著者
阪井 恵 酒井 美恵子 布施 光代
出版者
明星大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

五線譜の判読が、障害により不可能な場合があることは十分に知られていない。本研究では、取材に基づきその実態を明らかにする。また当事者たちが音楽科授業への導入を望む「フィギャーノート(FN)」の有効性を探り、教科書に準拠した具体的な活用法の提案を行う。障害の実態調査に基づくビデオ作成、ビデオ視聴とFNの体験を含む実験的授業の実施、受講した児童生徒及び学生の、FN活用に関する意見調査と分析、学会における意見交換、などを通して「選択肢としてのFN」導入実現を目指すものである。
著者
河合 恭平
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.25, pp.25-36, 2012-09-10 (Released:2015-06-12)
参考文献数
37

Two questions are raised about Hannah Arendt's theory of the public (publicness). First, could “action” be to perform with violence boundlessly and unpredictably? Second, how is the public realm as the common world that “gathers us together and yet prevents our falling over each other” constituted? To address these problems, this paper aims to clarify the constitution of common world and reinterpret her theory of the public. The main subject is to take up her concept of “power” and “promise” in order to clarify the constitution of common world. It is constituted through both avoiding violence of “action” by “promise” and keeping “power”. We interpret this trait on common world as the “limits” to violence, and read Arendt's actual warning to “action” that leads to extreme violence.
著者
千葉 洋丈 河野 淳 冨澤 文子 佐藤 春城 植田 宏 鈴木 衞
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.261-265, 2000-08-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
4
被引用文献数
2 1

1990年1月から1999年3月まで, 東京医科大学病院耳鼻咽喉科で人工内耳挿入手術をうけ, SPEAKコード化法, BP+1モードを使用中の56症例を対象としてTレベル, Cレベル, ダイナミックレンジの値とその聴取能の関係を検討した。 また電極位置を蝸牛開部窓部側, 中間部, 蝸牛頂側と3部分に分けた場合の, それぞれと聴取能の関係も検討した。 その結果, Tレベル, Cレベルよりダイナミックレンジがより聴取能に関与していた。 Cレベル, ダイナミックレンジは蝸牛頂側の方が聴取能との相関係数が高い傾向にあった。 ダイナミックレンジと聴取能の関係では相関係数が単音節で高く, 単語, さらに文と低くなる傾向があった。

1 0 0 0 OA 御堂関白記

著者
藤原道長 [著]
出版者
立命館出版部
巻号頁・発行日
vol.[1], 1936
著者
小野 紘貴 杉野 圭史 渡邉 菜摘 安藤 真弘 蛇澤 晶 坪井 永保
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1_2, pp.86-90, 2021-10-01 (Released:2022-01-26)
参考文献数
19

症例は 78歳,女性. X年 1月下旬から著明な全身倦怠感,食欲不振が出現し当院消化器科を受診.胸部 -骨盤造影 CTで肺門,縦隔リンパ節の腫大を認め当科へ紹介となった.気管支鏡検査を施行し,気管支肺胞洗浄でリンパ球比率 46.4%およびCD4/8比4 .7と上昇を認めた. #4Rリンパ節からの生検で非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を認めた.頭部 MRI検査で下垂体柄の腫大を認め,内分泌学的検査でLH,FSH,TRH, ACTHといった下垂体前葉ホルモンの低下を認めた.ガリウムシンチグラフィで両側肺門部,縦隔リンパ節,両側涙腺および耳下腺に対称性の集積を認めた.以上から下垂体機能低下症を合併した全身性サルコイドーシスと診断し X年 2月より PSL 60mg/日の内服を開始した.また尿崩症の合併に対しデスモプレシン点鼻を併用した.治療開始後,食欲不振,全身倦怠感は消失し同年 2月の CT検査では両側肺門,縦隔リンパ節腫大は消失し多尿も改善を認めた.
著者
高橋文彦著
出版者
原書房
巻号頁・発行日
1995
著者
上ヶ谷 友佑 白川 晋太郎 伊藤 遼 大谷 洋貴
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.535-538, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
10

本稿の目的は,「推論主義」と呼ばれる現代哲学に基づき,生徒達にとって既知の概念をさらに発達させていくような数学的タスクのデザインの原理を開発することである.より具体的には,推論主義の示す資格保存的推論/コミットメント保存的推論といった実質推論の考え方を用いて,数学の授業における問題解決の様相を特徴付けることを試み,生徒達がどんな場面でどんな風に推論することが概念発達に寄与するのかを検討した.結果,次の3点が原理として導出された.[1] より概念化させたい既知の概念を2つ以上定める.[2] 本来はある概念の適用が有効であるにもかかわらず,思わず別の概念を適用してしまうようなタスクを設計する.[3] 生徒同士でなぜ自分がそのアプローチを選んだのかを議論させたならば,自分がどんな条件の下でどんなアプローチを使用しているのかを明示化する必要性が生じ,概念化が促進される.
著者
松本 英二
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.274-278, 1989-05-10 (Released:2009-09-10)
参考文献数
8
著者
長岡 千津子 山本 義和 江口 さやか 宮崎 信之
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.159-167, 2004 (Released:2005-06-03)
参考文献数
21
被引用文献数
15 16

2000年4月に大阪湾全域において表層泥を採取し, 重金属濃度 (Hg, Cd, Cu, Zn, Pb, Ni, Mn, Cr, Fe), および, 粒度組成 (泥・砂・礫), 強熱減量, COD, 硫化物について分析を行った。Mn以外の重金属元素は湾奥部や湾東部において濃度が高く, 海水の交換が良い明石海峡, 紀淡海峡付近で低い傾向を示した。底質重金属 (Mnを除く) 濃度と粒度組成, 強熱減量, 硫化物には強い相関性が認められたことから, 底泥の重金属濃度は重金属負荷量以外に, 粒度や有機物によっても大きく影響をうけることがわかった。
著者
廣澤 春任 名取 通弘 紀伊 恒男 高野 忠 橋本 樹明 大西 晃 井上 浩三郎 村田 泰宏 三好 一雄 井上 登志夫 野田 隆彦 栗林 豊 田嶋 隆範 近藤 久美子 佐々木 崇志 箭内 英雄 萩野 慎二 小倉 直人 岡本 章 杉山 祥太郎 HIROSAWA Haruto NATORI Michihiro KII Tsuneo TAKANO Tadashi HASHIMOTO Tatsuaki OHNISHI Akira INOUE Kouzaburo MURATA Yasuhiro MIYOSHI Kazuo INOUE Toshio NODA Takahiko KURIBAYASHI Yutaka TAJIMA Takanori KONDOH Kumiko SASAKI Takashi YANAI Hideo HAGINO Shinji OGURA Naoto OKAMOTO Akira SUGIYAMA Shohtaro 中川 栄治 NAKAGAWA Eiji
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.1-27, 1998-06

科学衛星「はるか」は, スポース VLBI に必要な工学諸技術の実験ならびにスペース VLBI による電波天文観測を行うことを目的として, 1997年2月12日, 宇宙科学研究所の新型ロケット M-V の初号機により打ち上げられた。「はるか」では数々の工学的課題への取り組みがなされたが, それらの中で, ケーブルとメッシュからなる, 有効開口径8cmのパラボラアンテナの軌道上での展開が, 最大の工学的課題であった。打ち上げ約2週間後の2月24日から28日にかけてアンテナ展開実験を行い, 展開に成功した。本稿は「はるか」のアンテナ展開実験を, 衛星システム全体としてのオペレーションの観点から詳述するものである。
著者
丸山 正隆
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.533, 1986-06-25

第17回消化器病センター例会 昭和61年1月25日 東京女子医科大学消化器病センター2階カンファレンスルーム
著者
大熊 燦雨 松尾 牧則 村井 友樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究は、東アジアに跨る武文化の固有性と相似性の解明に向け、文禄・慶長の役(萬暦朝鮮之役、壬辰倭乱:1592~1598年)を通して披露された日本・中国・韓国武術が、近世東アジアの武文化に与えた影響を実証的に検討することを目的としている。そのために、2019年度には、以下のような研究活動を行いに、主に日中韓武文化の交流の痕跡を物語る資料を網羅的に検討・収集した。1.先行研究の検討及び関連資料収集:400年前に起きたアジア最大の戦争であった文禄・慶長の役に関しては、その歴史や波及力の故に多方面で数多くの研究が行われてきた。そのため、前年度に引き続き多岐にわたり先行研究を含めた文禄・慶長の役に関する膨大な2次史料を検討し、本課題と関連する日本側の史資料の収集に努めた。また、それを基に、文禄・慶長の役にまつわる武に関する1次史料の範囲を絞り、その収集に努めた。2.史資料の分析:収集した日本側の関連史資料の整理・解読を進めながら、先行研究で言及された既存史料との比較検討を行い、当該戦争に対する全体像の把握に努めながら日韓武文化交流の痕跡を浮き彫りにした。3.台湾側の情報収集及び史料調査:台湾の台東大学・高雄大学等を訪問し、研究者と意見交換しながら情報収集に努め、また、台湾における武術研究の現在把握と中国武術に関する史料・情報を収集した。4.情報収集及び成果発表:東北アジア体育・スポーツ史学会、体育史学会、日本体育学会、国際体育・スポーツ史学会、筑波大学体育史研究会などの国内・国際学会に参加し研究協力者との情報交換を行い、また、Northeast Asian Society for History of Physical Education and Sport学会の定例Conferenceにて研究成果の一部を発表し、学会会員との意見交換など更なる情報収集に努めた。
著者
石塚 賢吉 鬼沢 武久 加藤 茂
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.523-534, 2011 (Released:2012-01-11)
参考文献数
22
被引用文献数
1

This paper describes a system which composes operetta songs fitting to story scenes represented by texts and/or pictures. Inputs to the system are original theme music, numerical information on given story scenes and story texts. The system composes variations on theme music and lyrics according to image of music and lyrics obtained from numerical information on given story scenes. Evolutionary computation is applied to generations of variations and lyrics. Using a vocal synthesizer and a general midi synthesizer, the system plays operetta songs as the variations on theme music with the lyrics. The system reflects user's Kansei to variations on theme music and lyrics using interactive evolutionary computation. This paper also describes the evaluation experiments to confirm whether the composed songs reflect impressions of story scenes appropriately or not.
著者
真子 玄迅
出版者
THE SOCIRETY OF RUBBER SCIENCE AND TECHNOLOGYY, JAPAN
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.321-325, 2011 (Released:2012-03-27)
参考文献数
4
被引用文献数
2

The build-up substrates are generally used for IC package. As the integration of semiconductor has increased, higher performance of insulation material is required for build-up substrates. In this article, the author explains the characteristics of build-up material required for IC package and latest technology trends for next generation.
著者
住井 英二郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.2_28-2_38, 2008 (Released:2008-06-30)

約2000行のMLコードにより実装された,教育目的のコンパイラMinCamlについて議論する.対象言語は値呼び,非純粋,暗な単相型を持つ高階関数型言語である.レイトレーシングを含むいくつかのアプリケーション・プログラムに対し,実行速度においてObjective CamlやGCCとほぼ同等のコードを生成することができた.
著者
Sabina Šturm Tanja Švara Ellinor Spörndly-Nees Vesna Cerkvenik-Flajs Mitja Gombač Anna-Luisa Weber Klaus Weber
出版者
JAPANESE SOCIETY OF TOXICOLOGIC PATHOLOGY
雑誌
Journal of Toxicologic Pathology (ISSN:09149198)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.331-338, 2021 (Released:2021-10-01)
参考文献数
34
被引用文献数
2

Testicular histopathology is considered the most sensitive and reliable method to detect the effects of chemicals on sperm production. To carry out a sensitive examination of testicular histopathology and interpret the changes require knowledge of spermatogenic stages. Spermatogenic staging based on acrosome development during spermiogenesis is conventionally performed in animal species routinely used for research and toxicity testing. In contrast, small ruminants, such as sheep and goats, are rarely used as animal models to evaluate toxicity in male reproductive organs. To the best of our knowledge, a comparable spermatogenic staging system in rams has not yet been fully characterised. Hence, this study aimed to adapt the existing spermatogenic staging based on acrosome development in bull testes to fit the seminiferous epithelium cycle of ram testes. The results show that spermatogenic staging based on acrosome development in bull testes can, with slight modifications, be efficiently used for the staging of ram testes.
著者
松瀬 留美子 坂本 剛 松瀬 善治
出版者
NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
雑誌
自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.57-66, 2018-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
8

障害者差別解消法(2016 年)が施行され、各大学では自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorder : ASD)学生への修学支援について合理的配慮の観点から新たな制度の構築が試みられている。本稿では、私立大学におけるASD学生への修学支援の取り組みを紹介し、それらの支援実践を通して明らかになった課題を講義担当教員が直面する課題として焦点をあてて検討した。第一に、小規模大学における取り組みとして、施行年度の障害学生の入学時相談、講義時における支援申請についての資料を提示した。第二に、複数の大学における事例をヴィネットの形式で紹介し、教員がASDと関わるときに配慮が求められる課題として、①講義実施と講義内行動、②定期試験の時間延長と成績評価、③意思疎通と学内外活動、④教員側のASDに対する知識と指導経験量の差、⑤体験から学ぶことの5 点を取り上げ、合理的な配慮を検討する際に有用な知見を導き出して考察した。また、ASD学生への合理的配慮として、どこまでを合理的配慮の範疇に該当するのかは、各大学が実情に合わせて事例を積み重ねて精査をしていく必要がある。さらに、合理的配慮を検討する際には、ASD学生の社会参加に有用であるという基本的視座に立つということと、全学でASD学生を受け入れるような風土を醸成していくことが重要であると論じた。