著者
榊原 弘之 倉本 和正 菊池 英明 中山 弘隆 鉄賀 博己 古川 浩平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.658, pp.221-229, 2000

本論文では, がけ崩れに寄与する重要要因の抽出を目的として, ラフ集合を用いたデータマイニングを山口県のがけ崩れ発生・非発生データに対して実施する. まず, 地形要因データにおける重要要因を抽出し, 比較的少数の要因によって, 大部分のがけ崩れ発生・非発生を矛盾なく説明できることを示す. さらに, 地形要因と降雨要因を組み合わせたデータへも同様の手法を適用し, 降雨時に警戒対象とすべきがけの選別手法を示した. 本論文により, ラフ集合によるデータマイニングを土砂災害の発生・非発生データの分析に用いることができることが明らかとなった.
著者
吉田 健一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.959-967, 2021-03-15

株価予測は学問的にも実務的にも重要な研究テーマであり,伝統的なファイナンスの観点から古くから研究されてきた.また近年では深層学習などデータマイニングの手法を使った研究もさかんである.本報では,日次の終値の変化と標準偏差のみを入力に用いたGradient Boosting Decision Tree法が代表的な株価インデックスであるTOPIXや日経225先物の翌日の値を予測可能であり,代表的な取引手法であるインデックス投資と比較して超過収益が得られることを示す.この結果は月次データに関して報告した代表的な株価インデックスが持つ特徴と同じ特徴(株価の分析における混合分布分析と学習期間調整の重要性)が日次データにも存在することを示している.本報では,学習期間調整の重要性は日次の方が顕著であり,また日経先物の分析結果からは限月という先物特有の要因が有効な学習期間に影響している可能性も指摘する.
著者
坂田 明
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.1401, 1997-02-20
著者
塚本 守
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.2-12, 1997-11-30 (Released:2011-01-31)
著者
岡 あゆみ 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.199-207, 2021-08-23

音はその性質上,肉眼で捉えたり触れたりすることが出来ないため,定量的に観測したり,直感的に操作を加えたりすることが難しい.そこで,聴覚と他の感覚を同期させることにより,音の扱いやすさを向上させることを検討する.近年,VRヘッドセットの普及により3D空間での表現が身近になったが,VRでの可視化手法とインタラクションの先行研究は限定的である.本研究ではVR内で見て触れながら音を調整することのできる,滝の形状をしたビジュアライザ「SoundDrop」を提案し,インタラクションについての妥当性と効果を調査する.
著者
常田 友貴 中沢 実
雑誌
第29回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
pp.57-63, 2021-10-18

昨今,新型コロナウイルス感染症の影響により,オンライン上でコミュニケーションを行う機会が多くなった.しかし,オンライン上でのコミュニケーション機能の不足が問題になっている.特に,プレゼンテーションのような相互の親密なコミュニケーションが必要になる場合では,満足度低下の要因となっ ている.このような問題を解決するために脳波を用いたオンライン講演の感情フィードバック手法を考案 する.しかし,現状オンライン上の相互コミュニケーションを対象としたデータセットが存在せず,脳波 を利用した感情分類データセットにおいても分類する感情の種類が少なく,作成したモデルから脳波特性の分析まで行っている研究は少ない.そこで本研究では,TED 視聴時の脳波を「通常(Neutral)」,「困惑(Confused)」,「面白い(Interested)」,「退屈(Bored)」という 4 つの感情で評価したデータセットを作成し,XGBoost を利用して感情分類を行った.また, AI モデルを説明することができる SHAP を利用して今回の研究で作成したXGBoost モデルから脳波特徴を分析した.その結果,感情分類分類では 72.47% の精度を得ることができた.さらに,SHAP を利用した分析では全てのクラスにおいて前頭葉周辺から取 得した脳波の貢献度が高く,最も貢献度が高い額右側面の脳波(F4)に関しては「困惑(Confused)」クラ スで脳波の周波数帯と貢献度が正の相関があり,「退屈(Bored)」クラスで負の相関があるということがわかった.
著者
豊田 将也 吉野 純 小林 智尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_319-I_324, 2019

<p> 2018年に発生した台風24号は,強い勢力を維持した状態で上陸し,名古屋港への最接近時刻が満潮時刻と重なると予報されたため,高潮に対する最大級の警戒(最大潮位偏差3.45m)が呼びかけられた.しかし,実際の台風進路が,当時の上陸直前の予報から大幅に逸れたために大規模な高潮災害には至らなかった.このような予報誤差の要因を解明することは,今後の沿岸災害予報の改善のためにも極めて重要な課題となる.本研究では,高解像度台風-高潮結合モデルによる進路アンサンブル実験を行い,台風24号による高潮に対する予報誤差の要因を分析するとともに,本事例において起こり得た最悪の高潮についても評価した.台風24号は最大風速半径が約120kmと大きく,予報の進路よりも南側を通過することで,名古屋港が最大風速域から外れ,潮位上昇が抑制されていたことが明らかとなった.また,本事例における名古屋港での最悪の高潮は最大潮位偏差2.24 mであり,実際よりも約1.3°北の進路を通った場合に発生することが明らかとなった.</p>
著者
宮本 忠吉 上田 真也 中原 英博
出版者
森ノ宮医療大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、高次脳機構を介した循環制御の生理学的意義を明らかにすることであった。実験の結果、運動準備期における呼吸循環応答の量的・時間的動態は、その後に実施される運動の負荷強度に依存して予測的・見込み的に変化すること、また、運動予測なく突然、運動を開始させると、予測がある場合と比較して、強度依存性に呼吸循環系応答のダイナミクスに変化が生じることが判明した。以上より、高位中枢による予測的・見込み的な呼吸循環制御は、生体へ加わる短時間高負荷運動に対する生理学的ストレスを軽減し作業効率の改善に役立っていることや、学習や記憶といった高次脳神経機構の生体恒常性に果たす役割の重要性が示された。

1 0 0 0 OA 循環機能と脳

著者
松川 寛二
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.37-49, 2000-11-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
32
著者
大橋 松行
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.43, pp.79-82, 2019-03-20
著者
中島 千英子 永井 由美子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 人文社会科学・自然科学 = Memoirs of Osaka Kyoiku University (ISSN:24329622)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.41-49, 2020-02

晩婚化や晩産化,育児の孤立化等,子育てを取り巻く状況は大きく変化しており,十分な育児支援を受けられる母親は少なくなっていることが予測され,育児情報源も多様化している。本研究では,近年普及の著しいSNS について着目し,育児中の母親の育児情報源について質問紙調査を行った。育児情報源としてインターネットを利用していた母親は,92.7%であった。また,Instagram,LINE等SNSのいずれかを利用している母親は75.1%であった。さらに,情報リテラシーの認知度が35歳以下の母親と比べて,35歳以上の母親では21%と有意に低く(P<0.05),母親の情報リテラシー教育の必要性が見出された。
著者
白川 智昭 三木 信弘 小川 吉彦 北島 秀夫 下野 哲雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-2, 通信2-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.82-91, 1998-01
参考文献数
9
被引用文献数
4

二つの離散系列の相関関数の近似的な値を高速に計算する方法を提案し, これをSAR像再生処理におけるレンジ圧縮に適用することにより評価する。系列の長さが非常に長い場合, 周波数領域を用いた相関関数の計算を行っても多くの計算時間を要するため, リアルタイム性が必要な場合には問題になる。しかし, このような応用では相関関数の正確な値を求めるよりも, その近似的な値をできるだけ高速に求めるほうが重要な場合がある。そこで本論文では, 二つの系列にウェーブレット変換を行い, 得られる短い系列の相関関数をもとの系列の相関関数の近似値とする。ウェーブレット変換を階層化することにより, 近似値もその精度により階層化される。また, 精度の粗い近似値から段階的に精度を上げてゆく方法を示すことで, 最終的に正確な値を求めることも可能となる。ここではそのアルゴリズムを示した後, SARレンジ圧縮にこれを適用することにより, 提案手法を実験的に評価する。