著者
東京市 編
出版者
帝都復興叢書刊行会
巻号頁・発行日
1924
著者
中南 匡史 大前 泰三 伊藤 博子 丸山 剛郎
出版者
Japanese Society of Psychosomatic Dentistry
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.26-31, 1993-06-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
29

This study investigated various kinds of parameters concerning chewing movement in relation to psychosomatic factors such as anxiety. Fifty Subjects (male: 46 female: 4, Average: 26.4 years old), studying in Osaka University, free of stomatognathic dysfunction signs participated in this study. At first, they answered a State-Trait Anxiety Inventory Form X questionnaire (STAI), and their chewing movements were recorded by a Sirognathograph Analysing System III. Then, the scale of State or Trait Anxiety was correlated with parameters of chewing movement ; rhythm, occluding points, shape of chewing pathway andmaximum speed were investigated.The results were as follows;1) There was a positive correlations between the scale of the State Anxiety and the occluding phase period and a negative correlation with the maximal jaw opening.2) Concerning the scale of Trait Anxiety there was a negative correlation with the amount of maximal jaw opening, and also a negative correlation with maximum jaw opening and closing speed.It was suggested that psychosomatic factors such as anxiety participate in chewing movement.
著者
南 保輔
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

インタビューで収集された語りデータに基づいて、社会科学はなにをどこまで主張しうるのだろうか。これを根源的な問いとして研究を進めてきた。とりわけ、ひとの「変化」をどのようにとらえうるのかが関心であった。「いまここ」におけるインタビューやおしゃべりにおける談話が、過去の経験や思い出、その・それにともなう「変化」とどのような関係にあるのか。女性3人組に昔の写真を見ながら「思い出」おしゃべりをしてもらい、それを録画してミクロ相互作用分析するということを行った。20歳代2組、30歳代から60歳代までそれぞれ1組ずつの6組のセッションを行った。その結果、容貌などが「変わった」という発言は散見されたが、あるひとの「内面的」なものが変わったという発言はほとんど聞かれなかった。状況設定上の制約であろうという示唆が協力者から得られた。2度の学会発表を通じて研究成果を報告し、フィードバックを得ることができた。テレビのトーク番組を素材とするミクロ相互作用分析も行った。NHK総合の『スタジオパークからこんにちは』と『徹子の部屋』で、同じゲストが数ケ月の間隔で出演した番組を取り上げた。「同じ」話題の語られ方に違いが見られ、その「構築性」を感じることができたが、差異よりも類似性のほうが大きかった。「オリジナルなイベント」とその「語り」との関係については、「真」や「偽」といった二分法的な真理値というとらえかたが不適切であることが示唆された。この結果は紀要論文としてまとめ発表した。ビデオカメラを複数台使用してのミクロ相互作用分析の方法についても実績を蓄積し、方法的な検討も行った。技術と機器の進歩にともない、同期がやっかいな複数台使用ではなく、ハイビジョンカメラ1台での録画が便利で有効であることが判明した。(752字)
著者
吉田 毅
出版者
常葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

後天的身体障害者がスポーツへの社会化を遂げていくプロセスで寄与する他者について、車椅子バスケットボール男女競技者および車椅子バスケットボールと車椅子マラソンの男子競技者の差異に着目し、インタビューで得た語りに基づき具象的レベルで解明することを試みた。ここで導出された他者は主に、スポーツに参加できる状態になるまでは、気を許せる他者、かけがえのない他者、癒す他者であった。その後スポーツに励むようになるまでは、スポーツ活動へ誘う他者と導く他者、それにスポーツ活動のサポート役というべき仲間であった。このうち誘う他者は、車椅子バスケットボール女子と車椅子マラソンでは数少なく上記のような差異が認められた。
著者
高尾 保之
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.778-784, 1998-09-15
被引用文献数
3 4

ホウレンソウの夜間照明について, 施設栽培における生育, 抽だいへの影響を検討した.また, 夜間照明下における品種の限界照度を推定した.1. 照度が高いと草丈, 葉数は増加し, 葉は小型化した.また, 5月播種は11月播種にくらべ照度に対する草丈の増加が少なく, 低照度(2∿3lx)から葉長の減少や葉数の増加がおこった.2. 1∿25lxの照明下では照度が高いほど抽だい, 開花が促進された.11月播種においては, 'おかめ'など5月播種に用いられる品種の抽だい開始照度は高かった.3. 'パレード'など11月播種の適品種では, 限界照度は3∿5lxであった.また, 'おかめ'など5月播種に用いられる品種の限界照度は2∿3lxであったが, 'トニック'などの晩抽性品種を加えると13lxと高くなった.
著者
政岡 伸洋 岡田 浩樹 小谷 竜介 加藤 幸治 蘇理 剛志 沼田 愛 遠藤 健悟 大沼 知
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、民俗学の立場から、以前の暮らしや他地域の事例も視野に入れつつ、東日本大震災の被災地で起こるさまざまな現象を調査検討し、新たな理解と課題を提示するものである。今回得られた知見として、①震災後の早い段階から民俗行事が行われ注目されたが、これは混乱の中での必要性から、震災前の民俗を活用し、新たに創出されたものであったこと。②暮らしの再建という点からみれば、4年経った被災地の現状は、やっと出発点に立った段階であり、今後もその動きを注視していく必要があること。③被災体験の継承については、災害のみならず地域の歴史や暮らし全体に関心を持つ地元研究者の育成が必要である点などが明らかとなった。
著者
小林 英雄 森 香津夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.256-268, 2005-01-01
被引用文献数
12

OFDM通信方式は,周波数軸等化方式の採用により多値QAM等の高能率変調方式の同期検波が可能となり,マルチパスフェージング環境下において高速度・高品質のデータ通信の提供を可能としている.これらOFDM通信方式の優れた特性を達成するためには,マルチパスフェージング環境下における周波数軸上の伝送路特性を高精度に推定する必要がある.本論文では,これまでに提案されている離散フーリエ変換(DFT)を用いた伝送路推定方式の問題点について明らかにし,これら問題点を解決する解散コサイン変換(DCT)を用いた伝送路推定方式について提案する.また,0FDMAやMIMOシステム等での利用が検討されているスキャタードパイロットを用いた伝送路推定方式に対して適用可能なDCT法を用いた周波数軸補間法についても提案する.本論文では,提案方式の有効性について計算機シミュレーション結果より実証する.
著者
長瀬 文昭 田中 靖郎 石田 学 高橋 忠幸 満田 和久 井上 一 宇野 伸一郎 HOLT S. 伊藤 真之 SERLEMITSOS P. 松岡 勝 北本 俊二 WHITE N.E. 林田 清 MADJSKI G. 田原 譲 CANIZARES C. 大橋 隆哉 MUSHOTZKY R. 紀伊 恒男 PETER R. 国枝 秀世 山内 茂雄 堂谷 忠靖 村上 敏夫 常深 博 牧島 一夫 小山 勝二 山下 広順 三原 建弘 小川原 嘉明 吉田 篤正 槙野 文命 HUGHES J. 宮田 恵美 鶴 剛 粟木 久光 石崎 欣尚 藤本 龍一 上田 佳宏 根来 均 田代 信 河合 誠之 RICKER G. HELFAND D. MCCAMMON D.
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

「あすか」は、日米共同で製作されたX線天文衛星であり、1993年2月に打ち上げられた。そして、その後の観測運用も両国の緊密な協力によって遂行されている。これまで衛星は順調に運用され、装置は正常に稼し、所期の性能を発揮しており、試験観測・公募観測とも順調に行われてきた。本研究の目的はこの衛星の観測・運営を日米協力の下で行い、中性子星やブラックホールを含むX線連星や、超新星残骸、活動的銀河核、銀河団等からのX線放射、宇宙X線背景放射等の研究を行うことであった。この目的に沿って研究を進め次の各項目に述べる成果を挙げた。(1) 専門科学者グループの会合を定期的に開催し、観測計画の評価・ターゲットの選択、衛星の運用、適切な検出器較正等の衛星観測運営上の基本方針について討議をおこなった。(2) X線望遠鏡および各測定装置の精密な較正を行うとともに、各検出器の諸特性・応答関数の時間変化を明らかにし、すべての観測に対し正確な解析を可能とした。(3) データ解析ソフトウエアーの改良・拡充、科学データの編集、管理を両国研究者が協力し且つ継続的におこなった。(4) 観測から得られたデータを共同で解析、討議を行って、その科学的成果をまとめた。さらにこれらの得られた成果を各種国際学会・研究集会において発表し、また学術専門誌に公表した。(5) 観測者の占有期間を過ぎたデータを統一的に編集・管理し、またその観測記録を整備して、これらの観測記録、アーカイブデータを広く公開し、世界中の研究者の使用の便に供した。特に、「あすか」によるX線観測では、その高感度、高帯域、高分光撮像特性により、宇宙論研究に重大な寄与をするX線背景放射の解明、遠方のクエーサーや原始銀河からのX線放射の発見、銀河団の進化および暗黒物質の解明、活動銀河核、ブラックホール天体、ジェット天体、強磁場中性子星等の特異天体の解明、激変星、高温白色わい星、超新星残骸等における高温プラズマ状態の研究等において重要な成果を得ることが出来た。これら「あすか」の成果は国際的にも高く評価されている。以上、本研究課題に対する科学研究費補助金により、国際協力の下での「あすか」衛星の観測・運営が円滑に行われ、また十分な科学的成果を挙げることが出来た。
著者
根岸 隆
出版者
東洋英和女学院大学
雑誌
東洋英和大学院紀要 (ISSN:13497715)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-12, 2005-04-01

We defended Marshall from modern economic theorists' false accusation that he forgot producers' surplus in his proposition of the tax-subsidy scheme. After due attention is paid to Brahmananda's pioneering contribution, we argued, firstly, that Marshall did not forget producers' surplus but merely considered the case of no producers' surplus, in view of his distinction between the supply curve and the particular expenses curve and the long-run nature of the equilibrium considered. In addition to this purely theoretical vindication (rational reconstruction), we argued further more, from the view point of the history of economic thought, that Marshall did not forget producers' surplus in The Pure Theory, which was aimed at specialist readers, but deliberately assumed it away in Principles, which was aimed at more general readers. Finally, in view of the recent rapid development of the theoretical and applied general equilibrmm theory, we emphasize the role of Marshallian particular equilibrium analysis as a heuristic method.
著者
柳本 哲 渡邉 伸樹 大竹 博巳 深尾 武史 谷口 和成 安藤 茂樹 河崎 哲嗣 佐伯 昭彦 池田 敏和 松嵜 昭雄
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本で初めての中高生を対象とした数学的モデリング・チャレンジのプログラムを京都で開催し,その教育的効果を検証するとともに,実施上の問題点について考察した。1回目は2013年2月に中学3年生8名が,2回目は2014年2月に高校1年生21名が,3回目は2015年2月に中高生33名が,それぞれ参加し,ボブスレー問題や電力会社収支問題などの現実問題に数学を使って挑戦した。その結果,参加した生徒は数学の有用性を再認識するとともに数学を使った問題解決に挑む楽しさを感じ取っていた。そして,このプログラム実施によって,周辺の数学科教員に数学的モデリング教材についてより明確に認知してもらうことにも繋がった。
著者
水野 智博
出版者
名城大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

1.腹膜透析液暴露による膜補体制御因子の発現変化・申請者は、腹膜における膜補体制御因子の破綻によって、組織障害が惹起され、高浸透圧下、低pH下では、さらに増悪することも明らかにしてきた。この結果から、腹膜透析液の暴露が補体制御能を低下させていると考え、本研究を着想した。本年度の成果として、中皮細胞表面に発現する膜補体制御因子を、フローサイトメトリー法を用いて解析することに成功し、高浸透圧かつ低pHの腹膜透析液暴露により、細胞表面の補体制御因子発現が低下していることを見出した。以上の結果から、腹膜透析液暴露により補体制御能が低下していることが示され、臨床応用に向けた重要な成果となった。2.補体制御機構の破綻を介した腹膜障害に対する抗C5a療法の有用性・申請者は、膜補体制御因子の機能を抑制することで急性腹膜障害が惹起されることを報告している。本研究では、上記した急性腹膜障害に対して抗C5a療法が有用であるか検討を行った。C5aを不活化する低分子ペプチド(以下AcPepAとする)を0.33,0.67,1.33mg/bodyで経静脈内投与したところ、1.33mg/bodyの用量で組織障害が有意に抑制された。1.33mg/bodyの投与量を用いて、AcPepA投与から6,12,24時間後の組織変化を確認したところ、各時点での組織障害軽減作用が認められた。さらに、C5a受容体アンタゴニストとAcPepAを用いて、その作用を比較したところ、同等の組織障害軽減作用が認められた。以上の結果から、腹膜組織障害に対する抗C5a療法の有用性が示唆され、臨床応用に向けた重要な成果が得られた。これらの結果を取りまとめ、学術誌へ論文投稿中であり、日本透析医学会、補体シンポジウム、国際補体ワークショップにて学会発表も行った。
著者
坂本 泰宏 稲蔭 正彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.66-75, 2009-01-01
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

The purpose of this study is to make moving images not from illumination-controlled intermittent motion but from physically contiguous motion. If the apparent motion can be produced by step motion and explained by a physical model, a distinction between real motion and apparent motion, which have been thought to be completely different, can be discussed. In our research, we have tried to design new moving image media using a mechanical method as a substitute for the optically controlled method (i.e. slits or strobe). Additionally, experiments were implemented about the perception of the apparent motion produced by step motion with our system. As a result, it became clear that the perception of apparent motion differs between individuals. This theory of moving image perception makes it possible to make moving images by using methods different from the existing one.
著者
Fabrice Pataut
出版者
Pierre-Guillaume de Roux
巻号頁・発行日
2014
著者
貴志 真也 森北 育宏 片岡 大輔 木村 侑史 吉田 隆紀 小林 啓晋 鈴木 俊明
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C3O3042-C3O3042, 2010

【目的】<BR> 剣道活動中の傷害発生率は他のスポーツに比べて低いものの、剣道を継続しているものには腰痛症が多く認められる点が剣道競技におけるスポーツ障害の特徴である(和久1991)。そこで今回、その要因を検討するための指標を得る目的に、剣道選手の脊柱Alignmentと脊柱筋の特徴について調査した。<BR>【方法】<BR> 立位姿勢と踏み込み動作姿勢の脊柱側面像のX-P撮影を行い、腰椎前弯度をL1椎体上縁とL5椎体下縁とのなす角をCobb法に準じて測定し、立位姿勢と踏み込み動作姿勢の比較と腰痛群と非腰痛群の2群の比較を行った。統計学的分析は、2×2(痛み×姿勢)分散分析を用いて各群間の平均値の違いを検証した。さらに、交互作用が認められた場合、Tukey HSDによる多重比較を行った。つぎに、MRIにて腰椎のT2強調画像の横断面像を撮影し、L3高位の多裂筋面積と大腰筋面積との比(多裂筋/大腰筋比)を測定した。多裂筋/大腰筋比は、左右の比較と左右平均値を腰痛群と非腰痛群の2群で比較した。統計学的分析はStudentのt検定を用いた。さらに、立位姿勢から踏み込み動作の腰椎前弯変化度と多裂筋/大腰筋比の相関性について調査した、統計学的分析は、Peasonの相関関係で求めた。有意水準は各々5%未満とした。<BR>【説明と同意】<BR> 本研究の趣旨を説明し同意を得た大学男子剣道選手20名(大学で腰痛を経験したことがある選手:以下腰痛群10名と過去に腰痛を1度も経験したことがない選手:以下非腰痛群10名)とした。腰痛群は、全例がO大学の診療所にて筋・筋膜性腰痛症の診断を受けた症例である。本研究は大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科倫理委員会の承認を得た。<BR>【結果】<BR> 腰椎前弯度は、痛みの有無に有意な主効果が認められ(F(1,36)=14.74,p<0.001)、同じく立位姿勢と踏み込み動作姿勢においても有意な主効果が認められた(F(1,36)=68.29,p<0.001)。さらに、痛みと姿勢について有意な交互作用が認められた(F(1,36)=6.73,p(0.014)。その後の多重比較では、腰痛群と非腰痛群の2群とも立位姿勢に比べ踏み込み動作姿勢の腰椎前弯度が有意に増強した(p<0.01)。また、その増強は腰痛群が有意であった(p<0.05)。多裂筋/大腰筋比は、腰痛群・非腰痛群とも左右で有意差は認められなかった。また、左右平均値は腰痛群37.6±7.8%で非腰痛群61.0±21.6%に比べ有意に低値を示した(p<0.01)。多裂筋/大腰筋比が小さくなると腰椎前弯度が大きくなるという有意な相関が得られた(p<0.01)。<BR>【考察】<BR> 今回行った踏み込み動作姿勢のレントゲン画像による脊柱アライメントは、立位姿勢に比べ腰椎前弯度が有意に増強した。さらに、その腰椎前弯の増強は腰痛群が有意に大きかった。したがって、剣道競技における踏み込み動作は、腰椎前弯に伴うストレスが腰椎部に加わる特徴があり、腰痛群は特にその要素が強いと思われる。腰痛群において腰椎前弯度変化が大きい理由について、腰痛群の立位姿勢における腰椎前弯度が非腰痛群に比べて有意に少ないことが挙げられる。その要因として、多裂筋/大腰筋比が非腰痛群に比べ有意に少ないこと、多裂筋/大腰筋比が少ないと立位姿勢の腰椎前弯度も少ないという正の相関関係が得られたことなどから、多裂筋/大腰筋比の低下が考えられる。以上のことから、多裂筋/大腰筋比が少ないと踏み込み動作時の腰椎前弯変化が大きくなり腰痛を引き起こす危険性があるため、多裂筋を選択的に鍛え筋量を増やすことが腰痛予防につながると示唆された。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 近年、スポーツ医学の進歩に伴い、理学療法士がスポーツ選手の障害予防ならびに早期スポーツ復帰のための理学療法をドクターと連携し行うことが重要とされている。そのため、スポーツの競技特性を理解することは障害予防のリハビリテーション、早期復帰への理学療法を行う上で大切である。今回の研究は剣道競技の身体的特徴と腰痛の関係について調査した内容であり、剣道選手の腰痛予防、腰痛からの競技復帰に向けた理学療法を行う上において意義のあるものと考えています。