著者
杉本 洋
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第50回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.I11, 2016 (Released:2016-04-23)

病気や障害を有する人々による当事者活動はセルフヘルプ・グループなどが知られている。本研究では当事者によるパフォーマンス活動を通して,着眼されることの少なかった当事者活動のサブカルチャー的側面についての考察を行う。そこからは,アンダーグラウンドな要素を持つサブカルチャー的実践は,弱さと強さ,健康と病気といった二元論的な視点を超えた保健福祉の理念の拡張を迫るものとなっていることがうかがえる。
著者
鈴木 久米男 髙橋 和夫 SUZUKI Kumeo TAKAHASHI Kazuo
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.69-81, 2017-03-31

教職大学院設置の動きは、平成29年4月に8つの教職大学院が開設され、ひとまず一段落することになる。次の段階として各教職大学院における教育の質の向上及び修了生へのフォローが課題となってきている。このことも踏まえ、教職大学院での学修における理論と実践の往還・融合としての教育実践研究への取り組みが重要視されてきている。本研究では、各教職大学院における教育実践研究のカリキュラムへの位置づけや、研究内容としての研究テーマと研究アプローチ等に注目した。研究の成果として、教職大学院で取り組まれている教育実践研究の位置づけや指導のためのカリキュラム編成の実態を明らかにすることができた。さらに、教育実践研究の内容に関して抽出した教職大学院の実践例から、教科指導が主に取り組まれていること、学卒院生と現職院生では、個々の取り組みによるものと組織的な取り組みを対象にするなどの違いがみられることが明らかになった。
著者
片瀬 拓弥
出版者
清泉女学院短期大学
雑誌
清泉女学院短期大学研究紀要 = Bulletin of Seisen jogakuin Junior College (ISSN:02896761)
巻号頁・発行日
no.35, pp.12-21, 2017-03-20

本研究は、オンラインビデオ教材と協同学習を組み合わせた反転授業を行い、事後テストの9週間後の記憶保持と感想文内容との関連性をテキストマイニングにより分析し、どのような記述内容が、9週間後の記憶保持に影響するのか検討した。その結果、9週間後の記憶保持の上位群は、下位群よりも予習行動に関する記述が有意に多かった。一方、9週間後の記憶保持の下位群は、上位群よりも協力行動に関する記述が有意に多かった。
著者
伊藤 昭 矢野 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.944-952, 1997-05-15
参考文献数
13
被引用文献数
2

自己の利益をのみ追求するエージェントの社会では, どのようにして協調が発現するのであろうか. 我々は, 過去の対戦履歴が公開されるという条件の下で, エージェントが囚人のジレンマと同型の対戦を, 相手を次々と替えながら行わねばならないとき, どのような対戦戦略を採用すればよいのかを調べてきた. 今回は, どのようにして協調的戦略が社会的に発現 (進化) するのか, またそのための条件は何かなどを, 遺伝的アルゴリズムの手法を用いて調べる. 我々は, まず対戦戦略アルゴリズムを抽象計算器の上で定義する. 次に, エージェントは対戦利益に応じて子を生成できるものとし, また子エージェント生成に際しては, 戦略アルゴリズムに突然変異を導入してその進化を促す. その結果, 最初単純なしっぺ返し戦略TFTから出発して, 系は非協調的戦略を含む様々な戦略を持つエージェントを生成するが, 生存競争の中でより強い協調的な戦略が成長してくることを示す.
著者
皆川 雅章
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.26-31, 2016-06-01 (Released:2016-12-01)

ICTを用いた聴覚障がい学生の情報保障の取組みについて記す。札幌学院大学では1999年から学生と教職員が協働し,障がいをもつ学生を支援する活動を行い,組織づくりを行ってきた。ICTを用いた情報保障の実践事例として,(1)ビデオ教材の字幕入れサービス,(2)パソコンを用いた講義情報の筆記(パソコンテイク),(3)講義中の発話を音声認識を用いて文字化する取組みを紹介する。現行のテイク活動における問題点,将来に向けた改善の方向性を記す。
出版者
日経BP社
雑誌
日経Windowsプロ (ISSN:13468308)
巻号頁・発行日
no.63, pp.11-13, 2002-06

●マイクロソフトは2002年6月30日に,Windows NT Server 4.0のパッケージ販売とハードウエア・メーカーへのOEM提供を終了する。パッケージ販売の終了は,NT Server 4.0のサポートの縮小も意味する。●日経Windowsプロは2002年4月に,Web上でサーバーOSの導入に関するアンケートを実施した。その結果,回答者の大半がまだNT Server 4.0を利用していることが分かった。
著者
太田 紘史
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

研究計画に則り、心脳問題への学際的アプローチを図った。そのために、(1)心的状態と神経状態の多層的構造の機能主義的分析と、(2)機能主義と調和する心身問題の形而上学的研究を行った。(1)心と脳の多層的構造の機能主義的研究心身問題で根本的な問題になる意識について、その認知神経基盤の連続的かつ多層的な機能的分析を遂行した。一般に機能主義的な物理主義は、意識を共時的-通時的な面で多層的な機能的クラスターとして分析しようとする。そこで当研究者は、意識の統一構造を明確化する分析を提案し、そのように分析されて得られた個々の意識的状態をある種の表象として分析する理論を提案し擁護した。さらにそれが、認知神経科学における意識の相関項(Neural Correlates of Consciousness : NCC)の知見とどのように調和しうるかについて検討し提案した。(2)心身問題の形而上学的研究上記のような、心を因果的役割によって分析する機能主義に基づいた物理主義を擁護・展開するために、形而上学的な心脳問題の研究を行った。とりわけ、機能主義的な物理主義を反駁するとされる一連の思考実験と形而上学的見解について、検討を行った。それらには具体的には、中国国家論証、逆転地球、知識論証が含まれる。当研究者は、それらがどのように論理的欠陥を抱えており、そしてそれが哲学と認知神経科学の総合的な機能主義理論を反駁しないのかについて提案した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経Windows 2000 (ISSN:13452835)
巻号頁・発行日
no.48, pp.11-13, 2001-03

★マイクロソフトは2000年末に,Windows 95のすべてのパッケージ販売とハードウエア・メーカーへのOEM提供を終了した。しかし,まだWindows 95を使っているユーザー企業はある。ユーザー企業にとってWindows 95の出荷終了は切実な問題だ。★だが,急いでWindows MeやWindows 2000に乗り換える必要はない。
著者
梶山 智晴 富田 裕之 宮原 裕二
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.119, no.10, pp.464-469, 1999-10-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

We have developed a new method for cleaning flow-through cells by using microbubbles and ultrasonic (US) standing waves. A standing wave generated by US transducers at 1 MHz was used to trap microbubbles at node positions of the sound pressure. We were also able to control the microbubbles' positions spatially through frequency modulation. We found that these microbubbles were very effective for washing microbeads out of flow-through cells, particularly when frequency-modulated US irradiation was used. The proposed method promises to be very useful for cleaning the flow-through cells in small analytical instruments.
著者
新田 淳作
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.296-299, 2001-03-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
18

スピン偏極電界効果トランジスタ(スピンFET)の動作原理と,実現するうえでの問題点について概説する.デバイス原理としてユニークな点は,スピン軌道相互作用によって二次元電子ガス中に注入されたスピン偏極した電子の向きを回転させる,というところにある. Rashbaスピン軌道相互作用が重要となる狭ギャツプ半導体において,ゲート電圧によりスピン軌道相互作用の制御が可能であることを示した.スピンFETのデバイスとしての可能性は,強磁性体電極から半導体チャネルへのスピン注入効率にかかっている.
著者
浅川 謙次
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
アジア經濟旬報
巻号頁・発行日
no.685, pp.6-10, 1967-06-01
著者
久田 則夫
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心社会福祉教育研究
巻号頁・発行日
vol.4, pp.36-64, 1993-03-31

英国の精神遅滞居住サービスは,70年代初頭,施設収容型から地域在住型,いわゆるコミュニティ・ケアへと変貌していった。いかし,初期のコミュニティ・ケア政策は精神遅滞者の「隔離策」を是正し,地理的統合を目指したものであったにもかかわらず,大規模施設の役割を容認したため,彼等の脱施設は殆ど実現されることはなかった。80年代に入り,ノーマライゼーションの理念が成熟すると同時に,地理的統合から地域との社会的統合が唱えられ始めた。これは,地方自治体あるいは非営利団体が主導する革新的な包括的コミュニティ・ケアサービスとして結実していく。英国政府も精神遅滞者の社会的統合に向けた政策づくりに乗り出し,1989年に政府白書を発表したが,そのメインであるコミュニティ・ケア政策実行の権限を政府から各地方自治体への移行,小規模住宅でのQC活動等を支援するための財源確保に苦慮するなど多くの課題が残されている。
著者
池田 正義
出版者
The Society for Psychoanalytical Study of English Language and Literature
雑誌
サイコアナリティカル英文学論叢 (ISSN:03866009)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.3, pp.59-62, 1980

lago, one of the greatest characters that Shakespeire has created is said to have two sides: buffoonery and devilism. On this viewpoint, this thesis is an attempt to shed light upon his character.
著者
西村 淳 松本 正人 東畠 三洋 郭 睿倩 岡田 龍雄
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.499-504, 2008-08-15 (Released:2014-03-26)
参考文献数
24

Technique for synthesis of the ZnO nanowires by Nanoparticle-Assisted Pulsed-Laser Deposition (NAPLD) and the characterization of their optical property are described. Vertically-aligned ZnO nanowires were successfully grown on sapphire substrates by NAPLD without any catalyst. The surface density of the nanowires on the substrate was controlled by changing the laser irradiation conditions, such as an energy and a repetition rate. When a nanowire was excited by the third harmonic of a Q-switched Nd: YAG laser, the stimulated emission due to a micro-cavity effect in single nanowire was observed with a lasing threshold of about 400 kW/cm2, indicating high crystalinity of ZnO nanowires.