著者
矢嶋 純 安田 雅哉 下山 武司 小暮 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム = IEICE technical report. LOIS, Life intelligence and office information systems (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.286, pp.13-17, 2011-11-07
参考文献数
8

暗号分野で長年難問とされていた完全準同型暗号の具体的な構成法をGentryが示して以来、完全準同型暗号を主体とした準同型暗号のクラウド・コンピューティング分野への応用に関する研究が盛んになりつつある。Gentryによる完全準同型暗号は、暗号文に関する加算・乗算操作の演算回数が制限されたSHEスキーム(=somewhat homomorphic encryption scheme)から構成される。Gentry's SHEスキームの暗号操作可能回数と安全性の関係を検証するために、Gentry's SHEスキームの安全性を支える格子問題に対し、格子縮約アルゴリズムを利用した攻撃実験を行った。本論文では、512次元Gentry's SHEスキームに対するLLL攻撃実験結果を主に報告する。
著者
黒松信行 松田雄一 上田晴康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [ハイパフォーマンスコンピューティング]
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-5, 2014-07-21

ユーザが既存の業務アプリを修正することなく Hadoop 上で実行することでバッチ処理を高速化する技術として,富士通は NetCOBOL Hadoop 連携機能を開発した.しかし,Reduce タスクの入力データの偏りが原因で実行時間がばらつくために Hadoop の並列効果が低下する問題があった.この問題は Hadoop の仕組みと入力データ中に含まれるキーの出現数の偏りに起因する Reduce-Skew に原因がある.一般に,業務アプリはキーの種類が少ないため出現数が偏ることが多く,NetCOBOL Hadoop 連携機能では Reduce-Skew が生じやすい.我々は業務アプリを修正せずにバッチ処理を高速化する NetCOBOL Hadoop 連携機能の特徴を損なわずに Reduce-Skew を軽減する割合指定 Partitioner を提案する.割合指定 Partitioner は Reduce タスクの入力データ量の平準化と,タスクスケジューリングの最適化により MapReduce ジョブの実行時間を短縮する.実業務で使われるデータを再現して評価した結果、処理完了までの時間を最大で 30.6%短縮した.
著者
松本 勉 四方 順司 清藤 武暢 古江 岳大 上山 真貴子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.194, pp.73-80, 2005-07-15
参考文献数
3
被引用文献数
3 1

本稿では, 個人認証を行う主体である認証者の手元に個人認証を受けるもの(ユーザ)の個人情報をすべて集めずに, プライバシ保護を志向した分散認証技術について, 課題の抽出, 及び基本方式の検討を行う.すなわち, ユーザの属性情報を秘密分散方式により分散して管理する複数の分散属性認証機関と, ユーザの属性情報を認証者にどの程度示すかをユーザ自らが制御できるモジュールであるユーザアシスタントを導入したモデルを考案し, さらに, この分散認証技術の基本方式を提案する.
著者
山田 隆 藤江 誠
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

青枯れ病菌巨大ファージRSL1ゲノムに検出した343個の遺伝子を対象にDNAマイクロアレイ解析を行い、感染期における4つの発現パターンを検出しゲノムマップ上に塗り分けた。持続的感染期に発現する12個の遺伝子を同定し、宿主菌増殖抑制/活性化制御等に関する機能解析を行い興味深い新規知見を得て、当初の目的を達成できた。病原細菌を薬剤を使わずファージを用いて持続的に制御する新システムとして重要と思える。
著者
福島 亘 八木 雅夫 坂本 浩也 伊井 徹 清水 康一 米村 豊 泉 良平 三輪 晃一 宮崎 逸夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.2185-2188, 1993-08-01
被引用文献数
7

症例は64歳の男性で, 昭和56年8月に胸部中下部食道癌 (A_0 N_0 M_0 Pl_0, Stage I) にて右開胸開腹胸腹部食道全摘術および胸骨後経路頸部食道形成胃管吻合術を受けた. 切除標本の病理組織診断は低分化型扁平上皮癌, 深達度 ep, n(-) であった. 術後10年目に嘔気と嘔吐を認めたため内視鏡検査を施行したところ, 門歯列より 26cm の再建胃管内に径 2.0cm の山田 III 型ポリープを認めた. 生検結果は中分化型腺癌であった. 超音波内視鏡検査で深達度 m と診断されたため, 内視鏡的ポリペクトミーを施行した. 切除ポリープは病理組織学的に乳頭状腺癌, 深達度 m で断端における癌の浸潤も認めなかったため治癒切除と診断された. 食道早期癌術後の再建胃管に発生した早期胃癌の本邦報告例は, これまでに自験例を含め3例のみときわめてまれであったが, 再建胃管癌46例の本邦報告例の検討からは, 早期発見のため術後の再建胃管の定期的な検索が必要であると思われた.
著者
秋山 好光
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では胃がんの発症進展および臨床病理学的諸性状に関わるmiRNAを探索し、その発現異常を検討した。その結果、miR-181cとmiR-212がエピジェネティックなメカニズムで発現抑制されていることが明らかになった。特に、miR-181cの発現にはCpGアイランドのメチル化が密接に関連していた。これらのmiRNAを胃がん細胞内で強制発現させると細胞増殖が抑制された。一方、CDX2転写因子の発現にはmiR-9が関与しており、リンパ節転移陽性胃がんでmiR-9の発現が高い傾向が認められた。以上、胃がんに関わる新規miRNAを複数明らかにした。
著者
Yosuke ITO Seiya MAEHARA Yoshiki ITOH Miri HAYASHI Akira KUBO Takaharu ITAMI Tomohito ISHIZUKA Jun TAMURA Kazuto YAMASHITA
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.14-0345, (Released:2014-11-05)
被引用文献数
1 7

The purpose of this study was to investigate the effects of sevoflurane concentration on canine visual evoked potentials with pattern stimulation (P-VEPs). Six clinically normal laboratory-beagle dogs were used. The minimum alveolar concentration (MAC) of sevoflurane was detected from all subjects by tail clamp method. The refractive power of the right eyes of all subjects was corrected to −2 diopters after skiascopy. For P-VEP recording, the recording and reference electrode were positioned at inion and nasion, respectively, and the earth electrode was positioned on the inner surface. To grasp the state of CNS suppression objectively, the bispectral index (BIS) value was used. The stimulus pattern size and distance for VEP recording were constant, 50.3 arc-min and 50 cm, respectively. P-VEPs and BIS values were recorded under sevoflurane in oxygen inhalational anesthesia at 0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5 and 2.75 sevoflurane MAC. For analysis of P-VEP, the P100 implicit time and N75-P100 amplitude were estimated. P-VEPs were detected at 0.5 to 1.5 MAC in all dogs, and disappeared at 2.0 MAC in four dogs and at 2.5 and 2.75 MAC in one dog each. The BIS value decreased with increasing sevoflurane MAC, and burst suppression began to appear from 1.5 MAC. There was no significant change in P100 implicit time and N75-P100 amplitude with any concentration of sevoflurane. At concentrations around 1.5 MAC, which are used routinely to immobilize dogs, sevoflurane showed no effect on P-VEP.
著者
齋藤 いずみ 遠藤 紀美恵 笹木 葉子 坂梨 薫 成田 伸 水流 聡子
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

目的:分娩時の看護人員配置の現状を把握し、根拠に基づく安全と質の保証された看護人員配置にするために、以下の4病院の分娩基礎データを収集した。地方の複数病院の分娩を集約化した公立病院の産科、専門特化した大規模産科病院2施設、混合科が進む産科の計4病院において、2003年1年間の全分娩事例約2500事例を調査した。文部科学省疫学研究の倫理指針に基づき実施した。方法:カルテ、分娩記録、助産録などからデータべースを作成し、月別・曜日別分娩数、曜日別入院数、曜日別異常分娩数、曜日別母体搬送数、曜日別緊急帝王切開数、曜日別児の体重別出生数、曜日別妊娠集数別出生数など、24時間分布としては分娩数、入院数、緊急帝王切開数、母体搬送数などを調査した。結果:月別分娩数は特に有意な差は見られなかった。曜日別分析:曜日別分娩数はハッピーマンデイ政策などにより、週の中盤に分娩が集中し、有意に人手の少ない週末は少なかった。妊娠週数の早い32週以前の分娩、出生体重1500g未満の異常分娩では、母体と児の安全のために週末に意思決定するためか金曜日に分娩が有意に高かった。特に母体搬送、緊急帝王切開では金曜日に高かった。曜日別時刻別分析では金曜日の午後から夕方までの時間帯に緊急帝王切開や分娩のリスクが高い分娩が多いことが明らかになった。24時間分布別分析:時刻別分析では、管理分娩の傾向が高い施設では日勤帯の分娩が多く、自然分娩が多く介入の少ない施設では24時間に分布していることが、統計的にも明らかになった。緊急帝王切開は人手のいない夜間帯にも少なくない現状である。考察及び課題科学的根拠に基づく分娩時の看護人員配置のデータとして非常に有益と思われる。また金曜日の午後から緊急性の高い児の出生や帝王切開が行われることは産科のみならず、NICUにも本情報を共有することが重要である。NICU の実態調査も必要性が高いと思われる。
著者
王 駿キ 佐藤 栄一 延原 肇
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本稿では、データ圧縮技術をテキスト分類に使用することによりテキストの言語に依存しない話題分類を実現し、短文投稿サイトTwitterに投稿されている複数の言語のTweetの分類を行う。また、圧縮の代わりにTweet文字列のエントロピーを用いた場合についても評価し、それぞれの手法の分類精度の比較を行った。
著者
石榑 督和 青井 哲人
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.694, pp.2627-2636, 2013
被引用文献数
5

This paper aims to grasp the reformation process of the block in front of Shinjuku east station-square during postwar recovery from the viewpoint of formation of black markets and land ownerships. In immediate postwar years, <i>Matsujiro Nohara</i> and <i>Kinosuke Ozu</i> each built black market that was both unlawful occupation at the object region. <i>Nohara</i>'s market survived until the beginning of 1960. However <i>Ozu</i>'s market was removed from 1948. <i>Nohara</i>'s market and <i>Ozu</i>'s market are different as regards to land ownerships. They were a street stall keeper. Notwithstanding, after that <i>Ozu</i> acquired four lot of land on the object region. The fact is worthy of note.