車載システムの柔軟性や再利用性が求められるようになってきた.それらをサポートするため,サービス指向通信ミドルウェアである SOME / IP (ScalableService-Oriented MiddlewarE over IP) の標準化が進められている.車載ネットワークの通信ミドルウェアに対する性能要件として,サービスの利用確立までの遅延や,通信メッセージのリアルタイム性などがある.サービス指向はサービスをネットワーク上で連携させてシステムの全体を構築していくため,動的なネットワークの設計を行う必要がある.従来,静的にネットワーク設計を行っていた車載システムに比べてオーバーヘッドが増加することは明らかである.本研究では,SOME / IP の Service Discovery における通信確立遅延を測定し,考察する.
著者
雉子谷 佳男 高田 克彦 伊藤 哲 小川 雅子 永峰 正教 久保田 要 坪村 美代子 北原 龍士
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.340-349, 2011-11-25 (Released:2011-11-28)
参考文献数
21
被引用文献数
6 6

日本における造林樹種としてのslash pineの有用性を探ることを目的に,南九州で生育した46年生slash pineについて年輪形成と木材材質を明らかにした。slash pineは,スギやヒノキに比べて晩材形成期間においてより活発に細胞分裂をおこなうことがわかった。容積密度数および曲げ性能は,北米産slash pine材とほぼ同じであった。ミクロフィブリル傾角および晩材仮道管長さでは,胸高直径の大きなslash pineにおいて,未成熟材から成熟材への移行がより早い時期におこり,成熟材部での変動が小さかった。日本におけるslash pineでの木材生産は,スギに比べてより効率的に力学的な性質の優れた木材を安定して生産できると考えた。
著者
豊田 優 高田 龍平 松尾 洋孝 市田 公美 Blanka Stiburkova 鈴木 洋史
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
電気泳動 (ISSN:21892628)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-5, 2021 (Released:2021-06-04)
参考文献数
25

ATP-binding cassette transporter G2(ABCG2)は,尿酸排泄臓器において体外へ尿酸を排泄する生理的に重要な尿酸輸送体であり,痛風・高尿酸血症の主要病因遺伝子である.最近我々は,日本人のみならず,世界的に見ても高尿酸血症・痛風の発症率が高いチェコ人症例にも着目し,ABCG2変異と尿酸関連疾患との関連を検討することで,その病態生理学的重要性を明らかにしてきた.また,in vitro機能解析を通じて,ABCG2の機能低下/欠損をもたらす変異を新たに20種類以上同定することにも成功している.ABCG2が重要な薬物動態規定因子のひとつでもあることを踏まえると,本研究を通じて得られた成果は,ファーマコゲノミクスの観点からも有益であるといえる.本稿では,個別化医療や予防医学への応用が期待されているこれら一連の研究成果について,最新の知見を交えて紹介したい.
著者
西田 康太郎 高田 徹 由留部 崇 角谷 賢一朗 前野 耕一郎
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

椎間板研究にとって欠かせない、3種類の椎間板変性モデルを確立した。緩やかな変性を生じるモデルを用いて圧迫期間に伴い特に脊索由来細胞が早期に消失して非脊索由来細胞(軟骨様細胞を示唆)が相対的に増大していた。動的負荷培養装置を用いた実験では, 圧負荷により代表的なメカノレセプターであるintegrinの関与が椎間板変性に関与していることが明らかとなった。脊椎後方に小皮切から挿入可能なスペーサーを作成し、周辺機器も含めて改良を行い、有効性に関して大型動物実験を行い確認した。
著者
金野 健人 Samuel Chibwana 高田 雄一
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.105-111, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

〔目的〕マラウイ共和国の僻地に生活する脳性麻痺児に対する集中理学療法とCommunity Based Rehabilitation がもたらす効果について検討することを目的とした. 〔対象と方法〕脳性麻痺両麻痺GMFCS レベルⅢである5歳男児1 名を対象とした.運動機能評価にはGMFM−88 を使用し,減点項目である立位と歩行を中心に訓練プログラムを作成し,母親とコミュニティのボランティアが中心となって訓練を行った. 〔結果〕GMFM−88 の立位項目のみ変化を認めた.集中理学療法開始時と終了時では8%増加,2 ヶ月後には26%,合計34%増加した.また,CBR マトリックスについても改善を認めた. 〔結語〕2 週間の集中理学療法と家族・ボランティア指導を併用することで,運動機能の向上だけでなく,参加した家族・ボランティアが共同し理想的なCBR 介入を促した.
著者
高田 夏子
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.27-38, 2014-03-15

作家森茉莉について,まずその気質を,てんかん気質,中心気質,内向的感覚タイプという観点から考察した。次に,森茉莉と父親鴎外との関係について述べ,父親元型と密着しすぎている「父の娘」という観点から見たとき,「父親の輝きを背後にもった少女」ということができ,生涯その父子のナルシシズムに守られていたということが言えた。また彼女は,「少年愛もの」から本格的な小説を書き始めているが,この「少年愛もの」は現代の「腐女子文化」に通じるものがあることを論じた。そして,長編小説『甘い蜜の部屋』を創造し書ききることで,父の庇護を必要としない「絶対少女」となり,それは父からの自立を意味していたということを明らかにした。
著者
楠原 浩一 高田 英俊 原 寿郎
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
サルコイドーシス/肉芽腫性疾患 (ISSN:13450565)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.9-19, 2007-10-01 (Released:2010-08-06)
参考文献数
28

マクロファージ内における寄生菌の殺菌を担うIL-12/IFN-γ経路は, 結核菌をはじめとする抗酸菌に対する免疫機構の中できわめて重要な役割を果たしている. 近年, 明らかな細胞性免疫不全のないBCG重症副反応例や非結核性抗酸菌感染症患者の中に, 本経路のサイトカイン, サイトカイン受容体, シグナル伝達物質の遺伝子変異を有する症例が存在することが明らかになってきた. この一連の免疫異常症では結核菌に対する易感染性も認められる. 本稿では, 本邦で初めて見出された常染色体優性遺伝IFN-γ受容体1部分欠損を中心に, IL-12/IFN-γ経路異常症の各病型の臨床像, 病態生理, 遺伝子解析について述べる. また, 肺結核患者を対象としてIL-12/IFN-γ経路の関連分子を中心とした候補遺伝子のスクリーニングを行った結果, 日本人においてIL-12受容体β1遺伝子 (IL12RB1) の特定の多型が結核感受性や結核の重症度に関連していることが明らかになったので, その成績を併せて紹介する.
著者
山本 肇 佐藤 愛実 齋川 健志 彌勒 清可 関本 正泰 二本栁 洋志 石幡 哲也 高田 直樹
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.335-341, 2022-04-25 (Released:2022-04-25)
参考文献数
9

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査として汎用される抗原定性検査は,簡便かつ安価に検査可能であることから広く用いられる一方,核酸増幅検査との不一致例も報告されるが頻度や症例に関する詳細な報告が少ない。検査法による診断性能の違いを明らかにするため,SARS-CoV-2抗原定性検査キット「クイックナビTM-COVID19 Ag」と核酸増幅検査の結果を後ろ向きに比較検討した。同時提出された2,721件を対象に,両者を比較したところ,全体一致率99.3%が得られた。抗原定性検査陰性,核酸増幅検査陽性となった症例を13例認めた。多くの症例でCt値が高い傾向を示しており,ウイルス量が少ないことで抗原定性検査の検出感度を下回り,核酸増幅検査との結果が一致しなかった可能性が考えられる。一方,抗原定性検査陽性,核酸増幅検査陰性となった症例を7例認めた。いずれも,COVID-19は否定され,抗原定性検査偽陽性の判断であったが,全症例で偽陽性の原因の特定に至らなかった。以上のことから,「クイックナビTM-COVID19 Ag」はSARS-CoV-2抗原定性検査として十分な性能を有していることが明らかとなった。一方でイムノクロマト法として偽陰性や偽陽性を避けることはできないため,利用者は検査法の特性について十分に留意したうえで使用することが求められる。