著者
松田 成正
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.387-394, 2014

企業活動の急速なグローバル化や環境変化により,正確かつ円滑な情報発信力が強く求められる時代背景のもとで,一般財団法人日本特許情報機構は関係機関や各界専門家の協力を得ながら「産業日本語」の研究と普及を進めてきた。「産業日本語」は,「産業・技術情報を人に理解しやすく,かつ,コンピュータ(機械)にも処理しやすく表現するための日本語」と定義されている。本稿では,特許明細書作成の実務をガイドし,コンピューターによる特許ライティング支援機能を実現するための基礎情報となる「特許ライティングマニュアル」を中心に,「産業日本語」の取り組みを紹介する。
著者
山田 恒夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.367-375, 2014

2013年は日本におけるMOOC元年といってもよい年になった。日本のトップ大学が北米のグローバルMOOCコンソーシアムに参加し英語版MOOCを開講し,日本版MOOCであるJMOOCが結成された。また2014年から日本語のMOOCを順次開講し,どちらも数のうえでは十分な成功を収めた。その一方,MOOC発祥の地,北米では,「MOOCは終わった」との論調も強くなり,MOOCの評価や再定義が始まっている。このような状況において,JMOOCを含む,後発の地域MOOCコンソーシアムは,MOOC現象の本質を見極め,それぞれの文脈に応じて,進化させていく必要がある。本稿では,コースとしての質保証,持続可能性・可能なビジネスモデル,ビッグデータと学習解析,次世代の生涯学習の観点から論じた。
著者
山田 恒夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.367-375, 2014

2013年は日本におけるMOOC元年といってもよい年になった。日本のトップ大学が北米のグローバルMOOCコンソーシアムに参加し英語版MOOCを開講し,日本版MOOCであるJMOOCが結成された。また2014年から日本語のMOOCを順次開講し,どちらも数のうえでは十分な成功を収めた。その一方,MOOC発祥の地,北米では,「MOOCは終わった」との論調も強くなり,MOOCの評価や再定義が始まっている。このような状況において,JMOOCを含む,後発の地域MOOCコンソーシアムは,MOOC現象の本質を見極め,それぞれの文脈に応じて,進化させていく必要がある。本稿では,コースとしての質保証,持続可能性・可能なビジネスモデル,ビッグデータと学習解析,次世代の生涯学習の観点から論じた。
著者
北本 尚子 上野 真義 津村 義彦 鷲谷 いづみ 大澤 良
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.47-51, 2005-06-30
被引用文献数
1 1

絶滅危惧植物であるサクラソウの自然個体群内における遺伝的多様性と花粉流動の実態を明らかにするために, 私たちは3組のマイクロサテライトマーカーを開発した.これらのマーカーを用いて, 八ヶ岳演習林内に自生するサクラソウ52個体の遺伝子型を決定したところ, いずれのマーカーも多型性が高く, 1遺伝子座あたりの対立遺伝子数は8〜12, ヘテロ接合度の観察値は0.77〜0.94であった.開発した3組のマーカーとIsagi et al. (2001)によってすでに開発されている7組のマーカーを組み合わせたときの父性排除率は, 0.997と推定され, 偽の花粉親候補を偶然選ぶ確率が84%から7%へと大幅に改善した.したがって, 今回開発したマイクロサテライトマーカーを併用すれば, 自然個体群内の花粉流動を把握することができると考えられる.
著者
冨岡 公子 北原 照代 峠田 和史 辻村 裕次 西山 勝夫
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.45-54, 2004-03-20
被引用文献数
1

本実験の目的は,手話通訳者における音声言語に誘発された頸肩腕部の筋緊張の有無を確認することである.解析対象者は,インフォームドコンセントを得た「人の話を聞いていると頸・肩・腕が痛くなる」症状を訴えていた職業的手話通訳者8名(ケース群)と手話末学習者8名(コントロール群)である.コントロール群は,性・年齢・喫煙習慣を調整した.安静座位の間,左右の僧帽筋上部と上腕二頭筋から表面筋電図を記録した.この間,全被験者は,日本語の講演を聴くこと,および日本語が全く含まれていない音楽を聴くことの,2つの課題を与えられた.各課題終了直後に,自覚症状を尋ね質問した.表面筋電図の解析方法は,各課題ごとに,100 ms ごとの実効値を算出した.独自の判定基準として3.8μVの閾値を1秒以上超えている部分を筋緊張と判定し,筋緊張を確かめた.その結果,講演を聴いている時に上腕二頭筋や僧帽筋に筋緊張が認められたのは,ケース群では8名中5名,コントロール群では8名中1名であった.僧帽筋の筋緊張が講演を聴いている時に認められ,かつ音楽を聴いている時には認められなかった事例は,ケース群には3名,コントロール群ではみられなかった.これらの結果におけるケース・コントロール群問の差は有意ではなかった.手話通訳者で講演を聴いた際に認められた筋緊張は日本語の音声言語により引き起こされた可能性がある.筋緊張は,手話通訳によって形成された反応なのか,病的反応なのか,今後さらに検討する必要がある.手話通訳者にとっては,日本語の音声言語を聴くことが筋負担となる可能性があり,日本語の音声言語のない環境下で休憩することが筋肉を休息させるために必要と考えられる.(産衛誌2004; 46: 45-54)
著者
鈴木 清一
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.268-275, 2013 (Released:2013-07-01)
参考文献数
10
被引用文献数
4 6

Transmission-EBSD (t-EBSD) method is proposed as a new method for nano-scale microstructures analysis of materials. t-EBSD uses TEM thin foil specimen. Electrons transmitted through the specimen form EBSD patterns. A EBSD detector used for standard EBSD (s-EBSD) is used to acquire these t-EBSD patterns. The patterns are indexed in the same manner as s-EBSD to get crystal orientation. The conditions to get good t-EBSD patterns, formation of t-EBSD patterns and spatial resolution of this method are studied in this paper.    Specimen thickness affects seriously to the results of orientation mapping by t-EBSD. It is confirmed that t-EBSD patterns are formed at the bottom layer of the specimen. If the specimen is very thin, the patterns become very weak and noisy. If the specimen becomes thicker, t-EBSD patterns lose its contrast and sometimes patterns become weak with reverse contrast bands. This means that total thickness of the specimen is important for t-EBSD method, but overlapped grains look not so big problem to get t-EBSD patterns.    Electron beam spread in the specimen is reduced due to thin foil specimen, and it improves spatial resolution of EBSD orientation map. It is confirmed that it can achieve about 10 nm spatial resolution and about 30 nm size grains can be detected with reasonable thickness specimen.
著者
家中 茂
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

沿岸域資源管理と「里海」再生の活動及び放置された人工林の再生と「小さな経済」創出の活動について考察した。そして、多様なステークホルダーの関与をつうじて里海の多面的機能が生み出されているプロセスについて示した。また、専業化・産業化とは別に、副業的な関わりを多様に生み出すことで、森林と人との関係性が再創造されるプロセスについて示した。資源管理論から生業論へ、そして「ローカルなマーケット」論への展開が重要である。

1 0 0 0 OA 真美大観

著者
田島志一 編
出版者
日本真美協会
巻号頁・発行日
vol.第4巻, 1908
著者
藤本 悦子 安藤 詳子 寳珠山 稔 菊森 豊根 福山 篤司 有田 広美 大島 千佳 永谷 幸子 竹野 ゆかり 間脇 彩奈 佐伯 街子 今井 常夫 阿部 まゆみ
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

リンパ浮腫を来した患肢のリンパ動態とCDTの効果を明らかにし、その成果に基づいて効果的なケアプログラムを開発する。動物とリンパ浮腫患者を対象とした2つのアプローチで行った。前者ではICG-PDEシステムを用い、in vivoでリンパを追跡した。後者ではMR画像から水分の貯留部位を同定した。両者共にCDTを施行し、CDTの効果を明らかにした。両アプローチから、リンパは特異的な分布を示すこと、CDTには浮腫を軽減する効果があることが明らかになった。さらにラットでは、正常時にはないリンパの排出ルートが出現し、これが浮腫の軽減に寄与していることが示唆された。これまでとは違ったケアが考えられた。
著者
中里 まき子
出版者
岩手大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

まず、ジャンヌ・ダルク処刑裁判を題材とする20世紀の文学作品(ジャン・アヌイ『ひばり』(1953)、ベルトルト・ブレヒト『ルーアンのジャンヌ・ダルク処刑裁判1431年』(1954)、ティエリー・モールニエ『ジャンヌと判事たち』(1949)等)を体系的に取り上げ、「ジャンヌ・ダルク処刑裁判記録」をはじめとする歴史資料との比較を試みることにより、各作家の創作の独自性を浮かび上がらせた。続いて、ジョルジュ・ベルナノスがエッセー『戻り異端で聖女のジャンヌ』(1929)において寡黙なジャンヌ・ダルクを提示したことに着目し、言語をめぐる同作家の問題意識との関連性を考察した。
著者
林家 正蔵
出版者
大法輪閣
雑誌
大法輪
巻号頁・発行日
vol.81, no.9, pp.230-234, 2014-09
著者
酒井 正明 齋藤 洋典 白石 知子 井藤 寛志
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.433-447, 2009 (Released:2010-09-10)
参考文献数
14

Designers are expected to create beautiful and functional products. Based on a concept of user-friendliness, users expect to understand functions mounted on a product without special knowledge and experience with the manipulation of the designers' real product, while usability of products is measured in terms of users' observation and manipulation. The purpose of this study was to focus on users' observation and to examine whether users can correctly understand functions of a designed product (digital sphygmomanometers), regardless of their medical knowledge, without manipulation. We conducted two experiments to test whether users, regardless of their expert knowledge, elicit high marks in the function-estimation task as well as in the beauty-evaluation task. Two groups of students with or without nursing education were asked to estimate functions and evaluate beauty of two types of digital sphygmomanometer (an old design model and its new model redesigned) based solely on the observation of the products' pictures without manipulating the real products. The results indicated that the two groups of participants showed higher correct responses to the old type than the new type in the function-estimation task, while they showed higher evaluations of the new type than the old type in the beauty-evaluation task. In particular, the results of nursing students in the function-estimation task indicated that medical knowledge in the nursing group did not contribute to the correct estimation of the operation procedure for the new model. These results suggest that designer's efforts for the new model were successful in production of beauty but were not successful in production of perceptive functionality under the present observation condition without manipulation of the real products. We discussed these results based on a framework of co-existence of beauty and functionality in the designers' work.
著者
長野 宏子 粕谷 志郎 鈴木 徹 下山田 真
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

世界中の伝統的な発酵食品から食品に関与しているたんぱく質分解能微生物の探索・保存をペプチドの機能性を検討した。目的は、伝統発酵食品由来微生物の探索・保存とデータベース化を続けることと、その微生物が産生する酵素の機能性への関与を検討することである。特に、プロテアーゼ活性の強いコラゲナーゼ様酵素を産生する微生物(Bacillus属)の産生する酵素の有効性を探ることである。食由来微生物の保存とデータベース化は、生物多様性下において、タイ、ベトナム、中国、カンボジアとMOUを締結でき、公開可能な状況になった。たんぱく質分解能があり、普遍的に存在しているBacillus属を同定し、Bacillus subtilisの16S rDNA結果より、系統樹を作成した。B.subtilis M2-4株の産生する精製酵素の特徴を検討した結果、分子量は、33kDaと推定し、N-末端アミノ酸配列はAQSVPYGISQIKAPAであり、サブチリシンと同じであったが、小麦粉発酵食品からは初めて分離された微生物であった。酸性カゼインに対する分解フラッグメントのC末端は、特に親水性アミノ酸Arg,Gln,疎水性アミノ酸Val,Ile等のアミノ酸であり、ペプチダーゼの可能性がある。牛乳たんぱく質β-ラクトグロブリンに対する酵素作用には、B.subtilis DBの濃縮粗酵素を用い分解能を検討した。β-ラクトグロブリンは、短時間でペプチドに分解され、ペプチドファラグメントのN-terminalアミノ酸配列は、β-ラクトグロブリンアミノ酸配列の23、36と一致し、β-ラクトグロブリンのアレルギーエピトープ部分の分解能があった。この酵素はアレルギー患者にとって低アレルギーなど機能性食品になる可能性をもっているものである。人々の知恵の結晶である「発酵食品」中の微生物が利用される可能性のあるものとなった。
著者
加納 博
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.247-254, 1969-05-25 (Released:2008-04-11)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1