著者
小田原 幸 坪井 康次
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.243-247, 2018 (Released:2018-04-01)
参考文献数
7

行動医学は, 健康と疾病に関する心理・社会学的, 行動科学的および医学生物学的研究を進め, これらの知見を統合のうえ, 疾病の予防, 病因の解明, 診断, 治療およびリハビリテーションに適用することを目的とする学際的医学といわれている. その代表的な介入方法である行動変容技法は, 複雑ないくつもの要素から構成され, 同一の行動変容テクニックが異なるラベルで報告されている. そのため, 行動医学的介入の再現性や臨床現場での適用性, システマティックレビューを通じた知見の統合が困難になっている. 本稿では, 行動変容技法をはじめ, 行動医学が社会の健康増進にどう活かせるか考えることを目的とした.
著者
藤永 智也
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.147-151, 2016 (Released:2016-02-23)

超高齢社会を迎え,我が国の医療計画として在宅医療への推進が重要視されている.薬学教育が6年制に移行したことや実務実習が5か月あることから,薬学教育もより高度になりつつある.在宅医療の現場でも薬剤師の薬学的知識が求められていると考えられ,ハザマ薬局では6店舗で計34か所の施設(有料老人ホーム,介護付有料老人ホーム,グループホーム)の薬の管理を担当している.当薬局の在宅業務では,医師,薬剤師,看護師および介護スタッフなどとの多職種連携を構築することで,質の高い薬物治療を提供している.また,薬剤師による居宅療養管理指導のみならず,医師の訪問診療同行も積極的に実施している.高齢者薬物療法は加齢とともに複数の疾患を合併することが多く,多剤併用に陥りやすい状況にあり,重複投与,薬物間相互作用のリスクが問題となっている.在宅医療における薬物治療は残薬問題,多剤併用,医薬品適正使用の推進などの課題が多く,最近では残薬の問題がメディアに大きく取り上げられている.本稿では筆者が行っている在宅医療業務や症例を紹介しながら,在宅医療における医薬品の適正使用について考えたい.
著者
三田村 宗樹 中川 康一 升本 眞二 塩野 清治 吉川 周作 古山 勝彦 佐野 正人 橋本 定樹 領木 邦浩 北田 奈緒子 井上 直人 内山 高 小西 省吾 宮川 ちひろ 中村 正和 野口 和晃 Shrestha Suresh 谷 保孝 山口 貴行 山本 裕雄
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.179-188, 1996-07-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
19
被引用文献数
1

1995年兵庫県南部地震は,阪神地域に甚大な被害を生じさせた.阪神地域は都市化の進んだ場所で,人工的な地形改変が多くの場所で行われている.しかし,現在の地形図上では,その箇所が不明確であるため,過去の地形図との比較から人工改変地形の抽出を行ったうえで被害分布との関連を西宮・大阪地域について検討した.大阪地域では,基盤断層の落下側に被害が集中する傾向があり,基盤構造との関連性が存在することを指摘した.これについては,既存地下地質資料をもとにした地震波線トレースのシミュレーションの結果から,地震波のフォーカシング現象がかかわっているとみている.結論として,日本の大都市の立地する地盤環境は類似し,地震災害に関して堆積盆地内の厚い第四紀層での地震動増幅,伏在断層付近でのフォーカシング,盆地内の表面波の重複反射よる長時間震動継続,表層の人工地盤や緩い未固結層の液状化など共通した特性を有していることを指摘した.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.446, pp.139-141, 1998-06-22

97年夏に大流行した「マクロ・ウイルス」騒動から1年。コンピュータ・ウイルス対策ソフトは,今やパソコンに欠かせない"必須アイテム"として,企業ユーザーにもすっかり定着した。このウイルス対策ソフトの分野で代表的な製品の一つが,トレンドマイクロ(東京都新宿区)の「ウイルスバスター」である。
著者
佐々木 ゆき 岡田 準人 下村 孝
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.157-162, 2004-08-31
参考文献数
24
被引用文献数
8 11

緑化された屋上の景観要素の違いが,屋上利用者に及ぼす心理的効果を明らかにするために,屋上パノラマ画像を用いたSD法による景観評価実験を行った。因子分析の結果,緑化された屋上の景観評価構造として,心理的,眺望体感的,自然認知的,屋上認知的,および視覚的評価因子の5因子が解釈された。因子得点を用いて,屋上およびその周辺の景観要素の違いが,屋上利用者の心理的評価に及ぼす影響を調べた結果,屋上パノラマ画像に占める緑視の割合が増加(相関係数R=O.627,有意確率p=0.016)あるいは周辺建物の割合が減少(相関係数R=-0.707,有意確率p=0.005)するに従って,心理的評価が高くなった。
著者
格内 敏 厳 希哲 坂本 亨 村上 惇 池田 大作 藤原 紘郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
関西支部講演会講演論文集 2000.75 (ISSN:24242756)
巻号頁・発行日
pp._11-53_-_11-54_, 2000-03-16 (Released:2017-06-19)

Various implants are employed to provide osteosynthesis of the trochanteric fracture of femur by providing mechanical fixation. However, pain due to the stress concentration in the bone and new fracture are caused, when the implant does not physically suit the patient. The purpose of this study is to compare the mechanical properties between fixation implant devices of differing design by holographic interferometry.
著者
古澤 之裕
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.15-22, 2017 (Released:2017-01-31)
参考文献数
34

腸内細菌は宿主の免疫系の成熟を促進する一方で,腸内細菌に対する過剰な免疫応答は消化管における慢性炎症の発症の原因となる.こうした病理的な炎症を防ぐため,腸管には免疫抑制能をもつ制御性T細胞(以下,Treg細胞と略)が多く存在している.クロストリジウム目細菌をはじめとして,ある種の腸内細菌には炎症やアレルギーを抑えるTreg細胞を誘導する能力があることが報告されていたが,その分子機構については不明であった.腸内細菌は食物繊維を分解し,多種多様な代謝物を産生していることから,代謝産物の中にTreg細胞誘導に寄与するものがあるのではないかと推測した.そこで,メタボローム法により網羅的な代謝産物の解析とスクリーニングを実施したところ,Treg細胞誘導作用を有する代謝産物として酪酸を同定した.さらに,酪酸は,T細胞のDNAのうち,Foxp3遺伝子の発現調節領域におけるヒストンアセチル化を促進し,Treg細胞への分化を促すことを明らかにした.このようなヒストンやDNAの化学修飾を介した遺伝子発現調節機構はエピゲノム修飾と呼ばれている.腸内細菌によって産生される酪酸は,ヘルパーT細胞のエピゲノム修飾状態を変化させることでTreg細胞を分化誘導することが明らかとなった.酪酸をマウスに与えると,大腸におけるTreg細胞の数が顕著に増加し,実験的大腸炎を抑制したことから,酪酸は腸管の免疫恒常性維持に寄与することが明らかとなった.さらに,宿主側において,腸内細菌定着に応答してTreg細胞の誘導と増殖を制御する因子の探索を試みた.まず初めに,Treg細胞の増殖誘導に必要な分子を同定するため,無菌マウスと腸内細菌を定着させたマウスの大腸Treg細胞の遺伝子発現パターンを網羅的に解析した.その結果,腸内細菌の定着により大腸Treg細胞特異的に発現上昇する遺伝子としてDNAメチル化アダプターであるUhrf1を同定した.T細胞特異的にUhrf1を欠損したマウスを作出したところ,大腸Treg細胞の増殖能および免疫抑制機能の顕著な低下が観察され,その結果,全てのマウスがクローン病(炎症性腸疾患の1つ)に類似した慢性炎症を発症することを見出した.Uhrf1は,標的となる遺伝子領域にDNA維持メチル化転移酵素をリクルートすることでDNAメチル化の維持に寄与する.ゲノムワイドなDNAメチル化解析などの結果から,Uhrf1は細胞周期制御因子であるCdkn1aのプロモーター領域のDNAメチル化を促すことで,その発現をエピジェネティックに抑制し,Treg細胞の増殖をサポートしていると考えられる.本研究より,腸内細菌の定着は,宿主ヘルパーT細胞のエピジェネティクス修飾を促し,大腸Treg細胞の分化,増殖および機能成熟をサポートすることで,腸管免疫系の恒常性を維持していると考えられる.
著者
福原 敏男
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
no.50, pp.p137-177, 1993-02
被引用文献数
1

細男(人間が演ずる芸能と傀儡戯)は日本芸能史上の謎の一つである。従来は九州の八幡宮放生会の視点より理解され、九州より近畿に伝播したという暗黙の理解があった。それに対して本稿では、人間の芸細男は奈良・京都の大寺社における芸能構成の一つとして成立した、とみる。東大寺では九世紀末、京の御霊会では一一世紀にみられ、一二世紀には白面覆と鼓の細男が確認できる。春日若宮祭礼でも平安期より祭礼に登場している。宇佐八幡宮放生会には、近畿より人間芸細男が伝播し、元寇撃退の神威発揚を象徴する儀礼として神話的に意味付けらた。これは八幡縁起や縁起絵の変貌と軌を一にするものであった。柞原八幡や阿蘇の細男は宇佐より伝播した。大鳥社・諏訪社・杵築社へは、一宮・国衙型祭祀の一環として伝播した。一方、鎌倉期には石清水八幡宮を中心に傀儡戯の細男が確認できる。それは大山崎神人が勤める日使頭祭において演じられ、二体の傀儡(武内と高良神)の打ち合わせである。鎌倉期の宇佐放生会にも傀儡戯が存在したが、これは細男とは認識されていない。宇佐の傀儡や細男は百太夫を祀った。柞原八幡の細男は傀儡戯ではないが、ここにも傀儡の痕跡があり、善神王や武内が傀儡の神であった。細男と傀儡とは不可分の関係であり、人間芸の細男舞は傀儡神を和ませる意味をもっていたといえる。宇佐の放生会頓宮における夷社や柞原八幡の浜殿における善神王や武内大神は、放生会に立つ市・市神としての夷・夷を斎く傀儡の関係を象徴している。Sei-no-o, a dance performed by human being and marionette, is one of the riddles in the history of Japanese performing art. Conventionally, Sei-no-o has been understood from the viewpoint of Hōjōe (ceremony in which captured animals and fish are released to mountains, fields, ponds, rivers, etc. on the basis of Buddhist thought) at the Hachiman Shrine in Kyūshū, and there was an implicit understanding that it was transmitted from Kyūshū to the Kinki District. In contrast to this understanding, the author considers that Sei-no-o performed by human beings came into being as one of the artistic elements at large temples and shrines in Nara and Kyōto. Sei-no-o dates back to the end of the 9th century at the Tōdai-ji Temple, and to the 11th century at the Goryōe (ceremony to placate revengeful spirits) in Kyōto. The existence in the 12th century of Sei-no-o with a white mask and a drum has been proven. At the Wakamiya Festival of the Kasuga Shrine, Sei-no-o appeared at festivals from the Heian period on. In the Middle Ages, Sei-no-o was also seen at the Hōryū-ji Temple.The Sei-no-o performed by human beings was transmitted from the Kinki District to the Hōjōe of the Usa Hachiman Shrine, where it was given a mythological significance as a ceremony symbolizing the enhancement of divine prestige after the repulsion of the Mongol invasions. It followed the same pattern as the transformation of the Hachiman Engi (History of the Hachiman Shrine) and its illustrated history. Sei-no-o was also transmitted from Usa to Yusuhara Hachiman and Aso. It was transmitted to Ōtori, Suwa and Kitsuki Shrines as a part of the religious rites of the first-local-shrine and local-government type.On the other hand, the existence of Sei-no-o performed by a marionette in the Kamakura period centering around the Iwashimizu Hachiman Shrine can be proven. It was performed by two marionettes (Takeuchi and Korashin) at the Hinotō Festival served by Oyamazaki Jinin (subordinates at the shrine of Oyamazaki). Marionette performances also existed at the Hōjōe of Usa in the Kamakura period, but these are not recognized as Sei-no-o. The marionette performances and Sei-no-o of Usa were dedicated to Hyakudayū (guardian deity of marionette players). The Sei-no-o of Yusuhara Hachiman Shrine is not a marionette performance, either ; however, traces of marionette performance do remain, and Zenjinō and Takeuchi were the gods of marionette players. Sei-no-o and marionettes were inseparably related to each other, and it can be said that the Sei-no-o dance by human beings had the meaning of placating the gods of marionettes. The gods Zenjinō and Takeuchi Okami (the great god of Takeuchi) at the Ebisu Shrine in the Tongu (temporary shrine) of the Hōjōe of the Usa Hachiman Shrine, and at the Hamadono of the Yusuhara Hachiman Shrine, symbolize the relationship between the market established at the Hōjōe, Ebisu as the god of commerce, and the marionettes that serve Ebisu.
出版者
日経BP社
雑誌
日経automotive
巻号頁・発行日
no.65, pp.58-63, 2016-08

2016年6月18日、欧州や日本で電子ミラーが解禁となった。ドアミラーやルームミラーの代わりに、カメラとディスプレーで周囲を確認する新技術だ。いよいよ量産車に搭載できる土台ができた。「期待は非常に大きい。

1 0 0 0 OA 国語学通論

著者
小林好日 著
出版者
弘文堂書房
巻号頁・発行日
1944
著者
深田 久
出版者
地盤工学会
雑誌
地盤工学会誌 = / the Japanese Geotechnical Society (ISSN:18827276)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.30-31, 2010-01-01
参考文献数
25

1 0 0 0 OA 藝海珠塵

著者
清呉省蘭輯
出版者
呉氏聽彝堂刊
巻号頁・発行日
vol.土集第49册, 1000
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.423, pp.103-123, 2017-09

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