著者
楊 学虎 冨永 茂人 平井 孝宜 久保 達也 山本 雅史
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.227-234, 2009
被引用文献数
2

タンカン果実の連年安定生産技術改善のための基礎的知見を得るために,'垂水1号'を供試して,果実発育,着色,果汁成分,砂じょうの発育および呼吸活性の時期別変化を調査した.果実は7~12月にかけて旺盛に肥大し,それには7~11月にかけての砂じょう重の増加が大きく寄与していた.12月以降,果実肥大は低下した.じょうのう当たりの砂じょう数は7月には収穫時とほぼ同数であった.砂じょう長は8~2月まで緩やかに増加した.砂じょうの呼吸活性は7~11月にかけて急速に減少し,11月以降はほぼ一定であった.果皮の着色は10月から始まったが,果肉の着色より遅れた.糖度(Brix)は10月から増加し,それは主要糖であるスクロースの増加によるものであった.グルコースとフルクトースの含量は低かったが,収穫直前にわずかに増加した.滴定酸含量は8月に最高値を示した後,12月まで急激に減少した.12月以降は1%前後で推移した.滴定酸含量は果汁中で90%以上を占めるクエン酸の変化と一致した.クエン酸以外にリンゴ酸が検出されたが,リンゴ酸含量は終始低かった.<br>

1 0 0 0 OA 朝暾集

著者
貴志忠美 [著]
巻号頁・発行日
vol.[21], 1800
著者
高﨑 宏寿 黒須 啓如 佐久間 光 澤登 悠 粕川 峻比古 佐藤 将
雑誌
玉川大学農学部研究教育紀要 (ISSN:24322164)
巻号頁・発行日
no.1, pp.43-51, 2016-09-01

多摩丘陵の一角に位置する玉川学園構内は緑が多く里山としての機能も有している。この様な環境の中で数種の哺乳動物の目撃が報告されているがその実態は明らかにされていない。本調査は赤外線自動カメラを使用し、それらの哺乳動物の出現様式を調査した。その結果、生息している主な哺乳動物はホンドタヌキ・ハクビシン・アライグマおよびノラネコであった。ホンドタヌキは調査期間中毎月出現し、ハクビシン・アライグマは8月から11月にかけて出現した。ホンドタヌキの出現時間帯は夜間が最も多いが、人の出入りの少ない個所では日中でも確認された。ハクビシン・アライグマは夜間のみ確認されたが、ホンドタヌキがみせた2回の出現ピークとはズレがあった。 これらのことから、学園内の野生哺乳動物の3種は日中、人間とは極力出会わないように活動し、また、3種間においてもあまり接触しないように行動することで人間も含め互いに共存を図りながら生息していることが明らかになった。
著者
玄田 有史
出版者
学習院大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

労働者の労働意欲を高め、企業内への定着を促す為の誘因システムとして、日本の退職金制度がどのような機能を果たしているかを考察した。分析は、主に二つの内容からなる。一つは、情報の経済理論モデルを用いて、自就職時の労働需給状況と退職の際の自己都合退職金と会社都合退職金の差額との関係を分析した。経済理論的には、労働のインセンティブを高める為の長期契約には、供託金の労働者と企業間での授受によるもの(供託金仮説)と、企業が労働者に一定期間勤続後の退職には一定のプレミアムを含めた支払を行うもの(効率賃金仮説)の二つの種類が考えられる。これらの理論を退職金制度に応用した結果、次のことが明らかになった。供託金仮説が妥当であるときには、経済に発生する失業はすべて自発的な失業であり、需給逼迫時に就職した労働者ほど、退職時の二種類の退職金の差額は小さくなる。一方、効率賃金仮説が妥当であるときには、経済に非自発的失業が発生し、需給逼迫時に就職した者ほど二種類の退職金の差は大きくなる。もう一つの分析内容は、先の理論仮説についての実証研究からなる。実証分析には、中央労働委員会『退職金・年金事情調査』と労働省職業安定局統計を用いた。分析方法は、製造業の各産業について、被説明変数を二種類の退職金の差として、説明変数の中に就職時の雇用充足率を含め、その変数の最小自乗推計量を用いて行った。その結果、日本の製造業の退職金制度には供託金制度の妥当性を支持する結果は得られなかった。一方、繊維産業や機械産業などの製造業の退職金制度については、効率賃金仮説を支持する結果が得られた。これから、日本の労働者の動機付け、将来のプレミアムの支払らわれる可能性を通じて行われており、その結果日本の失業者には非自発的な失業者も含まれていることが分かった。
著者
清兪浩撰
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.[7], 1847
著者
Ken-ichiro Suehara Takaharu Kameoka Atsushi Hashimoto
出版者
The Illuminating Engineering Institute of Japan
雑誌
Journal of Science and Technology in Lighting (ISSN:24323225)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.12-21, 2018-03-20 (Released:2018-03-26)
参考文献数
33
被引用文献数
3

To construct a simple optical sensor for measurement of the sugar content in an aqueous solution, a bent optical fiber was used as the sensor. The attenuation ratio, i.e., the differences in the light intensity through the bent optical fiber when the sensitive part (bent part) was soaked in a reference material and sample solution, was closely related of the solute content in the samples. However, slightly difference in the light intensity were observed in the practical application because the sugar content in foods and other bio-systems was much lower than that in the tested samples. Therefore, we constructed a sensor system using a light emitting diode (LED), photo diode (PD) and simple electronic circuit as a differential amplifier. As a result, measurement of the sugar content ranging from 0 to 30 g/dm3 was successful and excellent agreement between the FT-IR method as the conventional method and the sensor method using an operational amplifier (OP-amp) was observed. In addition, the time courses of the sugar content and the uptake rate of plant cells were able to be calculated during the cultivation process. The process monitoring for the fermentation process management will be possible by using this sensor. These results suggested that the developed sensor using a bent optical fiber is applicable as a simple and disposable optical sensor.
著者
鎌田 徹朗 橋本 剛
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.167-171, 2016-10-28

StarCraftはRTS(Real-Time Strategy)ゲームの中でも特に人気のシリーズであり,多くのプロが存在している.現在までに,プロより強いAI開発を目標として様々な研究が行われているが,AIはプロに対して0勝15敗と惨敗しており,プロのレベルには遠い.本研究ではより効率的なAIの強化を考え,StarCraftの作戦に注目し,深層学習を用いた対戦相手の作戦予測手法を提案する.

1 0 0 0 OA 花袋集

著者
田山花袋 著
出版者
左久良書房
巻号頁・発行日
vol.第2, 1909
著者
渡部 達 福家 辰樹 田島 巌 野村 伊知郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.1541-1547, 2013-11-30 (Released:2017-02-10)

今回,我々は蛋白漏出性胃腸症を伴う消化管アレルギーを呈した乳児例を経験したので報告する.症例は5カ月の女児である.2320gの低出生体重児で,完全母乳栄養で育ち,成長発達に異常は認めなかった.生後55カ月頃に暇吐,下痢を主訴とした胃腸炎の診断で入院した.入院時に全身浮腫,胸腹水,血便を含む消化器症状を認め,低アルブミン血症,低ガンマグロブリン血症の状態でCRPも高値であった.消化管アレルギーが原因と考え,診断的治療として新生児乳幼児用成分栄養剤(エレンタール[○!R]P)の摂取を開始した.その後症状は改善したが3週間後に症状が再燃した為,国立成育医療研究センターに入院となった.消化管内視鏡検査では大腸に多発する輪状発赤斑を認め,生検組織検査では盲腸から直腸にかけて中等度の慢性炎症性病変を認めた.臨床経過とあわせてエレンタール[○!R]Pによる消化管アレルギーと診断された.アミノ酸調整乳(エレメンタルフォーミュラ[○!R]に変更して症状は改善し,成長・発達を含めた経過は順調である.近年注目されている本疾患について若干の考察を加えた.
著者
有馬 優子 岩田 賢治 濱崎 洋一郎 片山 一朗
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.63-65, 2001
被引用文献数
4

55歳の男性。カルバマゼピン(テグレトール<sup>®</sup>)とハロペリドール(ハロステン<sup>®</sup>,セレネース<sup>®</sup>)の内服開始後に発赤,水疱が出現しておりその両方を原因薬剤と疑った。貼布試験で両者は陽性反応を示し,組織学的にも初診時と同様の皮疹を誘発できたため,この2剤を原因薬剤と考えた。2剤の間に化学構造的類似は認められなかった。
著者
本橋 美樹 Miki Motohashi
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 = Papers in Teaching Japanese as a Foreign Language (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.95-108, 2013

「大阪」を「おさか」とするような拍レベルでの表記の誤用を考察した先行研究は非常に限られているが、学習者の知覚と生成の関係を知る上で、表記も発話と同じように考慮すべき重要なデータではないだろうか。本研究は表記データと聴取データを同一被験者から取り、誤用パターンの関連を調べた。その結果、学習者は表記の誤用パターンと同じように、単語を聞き取っていることが明らかになった。つまりこの二つ技能は強く関連していると言える。

1 0 0 0 OA 怪化百物語

著者
高畠藍泉 (転々堂) 著
出版者
井上定保
巻号頁・発行日
vol.上, 1875
著者
奥津 哲夫 渡邉 興一 平塚 浩士
出版者
群馬大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
2000

本研究では、「光による結晶成長制御が可能であることを示すこと」を目的とし、研究期間内に以下の実績が得られた。光で結晶成長させることが可能であるような系の探索を行った結果、1.有機結晶を用いた系分子性結晶であるアントラセンを用い、結晶が懸濁した溶液にパルスレーザー光照射を行った。アントラセン結晶が溶解し、同時に新たな結晶の出現と成長が観測された。レーザー一光子で結晶相の分子4〜5分子が溶液相へと溶解した。このため、結晶表面がパルス励起されると、飽和溶液中に分子が溶解し過飽和状態となり、結晶成長の駆動力を生じることが判明した。このことから、光により結晶成長制御を行うことが可能であることが示された。2.無機化合物結晶結晶を用いた系無機化合物として硫酸銅結晶を用いた。レーザー光照射を行うと、結晶は溶解するのみで新たな結晶の出現・成長は観測されなかった。36光子を吸収することにより一分子が溶解した。光照射を行いながら結晶成長を行ったところ、光照射により結晶成長は著しく遅くなることが判明した。このことから、光照射を行うと結晶表面の温度が上がり、溶解度が上昇するため、成長速度が遅くなることと解釈した。光照射を特定の面に行うことにより、その結晶面の成長を制御することが可能であることが判明した。3.結晶表面に吸着物質を吸着させ、光で剥離させることにより特定の面を成長させる試み硫酸銅結晶にゼラチンあるいはシアニン色素を吸着させ、結晶成長を抑制させた。この結晶にレーザー光を照射し、表面の吸着物質を剥離させた。この結晶を飽和溶液中に吊し、結晶成長させたところ、レーザー光を照射した面の結晶成長が観測された。
著者
永井 燈文 柴田 悦郎 中村 崇
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.129, no.12, pp.694-700, 2014-12-01 (Released:2014-12-01)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

Platinum group metals(PGMs), such as rhodium(Rh) and ruthenium(Ru), are rare and unevenly distributed in the earth's crust. They are used in automobile catalytic converters and electronic equipment. The consumption of such rare resources is unsustainable; therefore, recycling technologies are needed. In this paper, the chemical properties and separation/recovery of Rh and Ru, and PGM smelting/refining technologies are reviewed. In PGM refining processes, Rh and Ru are converted into chloride complexes. To effectively separate each metal, operating conditions of the reaction have to be optimized. The valences of PGM chloro-complexes change with redox potential, and the distributions between chloro- and aquo- complexes vary with chloride ion concentration. The Ru and Os oxides are separated by distillation.

1 0 0 0 OA 廣博物志50卷

著者
明董斯張撰
巻号頁・発行日
vol.[26], 1000