著者
沼辺 健史 西川 一弘
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.7, pp.513-519, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
10

In the future, a tsunami may occur in Japan due to a large earthquake. Railway companies must take measures for tsunami evacuation. In order to protect the lives of many people, we must ensure quick evacuation. However, train announcement for tsunami evacuation has become a major issue and currently takes too long. This study proposes train announcement for quick evacuation.
著者
澤島 秀成 堀 良彰 砂原 秀樹 尾家 祐二
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, pp.87-94, 1996-10-23

広域ネットワークにおいて、音声や画像などの実時間通信は、その実時間性を満足させるためにUDPが用いられることが多い。しかしながら、広域ネットワークにおいて使用されているトラフィックの約80%は、TCPトラフィックである。TCPはUDPと異なり独自のフロー制御機構を持つために、これらが混在した広域ネットワークにおけるUDPのトラフィック特性は、TCPの影響を大きく受けることになる。本研究では、TCPとUDPが混在する広域ネットワークについてシミュレーションを行い、UDPのパケット廃棄特性をTCPのフロー制御の挙動との関係から調査した。複数のTCPコネクション間において、その輻輳ウィンドウのサイズ変化に同期が見られる場合、UDPの廃棄率が著しく大きくなり、そのバースト性を示す連続廃棄数も増加することが分かった。また、音声通信などの場合、UDPの送信レートを下げても、UDPのパケット廃棄率に目立った改善が見られないことが分かつた。
著者
田内 森三郎 松本 巖
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.386-387, 1954

The effect of the propagation of sea-cucumber (Stichopus japonicus <i>Selenka</i>) that was transplanted in the sea around Iejima Island in Hyogo Prefecture was remarked in the district of Ibo-gun in the way of the 27 times capture of adults as the planted youngs.
著者
西山 浩司 脇水 健次
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 水文・水資源学会2015年度研究発表会
巻号頁・発行日
pp.100056, 2015 (Released:2015-12-01)

本研究では,旧自治体が発行した郷土歴史資料に着目して,広島都市圏で起こった過去の土石流記録を掘り起し,その発生地域・時期を明らかにし,山の斜面の宅地開発地域で過去に起こった土石流災害の特徴について考察した.その結果,広島都市圏で過去の土石流災害の記録を多数見つけることができ,気圧の谷,台風に伴った豪雨で土石流が発生し,多くの犠牲者を出していることがわかった.また,広島都市圏の山の斜面で宅地開発地域が進んでいる地域でも,過去の土石流災害の記録を見つけることができた.従って,過去の災害の歴史は,地域住民が共有する災害情報として,そして,地域の災害の危険性を意識付けるために役立つと考えられる.
著者
奥田 志保 上野 正夫 苅田 典生 高野 真
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 = Journal of the Japan Epilepsy Society (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.455-459, 2012-01-31
参考文献数
14

脳卒中後患者における抗てんかん薬の選択について検討した。脳卒中患者690例中、抗てんかん薬内服は63例(9.1%)であった。抗てんかん薬の第一選択薬で最も使用されていたのはバルプロ酸で39例(61.9%)、次にカルバマゼピンで10例(15.9%)であった。63例中39例(61.9%)はけいれん発作後に投与が開始されており、残り24例(38.1%)は予防的投与であった。バルプロ酸投与の35.9%(14例)、カルバマゼピン投与の50%(5例)でけいれん発作が起こっていた。てんかん治療ガイドラインでは、部分てんかんに対してカルバマゼピンの使用が推奨されているが、今回の研究では脳卒中後の抗てんかん薬としてバルプロ酸がより高い頻度で使用されている実態が明らかになった。<br>
著者
赤川 元章
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.19-41, 2008-04

ドイツの中国近代化への嚆矢は,清朝政府によって北京天文台長官に任命されたシャル・フォン・ベルによるヨーロッパ暦導入の17世紀中期にさかのぼる。だが,ドイツ・中国間の経済関係が本格的に開始されたのは19世紀の中期以降であり,ハンブルクやブレーメンの商人が広東を出発点とし,やがて上海・香港・漢口・天津・青島など交通要所と沿海部の大商業都市に営業基盤を築いて活動した。 中国を中心とするアジアへのドイツの経済進出はまたドイツ帝国主義の対外政策の中に位置づけられて展開された。本稿は,この経緯を実証的に確認する作業から始め,次に銀本位制下の中国経済社会の未発達な金融・商業機構,その中で「外国資本の活動を補助する土着中間商人」としての買弁および伝統的な金融業者,銭荘について考察する。いわば,国際銀行が活動する歴史的・社会的背景について解明するのである。 そのうえで,1875年,ドイツ銀行の東アジアからの撤退以降,次第に増大するドイツと東アジア間での商業取引と同地域における信用供与の必要性から,ドイツ政府は「海外ライヒスバンク」の設立を発案する。この構想は挫折したが,1889年,ディスコント- ゲゼルシャフトが幹事銀行となり,紆余曲折を経てドイツ主要銀行の大半の参加によってドイツ・アジア銀行が設立された。この設立のプロセスについて最近の研究成果を踏まえて追究する。論文
著者
中屋敷 千尋
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.241-263, 2014-12-31 (Released:2017-04-03)

インドは「世界最大の民主主義国家」といわれる。しかし実際には、それは理念通りに定着しているわけではない。近代的な政治制度は土着の親族などの制度に影響を与えつつ依拠することで成立することが可能となっている。本論では近代的な制度を支える過程で変容を遂げている親族関係に注目する。そして、北インド・チベット系社会スピティにおいて、親族が、比較的新しく導入された選挙の影響を受けてどのように意味づけされ、再構成されているのかを明らかにすることを目指す。ここでいう親族とは親族全般ではなく、日常生活を支える互助的な親族関係を指す。従来のチベット系社会の親族研究で重視されてきた父系出自の観念とは別に、ニリンと呼ばれる親族範疇が日常生活を支えるものとして住民に重視されてきた。ニリンとは個人の親密な血縁、姻戚関係の認識の範囲である。それと同時に、選挙活動において、このニリンは訴求力をもつものとして政党員に資源として活用される。特に、票を獲得しようと試みる政党員によって普段ニリンとは呼ばれない人までニリンに含められ、一時的なニリンの関係がつくりだされる。そのため、選挙ではその枠が拡大、縮小される。その過程で、人によっては複数のニリンに含められ、複数の立候補者に投票するよう要請され、投票行動の決定困難に陥る状況も生じている。そこでは親族の道義性と個人の戦術が入り乱れ、決定困難となっている。また、中には政治的利益のために団体化したニリンも存在する。つまり、政治的な関係が日常化したのである。ただし、政治的利益を得るための団体化は個人の選択を制限することにもなり、矛盾が存在する。ここには、親族研究において議論されてきた道義性と戦術をめぐるより複雑な問題が示されている。
著者
相川 文明
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.243-246,a1, 1978

軟弱地盤上に設置する機場基礎工事の盛土中に円弧スベリ現象が生じ, ヘドロ状態のシルトおよびその下層に地盤の乱れが起きて, 粘着力ではほば半分に低下したため, 生石灰グイにより地盤改良を行った。この工法の特徴は化学的脱水, 膨張圧密の効果により, 粘着力の増加が数値的に確かめられることであり, 本工事ではこの作用によりヒービングの防止に努めた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.439, pp.167-169, 1998-03-16

冬季オリンピックの開催で世界中に存在をアピールした長野県。マルコメ味噌でお馴染みのマルコメ(本社長野市)も,オリンピックの地元開催に社を挙げて協力。開会式前日には,本社前の沿道に大勢の社員が並び,通過した聖火ランナーに声援を送っていた。 そのマルコメの本社ビルでは,約1年前までNECメインフレームACOS3300が稼働していた。ところが今はホストの姿が見えない。
著者
中村 隆志 矢谷 博文 古川 惣平 荘村 泰治 絹田 宗一郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

マイクロフォーカスX線CTを用い歯科修復物と模型等の断層撮影を行い、得られたデータから歯科修復物の適合性や内部欠陥等を3次元的および非破壊的に評価することを目的に研究を行った。まず歯科修復物の適合性について、Angel Crown(Mddia)、Procera Allceram(Nobel Biocare)、IPS Empress(Ivoclar Vivadent)、4)Estenia Crown(クラレメディカル)の4種類のオールセラミックをマイクロCTを用いて計測し分析した。その結果、1)Angel crownの間隙量の標準偏差は他のクラウンより小さく,安定した適合性を有していると考えられた。2)Procera Allceramはマージンを除き全体的に均一な間隙を有していた、。3)IPS Empressは本実験に用いたCAD/CAMシステムより優れた適合性を有していた.本実験結果より,CAD/CAMオールセラミッククラウンは安定した内面の適合性を有することを,マイクロフォーカスX線CTを用いた三次元的および非破壊的評価により明らかにすることができた。次にEstenia crownを除くの3種類の材料に関して、マイクロフォーカスX線CTを用い、気泡などの内部欠陥の形や大きさ、位置を非破壊的に分析した。その結果、CAD/CAMにより作製されたオールセラミッククラウンは内部欠陥が少なく、試料間でのばらつきも少ないことがわかった.一方で、手作業でポーセレンを築盛する部分では、内部欠陥が多く見られること、また試料によって大きさ、数、場所にばらつきが見られることが示された。以上のように、マイクロフォーカスX線CTを用いることで、歯冠修復物の内部欠陥の存在や適合性を非破壊的に分析することができた。本装置を臨床の場において簡便に使用することができればオールセラミッククラウンなどメタルフリークラウンの破折をより減少させることができると考えられた。
著者
中谷 加奈 里深 好文
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1201-I_1206, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
23
被引用文献数
1

土石流の到達範囲には発生規模と地形条件が影響する.地方自治体の設定する警戒区域は,災害履歴と勾配を基に一つの規模を想定して設定されるが,近年は局地的な豪雨等の影響で,より大規模な土石流が多く発生傾向にある.近年,詳細な解像度の地形データが入手可能であるが,到達範囲を検討する際の適切な解像度は十分に把握されていない.本研究では災害事例を基に土石流の発生規模を分類して,異なる発生規模について解像度の異なる地形データで数値シミュレーションを実施した.結果から,小規模の土石流では解像度の違いが影響し,特に流路の地形データへの反映が到達範囲に影響することを示した.