著者
川本 智史
出版者
建築史学会
雑誌
建築史学 (ISSN:02892839)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.110-126, 2012 (Released:2018-06-28)

6 0 0 0 OA 美学(維氏)

著者
ウエロン 著
出版者
文部省編輯局
巻号頁・発行日
vol.上, 1884
著者
川島 智生
出版者
神戸女学院大学
雑誌
論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.59-89, 2008-01

I ascertained the following unsolved facts: formation, architectural character and architects of public architecture built in modern Okinawa prefecture. The history of its formation can divide into western-style design and reinforced-concrete design. If so, reinforced-concrete buildings were built in almost same time as those in the mainland, although western-style architectures were formed 20 years later after western-style architectures were built in the mainland. In the early of Meiji period, Japanese-style architecture was introduced in Okinawa prefecture and in the late of the era architecture that was influenced by European-historical style was introduced there. In Taisho period, architecture that was focused on Ryukyu climate was introduced in the prefecture. The reason of this fact is that red roof tiles were used for the architecture. They are traditional in Okinawa prefecture. Architects were Goichi Takeda, William Merrell Vories, who had based their projects in Kansai area.
著者
宮崎 慧 星野 崇宏
出版者
日本マーケティング・サイエンス学会
雑誌
マーケティング・サイエンス (ISSN:21874220)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.11-35, 2013 (Released:2013-07-23)
参考文献数
47
被引用文献数
1

本研究の目的は,複数商品の購買行動間の因果関係を消費者セグメントごとに探索するためのモデルを開発することである。経済時系列解析において,複数時系列間の因果関係を同定する方法の一つにグレンジャー因果性分析があるが,本研究では潜在クラスを導入することで,消費者セグメントごとに各商品の購買行動間のグレンジャー因果性を探索するモデルを開発し,スキャナーパネルデータに適用する。これにより,デモグラフィック属性等の異なるセグメントごとに,適切な商品プロモーション活動を推測することが可能となり,また当期のプロモーション等のマーケティング変数の影響を除去した,選好の時間的推移やロイヤルティーを理解することも可能となる。
著者
島本 多敬
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.7-28, 2019

<p>本稿は,19世紀中期以前,近世の本屋仲間(書肆の同業組合)の活動期に出版された災害図を取り上げ,災害図の出版・改訂に影響を与えていた書肆の版権と出版活動について検討したものである。享和2年(1802)7月の淀川水害の後に大坂で出版された「摂河水損村々改正図」系統の水害図は,諸本を書誌学的に検討した結果,3つの版が存在していたことが判明した。大坂本屋仲間記録の記述によれば,この3つの版は,本屋仲間非構成員によって非公式に2つの版が出版された後,本屋仲間に所属する書肆が板木を買収し,4軒の書肆の連名で改めて公式に出版されることによって成立した。同図の板元は大坂町奉行所の御用絵師の名前を図中に示して,情報の信頼性を謳っていたとみられる。また,4書肆のうちの1軒は,本屋仲間に所属していない板元による水害図の出版を,自店の出版大坂図・河川図に対する版権侵害を理由に差し止めていた。同図の検討結果から,19世紀初頭当時の本屋仲間所属書肆は,自店の地図・地理書と関連付けた商業的な論理のもと,本屋仲間に所属しない板元による災害情報の出版をコントロールし,より詳細で「正確」な災害情報の出版を志向していたと評価される。</p>
著者
松浦 康治郎 高木 大輔 影山 昌利 小島 怜士 佐々木 嘉光 宮城 道人
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第27回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.203, 2011 (Released:2011-12-22)

【はじめに】長胸神経麻痺とは、長胸神経が外傷等により損傷を受けることで前鋸筋の筋力低下をきたし、肩関節の屈曲、外転方向の運動が障害され、翼状肩甲骨等の臨床症状を呈す疾患である。一般的に外傷性の神経断裂がなければ2~3ヶ月、遅くとも6ヶ月程度で自然治癒してくるとされ、24~48ヶ月でほぼ回復するとされており、理学療法介入の機会は少ない。<BR>1998年に北村らは、8症例に対し保存的治療後5年間の経過を追ったが、治療成績には個体差がみられ、また、1995年にKuhnは二次的に上肢帯機能不全を呈す症例があると報告している。つまり、長胸神経麻痺症例がたどる経過や治癒成績は一定していないと考えられ、さらに理学療法の介入効果の報告は散見される程度である。今回長胸神経麻痺を呈した後に運動時の疼痛を主とする二次的な上肢帯機能不全の合併が疑われた症例を経験した。約8ヶ月間の理学療法介入を経験する機会を得たため、経過をまとめて報告する。 【症例紹介】症例は10歳代後半の男性で、平成21年5月上旬に左肩周辺に疼痛が出現し、上肢挙上困難となった。8月中旬に当院受診し、長胸神経麻痺と診断。その後、上肢安静、運動制限(良肢位保持)を行い約3ヵ月後より医師の指導で肩周囲の自主訓練を行ったが、機能改善に乏しく、同年12月中旬より理学療法開始となった。尚、今回の報告に際し、本人に口頭および紙面で説明し同意を得た。 【初期評価時現症(平成21年12月中旬)】左肩ROM(Active/Passive)は、屈曲80°P/120°P、外転60°P/70°P。徒手筋力テスト(MMT)は屈曲・外転4。握力(左/右)25/47kg。疼痛(NRS)は、左肩屈曲・外転・外旋の自動運動時に6~8で、翼状肩甲を認めた。筋持久力の評価を目的とし、連続して反復運動可能な回数(左/右)を評価した結果、肩屈曲2/53回、肩外転1/45回であった。 【経過】平成21年12月中旬より理学療法を開始。ホットパック、ストレッチ、マッサージ、他動・自動のROM訓練を40~60分、週4回実施した。理学療法介入より40病日で左肩屈曲・外転筋群の筋力がMMT5となり、59病日には、ROMが左肩自動屈曲120°、外転150°となった。84病日には左肩自動屈曲・外転ROMが150°になり、116病日には左肩自動屈曲・外転ともに170°まで改善した。116病日より前鋸筋を中心に筋力訓練を開始。127病日に明らかな翼状肩甲が消失し、左肩自動運動時痛も減少を認め(NRS 4~6)、左肩反復屈曲は15回、外転は12回まで可能となった。143病日には左肩自動屈曲、外転180°まで改善。189病日には左肩反復屈曲が25回まで可能となり、左肩運動時痛はNRS2~4となった。200病日には左肩反復外転20回となり、228病日に理学療法終了となった。 【最終評価時現症(平成22年7月下旬)】左肩ROM(Active/Passive)は、屈曲180°P/180°、外転180°P/180°。MMTは屈曲・外転5。握力(左/右)32/50kg。疼痛(NRS)は、肩屈曲・外転・外旋時に2~4で、明らかな翼状肩甲は消失。連続して反復運動可能な回数(左/右)は、肩屈曲25/48回、肩外転20/51回であった。 【考察】長胸神経麻痺後の症例に対して、約8ヶ月間の理学療法を実施した結果、MMTが介入後約40病日、ROMが約140病日まで改善を認めた。ROMの改善については、2009年に加古原らは過剰収縮のある筋群を抑制し、前鋸筋訓練を行うことで、長胸神経麻痺症例の肩ROMが大幅に改善したと報告している。本症例も、代償筋群へのリラクセーションや前鋸筋を中心とした訓練により、筋の過緊張が抑制され、ROMが改善したと考える。また、MMTにおいても、代償筋群の過剰収縮の軽減による筋出力の再調整、疼痛の軽減が改善の要因に挙げられるのではないかと考える。疼痛については、1995年にKuhnらは、長胸神経麻痺症例では、上肢帯運動時に代償筋群の過剰な収縮により、二次的に疼痛を起こす場合があると報告している。本症例は上肢帯拳上の際に、努力性の動作を認めたことから、代償筋群の過剰収縮が筋血流量の減少をもたらし、筋の収縮時痛が生じていると考える。また、筋血流量の減少により筋持久力の低下も招いている可能性が推測されるが、今回は客観的評価に乏しかったため、今後検討が必要である。 【まとめ】長胸神経麻痺で二次的な上肢帯機能不全がある症例に対して理学療法を行い、ROMとMMTの改善がみられた。一方で、疼痛や筋持久力低下などのさらなる障害も認めたため、今後は長胸神経麻痺に対してのリハビリテーションによる経過や効果等の検討を積み重ねていく必要がある。
著者
佐藤 郁哉 サトウ イクヤ Sato Ikuya
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = The Doshisha business review (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.341-417, 2017-01

研究(Article)本論文では、英国において1980年代半ばいらい数年おきに実施されてきた研究評価事業を主たる事例として取り上げて、研究評価事業及びその結果にもとづく研究予算の選択的資源配分が大学等における研究と教育に対して与える意図せざる結果について検討していく。特に焦点を置くのは、商学・経営学分野における「論文化」の動向であり、本論では、これを「ゲーミング」の一種としてとらえる。
著者
加藤 健太 加納 政芳 山田 晃嗣 中村 剛士
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2014 (Released:2015-04-01)

解決すべきヒューマン・ロボット・インタラクションの問題の1 つに,ロボットの外観をどのようにデザインするのかという問題が挙げられる.ロボットの外観はインタラクションしているユーザの感情に影響を及ぼすことが先行研究によって示されており,その1 つが,森によって提唱された「不気味の谷」である.この「不気味の谷」に陥るのを回避しつつ好感の持てるロボットをデザインするため,本研究では"萌え"の要素を取り入れることを提案する.しかし"萌え"という概念が曖昧なため,対話型進化計算(Interactive Genetic Algorithm: IGA) を用いた3Dのデザインシステムを構築し,それを用いて"萌え"の概念を調査した.
著者
中西 秀 市川 正敏
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.480-483, 2016-07-05 (Released:2016-10-04)
参考文献数
5

話題―身近な現象の物理―コーヒーの湯気:水面に浮遊する微小水滴のダイナミクス
著者
面矢 慎介
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.25-32, 2003-09-30

イギリスの電気ケトルを事例として、近代家庭機器の成立・発展過程およびそのデザイン変遷をめぐる諸要因について考察した。電気ケトルのイギリスでの発展・昔及は、この国の紅茶愛飲の習慣と密接な関係にあった。電気ケトルをはじめとする小型電気調理器具は、ダイニングテーブル上で簡単な食事の準備ができるという食事習慣の簡略化に沿うものであったが、なかでも電気ケトルは、非儀式的でカジュアルな飲茶習慣の成立を促進した。普及が本格化する1950年代には、沸騰した時点で発熱を止める自動機構が完成して利便性が高まり、それまで長らく普通型ケトルでの流行に追随するだけだった外形デザインでも、普通型ケトルとの差別化がはかられた。1980年代の耐熱プラスチックボディのジャグ型の出現は、素材転換による製造の効率化と紅茶をあまり飲まない大陸各国への市場拡大が意図されていたが、この形状が受け入れられた文化的背景として、コーヒーなどの飲用が増え紅茶愛飲の習慣がもはや絶対的でなくなったことが指摘できる。
著者
柳橋 博之
出版者
法制史学会
雑誌
法制史研究 (ISSN:04412508)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.54, pp.81-113,en13, 2005-03-30 (Released:2010-05-10)

Roughly speaking, studies on Islamic law in the West have been centered around four theses advanced or elaborated by Joseph Schacht (1902-69), represented, among others, in his two monographs, The Origins of Muhammadan Jurisprudence (1950) and Introduction to Islamic Law (1964).First, the formation of Islamic law was a slow process in which the precepts of the Qur'an were gradually extended to cover the subject matters that they do not explicitly cover. In the first centuries of Islam, the popular practice and the Umayyad administrative regulations provided the materials for the nascent Islamic law.Second, in the first half of the eighth century, "the ancient schools of law" were formed in a number of centers of jurisprudence. They represented the average doctrine of each region, but it did not take long before the doctrines were projected back to several past authorities of jurisprudence. This phenomenon preceded the formation of personal schools of law, which were characterized by the adherence to a particular authority.Third, the process of projecting back of doctrine to the past authorities culminated in the fabrication of a large number of the Prophetic hadith (words and deeds of the Prophet), which were finally regarded as second only to the Qur'an as the basis of Islamic law.Fourth, once brought to perfection by the tenth century, Islamic law suffered no substantial change in the following millennium, which phenomenon was known as "the closing of gate of ijtihad (independent reasoning)."Recent studies based on a large number of sources published in the last twenty years and manuscripts that have become accessible to students of Islamic studies have modified these theses. As for the first thesis, recent studies have clarified in details the process during which individual rules were formed in the first two centuries of Islam. Regarding the second thesis, the problem of transition from the regional school to the personal school has been discussed based on the analysis of different kinds of sources, such as biography or works of positive law. The third thesis concerning the authenticity of the Prophetic sunna did not cease to be one of the most disputed subjects of Islamic law. The fourth thesis is no longer maintained, particularly after Wael B. Hallaq published a number of important treaties that shed light on the elaboration of science of theoretical bases of Islamic law.It should be noted that many studies have been undertaken that are focused on the relationship between Islamic law and the medieval and modern Islamic societies.In Japan, it was not until the middle of the eighties that study of Islamic law was undertaken on the basis of the original texts, although a few historians had used sporadically legal sources. Now a number of legal texts or works related to Islamic law have been translated into Japanese, such as the Shìhs of al-Bukhari (1993-94) and Muslim b. H ajjaj (1998), The Ordinances of Government of al-Mawardi (1981-89, of which a revised edition will appear in a couple of years), al-Raw d al-murbi' of the Hanbali jurist al-Bahutì (2002-) and Ma'alim al-din wa-maladh al-mujtahidin of the Shi'i jurist Ibn Zayn al-Din (1985).A History of Islamic Law of HORII Satoe (2004) is the first work in Japanese that deals with the development of the law since its formation in the seventh century up to the present day. It deserves to be mentioned because it assigned a large portion to the legal development since the tenth century, when Islamic law was brought to perfection with the four Sunni schools of law being established. Few scholars are specialized in the theoretical foundation of law (u s ul al-fiqh), but studies by Wael B.Hallaq and 'Abd al-Wahhab Khallaf have been translated.
著者
蔦尾 和宏
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

本年度も『今鏡』『古事談』を中心に研究を行った。『今鏡』について述べれば、『今鏡』は一般的に「面白くない」作品として認知されている現状があり、各研究はこれを打破すべく論を積み上げてきたが、近代以降の享受者が「つまらない」と感じる側面もまた『今鏡』の個性に他ならないため、研究論文の命題設定としては異端であると理解しつつも、その「つまらなさ」の要因を「歌徳説話」という視座を中心に考察、それが史実の忠実な継承を望み、想像による創造に消極的な作品の性格に起因することを明らかにし、そのような性格が仏教の妄語戒への意識に由来することを指摘した。「「打聞」論」の内容は昨年の報告書に言及したのでこれを省く。『古事談』研究では、武士説話を集成した「勇士」について一文をものした。「勇士」の説話採録を支える視点が「殺生」に存したことを確認、さらに『古事談』が成立した時期には鎌倉幕府の成立がほぼ重なるが、「勇士」の説話構成には鎌倉幕府の開祖・頼朝の世系を辿ることが軸に据えられたことから、結果として「勇士」は、鎌倉将軍家が血にまみれた「武士」の系譜で結ばれていることを明らかにし、公卿にまで至った頼朝、頼家もその死に際から見れば、先祖たちと何ら変わらないことを『古事談』が暗に示そうとしたとの見通しを述べた。また、「「臣節」巻末話考」は、発表論文の標題からは「臣節」の巻に限って考察を施したように見えるが、内容は作品全体の世界認識を問うものである。『古事談』各巻の巻末話全てを取り上げ、それらが共通して、大団円を迎える結末に水をさす、なにがしかの要素を持ち合わせていることを指摘、そのような説話が巻頭話と対になって巻の顔となる巻末話に据えられたのは、人の世の事象は一面的なものでは決してなく、正の面があれば必ず負の面をも伴うのだとする『古事談』の世界観に立脚することを論じた。
出版者
文部省
巻号頁・発行日
vol.第4(明治9年) 第1冊, 1914
著者
下島 連
出版者
亜細亜大学
雑誌
アジア研究所紀要 (ISSN:03850439)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.258-266, 1976
著者
太田 哲
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
no.11, pp.135-143, 2019-03-31

インド北東部の少数民族であるナガ系諸族の調査を行った際多くの人から第二次世界大戦時のインパール作戦における日本兵との接触についての話があった。本稿はそれらの人々の語りを記録していくプロジェクトの一部であり、その中で3 つの事例を紹介する。事例に入る前に第二次世界大戦時におけるビルマ方面の状況、インパール作戦の概要について説明し、その後ナガ居住地域におけるフィールドワークで得たナガのお年寄りの話を記す。本稿での事例はマニプル州ウクルール地区のハラン村とグリハン村において接触したし人々の語りである。
著者
細矢 治夫 時田 澄男 浅本 紀子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

われわれはこれまでの研究で、n次元の水素原子のシュレーディンガー方程式の解の角度部分の縮重度の一般式を導出し、それがパスカルの三角形を若干修正した非対称パスカル三角形によって容易に表現できることも示した。これは、化学者の帰納的直観に基づいて得られた代数的な処方箋であるが、この波動関数に数学的に厳密な裏付けを行うこと、及び得られた波動関数を動的にグラフィック表示するという二つの目的をもっている。以下に、本研究で得られた結果を列記する。i)アニメーション技法の開発簡単な操作で、原子軌道のn次元のイメージを把握しやすくするアニメーション技術を、市販のQTVRというソフトウエアを利用して実現した。ii)3次元の原子軌道表示の見直し3次元のd軌道も、切断する面の方向と位置を変えることによって、s型、p型、d型等いろいろな対称性をもった断面を得ることができた。iii)4次元の原子軌道の多面的な可視化ii)で得られた可視化の手法を4次元の原子軌道に拡張して適用することによって、4次元の原子軌道関数の極座標表示を直交座標系に変換してから、様々な等値曲面表示を行う手法を開発した。iv)原子軌道の縮重度とパスカルの三角形n次元の原子軌道の縮重度が、変形した非対称パスカルの三角形によって容易に表されることは既に見出しているが、微分方程式の解の代数的な構造の解析から、その数理的意味についての考察を若干進めることができた。
著者
椎名 健人
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
no.65, pp.201-218, 2019-03-27

明治・大正時代の小説家、夏目漱石と彼の元に1903年から1909年頃に集った当時東京帝国大学在学中の門下生たちが形成していた文学サロン的共同体(=「木曜会」共同体)を、日本で明治30年代からその形成と自律化を始めた「文学場」における党派の一つとして位置付けたうえでその共同体としての性質を、イヴ・セジウィックが『男同士の絆 イギリス文学とホモソーシャルな欲望』で提唱したホモソーシャルという枠組みを用いて分析し、明治末期から大正初期にかけての文壇及び学生・知識人文化圏内における社会的ネットワークの特質を社会学的観点から明らかにする.
著者
佐々木 博史 黒田 知宏 真鍋 佳嗣 千原 國宏
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.393-401, 2002-09-30 (Released:2017-02-01)
参考文献数
20
被引用文献数
2

The resent developments of the compact hardware have been realizing Wearable Computers. On the other hand, there are just a few studies of the input interface for wearable computers. However, most of those interfaces lack portability or are not comfortable in using it. This paper presents "Hand-Menu System", an innovative input interface for wearable computers, utilizing Augmented Reality techniques. This system gives the user a truly intuitive non-contact input interface with visual feedback and physical senses. This system lets a user to choose one of menu items superimposed on his five fingertips of a hand by simply touching it with a fingertip of the other hand.