著者
井上 烈
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.545-557, 2011-04-25

This paper examines and presents the characteristics of the emotional labor of staff members in the field and it required a professional social worker to analyze interviews with them. Moreover, it discusses the notion that they have conflicted feelings and explains how a support style works out. They are consciously aware of the balance between receptiveness or capacity to empathize and training on professionals. They have conflicted feelings that they balance appropriately. We find that they are emotionally labored. What feelings they express and suppress. This paper called it“ emotional management strategy”. In young staffs, they suppress negative feelings and try to force themselves to express positive feelings to them. Their strategy can be called this repressive emotionally regulation “surface acting”. In experienced staffs, they avoid negative feelings and are willing to express positive feelings to them. Their strategy can be called this avoidant style of coping “deep acting”. Besides, in mid-level staff s, a process of building professionally is confirmed. They control their emotional management by will or choice of it. Without a professionally, they will be unable to balance his or her feelings well. It plays a very critical role that legitimate asymmetric relationship between them, and define their identity. In this way, this paper points out the system or support style keeping by their emotional work.
著者
水口 雅 山内 秀雄 伊藤 雅之 高嶋 幸男 岡 明 齋藤 真木子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

急性壊死性脳症(ANE)と痙攣重積型急性脳症(AESD)の病因を解明するため、遺伝子解析を行った。全国的な共同研究により日本人患者の末梢血検体を集積し、候補遺伝子の変異・多型を調べた。AESD の発症にミトコンドリア酵素 CPT2 多型とアデノシン受容体 ADORA2A 多型、ANE の発症に HLA 型が関与することが明らかになり、病態の鍵となる分子が同定された。日本人の孤発性 ANE は、欧米の家族性 ANE と異なり、RANBP2 遺伝子変異が病因でないことが判った。
著者
河岡 義裕 新矢 恭子
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2006

本研究課題では、高病原性H5N1鳥インフルエンザによるパンデミックの危機に備え、H5N1ウイルスの生物学的性状を分子レベルで解析した。H5N1ウイルスがヒトへ伝播するために重要な様々なアミノ酸を特定するとともに、ヒトの呼吸器におけるレセプター分布などを明らかにし、鳥インフルエンザがヒトへ伝播するメカニズムを解明した。また、本研究期間中にパンデミックが発生したことから、H5N1ウイルスのみならず、パンデミックウイルスの抗インフルエンザ薬耐性ウイルスの出現頻度や、出現メカニズムを明らかにした。さらに、インフルエンザウイルスの粒子形成について解析を行い、ゲノム-ウイルス蛋白質複合体の立体構造を明らかにし、8本のゲノムの粒子への取込機構の一端を明らかにした。本研究により得られた成果は、次のパンデミック予測、感染拡大阻止、薬剤開発などに役立つものとなる。
著者
瀬川 裕司
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.315, pp.1-19, 1999-01

ハンス・ツィシュラーの著書『カフカ、映画に行く』は、1996年にまずフランス語版が出されたのちにオリジナルのドイツ語版が出版された。カフカ文学に対する新しいアプローチとして文学界・映画界そのほか各方面からの注目を集めた同書は、年末には国内外のいくつかの賞を受けるなど高い評価を受けている。筆者は、1997年9月にベルリンで著者に長時間のインタヴューをする機会に恵まれた。以下本稿では、そのさいに彼自身から聞くことができた言葉を含めて、その書物で明らかにされた、20世紀を代表する作家と映画との関わりについて書いてみたい。著者のハンス・ツィシュラーは、俳優として世界的にその名を知られている。ミュンヒェン大学在学中に若き日のヴィム・ヴェンダースの自主映画作品へ主演したことから始まったそのキャリアは、舞台・テレビ映画・劇場映画とまことに多彩かつ華麗なものだが、ドイツでの彼が文筆家としても著名な存在であることは、国外ではほとんど知られていなかった。
著者
土師 誠二 大柳 治正
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.447-454, 2007 (Released:2008-03-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1

経口摂取量の減少を伴いやすい高齢者では低栄養や脱水症に陥るリスクが高く、静脈栄養が重要な位置を占める。しかし、高齢者の静脈栄養管理に際しては、まず高齢者の特性について理解しなければならない。高齢者では加齢に伴う水分電解質代謝、栄養基質代謝をはじめ諸臓器機能にも変化が生じ、さらに個体差も大きいことから、個々の症例に応じたきめ細かな管理が重要である。すなわち、水分・電解質異常の補正、低栄養状態の改善、耐糖能低下による術後高血糖の防止、アミノ酸投与による蛋白代謝の改善に留意すべきである。また、静脈路確保が困難な脱水症例では皮下輸液も選択肢の1つとなる。
著者
久保田 啓義 佐々木 俊介 石田 広幸 高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.260, pp.113-118, 2013-10-17

電気接点を熱平衡状態が保てる範囲で微速度開離すると回路が切断する前に数ミクロンないし数十ミクロンの光らない金属ブリッジ(ダークブリッジ)ができる。このブリッジの電圧一電流特性(V-1特性)は非線形となり、あるところからは負性抵抗も発生することが鉄接点での実験で明らかになった。本文はこの研究の研究目的と実験並びに今後の課題等について述べる。
著者
森本 有里 新城 拓也 関本 雅子 東川 俊昭 新國 雅史 大石 麻利子 石川 朗宏 槇村 博之 置塩 隆 岡田 泰長 本庄 昭
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.120-124, 2015 (Released:2015-02-05)
参考文献数
11

【目的】高齢者福祉施設の看取りと終末期ケアの現状把握をするために実態調査を行った.【方法】神戸市内の高齢者福祉施設350施設を対象に質問紙調査を実施した.【結果】350施設のうち314施設(回収率89.7%)から回答を得た.看取りを実施している121施設(39%),看取りに対して取り組む意思がある151施設(48%),胃瘻造設した入居者がいる152施設(48%),点滴可能183施設(58%),医療用麻薬使用可能72施設(23%)であった.【結論】高齢者福祉施設のうち看取りを実施している所は半数に満たないことが分かった.また医療的処置として胃瘻,点滴は半数程度の施設で対応可能だが,医療用麻薬を使える施設は少ないことが分かった.
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.294, pp.141-143, 2000-12

健康志向などを受け、沖縄食材に人気が集まっている。2〜3年前までは沖縄県内でしか買えなかったゴーヤは今や都内の青果店では当たり前のように並び、居酒屋のメニューにもチャンプルーが載るようになった。手軽に手に入るようになった沖縄の食材は、色、味、香りともバラエティーに富み、師走の寒さの中にも南国の風味と元気を運んでくれる。
著者
井上 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.196, 2008 (Released:2009-07-31)

ライフゲームは単純なルールのもとで展開されるにもかかわらず、そのダイナミクスは非常に緻密で複雑なシステムである。 本研究ではその複雑なダイナミクスを利用して、ネット社会では不可欠な電子ファイルの暗号化に応用する方法について検討する。
著者
秋葉 剛史
出版者
埼玉大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

「唯名論を現代的な観点から彫琢し擁護する」という本研究の目的の達成に向け、平成25年度中に以下のような研究を行った。まず、博士論文の内容を発展させ、より包括的な議論に仕上げた。同論文では、「単純な述定命題のtruthmaker(この種の命題を真にするもの)」という理論的役割に注目し、この役割を果たす存在者は実在論の枠内(事態説)でよりも唯名論の枠内(トロープ説)でこそ満足な仕方で与えられると論じた。昨年度はこの議論を拡張し、truthmaker概念を採用することの動機づけをより丁寧に補強するとともに、従来この概念を採用することの一つの障壁とみなされていたスリングショット論法に応答する論考を加えた。以上の内容は、学術単著『真理から存在へ――<真にするもの>の形而上学』として近日出版予定である。また、現代形而上学の成果をドイツ・オーストリア学派の理解にフィードバックする一つの試みとして、現代形而上学における有力学説の一つである「性質の因果説」の見解を、特にE・フッサールが展開した性質・物体構成論を読み解くための手がかりとして用いることを試みた。その成果は、第12回フッサール研究会シンポジウムにおける提題として発表した。さらに、「実在論と唯名論」という理論的対立の基本に立ち返り、その意義をより広く非専門家に知らしめることを目指し、次の仕事も仕上げた。一つは、現代形而上学全般についての著作『ワードマップ現代形而上学』(新曜社、2014年)であり、この中で私は「普遍」「個物」「形而上学手のさらなる広がり」という三つの章の執筆を担当し、形而上学的対立を検討する一般的な意義とその方法について特に丁寧に紹介した。もう一つは、現代哲学において普遍の問題について論じるための必読文献となっているD. M. ArmstrongのUniversals : An Opinionated Introductionの翻訳であり、この中では詳細な訳注によって著者の議論を補足するとともに、この問題のそもそもの背景や争点についても解説した。
著者
難波 啓一
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.330-335, 1988-11-30 (Released:2010-09-30)
参考文献数
19

X-ray fiber diffraction method was used to deduce the molecular structure of tobacco mosaic virus. Multi- dimensional multiple isomorphous replacement method was applied to overcome the information loss by the cylindrical average in the fiber diffraction pattern, and some other developments in the analysis made it possible to build the molecular model of the whole virus particle. Protein- protein interaction and protein- RNA interaction found in the molecular structure gave us a clear understanding on the mechanism of self assembly.
著者
中澤 芳則
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.80, pp.16-18, 2014-05-15

多数の品種系統を供試し,塩化マグネシウムを凝固剤として濃度を変えた豆腐を加熱絞り法で作成し,その破断応力を測定した.その破断応力の変化から凝固剤濃度を変えたときの最大破断応力を推測し,豆腐の製造条件別にタンパク質含有率との相関関係をしらべた.その結果,塩化マグネシウムを凝固剤として加熱絞り法で豆腐を作成した場合,最大破断応力とタンパク質含有率は必ずしも有意な相関関係を示さないことが明らかになった.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1893年06月09日, 1893-06-09