著者
反田 美香
出版者
近畿大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

本研究では、完全WKB解析の・もとでGauss超幾何微分方程式におけるParametric Stokes phenomenaについて研究を行った。すなわちGauss超幾何微分方程式に大きなパラメータを導入した方程式で考察を行った。Parametric Stokes phenomenaは形式解であるWKB解のパラメータに関するStokes現象の解明を行うものである。大きなパラメータを導入しているためParametric Stokes phenomenaはパラメータを無限に飛ばした時の漸近挙動を解析するために重要な関係式である。また、前年度では非退化のStokes幾何ごとにVoros係数のBorel和を計算したが一部のみだった。そのためすべての場合でVoros係数のBorel和を計算し、関係性を考察した。この結果によりあるinvolutionでパラメータを移したときのParametric Stokes phenomenaを直接計算せず、この関係性を利用して導き出せることができた。さらに超幾何級数のパラメータを無限に飛ばした時の漸近挙動は交通流モデルや力学極限を考察するために必要である。よって完全WKB解析と超幾何微分方程式との関係が明らかになれば、Parametric Stokes phenomenaを利用することにより交通流モデルや力学極限など物理の研究の発展にも繋がると考えている。また、超幾何微分方程式におけるWKB解のalien derivativeについても研究を行った。このことによりWKB解のBorel変換はfixed singularityと呼ばれる特異点を持つことが確かめられた。このfixed singularityを避けながらWKB解のBorel和の解析接続を考察することによりWKB解のalien derivativeを導きだした。また、WKB解のalien derivativeの定義を利用してParametric Stokes phenomenaを導きだせた。Parametric Stokes phenomena、WKB解のalien derivativeいずれも先行結果はWeber方程式、Whittaker方程式についてであるので、不確定特異点を持っ方程式についての結果である。一方、自身の結果はGaussの超幾何微分方程式について考察しているため確定特異点のみもつ方程式について結果を得ている。この結果が自身の結果の重要な部分であると考える。
著者
中山 琢夫
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.65-69, 2013-06-25 (Released:2014-03-14)
参考文献数
6

Mountain villages in Japan have seen a large-scale exodus of their youth. To stop this phenomenon from continuing, —which leads to depopulation and population aging—it is important to understand the economies of mountain villages, and then develop a precise structure that supports domiciliation.In these mountain villages, unique agricultural practices that embrace a variety of methods are r equired; however, it is difficult to clarify and analyze this kind of unique management by examining statistical data. As a result, I carried out a participant-obser vation field study for one year or more in Niyodogawa-cho, Kochi, Japan. By forming a reliable relationship with a local farmer in this area, I was able to analyze his agricultural management; I did so, largely by reviewing his job diary and by making direct observations.As a result, it is revealed that farming immigrants who have finished their child care obligations can succeed in sustainable agricultural management; on the other hand, it is comparatively more difficult for younger immigrants who are caring fortheir young children to manage their households.
著者
堤 明夫
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.806, pp.76-81, 2014-11
著者
寺田 麻佑
出版者
国際基督教大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

わが国における情報通信分野における規制機関と規制手法の在り方につき、わが国において情報通信法制度を巡る様々な法改正の動きを前提として、活発な法律上の議論が行われた状況を踏まえつつ、学問的な議論を米国法との比較法的に深めた。情報通信分野における規制機関に関する議論は、米国に強い影響を受けた委員会制度の導入とその後の廃止等にかかる議論と密接不可分な関係を有している。現在の制度のまま独立性を高めた情報通信分野における規制機関の再検討を行うには、透明性の確保の問題以外にも、独立規制機関の設置に係る憲法上の問題点も慎重に検討する必要がある。
著者
水島 治郎
出版者
千葉大学法学会
雑誌
千葉大学法学論集 (ISSN:09127208)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.125-147, 2014-08

『千葉大学法学論集』第29巻第1・2号 宮崎隆次先生・嶋津格先生 退職記念号Hogaku Ronshu(Chiba Journal of Law and Politics) Vol.29 No.1・2 Essays in Honor of Professors Ryuji Miyazaki and Itaru Shimazu at their Retirement from Chiba University
著者
水島 治郎
出版者
千葉大学法学会
雑誌
千葉大学法学論集 (ISSN:09127208)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.125-147, 2014-08

『千葉大学法学論集』第29巻第1・2号 宮崎隆次先生・嶋津格先生 退職記念号
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.289, pp.70-75, 2001-10-12

第二東名・名神高速道路では,2001年度から2002年度にかけて,複数の区間が部分的に開通する。 愛知県の湾岸弥富やとみインターチェンジ(IC)から三重県の四日市ICまでの14.4kmのうち,まずは川越ICまでの8.2kmが2001年度中に開通。愛知県側ですでに供用している伊勢湾岸自動車道とつながる。 さらに,2002年度には川越IC-四日市IC間の6.2kmが開通。
著者
工藤 陽史 山口 茂 福田 直子 菊池 竜也 佐渡 旭 深井 誠一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.343-349, 2012-07-15

西南暖地におけるトルコギキョウの冬出し栽培では,開花の遅延回避と草丈の確保が問題となる。西南暖地の冬出し栽培では,定植後の一定期間に加温を必要としないことに着目し,高昼温管理による生育促進技術を検討した。夜温を15℃一定とし,昼温25または30℃に設定した自然光型ファイトトロンで,中早生品種'ボレロホワイト'を定植~切り花収穫まで栽培した。昼温25℃区に比べて昼温30℃区で主茎伸長が促進され,早期に発蕾して開花した。定植60日後までの茎葉の乾物重は,昼温30℃で重い傾向にあった。また,下位節の節間伸長は,定植40日後までに決定されていた。これらの効果を実際の栽培で確認するため,施設の換気温度を25と30℃に設定したガラス温室で,初期生育と発蕾日に及ぼす影響を検討した結果,30℃が25℃と比較して生育は促進したが発蕾日に差はなかった。さらに,9月22日定植と9月29日定植の2回の栽培で,定植から約40日程度の施設の換気温度を30℃に設定した高昼温管理が,収穫日と切り花品質に及ぼす影響の検討を行った結果,初期生育が促進し,9月22日定植で2月上旬,9月29日定植で2月中旬に切り花長80cm以上,切り花重40g以上確保された切り花が得られることが明らかとなった。
著者
亀井 敬史
出版者
公益財団法人応用科学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

持続可能なエネルギーシステムの成立性を、サプライチェーン・マネージメントの手法を応用した評価法で検証する方法論を確立し、原子力や再生可能エネルギー、電気自動車などのエネルギーシステムに適用した。この結果、持続可能なエネルギーシステムに関わる物質(材料としてのレアアース、廃棄物としてのトリウムおよび使用済み核燃料、燃料としてのトリウム)の物量収支分析から、システムの最適化が可能であることが示された。
著者
安藤 研 布施 秀樹 島崎 淳 村上 信乃 松嵜 理
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1399-1405, 1988-08-20
被引用文献数
3 8

前立腺癌は経過中に組織学的分化度を変化し,再燃後には,低分化傾向がみられることを既に報告した(日泌尿会誌,74:989,1983).今回さらに症例を追加し,生検時と剖検時の病理組織像の比較を行なった.用いた37例は,全例癌死であり,いずれも内分泌療法が施行された.生検剖検問に取扱い規約による分化度の変化をみたものが9例,不変のものは28例であり,前者はすべて中分化型が低分化型となったもので,後者は中分化型12例,低分化型16例であった.低分化型で分化度の不変のものに内分泌療法無効例が多かった.生検剖検問で取扱い規約により不変とされた28例でもGleason scoreでみると,その40%は剖検時scoreが大となっていた.したがって内分泌療法後に再燃したものは,治療前に比べて,低分化傾向になるとみなせた.剖検時,転移部位の分化度は,多くは,原発巣と同じ分化度であった.
著者
岡部 正幸 山田 誠二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本研究では,ファイアウォールログ分析タスクにおいて人とコンピュータが協調して問題解決を行うために役立つ相互フィードバック設計について検討する. 分析手法として用いるk-近傍法に基づく外れ値検出において,外れ値スコアを計算するための部分特徴空間の探索を対話的に効率よく行うための提案を行う.
著者
渡邉 雅俊
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.581-591, 2011-03-31

The purpose of the present study was to investigate cognitive processes underlying formative activity that contains symbolic use, in students with intellectual disabilities. Participants were 21 students with intellectual disabilities (average MA=8:6; CA=14:9), and 56 children without intellectual disabilities (27 six-year-olds and 29 nine-year-olds). The research task was to draw an original "interesting picture", using a pencil and stickers. The results indicated that the students with intellectual disabilities tended to produce few formative activity containing symbolic use compositions, and that their composition mainly showed typical representations. This may be attributed in large part to the difficulty that students with intellectual disabilities when searching for prior knowledge regarding components, and to their cognitive processes, which tend to be characterized by a limited ability to synthesize mentally or transform individual components.
著者
吉村 剛 インドラヤニ ユリアティ
出版者
都市有害生物管理学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.37-45, 2006-06-30
被引用文献数
3

1970年中頃より日本でその被害例が報告されるようになったアメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor (Hagen))の被害の現状とその対策について,現在解析が進みつつある食害生態における特徴とともにまとめた.アメリカカンザイシロアリの被害は全国的に拡大しつつあり,現在では日本全国に薄く広く分布していると考えるべきである.現状の被害報告件数から類推して,日本全国で数千軒以上の被害家屋があると思われるが,その被害は家屋上部,特に屋根部材に集中して発生する.食害行動や樹種嗜好性,および好適摂食環境条件などにおいて,アメリカカンザイシロアリはイエシロアリやヤマトシロアリとは大きく異なっていた.イエシロアリやヤマトシロアリを対象とした現在のシロアリ防除システムではアメリカカンザイシロアリに適切に対応することは不可能であり,新たな防除マニユアルの作成が早急に望まれる.これ以上の被害の拡大を防ぐために,行政-研究者-業界団体-薬剤メーカー-施工業者がスクラムを組んで真摯に取り組む必要がある.
著者
小泉 潤二 春日 直樹 中川 敏 栗本 英世 石川 登 花渕 馨也 春日 直樹 中川 敏 栗本 英世 中川 理 石川 登 花渕 馨也 松川 恭子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、トランスナショナルな、つまり国家、国民、民族を超える現代世界の動態的現象を人類学的に把握し分析するために、「境界」に生まれるもの、つまり境界の生産性に着目した。中米、アフリカ、東南アジア、オセアニア、ヨーロッパなど各地で現地調査を実施して経験的資料を集め、国家や民族やモダニティなど多様な要因により複雑に構築される境界の理解を進めるとともに、その境界を越える人やモノの流れの現実を明らかにした。

1 0 0 0 郷土趣味

著者
郷土趣味研究會
出版者
郷土趣味研究會
巻号頁・発行日
1936
著者
中谷 哲弥
出版者
奈良県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

今日、観光形態の一つとして定着しつつあるフィルム・ツーリズム(映画やテレビドラマなどの映像メディアの撮影地となったところを訪れ、映像の世界を追体験する観光)に関して、英国、ニュージーランド、米国の3カ国に関する国際比較調査を実施した。その結果、いずれの国においてもフィルム・ツーリズムが観光ビジネスとして確立され、各種のツアーが催行されていることや、その展開においてツアーガイドの役割が大きいことが判明した。また、フィルム・ツーリズムでは、映画等の追体験だけではなく、現地の歴史・文化や自然など、そもそも現地が有する魅力も合わせて堪能できることが継続性の鍵であることも明らかとなった。