著者
近藤 剛
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1300, pp.136-139, 2005-07-18

日本道路公団は6月29日、東京高等検察庁による家宅捜索を受けました。道路公団が発注した鋼鉄製橋梁工事に関して、公正取引委員会が横河ブリッジと三菱重工業、石川島播磨重工業の3社を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで検事総長に告発したのがきっかけです。このような疑惑を招いたこと自体を、我々は反省しなければなりません。
著者
敷田 幹文 アルニー ラティカン
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.166-175, 2017-01-15

近年,情報ネットワークの高速化,ビデオ通信の高画質化によって,遠隔地とのテレビ会議が普及してきた.遠隔会議では参加者の映像や音声は鮮明に再現されるが,議論において重要なノンバーバル情報の伝達が十分でない.特に,視線の不一致によって誰に向かって話しているか分からないことが,存在感の薄れに影響しており,遠隔参加者が他者と対等に議論することの妨げとなっている.この課題に対して,視線一致を実現するディスプレイを用いる研究では,装置が特殊で高価になる可能性がある.また,視線を代替する装置を用いる研究でも会議室側で話が盛り上がると遠隔参加者は注目されなくなる.本論文では,参加者の大半が会議室1カ所に集まり,1人だけが遠隔地から参加するテレビ会議で,遠隔参加者の存在感を伝えてソーシャルプレゼンスを実現するために,弱い光のランプを視線情報に基づいて点灯させるアウェアネス支援方式を提案する.また,被験者を用いた会議の実験で,遠隔参加者が他者と同程度に注目され,会議中のアイディア数も増加することを確認した.
著者
北尾 悟 安藤 真美 川崎 明子 原田 倫夫
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.15-22, 2021 (Released:2021-07-02)
参考文献数
14

In order to promote the effective use of mirin lees, which is a large amount of squeezed meal produced in the pressing process of mirin brewing, its function and processed food using mirin lees were verified. Since mirin is known to have antioxidative ability, it is expected that its pomace has a similar function, so the peroxyl-radical scavenging activity was measured. As a result, the radical scavenging activity was low in raw mirin lees, but the scavenging activity tended to increase depending on the storage and aging period of the lees. From the change in color difference, it was speculated that the production of browning substances due to the aminocarbonyl reaction was largely involved. The antioxidant ability of the cookies and the radish pickled with mirin lees also increased with the use of the lees with a long storage aging period. Furthermore, from the sensory test, it was suggested that it is necessary to improve the palatability by examining the ingredients used and the blending ratio. From the above results, it is considered that the possibility of new utilization development of mirin lees with added functionality is expanded.
著者
北村 弘幸 高井 美帆子 舟木 一夫 岡村 秀人 西嶋 力 古桧山 建吾 梶藤 いづみ 佐野 和幸 阿部 忍 森 範子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.G-142_1-G-142_1, 2019

<p>【目的】医療の高度化と地域包括ケアシステムの構築に対応するために、保健医療福祉サービスに関わる職種と協働する機会が増えている。多職種が連携するにあたり情報の共有が必要不可欠である。本調査は、多職種間の連携実態を把握するために、リハ職の栄養職間との相談意識とその実態を調査した。調査目的は良好な連携を目指すため、栄養に関するリハ職と栄養職の連携実態をリハ職種間で比較し、その課題を明確にすることにある。</p><p>【方法】対象はPT230名、OT91名、ST27名、計308名で、所属機関は病院勤務232名、施設勤務36名、在宅系勤務40名であった。方法はアンケート調査としてWeb net調査にて実施した。調査期間は2017年10~12月、回収率(会員数対)は15%であった。設問1は「日ごろの活動で管理栄養士・栄養士(栄養職)に相談したいと思ったことがあるか」に対し「よくある」「たまにある」「ない」で回答した(相談期待意識)。設問2は「身近に協働できる栄養職はいますか?」に対し「たくさんいる」「少しいる」「いない」の3件法で回答を得た(協働の実態)。回答を「たくさんいる」「少しいる」を合わせて「いる」と判定した(協働の有無)。リハ職の所属により連携実態(連携率)を比較し、統計学的解析はχ<sup>2</sup>検定を使用し有意水準5%未満とした。</p><p>【結果】相談期待意識について、病院勤務では「よくある」31%、「たまにある」56%、「ない」13%、施設勤務では31%、64%、6%、在宅系勤務では35%、55%、10%であった。所属施設による差異はなかった。協働の実態について所属別に比較すると、病院勤務では「たくさんいる」13%、「少しいる」69%、「いない」18%であった。施設勤務は14%、78%、8%、在宅系勤務は3%、43%、55%であった。病院勤務と施設勤務では「少しいる」が最も多く、在宅系勤務では「いない」が最も多かった。協働の有無について所属別に比較すると、病院勤務では「いる」82%、「いない」18%であった。施設勤務は92%、8%、在宅系勤務では45%、55%であった。病院勤務82%と施設勤務92%は有意差なく高値であった。在宅系勤務では相談できる栄養職がいる45%で、施設勤務より47ポイント、病院勤務より37ポイント有意(p<0.01)に低値であった。</p><p>【結論】リハ職の約9割が栄養職と「相談したい」と思っており、その程度は所属施設による差異がなかった。しかし、病院や施設勤務のリハ職は、栄養に関して相談できる栄養職がいるが、在宅系勤務では、相談意識が高値にも拘らず身近に相談できる栄養職の不在が大きな問題であることが解った。在宅では対象者個人の食事環境により栄養状態は左右される。病院や施設のような専門的管理が困難な生活場面であるため相談が必要と考える。本県では、県内5圏域に栄養士会が主催する「栄養ケア・ステーション」が設置され、個人の栄養指導や特定栄養食事指導、料理教室案内が運営されていることを紹介し、利用の認知度を向上させる必要があると考える。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】調査研究にあたり、「リハビリテーションにおける多職種連携調査研究事業」の一環であること、調査の目的と趣旨を書面に記した。加えて調査結果は本事業開催研修会ならびに報告書として公表することを文書で説明した。アンケートの回答は統計学的に処理し、集団として取り扱うため個人が識別されないこと、回答情報が特定できないよう十分配慮した。</p>

1 0 0 0 事業之日本

出版者
事業之日本社
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, 1926-05
著者
関 耕平
出版者
島根大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、1)鳥取・岡山両県の県境に位置する人形峠におけるウラン鉱山から排出された放射性廃棄物(ウラン残土)残置問題の解決過程の分析、2)これまでの産業廃棄物の不法投棄事件との異同を明確化すること、3)放射性廃棄物の保管・処理や移動・撤去をめぐる地域紛争の現状と政策課題を明らかにすること、である。とくに福島原発の事故以降、各地で放射性廃棄物の中間貯蔵施設建設・立地をめぐって地域紛争が生じている状況に対し、残置状態から完全撤去へと至った人形峠ウラン残土問題の解決過程を踏まえて分析し、コミュニティ再生の重要性とその政策課題について明らかにした。
著者
小島 友和 横井 貴樹 豊田 陽平 脇田 紘一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.121, no.12, pp.1796-1800, 2001

A new electroabsorption modulator operating at a parallel electric-field to the quantum wells is proposed and its modulation characteristics have been calculated. Transverse p-i-n structure on semi-insulating substrate enables us to apply a parallel field for MQW layers and results in low device capacitance and high-speed operation. The exciton resonance can easily broaden and disappear at field-intensity of 10<sup>4</sup> V/cm, one tenth of the perpendicular field previously used. A 3-dB bandwidth and operation voltage required for 20 dB extinction ratio are estimated to be over 250 GHz and less than 1 V, respectively, with transmission loss of less than 3 dB. High allowability of high incidental optical power and negative chirp operation are also discussed for this structure.

1 0 0 0 OA 楽器の考古学

著者
笠原 潔
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.593-598, 2006-08-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
4
著者
合田 明生 佐々木 嘉光 本田 憲胤 大城 昌平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101989, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】近年,運動が認知機能を改善,または低下を予防する効果が報告されている.運動による認知機能への効果を媒介する因子として,脳由来神経栄養因子(Brain-derived Neurotrophic Factor;BDNF)が注目されている.BDNF は神経細胞の分化,成熟,生存の維持を促進する.またBDNFは神経細胞内に貯蔵されており,中枢神経系の神経活動によって神経細胞から刺激依存性に分泌される.さらに血液-脳関門を双方向性に通過可能なため,中枢神経のみではなく末梢血液中にも存在している.運動時のBDNF反応を観察した先行研究から,中強度以上の有酸素運動によって末梢血液中のBDNFが増加することが示唆されている.一方で,これらの先行研究は欧米人を対象としたものが多く,日本人を対象とした研究は見つからなかった.そこで本研究では,日本人において中強度有酸素運動によって末梢血液中のBDNFが増加すると仮説を立て検証を行った.その結果から,運動による認知症予防のエビデンス構築の一助とすることを目的とする.【方法】健常成人男性40 名(年齢 24.1 ± 2.8 歳; 身長 170.6 ± 6.7cm; 体重 64.8 ± 9.4kg)を対象にした.本研究は,運動負荷試験と本実験からなり,48 時間以上の期間を空けて実施した.運動様式は,運動負荷試験・本実験ともに,自転車エルゴメータを用いた運動負荷(60 回転/分)とした.運動負荷試験では,最高酸素摂取量を測定した.本実験では,30 分間の中強度運動介入を行い,運動前後で採血を実施した.採血は医師によって実施された.採取した血液検体は,血清に分離した後,解析まで-20°で保管した.血液検体の解析は検査機関に委託し,酵素結合免疫吸着法検を用いてBDNF量の測定を行った.以上の結果から,中強度有酸素運動によって末梢血液中のBDNFが増加するのかを検討した.正規性の検定にはShapiro wilk検定を用いた.BDNFの運動前後の比較には,対応のあるt検定を用いた.危険率5%未満を有意水準とした.【倫理的配慮、説明と同意】本研究の実施にあたり,聖隷クリストファー大学倫理審査委員会及び近畿大学医学部倫理委員会の承認を得た.また対象者には研究の趣旨を口頭と文章で説明し,書面にて同意を得た.【結果】中強度の有酸素運動介入によって,40 人中22 名で運動前に比べて運動後に血清BDNFが増加した.しかし,運動前後のBDNF量に有意な差は認められなかった(p=.21).【考察】運動介入によって末梢血液中のBDNFが増加することは,欧米人を対象とした多くの先行研究で報告されている.健常成人における有酸素運動介入による末梢血液中のBDNFの急性反応を調査した文献は13 本確認され,運動後にBDNFが増加した研究は8 本であり,不変または減少した研究は5 本であった.本研究と同様に,運動後に有意なBDNF 増加が認められなかった先行研究では,急速な中枢神経系への輸送が生じたため,運動後の採血でBDNFの増加が見られなかったのであろうと考察している.本研究では,動脈カテーテルを用いたリアルタイムの採血ではなく,静脈に穿刺して採血を行っている.そのため,被験者により運動終了から採血までの時間が数分程度差異があり,この間の末梢血液中BDNFの脳内取り込みが結果に影響している可能性がある.さらに,本研究で運動によりBDNF増加が生じなかった要因の1 つとして,一塩基多型(Val66Met)によるものも考えられる.これはBDNF遺伝子の196 番目の塩基がGからAに変化した多型のことで,これによってBDNF前駆体であるproBDNFの66 番目のアミノ酸がValからMetに変化する.Met 型の一塩基多型を持つ個体では,Val型に比べ,BDNFの活動依存性分泌が障害されることが報告されている.また日本人における一塩基多型(Val66Met)の保有率は,50.3%〜53.0%と欧米人に比べて高い値が報告されおり,このBDNF分泌を阻害する一塩基多型(Val66Met)の保有により,本研究対象者の運動によるBDNFの調節性分泌が減少していた可能性が考えられる.以上より,健常日本人男性におけるBDNFを増加させることを目的とした30 分間の中強度有酸素運動は,対象者によって適応の有無を検討する必要があることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】本研究の結果から日本人の特性を考慮した認知機能に対する運動介入が必要であることが示唆される.今後需要が拡大すると予測される認知症予防の分野ではあるが,BDNF増加を目的とした運動介入を行う際には,対象者の適応を検討することでより効率的な介入効果が期待できると考えられる.
著者
松浦 和文 山崎 文夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.175-180, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1

〔目的〕腹式呼吸が気分と脳血流に及ぼす影響を検討した.〔対象と方法〕健常成人10名を対象とし腹式呼吸あるいは通常呼吸を行った後ストループ課題を行った.実験中,前頭部の酸素化ヘモグロビン濃度(Oxy-Hb)を測定し,呼吸前後とストループ課題後の気分を評価した.〔結果〕腹式呼吸後は混乱-当惑,緊張-不安,総合的気分状態得点が低下しストループ課題後も緊張-不安の低下が持続した.Oxy-Hbは腹式呼吸後に低下したが通常呼吸後は増加した.両呼吸条件でストループ課題後にOxy-Hbは増加した.〔結語〕1)腹式呼吸は気分を改善して前頭葉の血流抑制作用をもたらすこと,2)腹式呼吸後に精神性ストレスを受けた際,緊張-不安の低下が持続することで気分も改善傾向が続き前頭葉の血流量も低い傾向があることが示唆された.
著者
白田 理人
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.23-40, 2021-04-30 (Released:2021-04-30)
参考文献数
37

喜界島小野津方言の呼称名詞(親族呼称や呼びかけに使われる人名)は,母音の長さの交替と音調型の点で特殊な振る舞いを示す。本稿は,呼称名詞の音韻的特徴について記述した上で,呼びかけの下降イントネーションが呼称名詞の語彙的な特徴に通時的変化を及ぼしたことを主張する。本稿において提案する仮説は,呼称名詞にアクセント型の推移と長母音化の二つの連続的な変化が起こったというものである。このうち二番目に起きた変化が,最も音韻的独立性の低い助詞によって部分的に阻止されたため,呼称名詞の特殊性が生じたと考えられる。