著者
高田 宜美
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.10-20, 1994-01-31 (Released:2011-09-21)

薬学図書館には33巻4号に図書館員のための基礎英語 (1) 英文手紙の書き方と34巻1号に (2) カウンターにおける英会話を2回にわたり執筆した。(1) では図書館において日常目に触れる英文手紙のサンプルをあげ解説した。(2) では大学図書館, 企業の研究所や病院の図書館 (室), 情報センター等のカウンターにおいて留学生, 外国人研究者や訪問者との基本的な会話のサンプルをあげた。今回, 再度前回触れなかった点, 書き加えたい点, 編集者の要望事項を含めて執筆依頼を受けた。今回は約5年を経て図書館を取り巻く環境も大きく変化したので, 特に, カウンター業務を行う初心者が英語で質問された時に対応しなければならないオンライン検索, CD-ROM検索の申込, 料金の説明, Faxによる文献複写の申込, 送付等を中心に出来るだけ簡単で短い会話のサンプルをあげるが, 編集者の希望で前回の内容と一部重複するところもあるのでご了承いただきたい。最後に肯定的, 否定的な応答の仕方, 婉曲的な断わり方, あいつちの仕方等いくつか覚えておけばスムースに話せると思われる短い文章をあげておいたので参考にしてほしいと思う。
著者
中村 幸代
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_3-1_11, 2008-03-20 (Released:2011-08-30)
被引用文献数
8 10

目的:冷え症を苦痛に感じている妊婦は多いが,冷え症に関する研究は少ない.本研究は,冷え症の自覚がある妊婦の体温および,妊娠中の随伴症状や日常生活行動の特徴の実態を分析する.方法:妊娠20週以降の妊婦230名を対象とし,体温測定と質問紙調査を行った.調査時期は2005年6~7月と11月である.結果および結論:1.冷え症の有無において,前額部温と足底部温の温度較差は有意差が認められた(6~7月:2.0℃ vs 0.6℃,11月:5.2℃ vs 2.4℃).つまり,冷え症の自覚は温度較差を反映していた.2.冷え症の自覚と冷え症を判断する基準(寺澤)の一致率は80.9%と高値であった.つまり,どちらでも,冷え症を判断する指標となり得ることが示唆された.3.前額部温と足底部温の温度較差は,季節による影響が強く,外気温が低くなれば温度較差も大であった.また,自分が冷え症であると感じている妊婦の割合は6~7月では67.7%,11月は66.0%で,季節による影響はなかった.4.構造方程式モデリングより,「深部温温度較差」は「冷えの認識」に影響を与えており,「冷えの認識」は「冷えに関連した妊娠に伴う症状」に弱い影響を与えている.さらに「冷えに関連した妊娠に伴う症状」は「不規則な生活」から直接的な影響と,「陰性の食品の摂取」を介した間接的な影響を受けている.
著者
倉本 宣 永井 敬子
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.455-460, 2002-03-30
参考文献数
18
被引用文献数
6 9

桜ヶ丘公園雑木林ボランティアの活動10周年にあたって, ボランティアの自己評価のために, 活動内容と組織形態に対する意識をアンケートによって検討した。活動内容については個人としての評価と活動全体としての評価を比較した。組織形態については理念としての評価と機能としての評価を比較した。活動内容については植生管理と調査は個人としての評価よりも活動としての評価の方が高かった。この結果は, 雑木林ボランティアの現状と対応していた。組織形態については, ボランティアは対等であることの評価が高かった。ボランティアが自分で考えることは機能としての評価が低かった。集団による作業では自分で考えることがむずかしい場合もあると考えられる。
著者
鎌田 龍太 渡邊 亮
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.92-99, 2019 (Released:2019-02-19)
参考文献数
13

A railway crew scheduling problem is an assignment problem of crews for a given operational schedule under the constraint on labor regulations. In this paper, we discuss an automatic railway crew scheduling method based on numerical optimization for a large-scale and complex railway route with branch lines and multiple bases. The proposed method makes the crew schedule automatically using step by step optimization based on a partial pairing, an elastic embedded set partitioning problem and a graph partitioning.
著者
平田 純生
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.863-867, 2015 (Released:2018-08-26)
参考文献数
8

実際の例を示して,それに基づき本稿の重要性についての解説を進めたい.腎機能の評価ミスにより投与設計を誤ったメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant staphylococcus aureus:MRSA)感染症症例有料老人ホームに長期入居の男性(年齢90歳,体重37.7kg,身長150cm)が体調不良を訴え入院.入院時検査値は血清クレアチニン(Cr)0.34mg/dL,血中尿素窒素(BUN)5.1mg/dL,血清アルブミン1.7g/dLで,MRSA敗血症と診断され,尿中排泄率90%のバンコマイシンの投与設計を行った.日本人向け糸球体ろ過量(GFR)推算式では正常値は100mL/min/1.73m2であるが本症例では推算GFR(eGFR):mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287=173.6mL/min/1.73m2のような高値が算出された.しかし上記eGFRの値の単位はmL/min/1.73m2であり,体表面積補正をしていないことから,薬物投与設計に用いるべきではない.そのためDu Boisの式を用いて体表面積を算出すると体表面積(BSA:m2)=体重(kg)0.425×身長(cm)0.725×0.007184=1.27m2となり,173.6mL/min/1.73m2を1.27m2で補正を外すと127.4mL/minと算出された.この腎機能を用いて解析ソフトで計算すると定常状態の血清バンコマイシン濃度の最低血中濃度(トラフ値:次回投与前濃度)は15μg/mになるはずであったが,実測値は28μg/mLと高値になり,バンコマイシンによる腎障害により,血清Cr値が7.6mg/dLに上昇し透析導入が必要になった.実はこの症例は腎機能の見積もりを誤ったために薬剤性腎障害を来したと考えられる.腎排泄性薬物の投与設計には薬物の尿中排泄率と患者の腎機能が必要であるため腎機能の正確な把握は,中毒性副作用を減らすためにも,薬物投与設計上の基本と言える.上記症例のような誤りを起こさないためにも,腎機能を正しく把握するコツと理論について以下に記載する.
著者
西 智菜美 安藤 大地 向井 智彦
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.581-582, 2020-02-20

花火などの観賞機会が少ないものに関しては、観賞できるスポットを事前調査したいという需要が大きい。そこで本研究では、ユーザーのニーズに応じて静かな場所、子供でも観賞できる場所など、複数の花火鑑賞スポットを自動提案するシステムを開発する。提案法では、まず、実在の町や地区を模した多くの建物を3次元仮想空間内に構築する。次に、レイトレーシング法を用いて、建物に遮蔽されない鑑賞候補地点を検出する。そして、それらの候補点に対して距離や騒音の有無などの情報を付加する。ユーザーはそうした情報を確認しつつ好みの地点を選択することで、花火の見え方を3次元空間内で擬似的に確認できる。
著者
池田 裕子
出版者
教育史学会
雑誌
日本の教育史学 (ISSN:03868982)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.058-070, 2016 (Released:2017-04-03)
参考文献数
36

This paper analyzes agricultural education in Karafuto through an examination of the reorganization of the Karafuto Prefecture Colonial School established in 1934.This colonial school was the first prefectural school to offer vocational education. It was modeled on the private educational institution run by Yokoo Sosaburo, the first minister of Agriculture and Forestry in Karafuto. The purpose of this school was to provide an education to nurture middle-class farmers; hence it focused on the teaching of practical skills in agriculture in the subarctic zone as well as preparing students mentally for the region’s harsh labor conditions.In the first year, it fulfilled the minimum quota of students but in the following years it did not succeed in doing so. The two main reasons are: 1) the overemphasis on the teaching of practical skills, a fact that made it difficult to educate farmer leaders; and 2) Karafuto agriculture did not receive sufficient government subsidies to withstand the harsh labor conditions. IN an attempt to change this situation, Karafuto Prefecture promoted this school to an ‘official’ vocational school in 1939. With this reorganization, the school’s purpose shifted from its initial role of promoting social mobility through the teaching of practical agricultural skills to training middle-class farmers to be farmer leaders.The colonial school was established as an institution that, different from the modern schools that focused on the teaching of theoretical knowledge, prioritized the teaching of practical skills in agriculture; nevertheless it is possible to say that this type of ‘special’ vocational school was not perceived as providing a more attractive education than ‘official’ vocational schools.

1 0 0 0 OA 新年3つの希望

著者
尾身 茂
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.439-440, 2020-02-28 (Released:2020-03-05)
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.389, pp.38-41, 2017-02

「祖母の松子は、子供を背負って自ら営業活動をするなど創業時から祖父を献身的に支え続けた。2代目となる4人の息子たちの結束を固める上で大きく貢献したのも祖母だと思う」(3代目の中島基善社長=上写真)。 松子氏は、息子たちが幼い頃から毛利元就の「…
著者
大谷 正幸
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1, pp.27-52, 2016 (Released:2017-07-03)

食行身禄(本名は小林某、一六七一―一七三三)は筆者が角行系と呼ぶ富士信仰一派の五世代目にあたる行者である。彼の二番目の著作『一切の決定讀哥』(一七三二成立)は、歌集であり、また六十・六一歳の時点における富士信仰の行状を自ら記したものである。彼の師・月行は元禄元年(一六八八)六月十五日に世界の支配が従来の記紀神話的な神々から自らの神・南無仙元大菩薩様へ移譲されたと言い、「身禄の世」なる神代が始まったとした。それから四十年余り経って、食行は彼の世界観や歴史説を敷衍した『一字不説お開みろく之訳お書置申候』を著した。老境に達した食行は新たに富士山頂にて「身禄の御世」を開き、その翌年に「一切の決定」と称する富士登山を行う。 本稿は富士信仰研究史において全く研究されたことがない『一切の決定讀哥』を新たに翻刻し、その上で理解しやすいよう分科しつつキーワード「決定」について考察する。
著者
小原 嗣朗 武藤 範雄 KOHARA Shiro MUTO Norio
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1_B, pp.379-402, 1977-03

グラファイトノズルとFRPノズルの長所を合わせた性質をもつノズルとして,グラファイト-FRP積層材ノズルの研究を進めた。グラファイトおよびFRPの性質に関する基礎的な研究を行った後,小型の積層材ノズルを作り,テストスタンドで燃焼実験を行った。各種の推薬を用い,種々な条件における燃焼実験を繰返して,実用に供し得る程度の性能をもつ積層材ノズルを開発した。