著者
青柳 宏亮 沢崎 達夫
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 = Mejiro Journal of Psychology (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
no.13, pp.23-34, 2017-03-31

心理療法やカウンセリングをはじめとする心理臨床において,ノンバーバル・コミュニケーションの重要性は学派を越えて広く認知されている。本研究では,心理臨床におけるノンバーバル・コミュニケーションに関する実証的研究を,①セラピストとクライエント間のノンバーバル・コミュニケーションを構成する各要素に着目し,それぞれの影響を検討する要素還元的アプローチ,②セラピストとクライエントの相互交流そのものを研究対象とするアプローチ,に大別して概観した上で,臨床理論的研究との関連を検討し,今後の研究課題について検討を行った。
著者
川崎 繁男 稲谷 芳文 成尾 芳博 三田 誠 丸 祐介 吉田 賢史 宮地 晃平 西川 健二郎 ITOH Tatsuo
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

無線情報エネルギー伝送技術を適用したICセンサタグのネットワーク化による宇宙機用安全監視システムを構築した。これは、ハイブリッド集積回路によるセンサICタグ、集積回路技術による小型基地局と制御、データ通信、および、無線電力伝送をコントロールするファームウェア等で構成された。システムを実現するため実験局免許も取得し、S帯2.45GHz・Zigbeeによるワイヤレスセンサネットワーク情報・データ通信に関わる情報伝達と、マイクロ波によるC帯5.8GHz無線電力伝送の両立を、再使用宇宙機RVTモデル機で検証し、完全ハーネスフリーの再使用宇宙機用ワイヤレス安全監視システムの実現性を実証した。
著者
濵名 元之
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学大学院研究論集 (ISSN:18836364)
巻号頁・発行日
no.14, pp.56-76, 2020-03-20

本稿では障害者に対する就労支援の観点から、特別支援学校高等部における進路指導実践に着目した。現在、発達障害を主とした障害の多様化が、知的障害を対象とする特別支援学校に対する教育的支援を中心としたニーズの多様化と深く結びついている。そこで、筆者はニーズの多様化が高等部生徒に対する現在の進路指導にどのような影響を及ぼしているのか、現状を把握するため、特別支援学校高等部の進路指導と特別支援教育に関する調査を実施した。生徒の「在学中」と「卒業後」の進路指導・支援を担う特別支援学校高等部の進路指導は、教育と福祉、就労支援という複数の要素が混在していることが把握できた。また、進路指導において中心的担い手となる者は「進路指導教諭」であった。この研究の調査内容と関連する文献を確認しつつ、特別支援学校高等部における進路指導は、在籍する生徒に対してこれまでいかなる役割を果たしてきており、今後、進路指導においていかなる専門性が期待されるのか、課題を探り検討と分析を行った。 なお、本稿は平成30 年度四天王寺大学大学院に提出した修士論文の一部を再編集し、大幅に加筆修正したものである。
著者
渕上 倫子 治部 祐里 小宮山 展子 林 真愉美 〓田 寛子 横畑 直子 松浦 康
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.871-879, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
16

焼きリンゴの軟化とペクチンあるいは多糖類の分解との関係について検討した.焼きリンゴを160℃~190℃において60分間加熱して調製したとき, ペクチンと多糖類の水溶性画分は生リンゴのそれらに比べて増加した.一方, ペクチンと多糖類のシュウ酸塩可溶性画分は生リンゴのそれに比べて減少した.このように, 焼きリンゴの組織の軟化は不溶性ペクチンと不溶性多糖類が可溶性になることによって起こるものと考えられる.ゲル濾過やDEAE-トヨパールクロマトグラフィーの結果によれば,ペクチンと多糖類は低分子化しており,これらの低分子化は主として高温下, 弱酸性の条件においてリンゴ酸の作用による加水分解によるものであり,β-脱離反応による影響は少ないことを明らかにした.
著者
TODD P. M.
雑誌
Proceedings of the Second European Conference on Artificial Life (ECAL'93), Brussels, Belgium
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1048-1059, 1993
被引用文献数
1
著者
澤田 昌人
出版者
山口大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

エフェ・ピグミーの夢とその解釈についてこれまでに得られた資料および、文献を検討して、現在までに以下の知見を得ることができた。1.夢に見られるさまざまな事象について、その象徴的な解釈の体系が存在する。それらは主に人の死の予兆とされており、エフェ・ピグミーの深層心理において人の死がしめる意義の大きさを示唆している。2.上記以外に、狩猟の結果の予兆とされる夢が多く、現実に狩猟などをおこなう際の意志決定の判断材料とされている。これはエフェ・ピグミーにおける夢と現実の密接な関係を示している。3.夢には亡くなった故人が登場することが多く、これがエフェ・ピグミーの死生観を裏付ける結果となっている。エフェ・ピグミーは死後もなお、熱帯雨林の奥深く生前と同じ生活様式で暮らし続けるのであるとの考えを持っているのである。つまり、彼らが先祖の生活を今なお墨守する根拠を、夢が与えているのである。4.また夢に現れる故人は、エフェ・ピグミーの文化的な中核である歌を教えてくれるほか、狩猟のための毒矢の製法など、現実の生活を送るためのさまざまな智恵を与えてくれるとされる。3.で述べたこととあわせると、彼らの夢は現実生活の送り方と、さらにその改良の方策までをも指示するのである。5.以上のように、エフェ・ピグミーにおいて夢は、世界観的、宗教的な意義を持つとともに、生者の生活の多くの側面に決定的な影響を与えており、夢は、エフェ・ピグミーの心性を理解するための重要な鍵であることがわかる。これらの知見のいくつかは、世界の狩猟採集民研究においても従来指摘されなかった点であり、その世界観の研究に寄与するであろう。現在上記のテーマについて、論文を執筆中であり、近いうちに発表する予定である。
著者
榎戸 芙佐子 平口 真理 高木 哲郎 中川 東夫 渡辺 健一郎 今井 昌夫 渡辺 多恵 地引 逸亀 鳥居 方策
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.453-461, 1999-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
42

神経性食欲不振症(AN)のまま2児を出産した珍しい症例を経験したので, その長期の経過を内外の報告を参照して報告した.症例は高校1年, 48kgあった体重が39kgに減り無月経となり発症した.高校3年時, 26kgとなり約1年間当院に入院した.入院中に強迫症状が認められた.25歳で結婚し専業主婦となり, 26歳時に体重35.5kgで2,076gの女児を帝王切開術にて出産した.29歳時に体重37kgで月経が戻り, 30歳時に体重32.5kgで1,814gの女児を出産した.その後も体重は32〜34kgで推移し, 強迫的な生活態度, 無月経, 食事の制限は持続している.2人の子どもは元気であるが, 体力不足で十分な育児ができないと嘆いている.
著者
大屋 雄裕
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

情報化が国家の統治システムと個人の主体性に及ぼす影響について理論的検討を行なった。特に、監視システムの社会への浸透と相互結合が自己決定的な個人のあり方にどう影響するかを分析した。国家による監視の量を個人の自由と直結させる従来の一次元的モデルを批判し、国家・個人と中間団体の相克関係が監視社会論について持つ意義を明らかにするとともに、個人の自律性に対して重要な分析枠組としての事前規制/事後規制という区分を確立した。
著者
佐々木 史之 浅野 幹也
出版者
環太平洋大学
雑誌
環太平洋大学研究紀要 = BULLETIN OF INTERNATIONAL PACIFIC UNIVERSITY (ISSN:1882479X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.183-186, 2020-03-31

本研究は,大学生を対象にポジティブ・ネガティブ感情,楽観・悲観性,ホープについて調査し,体育会所属学生の感情に特徴的なものがみられるかを検討した。その結果,次のことが示唆された。1.体育会所属者は,体育会非所属者より楽観性やホープが高い傾向にある。2.体育会所属者の中で,全国大会上位レベルの者は,地方大会出場レベルの者よりも楽観性が高い傾向にある。

1 0 0 0 OA 大東亜時局語

出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
1944

1 0 0 0 OA これこれ草

著者
加藤正得//著
出版者
巻号頁・発行日
vol.初編巻上,
著者
古本 太希 浜田 大輔 片山 綾音 松井 祐 川村 由佳 友成 健 加藤 真介 西良 浩一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.531-539, 2020 (Released:2020-12-18)
参考文献数
31

【目的】人工膝関節全置換術(以下,TKA)後患者の階段降段動作では,同年代健常者の遠心性膝関節伸展モーメントを再現できているのかを明らかにすること。【方法】対象は,術後1 年以上経過し降段動作が1 足1 段様式で可能なTKA 群8 例と同年代高齢者である健常群10 例とした。降段動作解析は,三次元動作解析装置と床反力計を用いて矢状面の関節角度,関節モーメント,関節パワーと表面筋電図にて下肢筋活動を計測した。主要な計測項目である膝関節伸展モーメントの第1 ピークの立脚前期(20%)と第2 ピークの立脚後期(80%)ですべての計測データを比較した。【結果】TKA 群の降段動作時の遠心性膝関節伸展モーメントは,立脚前期および立脚後期のいずれも健常群よりも有意に低かった。【結論】TKA 後1 年経過しても階段降段動作では,同年代健常者の遠心性膝関節伸展モーメントを再現できていなかった。