著者
佐藤 修司
出版者
東京大学教育学部
雑誌
東京大学教育学部紀要 (ISSN:04957849)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.363-379, 1995-02-28

Kandel's division theory was introduced to Japan in the educational reform after World War II. Kandel was an important member of the Education Mission, so the description of the Mission Report resembled Kandel's in the institutional plan, the used term and wording, including the view of education and democracy, but the contradictory principles of teaching freedom and popular control were put side by side without proper arrangement. Japanese people in charge of the educational reform had the similar plan and view to Kandel and the Mission members. Especially the bill of teacher's ststus had the provisions of teaching freedom for relieving a teacher as a profession from imperative relationship and the professional personnel administration. Regretably the bill was soon repealed. After 1950's the government became opposite to the after-war reform ideals. The division theory of the advocates of 'people's right to education' has been constructed to protect the freedom of teaching under the hostile relationship with the government. For this reason the division theory in Japan has made radical and progressive in contrast to Kandel's.
著者
松村 栄久 三宅 淳史 石田 直 松井 保憲 石川 真也 池上 直行 松倉 規 小阪 真二 玉田 二郎
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.349-355, 1993-06-20
被引用文献数
4 2 1

肺癌における癌性髄膜炎の合併は極めて予後不良とされてきた1今回我々はこれに対しOmmaya reservoirを用いて治療した2症例を経験し,非使用5症例と比較検討を行った10mmaya reservoirを用いMethotrexateの脳室内注入を行った2例(腺癌)では,重篤な意識障害をきたさず,他の合併症が予後を決定した.一方非使用5例(腺癌3例,小細胞癌2例)では全例が短期問に意識障害を来たし,癌性髄膜炎が死因に直結した.癌性髄膜炎の診断後予後はOmmaya reservoir使用2例で各々168日,56日で,非使用5例の9〜21日(平均16日)に比べて延長が認められた.Ommaya reservoirに起因する明らかな合併症は認めなかった.自験7例の癌性髄膜炎の診断時には全例髄膜以外にも転移が生じていた.従って,これらの病巣が落ち清いていれば,Ommaya reservoirを用いた局所的な髄膜播種の治療を積極的に考慮してよいと思われた.

1 0 0 0 OA 滑稽雑談

著者
四時堂其諺 編
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第1, 1922
著者
池田 嘉郎
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-7, 2007-05-30

本稿では、ロバート・サーヴィスの「レーニン」とエレーヌ・カレール=ダンコースの「レーニンとは何だったか」という、近年邦訳の出た二つのレーニン論を素材にして、ソ連期ロシア史研究の今後の可能性についての考察を行なう。サーヴィスの著作が、ロシア史の特殊な文脈を極力離れて議論を展開しようとするのに対して、カレール=ダンコースの著作は、ロシアの政治家としてのレーニンに一貫してこだわっている。本稿の筆者は、後者の姿勢により大きな可能性があると考えるものである。本稿の構成を示すと、史料状況・研究動向を概観した後、1)レーニンのパーソナリティ、2)レーニンとソ連体制の歴史的位置づけ、の2点について、両著作の内容を検討する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.429, pp.45-47, 2005-01-01

固定通信と携帯電話の融合は,モバイル・セントレックスで一つの形が見えてきた。だがこれは音声が中心。今後はブラウザフォン・サービスなど,データ通信の領域でも固定と携帯の融合が必須だ。そのためにはまず企業ユーザーのニーズをくみ取ることが先決。そこで本誌は先進ユーザー企業3社の座談会を企画。最適な端末は何か,料金やサービス面の課題は何かを語ってもらった。
著者
柴田 就平 日本及び東洋美術史調査研究班
出版者
関西大学博物館
雑誌
関西大学博物館紀要 (ISSN:13414895)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.51-66, 2010-03-31

平成二十一(二〇〇九)年度日本及び東洋美術史の調査研究報告〈論文・資料紹介〉
著者
杉本 昌裕
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.40, pp.83-100, 2007-03

金属工芸(以後、「金工」と表記する)は、伝統的な工芸の中でも専門的な施設、機械、道具が必要である。また、指導者が少ないのと金工を指導する学校が少ないため、学校教育の授業に取り入れるためには、教材開発や指導者育成などの工夫が必要である。一方で、指輪やネックレスなどの金属加工の装飾品の需要と人気は高いものがある。金や銀製品は、だれもが欲しいものの一つである。本学では工芸実習、デザイン実習に金工制作を取り入れている。本稿でまとめるのは、このような金属を使った制作が、ライフデザインを充実させるとともに、学校教育で生かせると考えるからである。金工や金属素材を生かす教材研究を進めることで、日本の伝統的な技術を守り続ける心や、新たなものを創造できるような土台を築き上げたい。「買うもの」から「つくるもの」「つくれるもの」として、金工や金属素材を生かした工芸を、私たちの生活の中に、位置付けていくことがねらいである。なお、本研究は平成18年度跡見学園女子大学特別研究助成によるものである。
著者
別府 正敏
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究では、我々がすでに見いだしていたマクロファージの酸化細胞認識機能について、1)マクロファージ側の細胞表面レセプター分子である50kDaのレクチン様分子(p50)の実体解明、2)酸化細胞表面において認識される糖鎖リガンドの生成機構の解明、の両面から検討した。その結果以下の成果を得た。また、この認識様式は酸化細胞だけでなく、アポトーシスによって死につつある細胞の認識にもはたらくことを新たに見いだした。1.単離したp50の部分アミノ酸配列情報をもとに、PCR法にてヒト細胞のcDNAライブラリーから候補タンパク質をクローニングした。今後、このcDNAがコードするタンパク質が酸化細胞認識機能を有するかなどの同定作業を行う予定。2.p50の部分アミノ酸配列に対する抗体を作製し、この抗体を用いた蛍光抗体法により、マクロファージ細胞表面にp50が存在することを顕微鏡レベルで証明した。さらに、この抗体がマクロファージによる酸化細胞の認識を阻害することを確認し、p50が酸化細胞認識タンパク質であることが改めて裏付けられた。3.マクロファージはアポトーシスを起こした細胞を認識するが、アポトーシスT細胞の認識においても、酸化細胞に対する認識と同様、細胞表面のsialylpolylactosamine糖鎖を介した認識機構がはたらくことを見いだした。興味深いことにこの認識様式は、アポトーシス初期の細胞に対して働き、よく知られているホスファチジルセリン(PS)を介した認識よりも早く起こることが判明した。4.こうした認識を受ける細胞表面糖鎖は、T細胞ではCD43膜糖タンパクの糖鎖であることが判明した。さらに、酸化やアポトーシスを起こしたT細胞では、初期にCD43がクラスタリングすることが顕微鏡レベルで確認され、「細胞膜糖タンパク質がクラスタリングを起こすことによって細胞表面に糖鎖クラスターが形成され、マクロファージのレセプターにより認識されるようになる」という我々の提唱する仮説が証明された。

1 0 0 0 OA 国旗の光

著者
遠藤巌 著
出版者
遠藤巌
巻号頁・発行日
1912

1 0 0 0 OA 大日本国旗

著者
山口正勝 著
出版者
大日本国旗会
巻号頁・発行日
1925
著者
土橋 一仁 松本 伸示
出版者
東京学芸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、温室効果を実験室で再現する実験器の開発に挑戦した。温室効果は地球温暖化の主要因として知られているが、その原理を正しく学習するためのモデル実験は存在しない。温室効果を実験室で再現するためには、温室効果ガスを封入する容器として、可視光から中間赤外線にかけて透明な素材が必要である。我々は、そのような素材として岩塩を用い、実験器を試作した。二酸化炭素を封入して実験を行ったところ、温室効果と思われるデータを得ることができたが、岩塩は脆弱で再現性に問題があり、研究期間内に温室効果検出の確証を得るには至らなかった。実験器の問題点は明らかなので、現在も引き続きその問題解決に取り組んでいる。
著者
鈴木 雅一 武居 有恒 福嶌 義宏
出版者
社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.4-13, 1988
被引用文献数
5

芝生地の森林地に対する水文特性の相違を調べるために,滋賀県東南部のゴルフ場を対象として,1年間の水文観測が実施された。対象地は同一流域の上流側がアカマツ・ヒノキを主とする林地,下流側が芝生を主とするゴルフ場である。流域面積は上流観測点で23.7ha,下流観測点で77.5haであり,芝生地面積は53.8haとなる。森林地区,芝生地区の地質はそれぞれ,粗粒花崗岩,第三紀古琵琶湖層群であり,平均斜面傾斜は,それぞれ21.7°,4.12°である。年水収支の検討により,森林地区と芝生地区の年蒸発散量は836.2mm,536.7mmと見積られた。芝生地区の年蒸発散量は森林地区に較べて約300mm少ない結果である。つぎに,両地区の流出特性を定量的に評価するために,観測された日・時間・20分記録に対して,「水循環モデル」が適用された。なお,月蒸発・蒸散量の推定には,日本各地域の短期水収支を根拠とする「蒸発散推定モデル」が使われた。森林地区に対する芝生地区の流出の顕著な特徴は,降雨のほとんど大部分が直接流出となるために基底流出成分が少なく,その結果ハイドログラフの変動が激しくなる点である。
著者
西田 円
出版者
天理大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は,競技者が競技成績の停滞・低下によって無力感状態に陥る現象に焦点を当て,無力感状態が生起する要因を明らかにし,競技者に対する有効な介入方法を検討することであった。まず,競泳選手の練習場面におけるセルフ・エフィカシー尺度を作成しセルフ・エフィカシーと関連のある帰属スタイルを明らかにした。次に,無力感状態から回復した経験のある選手へのインタビューから,パフォーマンスの向上を実感した直後に無力感に陥りやすいことが示唆された。また,パフォーマンスが停滞している状況にあっても,指導者や周囲から期待され認められているという実感は,練習の継続や試合への出場に繋がる重要な要因となっていた。

1 0 0 0 OA 粟田部警防史

著者
飯田栄助 著
出版者
西野勝治郎
巻号頁・発行日
1941
著者
佃 洸摂
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本年度は大きく二つの研究課題に取り組んだ。一つ目の研究では、語の上位下位関係を用いて、入力クエリに対する同位語らしい語および上位語らしい語を発見する手法を提案した。提案手法では、語の上位下位関係を基に作られる2部グラフに対してHITSアルゴリズムを拡張した手法を適用することで、同位語らしさ、上位語らしさを求める。例えば、「落合博満」というクエリに対しては、同位語らしい語として「野村克也」や「イチロー」といった語が、上位語らしい語として「野球監督」や「野球選手」といった語が得られることが期待される。 実験では、クラウドソーシングを用いた大規模な実験を行い、提案手法の有用性を明らかにした。二つ目の研究では、社会認知量に基づく典型度と、データ量に基づく典型度に差がある情報は意外であるという仮説の基、意外な情報の発見を目的とした。特に語間の関係の典型度に着目し、上記の仮説を検証するために、クラウドソーシングを用いて社会認知量に基づく関係の典型度および関係の意外度を取得した。さらに、語の認知度および同位語を考慮することで社会認知量に基づく典型度の推定手法を提案した。最後に、社会認知量に基づく典型度、データ量に基づく典型度、オブジェクトの認知度を用いて情報の意外度の推定を行った。本研究の手法を用いることで,既存手法により求められる関連度は高いが関係の認知度が低い語を「非典型的な語」としてユーザに提示することが可能になった。
著者
戸次 圭介 横田 孝義 浜田 亘曼
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.605-613, 1988-06-15

高機能LSIの論理設計期間を短縮するためには 後れた論理DAシステムが必要となる.論理設計はテータパス 制御回路 およびこれらの構成要素となる機能モジュールのそれぞれの設計に分類することができる制御向路には結線論理方式とマイクロプログラム方式があるが 大規模で複雑な論理回路はほとんど後者の方式が採用されている.そのためマイクロプログラム方式の制御回路の設計を自動化することが重要となる.そこで本論文では マイクロプログラム方式の制御回路の構成方式をモデル化し この構成モデルに基づいた論理合成アルゴリズムを検討した.これにより マイクロプログラムのアドレス順序情報と分岐機能を定義する情報から マイクロプログラムのアドレス制御を行う部分の論理回路を自動合成することが可能となった.本方式は宣言的データとして表現された制御構造モデルを用いて論理回路の自動合成を行うものであり モデルの蓄積により容易に設計空間の拡張が可能となるまた論理型言語Prologを用いて本アルゴリズムの実装を行い 実際に回路の合成を試みた結果 本アルゴリズムが実用可能となることが確認できた.