著者
山田 一隆 丹羽 清志 鮫島 隆志 春山 勝郎 桂 禎紀 長谷 茂也 石沢 隆 島津 久明
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.12, pp.2777-2782, 1990 (Released:2011-06-08)
参考文献数
12

直腸癌の術後排尿・性機能障害とストーマ障害についてアンケート調査を行い, 回答を得られた73例の成績を分析した.排尿困難と残尿感は肛門括約筋温存術式より直腸切断術後に多く発生し, 腸骨動脈領域郭清例での発生率はそれぞれ38%, 34%であり, 非郭清例の8%, 8%に比べ高頻度にみられたが, 自律神経温存手術では認められなかった.また, 男性に比べ女性で排尿障害の出現率が低い傾向が認められた.性機能障害は前方切除術よりも直腸切断術および貫通・重積術式で多く認められた.男性の人工肛門造設例での性生活障害の出現率は87%であり, 非造設例の44%に比べ多く, また女性の症例でも同様の結果が得られ, 心因性の障害の関与が推測された.年齢層別では高齢者ほど性機能障害の出現が高頻度に認められた.ストーマ障害では, 位置異常の訴えは3%と少なく, 周囲皮膚障害は24%と比較的高率に認められた.
著者
山﨑 将文
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.21, 2018 (Released:2018-09-27)
著者
西川 大志 松永 美希 古谷 嘉一郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.451-457, 2013-12-25 (Released:2014-03-01)
参考文献数
40
被引用文献数
7 1

This study investigated the effects of rumination (reflective pondering and brooding) on automatic thoughts (both negative and positive) and depressive symptoms. University students (N=183; 96 men) completed the Self-Rating Depression Scale (SDS), Automatic Thoughts Questionnaire-Revised (ATQ-R), and Response Style Scale (RSS). We conducted a path analysis which included gender as a factor. The results revealed that brooding was associated with negative automatic thoughts. Negative automatic thoughts contributed to the aggravation of depressive symptoms. In contrast, reflective pondering was associated with positive automatic thoughts. Positive automatic thoughts contributed to the reduction of depressive symptoms. These results indicate that rumination does not affect depressive symptoms directly. We suggest that rumination affects depressive symptoms indirectly through automatic thoughts, and that there are gender differences in the influence process.

10 0 0 0 OA 池田光政公伝

著者
石坂善次郎 編
出版者
石坂善次郎
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1932
著者
王 青波
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会
雑誌
JSBi Bioinformatics Review (ISSN:24357022)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.35-51, 2023 (Released:2023-06-03)
参考文献数
80

ヒトゲノムの個人差と様々な形質との相関を大規模に検定するゲノムワイド関連解析(Genome Wide Association Studies=GWAS)により、形質に関連するゲノム領域が次々と明らかにされている。一方、GWASにより同定された個々の関連領域には時に数千もの統計的有意な変異が含まれ、それら全てが形質に因果的に寄与するわけではないことが知られる。ゲノムに刻まれた生命の設計図をより厳密に理解するためには、そうした領域内で因果的効果を有する変異を“精緻(fine)”に絞り込み理解することが重要とされる。そこで本総説では、因果的変異を統計的に推定するfine-mapping手法に関して解説する。単一変異の寄与のみを考慮した単純なモデルから、より複雑かつ近年のバイオバンク規模のデータに適用可能なモデルまでを概観すると共に、疾患解析への応用や機能ゲノミクス、実験的検証との関連に関しても触れる中で、GWASのその先(post-GWAS)の時代の解析に関して展望する。
著者
趙 伯陽 桜井 陽平 柴田 清澄 吉川 史隆 友田 豊 水上 元
出版者
Japanese Society of Food Chemistry
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.42-47, 2014-04-25 (Released:2017-01-27)
参考文献数
14

ナスのヘタは尋常性疣贅(イボ)の治療に伝承的に用いられている。また、ナスのガク片部のエタノール抽出物が尖形コンジローマの治療に有効であったことが報告されている。そこで、ナスのエタノール抽出物の各種ヒト腫瘍細胞株に対する細胞致死活性を調べたところ、ヒト卵巣ガン由来の細胞株であるHRAに対して細胞致死活性を示し、その効果はガク片部からの抽出物が可食部からの抽出物よりも強かった。この抽出物から活性に基づく分画を行うことにより、2つの細胞致死活性成分9-oxo-(10E, 12Z)-octadecadienoic acid (9-EZ-KODE)および9-oxo-(10E, 12E)-octadecadienoic acid (9-EE-KODE)を単離・同定した。9-EE-KODEは、9-EZ-KODEの約10倍高い細胞致死活性を示した。また、9-EE-KODEの細胞致死活性を各種細胞株を用いて比較したところ、HRAに対して他の細胞株よりも約5倍強い活性を示した。ナスのガク片部の9-EE-KODE含量は可食部よりも高かった。
著者
山田 剛史
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.44-58, 1999-02-25 (Released:2017-06-28)

単一事例実1験計画(シングルケース研究法)で得られたデータの評価方法として、いくつがの統計的方法が提案されている。ランダマイゼーション検定は、(1) データの系列依存性を問題としない、(2) 時系列分析ほど多くのデータポイン1・を必要としない、(3) 様々なデザインに適した方法が考案されている、といった理由からシングルケースデータの分析方法として近年注目されてきている。本稿では、これまで多くの研究者によって提案されてきた、様々な単一事例実験データ分析のためのランダマイゼーション検定の方法を、(1) 測定時期への処理のランダム振り分け、(2) 介入ポイントのランダム振り分け、(3) フェーズへの処理のランダム振り分け、とランダム振り分けの方法の違いにより大別し、さらにそのカテゴリ下に分類される種々のランダマイゼーション検定の方法について概説するとともに、この検定を実際のデータに適用する際の問題点に関しての検討を行う。
著者
宮本 一夫 中橋 孝博 田中 良之 小池 裕子 田崎 博之 宇田津 徹朗 辻田 淳一郎 大貫 静夫 岡村 秀典
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、山東半島における先史時代の水田探索調査、膠東半島の石器の実測調査、黒陶の安定同位体比分析、山東半島先史時代古人骨の形質人類学的分析、遼東半島四平山積石塚の分析の5分野から構成されている。これらの調査研究は、研究代表者が提起する東北アジア初期農耕化4段階説における第2段階と第3段階の実体を解明するための研究である。まず第1の水田探索調査では、これまで山東で水田遺跡が発見されていなかったが、楊家圏遺跡と両城鎮遺跡でボーリング調査と試掘調査を行うことにより、楊家圏遺跡では龍山文化期に畦畔水田が存在する可能性が高まった。また膠東半島の趙家荘遺跡では龍山文化期の不定型な畦畔水田が発見されており、水田のような灌漸農耕が山東において始まった可能性が明らかとなった。さらに黒陶の安定同位体比分析により、山東東南部の黄海沿岸では龍山文化期にイネがアワ・キビより主体であることが明らかとなった。これはフローテーションによる出土植物遺体分析と同じ結果を示している。さらにこの分析によってイネであるC3植物が膠東半島、遼東半島と地理勾配的に低くなっていることが確かめられ、このルートでイネが龍山文化期に伝播した可能性が高まった。これは東北アジア農耕化第2段階にあたる。第5の研究テーマで分析した四平山積石塚の分析により、この段階に膠東半島から遼東半島に人が移動し在来民と交配していく過程が明らかとなった。さらに石器の分析により、石器もこの段階から膠東半島から遼東半島への伝播が存在することが証明された。さらに東北アジア農耕化第3段階である岳石文化期には、多様化した加工斧と農具が伝播しており、木製農具などの定型化した農具と水田など灌概農耕が、この段階に人の動きとともに膠東半島から遼東半島へ拡散した可能性が高い。なお、形質人類学的な分析では限られた資料数のため人の系統に関する決定的な証拠を得ることはできなかった。
著者
八木 美佑紀 桑原 未来輝 松本 実優 宮澤 未来 落合 和
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第49回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-29S, 2022 (Released:2022-08-25)

妊娠期には体の不調とともに妊婦の10%程度がうつ病に罹患している。妊婦への向精神薬等の投与は胎児への安全性を考慮し慎重に行う必要がある。そのため、気軽に摂取できるサプリメントの需要が高まっており、その中でもCannabidiol(CBD)という成分が注目されている。CBDは、大麻に含まれる主要なカンナビノイドの一つであり、精神作用がなく、抗不安作用を示すことが報告されている。したがって、今後、妊婦が不安を解消するためにCBDを気軽に摂取することも想定される。しかしながら、妊娠中にCBDを使用する際の胎児への影響については知見が乏しいのが現状である。本研究では、妊娠中にCBDを使用した際の、胎児への安全性について、薬物動態学と神経発生学の観点から解析した。我々はまず、妊娠中期のマウスにCBDを投与した際の胎児とその脳への移行性をLC-MSを用いて解析した。その結果、CBDは速やかに母体から胎児へと移行することに加え、胎児の脳内にも移行がみられた。胎児期の大脳皮質では、神経幹細胞からニューロンへの分化が活発になり、大脳皮質の6層構造が形成されはじめる。したがって、母体から胎児脳へと移行したCBDがこの過程に影響を及ぼすことが危惧される。そこで次に、胎児の神経発生に対するCBDの影響を解析した。本研究の結果から、妊娠中のCBD 使用は、神経幹細胞の増殖を促進し、IV層のニューロンが減少させることで、大脳皮質の層構造に異常をもたらす恐れがあることが示唆された。
著者
豊田 泉 土居 浩 国井 紀彦 林 宗貴 西野 猛 阿部 正 松本 清
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.362-367, 1993-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

脳血管障害の発生原因には, 各種の要因が存在する.性行為もその一因である.今回我々は, 昭和55年4月より平成5年3月までの, 約13年間に山梨赤十字病院及び昭和大学病院を受診した患者の中で, 病歴上明らかに性行為前後の脳血管障害と考えられる14例を検討した.症例は, 36歳から65歳にわたり, 性別に関しては, 男性13例であり, 女性は1例であった.脳出血8例, くも膜下出血6例であり, 梗塞性病変はなかった.これは, 脳神経外科系における診療データによるものであるからであろう.注目すべき点として, 性行為の相手としては, 3例のみが夫婦間であり, 残り11例は, 愛人関係や, 性風俗従事者との行為である.また, 発生場所に関して, 自宅であることより愛人宅・ホテル及び性風俗施設である.さらに, この中で, 初診時の問診にて, 性行為前後の発症であるということの情報があるものは, わずかに3例だけである.そのほとんどが, 後日, 関係者からの情報より得られるのみである.すなわち, このような症例が実は, 意外と多いことが考えられる.我々は, これらの疾患の発症様式等の詳細な検討を要する時期に来ているのではないかと考えられる.
著者
塩釜 裕子 宮本 正
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.287-295, 2014 (Released:2015-03-19)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

【目的】色覚補正眼鏡の一種であるカラービューに対する有効性を検討すること。【対象と方法】カラービューを用いて以下の四項目について検討した。①石原色覚検査表の誤読数及び、パネルD-15の横断線が減少するか。②20色の色の名前を正しく答えられるようになるか。③日本眼科学会ホームページに記してある、先天赤緑色覚異常が見分けにくい色の組み合わせの各二色(8種類、合計16色)が見分けやすくなるか。④「先天色覚異常の方のための色の確認表」を用いて複数の色から色名を用いて特定の色を選択できるようになるか。これらは1型2色覚、1型3色覚、2型2色覚、2型3色覚、各1名、合計4名の色覚異常者の協力を得て行った。【結果】カラービューの使用によって結果は以下のようになった。①石原色覚検査表の誤読数とパネルD-15の横断線は減少した。②色名を正しく認識できるようにはならず、逆に色名がわかりにくくなる場合もあった。③検討した二色の多くが見分けやすくなった。④色名を用いて特定の色を選択することはできなかった。【結論】色覚補正眼鏡カラービューでは正常色覚者と全く同じ色の認識を得ることはできない。特に色の名称を正しく認識するのは不可能である。また、使用することによって逆に色を混同する場合もあった。だが、特定の二色間の識別に関しては有効であった。
著者
網谷 龍介
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.2_78-2_98, 2016 (Released:2019-12-10)
参考文献数
33

本論文は, 議会制デモクラシーをめぐるわれわれの理解について, 歴史的な視点から再検討を行うものである。現在, 民主政の経験的研究においては, 「競争」 を鍵となるメカニズムとするのが通例である。本論文はこのような想定を相対化し, 「競争」 ではなく政党による社会の 「統合」 と, そのような政党が多数決を行うためにうみ出す 「妥協」 が, 20世紀ヨーロッパの議会制民主主義の核となるメカニズムであった可能性を指摘する。具体的には, まずオーストリアの国法学者ケルゼン (H. Kelsen) の民主政論が検討され, 20世紀政党デモクラシーの理論的存立構造の一つのモデルが提示される。そして, 彼の議論が単なる理論にとどまらず同時代の現実の政治制度や政党における議論にも対応物を持つことが明らかにされる。現状分析に持つ含意としては, 制度のみでは担保できない社会的 「統合」 のような諸条件に民主政の機能が依存していることが示唆される。
著者
小野 紀明
出版者
神戸大学法学部
雑誌
神戸法學雜誌 / Kobe law journal (ISSN:04522400)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.825-903, 1991-03 (Released:2013-03-12)
著者
今淵 純子 横田 勝
出版者
The Surface Finishing Society of Japan
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.976-982, 2000-10-01 (Released:2009-10-30)
参考文献数
7