著者
藤枝 隆行 新城 靖 板野 肯三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.20, pp.201-206, 1997-02-27
被引用文献数
1

UNIXシステムにおいて、スケジューリングは、個々のプロセスを対象として行われ、ファイルのアクセス制御は、ユーザを基準に行われている。本論文では、UNIXシステムに対して、プロセスの集合であるプロセスグループの概念を導入し、これに対応したスケジューラ、およびファイルのアクセス制御方式を提案する。複数のプロセスからなるアプリケーションプログラムを一つのプロセスグループにまとめることで、個々のアプリケーションプログラムが一つのまとまった優先度を持ち、アプリケーションプログラム毎のスケジューリングが可能となる。また、個々のファイルに対して、アプリケーションプログラム毎の動的なファイルアクセス権が設定可能となる。In the UNIX system, the kernel schedules individual processes, and file access control is done on the basis of user. In order to give a facility of grouping to a multi-process application in UNIX, we propose a facility of process group which groups processes into a single virtual process. The virtual process possesses schedulable eligibility, and can behave as an ordinary process in UNIX, and the component processes are schcduled within the virtual process. Another feature of the virtual process is the file access control based on the dynamic protection mechanism. This mechanism provides application specific file protection.
著者
平澤 正規
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.63-64, 2002-03-25
著者
米山 宏 鈴木 まゆみ 藤井 浩一 小田島 安平
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.585-592, 2000
被引用文献数
3

三種混合ワクチン(DPT)接種とBCG接種によるアトピー性疾患発現効果と抑制効果について検討するために, 東京都神津島村在住の0歳から3歳の全小児82名, 小学1年生全生徒31名および中学1年生全生徒30名, 合計143名を対象として調査を行った.0歳から3歳児では, DPT接種群におけるアトピー性疾患(22/39人, 56.4%), 気管支喘息(10/39人, 25.6%)の各頻度は非接種群におけるそれぞれの頻度(4/43人, 9.3%, 1/43人, 2.3%)に比して有意に高率であった(p<0.01).またアトピー性皮膚炎の頻度(7/39人, 18.0%)も非接種群(1/43人、2.3%)に比して有意に高率であった(p<0.05).小学1年生では, ツベルクリン反応陽性者にアトピー性疾患を有するものはなかった.しかし, 中学1年生では関連はみられなかった.以上より, DPT接種はアトピー性疾患の発現に促進的に作用する可能性を持ち, BCG接種はアトピー性疾患の発現を抑制するが, その抑制効果はかならずしも持続的なものではない可能性があると考えられる.
著者
仲地 博 江上 能義 高良 鉄美 佐藤 学 島袋 純 宗前 清貞 前津 栄健 徳田 博人
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、2001年より続いた3年間の研究であり、まず、その研究軌跡を記しておく。初年度上半期は、理念的・基礎的テーマについて研究成果の交流(報告書No1)を行い、初年度下半期は、市町村自治基本条例のモデル素案の作成(報告書No2)を行った。2年目上半期は、市町村自治の実態の分析とともにモデル条例の深化(報告書No3)をはかった。2年目下半期は、沖縄県レベルの自治の在り方に主たる焦点をあて、自治の理念と動態を広い視野から検討すべく、この分野の第一線の研究者を招き研究の交流を行った(報告書No4)。最終年度の上半期は、沖縄の自治構想の歴史的研究を集中的に行った。同時に研究会を3つの班(主として政治学研究者からなる班、憲法研究者からなる班、行政法研究者からなる班)に分けそれぞれの分野からの自治構想を研究した(報告書No5)。下半期は、その成果を受け、3つの構想を中心とするシンポジウム、さらに、それを踏まえ、「沖縄自治州基本法」の研究会が継続的に行われた。それは約半年の議論をへて、県レベルの新自治制度の構想案としてまとめ上げられた。他方で、研究者一人一人の自治基本条例及び自治基本法に関する研究成果を最終的な研究論文の取りまとめが行われた。それは、構想案とともに最終報告書(報告書No6)に掲載されている。本研究は、住民自治の基本原則を明文化するという目的を有する自治基本条例もしくは基本法であるという性質上、住民、自治体職員や議員の参加を広く呼びかけ、今期も広く一般に公開した。合併問題、財政危機のように自治の大きな転換期にあたって、本研究に関連する地元メディアの関心も高く3年間で約90本に及ぶ関連記事が掲載された。また、80回に及ぶ研究定例会等への学外者・市民の参加は、延べ5千人を超え、確実に自治に対する意識の転換をもたらした。そのような成果を、科学の地域貢献としても評価可能である。
著者
棟方 哲弥 鈴木 陽一 魚住 超 託間 晋平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.98, no.247, pp.63-68, 1998-08-27

本論文は, 頭部伝達関数の模擬による3次元音像定位装置を用いて音源定位能力の向上を目的とした教材を開発し, その有用性の確認を試みたものである.適用実験には3名の先天盲児が参加した.学習セッションとして、1回につき5分間から26分間の学習が8日間にわたって行われた。一人当たりの学習回数は8回から9回であった。学習セッション前に比べて3名全員が目標値までの誤差を有意に減少させていたことなどから作成された学習システムが盲児の音源定位能力の向上に有効であることが示唆された。
著者
田尾 亮介
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本年度は、研究論文の作成、判例研究会における報告、外国語文献の書評を行った。研究論文については、前年度から継続して、アメリカとイギリスの「Business Improvement Districts(BIDs)」制度を手がかりに民間主体の地域管理制度の研究を行ってきた。具体的には、それらの国の裁判例や立法資料から法的問題点を整理するとともに、我が国における制度設計の可能性を検討してきた。今国会(第171回常会)には、地域の構成員による自主協定に法的効力を付与することを目的とした都市再生特別措置法等改正案が提出されており、BID制度とはやや異なる立法が目指されているものの、地域の公的サービスに必要な財源の確保と当該地域の管理の手法という点において、本研究はなお意義を有していると考えられる。今後は、以上の分析をまとめて、研究題目である「都市の財源確保に関する法制度の研究」の成果の一部とすることにしたい。判例研究については、日本財政法学会財政法判例研究会において、土地区画整理組合への職員派遣と給与支出の違法性が争われた裁判例を報告した。地方公共団体が行政施策を遂行していくうえで、公益的法人や民間の団体との連携は不可欠であるが、かつては、そのような団体への職員派遣については法制度が整備されていなかった。本件は、公益法人等派遣法施行後の事案であるが、判例評釈においては、同法の適用範囲を厳格に解すべきではないこと、同法の適用がなくても依然として地方公務員法の職務専念義務との関係で法的疑義が生じる場合がありうることを指摘した。書評については、フランスにおける公物理論に関する文献をとりあげた。本書は、フランスにおける公物の理論と制度の発展を、所有権の概念を軸に、歴史的かつ比較法的に論じており、国有財産の在り方などが問題となっている我が国から見ても示唆に富む内容であった。
著者
楠本 孝
出版者
三重短期大学
雑誌
地研年報 (ISSN:13423673)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.83-111, 2006-03
著者
奥谷 喬司 藤原 義弘 藤倉 克則 三宅 裕志 河戸 勝
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.61-64, 2004-06-30
被引用文献数
4

約1年半前に鹿児島県野間岬沖の水深約200〜250mに沈下されたマッコウクジラの死体に形成される生物群集の調査を行った結果,鯨骨上にはヒラノマクラ(少数のホソヒラノマクラ混在)の濃密な群生がみられた。本種の外套膜後端は筒状に丸まり,極めて長い"入水管"を形成し,また完全な管状になった出水管を持つほか,足もよく発達して活発に動き回るというイガイ科としては極めて特異な機能形態を持つことが判った。長い水管のため,本種が群生しているとあたかも鯨骨が細いマカロニで被われているようにさえ見える。ヒラノマクラの生体の観察は今回初めてと思われるので,速報する。
著者
中山 智子
出版者
京都外国語大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2006

近代フランスの舞台芸術における女性の表象を衣裳との関係から描き出すことを目的に、本年度は、昨年度に引き続き、戯曲の校訂版の作成を行うと共に、1)異性装の文化的・文学的背景の研究、2)当時の演劇状況における意義の研究を中心に行った。とりわけ、Les Amazones Modernes(Legrand,1727)の校訂版作成と分析により、男装と並んで十七、十八世紀の文芸に大きな影響を与えたアマゾネス神話のテーマの重要性を明らかにした。アマゾネス神話は、十七、十八世紀のフランスで再び脚光を浴び、男装と並んで「戦う女」「強い女」を描くための主要な芸術的テーマの一つとなった。2007年8、9月に渡仏し、国立図書館にて、十七世紀末から十八世紀にかけて発表されたアマゾネス関連の主要な文献と当時の演劇状況の調査を行った結果、Legrandは、当時のアマゾネスのブームを現実社会の批判に巧みに利用していることが分かった。加えて、「アマゾネスが男装する」という荒唐無稽な設定を用い、作品中のヴォードヴィルの歌詞に女性の権利主張を盛り込むことで、ライバル劇団の特色の一つであった男装及びヴォードヴィルを活用し、テーマ性と娯楽性の両立を可能にしていることが明らかになった。この研究結果を論文としてまとめ、フランス語で発表した。なお、本年度前半には、十七世紀末から十八世紀にかけての衣裳と性の関係についての意識の変化を、多数の戯曲の分析から検証した論文をフランスで出版された国際学会研究論文集に発表した。さらに、異なったジャンルにおける異性装の位置づけを検討するため、悲劇の例としてZaide(LaChapelle,1681)の校訂版を作成し、現在分析を行っている。今後、これまでの研究成果をジャンルごとに比較検討し、上演の形態が異性装の表象と受容にどのように関連しているかを論文にまとめ発表する予定である。
著者
掛川 武 長瀬 敏郎 中沢 弘基 関根 利守 長瀬 敏郎 中沢 弘基 関根 利守
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、初期地球の海洋に隕石が衝突し、そこでアミノ酸が生成され、そのアミノ酸が地球内部で重合し、やがて生命に進化したことを実験的に検証する課題である。隕石の海への落下実験に成功し、世界で初めて衝撃環境でのアミノ酸生成に成功した。地殻内部での高温高圧条件でアミノ酸重合にも世界で初めて成功し、タンパク質前駆体のペプチドを生成した。
著者
吉富 巧修 三村 真弓 大西 潤一 水崎 誠
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、25年前と現在の幼児の歌唱能力と幼児をとりまく音楽的環境との比較を行うことを目的とした。25年前と同一の幼稚園で、25年前と同一の幼児の歌唱能力の調査と幼児をとりまく音楽的環境に関する質問紙調査を行い、両者を比較した。その結果、以下の知見を得た。(1)「メリーさんのひつじ」の無伴奏歌唱の評価は、有意差はないが、25年前の方が好成績であった。(2)音楽的な習い事をしている幼児は、25年前は35.7%、現在は40.0%であった。(3)25年前の習い事をしている幼児としていない幼児の無伴奏歌唱の評価は、3.36と3.84であった。現在の習い事をしている幼児としていない幼児の無伴奏歌唱の評価は、3.97と3.48であった。25年前では習い事をしていない幼児の無伴奏歌唱の評価が高かったのは、当時の幼稚園教育での音楽的活動によって幼児の歌唱能力が高められたからであるといえる。(4)無伴奏歌唱の開始音高の平均は、男児は25年前にはD#4+12cent、現在はC#4+36centであり、25年前のほうが有意に高かった(t(23)=2.56,p=.02)。女児は25年前にはE4+35cent、現在ではD4+88centであった。男児は25年前のほうが176cent(1.76半音)高く、女児も25年前のほうが147cent(1.47半音)高かった。この原因としては、幼児をとりまく音楽的環境のうち,家庭的環境には大きな変化はなく、音楽的な習い事をしている幼児はむしろ現在の方が多いことから、幼稚園での音楽的活動が25年前には非常に充実しており、現在では音楽的活動が質・量ともに不足しているからではないかと推察される。(5)幼児のピッチマッチングは、刺激音の種類によって成績が異なる可能性がある。ピアノ音<女声<女声での「こんにちは」、の順に成績が高かった。(6)幼稚園児の2年間・4回の縦断的調査の結果から、次の知見を得た。無伴奏歌唱の開始音高は、第2回調査<第3回調査<集中的な練習を行った第1回調査<第4回調査の順に高かった。音高弁別能力は、第1回調査<第2回調査<第3回調査<第4回調査であり、発達の道筋を示すものであった。
著者
森山 俊介 高橋 明義 天野 勝文 内田 勝久
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、成長ホルモン遺伝子が無脊椎動物に起源する仮説およびサケ成長ホルモンがエゾアワビ稚貝の成長を促進する発見に基づいて、軟骨魚類と無顎類の成長促進に関与するホルモン受容体を同定した。また、アワビの脳神経節にサケの成長ホルモン抗体に対する免疫反応陽性細胞群を検出し、その組織から成長促進因子および遺伝子を単離するとともに成長促進因子受容体を探索した