著者
長谷川 悠子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.742-746, 2019 (Released:2019-08-01)

スポーツは参加する人すべてが同じスタートラインに立つこと、同じルールのもとに「フェア」に競い合うことが土台として成り立っている。その土台が壊れないよう、みんなが同じスタートラインに立っていることを証明することが、ドーピング検査の大切な役割である。本稿では、そのようなアンチ・ドーピング活動の一部である、「ドーピング検査」の流れと、万が一陽性が疑われる分析結果が出た場合のその後の手続きについて概説する。
著者
杉岡 敬幸 平 翔 深町 駿平 伊藤 孝紀
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1_74-1_77, 2017

<p>本作品は、名古屋市熱田区の白鳥公園内に所在する名古屋国際会議場における観光案内所の改修計画である。まず、現状の利用実態と評価を把握するために、来場者の行動観測調査と要望調査をおこなった。そこで得られた知見から、案内所改修の指針を定め、デザイン提案した。<br>名古屋の歴史・観光情報を発信する空間を創出するに際し、名古屋市の市章である「八マーク」よりデザインモチーフを抽出した。このデザインモチーフを壁面、ベンチ、リーフレット配架棚など様々なスケールで展開し、施設の既存のテーマカラーのマルーンによって空間全体を演出することで、あたたかみのある空間を実現した。「8個の集合」という意味を持つ「OCTET」というコンセプトのもと、「8」を基準として名古屋の観光や歴史など様々な要素を1つの空間に集結させることで、名古屋の魅力を体感することができる観光案内所を創出した。</p>
著者
足澤 憲 澤本 潤 杉野 栄二 瀬川 典久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム = IEICE technical report. LOIS, Life intelligence and office information systems (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.470, pp.115-120, 2012-03-01
参考文献数
6

携帯電話はもともと移動中に通話ができるように開発されたものであるが,現在は通話機能よりもメール機能のほうがより多く使われており,それに伴い日本語入力システムの重要性が高まった.本研究の目的は,携帯端末から取得した位置情報から,現在地で良く入力される文字を変換候補・予測変換候補の上位に表示させ,入力効率を向上させることである.また,膨大な位置情報と入力単語の関係性のデータを効率良く管理し,読み込む辞書を絞ることで,読み込むデータの肥大化を防止する.
著者
梶本 五郎 村上 智嘉子
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.209-218, 1999-08-10
参考文献数
49
被引用文献数
12 11

緑茶, 麦茶を含めいわゆる健康茶として市販されている15種について, これらの熱水抽出物量, 抽出物の抗酸化性およびバナバ茶中の抗酸化成分をTLCとHPLCの組み合わせで検索を試みた。<br>1) 熱水抽出量の最も多いものはローズヒップ茶で, ついで, キダチアロエ茶, 麦茶, ギムネマ茶, 緑茶, 甘茶の順であった。抽出量の少ないものは, ハブ茶, バナバ茶, 柿の葉茶であった。<br>2) ランシマット法による油脂の酸化に対する防止効果は, イチョウ茶, ルイボス茶, 緑茶などで高く, ついで, ヨモギ茶, 麦茶, バナバ茶, 甘茶, 柿の葉茶, びわ茶の順であった。一方, キダチァロエ茶, ローズヒップ茶では抗酸化性は認められなかった。<br>3) 緑茶, 麦茶, イチョウ茶, バナバ茶およびびわ茶は, いずれも添加量が増すにしたがい油脂の酸化防止効果は高くなった。しかしながら, 柿の葉茶やびわ茶は0.1%添加濃度以下では防止効果はみられなかった。<br>4) DPPHラジカル消去能は, 緑茶, バナバ茶ともに認められたが, バナバ茶は緑茶に比べてやや弱いものであった。<br>5) 緑茶, バナバ茶にスーパーオキシド消去能が認められた。消去能は緑茶で高く, バナバ茶でやや低い。<br>6) バナバ茶中に没食子酸, ゲンチシン酸, カテコール, レゾルシノールの存在とプロトカテキュ酸, アピゲニン, ルテオリン, シリンガ酸, バニリン酸, <i>t</i>-シナミン酸などの存在が推測された。<br>7) バナバ茶中には没食子酸が最も多く含まれ, ついで, ゲンチシン酸, カテコール, レゾルシノールの順であった。これらのうち, ゲンチシン酸が最も抗酸化活性が高く, ついで, 没食子酸レゾルシノール, カテコールの順で, ルテオリン, ケルセチンにも認められた。
著者
WANG Kai-Yun GUO Qing-Long XIA Xiao-Ming WANG Hong-Yan LIU Tong-Xian
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of pesticide science
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.372-378, 2007

中国山東省の主要なワタ生産地4ヵ所および非生産地1ヵ所で,1985年,1999年および2004年に採集したワタアブラムシのフェンバレレート,オメトエート,イミダクロプリド,アセタミプリド,カルボスルファンおよびエンドスルファンに対する抵抗性を調べた.薬量応答曲線の比較から,ワタアブラムシのフェンバレレートに対する顕著な抵抗性が認められ,1985年に30~370倍であった抵抗性比は2004年には370~2150倍へと上昇した.イミダクロプリドおよびアセタミプリドに対しては,2004年に17倍から97倍の抵抗性比が見られた.オメトエートに対する抵抗性比は採集した地方によって大きく異なり,5倍から80倍であった.それに対して,すべての地方で1999年から2004年の間にはカルボスルファンに対する抵抗性比の上昇はなかった.この結果は,これらの地方におけるワタアブラムシの管理においての有用な情報であると考えられた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.12, no.10, pp.70-74, 2003-11

東京都下にある食品スーパー、エコス昭島店。レジで精算すると、アラーム音とともに、レジ横の小型プリンターからクーポン券が出てきた。クーポン券には、「日東紅茶 次回2個で50円引き」の文字が。今回、日東紅茶のティーバッグを買ったため、次回の再購入を促す意図のようだ——。
著者
月本 昭男
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.52-70, 2003 (Released:2010-03-12)
被引用文献数
1

In her recent book, The Land of Hana (2002), A. H, Podany classified all of the Hana-tablets published so far into three periods: the early, middle, late periods. From the late period (ca. 1400-1200 BCE), except for a dedication inscription of “Ammurapi, king of the land of Hana” (LH 16), we have just two contracts of real estate transaction (LH 15 and LH 17): one (LH 15) dealing with “an orchard in the irrigation district of the city of Qatuna, ” and the other (LH 17) with a 6 acre field in an unknown district. We can discern however that the field mentioned in the latter text must be also located in the Qatuna district because a canal adjacent to it named Hubur-GAL seems to be same as the canal attested in the former text. Now a new Hana-type tablet, written in Middle Assyrian script, can be added to the two previously known: It is also a contract concerning a 1 acre field at “the gate of Qatuna.” If it is not just coincidental that all three Hana-texts are related to the Qatuna district, Qatuna must have been the place where the scribal tradition of Hana was established in the late Hana period. This might suggest that the core land of Hana people had moved north from Terqa to Qatuna in this period. This might also explain why “the land of Hana” referred to in two of the letters of the late 13th century found at Dur-Katlimu would not be located in the Terqa district, but in a north-west Habur river region.
著者
寺本 潔
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.276, 2011

小学校からの地図、地球儀学習の必要性を提案する。とりわけ地球儀学習は重要である。地球儀には、多くの印字も見られ、アームやリングにも目盛が付けられている。これらの数字にいきなり入るのは、児童にとって難しい印象を与えるので避けたいが、見慣れている世界全図と地球儀を比べさせることから始めたい。そうすれば、描かれている大陸や海洋の形や大きさが違う、縦と横にいろいろな線が引いてあるが地球儀の線は曲がっている、地球儀だと回転できるので面白いなどと言った意見が出てくる。これらを丁寧に注視させたり、経線や緯線を指でなぞらせたりしながら、地球儀に親しんでもらうことが先決である。特に緯線は、「日本と同じ緯度にある国々はどんな国ですか?」「地球儀で眺めると暖かい土地や寒い土地、中ぐらいの気温の土地などがよくわかります。」「わたしたちの住む日本は、どの州に属していますか?自然の条件で呼ぶ『大陸』ごと、で分けるやり方と違って人間が住む土地の様子で呼び分ける『州』という呼び方で世界を分ける方法もあります。」などと解説して指導したい。州で世界を区分する内容は、教科書には載っていないが、現行の『地図帳』には掲載されている。世界の大陸名が記入してある地図と合わせて、アジアを中心にした西半球図とアメリカを中心にした東半球図という平面の地球図も用いながら、大陸や海洋の広がり、5つの州の名前、経線や緯線を扱うと良い。北回帰線や南回帰線という見慣れない用語も『地図帳』で目にするが、深入りは避けたい。もし児童が質問をしてきたら、「回帰線という線の真上に太陽が見える日があり、その日には真上から光が差すので立っている人の陰ができないのです。夏至の日には北回帰線に、冬至には南回帰線の真上から太陽の光が注ぐのです。」と説明する。地図や地球儀を扱える技能を明確に学力として位置づけるべきであろう。
著者
北條 芳隆
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.97-110, 2017
被引用文献数
1

<p>地理的情報処理技術の進展と天文考古学の導入によって,太陽の運行を見据えながら夏至の日の出に軸線を合わせた祭儀施設の存在や,火山の頂上に軸線を定める前方後円(方)墳の存在が指摘できる.これら新知見をふまえると,日本の古代社会は太陽信仰と火山信仰に依拠したことがわかる.このような遺跡と周辺景観の関係を重視する考古学の見方は,ジオパークの今後の展開にあたっても充分に活用可能である.</p>
著者
野上 道男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

魏志倭人伝は日本の地誌に関する最初の文書である.方位や里程の定義が示されていないので、記事の地名がどこに相当するかについて、様々な説がある.日本では倭(ヰ)国をワ国と読み、元祖ヤマト近畿説の日本書記がある.中国では随書の倭国伝・旧唐書の倭国伝・新唐書の日本伝に混乱した記述がある、江戸時代には新井白石/本居宣長(18世紀初頭/紀末)の研究があり、明治時代を経て皇国史観の呪縛を離れたはずの現在に至るまで、いわゆる邪馬台国論争として決着がついていない.そして現在では所在地論は大きく近畿説と九州説に分けられ、観光(町おこし)と結びついて、ご当地争いが激化し、学術的な論争の域を越える状況にある. 年代の明らかでない出来事の記述は歴史にならない.同様に場所を特定しない事物の記述は地理情報ではない.つまり、魏志倭人伝の読み方は全て場所の特定(方位と里程)から始まる.倭人伝は記紀と重なる時代についてのほぼ同時代文書である.そこに記述された歴史がどこで展開されたのか、これは古代史にとって基本的な問題であろう.&nbsp;主な要点は以下の通りである<br>1)記事に南とあるのはN150Eである.(夏至の日出方向)<br>2)倭及び韓伝で用いられた1里は67mである.(井田法の面積に起源があると推定)<br>3)古代測量は「真来通る」「真来向く」方向線の認定が基本である.<br>4)里程は全て地標間の距離である.<br>5)来倭魏使の行程記述には往路帰路の混同がある.<br>6)子午線方向の位置(距離)を天文測量で得る方法を知っていた.<br>7)邪馬台国は卑弥呼が「都せし国」である.<br>8)倭国の首都は北九州の伊都(イツ)国である.<br>