著者
清水 和雄 金子 和子
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.135-146, 1967 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12

我々は食塩 (広義) 中に含まれる亜硝酸および硝酸含有量の実態を明らかにするためまずそれぞれの分析方法を検討した結果, 亜硝酸はRiderおよびMellonの操作によるアゾ色素の光度定量法がほとんどそのまま食塩にも適用できることを知つた. また硝酸についてはあらかじめ日本専売公社制定の方法その他を検討したが, 微量定量には適当でないと考え, 結局MullinおよびRileyの海水に対する方法を準用して, ヒドラジンー銅還元剤による亜硝酸への還元操作に対する温度, pH, 主な海洋塩類特に塩化ナトリウム濃度, マグネシワム塩類の影響ならびに食塩中に比較的多く見出される可溶性の重金属として銅, 亜鉛, 鉛およびマンガン各イオンの妨害を調べ, さらにこれら妨害イオンの除去方法などについて種々の検討を行つた. その結果分析操作として次のような改良を加えることによつて微量のこれら両塩類の光度定量が可能となつた.(1) 亜硝酸については試料の採取量を限定 (本定量操作では5.0g) すれば, 塩化ナトリワムおよび重金属イオンなどの影響はほとんどなく, 精度よく分析し得ることができた.(2) 硝酸については試料の採取量を一定量 (本定量操作では10.0g) とし, その水溶液に塩化第二鉄溶液を加えpH 8~9で金属イオンを共沈させ, その炉液の5分の1を採り, 改めて銅イオン15μgを正しく加えること. 還元操作を標準常温の20±1℃に一定させることなどを主な改良点としてMullinおよびRileyの方法を準用すれば, 食塩中の微量硝酸塩の定量が可能となることを明らかにした.以上の検討結果に基いて国内塩 (並塩および食塩), 天日塩, 岩塩などについて定量した結果次の値を得た.以上の検討結果に基いて国内塩 (並塩および食塩), 天日塩, 岩塩などについて定量した結果次の値を得た.(1) 亜硝酸は国内塩中では並塩, 食塩共に著しい変動はなく, 0~0.042ppmの範囲でその平均値は僅かに0.014ppmにすぎず, 又天日塩も0~0.064ppmでその17点の平均値は0.032ppmで, これ又同様に極めて少なかつた. しかし岩塩ではやや多いものがあり, 例えばチリー産岩塩では0.13ppmが見出された.(2) 硝酸塩は国内塩中では0~0.80ppmで平均値は0.15ppm, 天日塩でも0~0.50ppmで平均0.11ppmでいずれも亜硝酸に比較して, ほぼ一桁程度多いが, 共に例外もなく問題となる程の含有量ではなかつた. 従つてもしこれらに比較して著しく多い値が得られた場合は正常な製塩行程以外から入つた異常な原因によるものと考えてさしつかえないと思う. しかし岩塩では, イエーメン岩塩, チリー岩塩のように20ppm程度におよぶ比較的多量の硝酸塩を含むものが見出されたので岩塩を用途とする場合には, あらかじめ硝酸塩の定量を行つてその用途に適するか否かを調べる必要があると判断した.
著者
鴨井 久博 吉峰 正彌 三浦 悠 濵田 真理子
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.83-89, 2020 (Released:2020-03-02)
参考文献数
18

目的 : う蝕や歯周疾患の予防のためには日々のプラーク・コントロールが重要であり, その方法として歯ブラシによるプラーク除去とともに水流により口腔内の汚れを洗い流す口腔洗浄器が使用されている. そこで今回, 口腔洗浄器による汚れの除去性能を向上させるために, キャビテーション気泡が発生するノズルから吐出される水流による除去効果について, 人工プラークを用いてin vitroで検証した. また, 臨床応用としてキャビテーション気泡を含む水流を吐出する口腔洗浄器を用いて, 歯周組織の改善への有用性および安全性を検証した. 結果 : キャビテーションノズルから吐出されるキャビテーション気泡を含む水流は, 従来ノズルから吐出されるキャビテーション気泡を含まない水流と比較して有意に人工プラークを除去することが示された. また臨床応用においては, 口腔洗浄器は口腔内に為害作用がなく, キャビテーション気泡を含む水流により歯周組織の改善がみられた. 結論 : キャビテーション気泡を含む水流による口腔内清掃は, 日々行う口腔内のプラーク・コントロールに対して有用性のあることが示された.
著者
熊沢 賢二 増田 秀樹 西村 修 平石 真也
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.108-113, 1998-02-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
15
被引用文献数
5 9

コーヒー飲料の加熱処理による香気変化について検討し,以下の結果を得た.1) ガスクロマトグラムでは,furfuryl acetate以外に顕著な差は認められず,コーヒー飲料の加熱処理による香気変化に大きく関与する成分は見いだせなかった.2) FD-クロマトグラムで,加熱処理により減少する2-furfurylthiol, methional, 3-mercapto-3-methyl-butyl formate,β-damascenoneおよびskatoleの5成分を見いだした.これらの香調および閾値を考え合わせた結果,コーヒー飲料の加熱処理による香気変化に,これら5つの香気寄与成分の減少が大きく関与していると推定した.3) 上記香気寄与成分を含むモデル実験から,コーヒー飲料中の香気寄与成分は加熱処理により一般に,酸化,熱分解,あるいは加水分解反応が起こった結果,減少すると考えられる.
著者
李 慧瑛 下髙原 理恵 峰 和治 田松 裕一 緒方 重光
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.515-521, 2020-10-01 (Released:2020-10-01)

近年,医学系分野でテキストマイニングへの関心が高まっている。この手法は看護学領域においては,臨床で起こる現象を掴むための定性的調査手法として,アンケート調査の自由記述やインタビュー調査の逐語録分析に用いられることが多い。また,文献データベースから得られる情報を基に,研究動向を概観する研究にも使用される。本稿では,研究対象として医中誌Web上で検索可能なテキストマイニングを活用した全論文を例に挙げて,研究動向をテキストマイニングの手法を使って分析した。この過程を通して,具体的にどのような新知見が得られるかについて考究し,これをベースとして医学系分野におけるテキストマイニング全般の将来展望について概括する。
著者
由紀 草一
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.41-57, 2003-12-15 (Released:2018-12-14)

What is new about TSUKA Kôhei's plays? He was born in 1948, in the middle of the so called “period of baby-boom” after the World War II. When he was a student in Tokyo in the late 1960s, he witnessed many new plays by new avant-garde playwrights. He learned a lot from them, but refused their concept of history. They tried to visualize on the stage postwar history, in which their characters lived their own lives. But Tsuka's characters are free from that history and live on their own. Instead of history, bodies and passions make drama. Thus, for example, his play, Hiryuden, shows the students' revolt in the late 60s, which he experienced as a student, not as a fact but as a parody of it. A fact is criticized by means of a fiction. The play shows not past history, but a possible history. It is, nevertheless, a history, his history of the 60s, which, however, he could see only on the stage.
著者
坂田 桐子 藤本 光平 高口 央
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.109-121, 2005 (Released:2006-02-18)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

本研究では,リーダーの影響力の「強さ」と「範囲」に及ぼす集団プロトタイプ性の効果について検討した。仮説は次の通りである。(1)集団同一視の高い参加者群において,集団プロトタイプ性の高いリーダーの方が低いリーダーより承認されるであろう。(2)高プロトタイプ・リーダーの影響力が,ある外集団との比較による脱個人化された社会的魅力に由来することを考慮すると,高プロトタイプ・リーダーが低プロトタイプ・リーダーの影響力を上回るのは,その外集団と関連する課題に従事する場合だけであろう。ただし,外集団関連課題における高プロトタイプ・リーダーの影響力は,たとえフォロワーの意向に沿わない指示であっても応諾させるほど強いであろう。実験参加者124名に他集団との対立状況を描いたシナリオを呈示し,質問紙への回答を求めた。その結果,直接的な応諾度指標ではなく,間接的な応諾度指標について,仮説は概ね支持された。本研究の結果の一部は,社会的アイデンティティ理論や自己カテゴリー化理論の視座からの予測とは必ずしも一致しないものであった。最後に,本研究の知見の解釈,本研究の限界,および今後の課題について考察した。
著者
石村 真一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.47-56, 1997-01-31 (Released:2017-07-25)
参考文献数
5

本論は日本の桶・樽の造形文化に関する研究の第2報として, 鎌倉後期の絵画資料に描かれた中国風の桶を検証し, 我が国の桶文化が受けた中国大陸の影響を探ることを目的とするものである。検証の対象は『東征伝絵巻』, 『弘法大師伝絵巻』, 『大江山絵詞』という3種類の絵巻に限定し, 絵巻に描かれた桶をまず摘出した。続いて, 個々の桶を形態, 構造, 使用方法という要素から分類し, 中国の絵画資料, 民俗資料と比較検討し, 次のような事実を明らかにした。『東征伝絵巻』に関しては, 中国の桶文化を広く学んで描かれている。『弘法大師伝絵巻』に関しては, 特に運搬用桶の形態と機能について中国の桶文化を参考にしている。『大江山絵詞』に関しては, 部分的に中国の桶文化を取り入れて描いている。
著者
鹿野 和彦 谷 健一郎 岩野 英樹 檀原 徹 石塚 治 大口 健志 Daniel J. Dunkley
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.351-364, 2012-06-15 (Released:2012-11-07)
参考文献数
76
被引用文献数
7 8

赤島層デイサイト溶結火山礫凝灰岩についてジルコンのU-Pb年代とフィッション・トラック(FT)年代,斜長石のAr-Arプラトー年代を測定し,それぞれ72 Ma,65〜63 Ma,34 Maの値を得た.ジルコンは自形に近い外形とこれに調和的な累帯構造を保持し,かつ溶結した基質や軽石もしくは緻密なレンズの中に散在しており,本質結晶と考えられる.個々のジルコンのU-Pb年代値は集中して標準偏差も1〜2 Maと小さく,マグマの噴出年代を示している可能性が高い.FT年代値は,FTの短縮化が確認できるので,噴出後に熱的影響を受けて若返ったと考えることができる.斜長石のAr-Ar年代値は,段階加熱の広い範囲で安定しているものの,プラトー年代値は上位の門前層火山岩の同位体年代値の範囲内にあり,門前層の火山活動によってアルバイト化して若返った可能性が高い.得られたU-Pb年代は,東北日本においても後期白亜紀の後半に酸性火山活動が活発であったとする見解を支持する.
著者
小倉 拓郎 早川 裕弌 田村 裕彦 守田 正志 小口 千明 緒方 啓介 庵原 康央
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2021年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.166, 2021 (Released:2021-03-29)

1.はじめに 防災学習は,初等教育における総合的な学習の時間において,従来の各教科等の枠組みでは必ずしも適切に扱うことができない探究的な学習として,地域や学校の特色に応じた解決方法の検討を通した具体的な資質・能力を育む課題学習の一例として挙げられている1).ハザードマップは防災学習でよく用いられるが,浸水高や震度分布などの複雑なレイヤ構造を有するため,児童らが一般的に苦手とする基礎的な地図の判読スキルのみならず,重なり合う地図上の情報を適切に取捨選択して理解する能力が要求される.そのため,発災現場などの非日常体験をより直感的に想像できる授業実践や教材の開発が求められる. そこで,実際に自然災害の生じた地域における小学校の児童を対象とし,校区内での被災状況をハザードマップと地形模型を援用した3Dマッピングにより把握することから,地域環境を見つめなおすという防災学習を実践した.本報告では,その実践の過程や学習内容,児童の気づきについてまとめる.2.授業実践の内容 本実践は,2019年度に横浜市立千秀小学校の総合的な学習の時間および図画工作科で計8時数実施した.ここでは,2017年度の小学校6年生が,航空レーザ測量にもとづく標高データ由来の地域の大型地形模型(縮尺1/1000)を製作したため2),これを3Dマッピングの基盤として用いた.一方,防災情報の基礎として,横浜市栄区洪水ハザードマップに描かれている浸水最大規模のレイヤ情報をスチレンペーパーで作成し,地形模型の上に貼り付けることで,通常は2次元の地図で提供されるハザードマップの情報を3次元的かつ実体的に表現した. 本地域では,令和元年台風19号の通過により,校区内で浸水被害や倒木,信号機の風倒などがみられた.児童らは校区内の台風通過後や過去の被災状況について,通学路や自宅周辺の観察や近隣住民への聞き取り調査を実施し,内容と位置をメモや写真にまとめた.調べた内容は地図と模造紙にも記入した(図1).また,被災内容を記したピクトグラムを作成し,調べた位置情報をもとに地域の大型地形模型の上に設置した(図2).その上で,授業の最終段階では,担任教諭や外部協力者としての大学教員・大学院生を交えて,被災した場所の位置や分布の特徴について議論した.3.結果と考察 児童らは地図に被災状況を並べる作業を通して,浸水箇所が河川に近いことや,信号機・テレビアンテナ等の損傷が住宅地に多いことに気づいた.その結果,校区内の地域でも,被災種類に地域性があることを理解した. その後,児童らは,自ら調査した情報を地形模型の上に乗せる作業を行うことによって,地形の凹凸と被災種類の関係に興味をもった.その結果,信号機の風倒箇所が谷部に集中していることに気づいた.地形に注目する中で,自然地形と人工地形の形状の違いについても関心をもち,地図と照らし合わせながら地形改変(宅地開発)や同じ標高の面(段丘面)について確認していた.また,道路や田畑が浸水した箇所は,ハザードマップで描かれていた浸水想定で浸水高が高い傾向を示す箇所に集中していることに気づいた.そこで,本地域の地形の成り立ちについて教員が説明し,旧河道であることを理解した. このように,大型地形模型を利用することによって,児童らに2次元の地図上での議論では浮かび上がらなかった,地形と被災内容の3次元的な空間関係を考える傾向が見られ,3Dマッピングによる考察の深化が観察された.3次元表現を行うことで,水平方向の位置関係や被災種類と土地利用との関係に対する関心から,垂直方向の関心にも目が届き,模型を上から俯瞰するだけでなく,しゃがむ,視点を変え斜め方向から360°回りながら眺める,といった身体を動かしながら対象を理解しようとする行動が見られたことも,3次元的な自然現象の想像・理解につながったと考えられる.4.文献1)文部科学省 2017. 小学校学習指導要領解説.2)田村裕彦・早川裕弌・守田正志・小口千明・緒方啓介・小倉拓郎 2020. 総合的な学習の時間を活用した地理・地形教育の実践−地域文化資源を用いた小規模公立小学校への地域学習から−, 地形, in press.
著者
山本 松男 須田 玲子 小出 容子
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
Dental Medicine Research (ISSN:18820719)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.274-277, 2009-11-25 (Released:2013-08-29)
参考文献数
20

歯周病は歯を失う二大疾患のうちの一つである. 歯周病がやっかいな理由は, 余り痛みを伴うことなく進行してしまうことで, 知らず知らずのうちに歯を支える顎の骨が溶けてしまう病気です. 歯肉は血管が豊富な組織であるため全身のメタボ疾患とも無縁ではなく, 最近の研究によれば, 糖尿病をはじめ動脈硬化症や心筋梗塞, 骨粗鬆症等全身の病気とも何らかの関係があると報告されるようになった. 今回は毎日の生活の中に潜む健康リスク (危険因子) として, 歯周病と全身の関係について最近の話題の中から, (1) 歯周病と高齢者における誤嚥性肺炎, (2) 妊婦さんの歯周病と早産・低体重児出産の関係, (3) 身近な防衛策「歯磨きではなくてブラッシング」について説明する.
著者
垣花 京子 渡辺 信 青木 孝子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.55-58, 2020-06-20 (Released:2020-06-17)
参考文献数
4

コロナウイルスの流行が社会変化をもたらしている.この流行によって数学教育にも大きな変化を求めていることと,今後の国民の教養の在り方を暗示したのではないかと考えられる.今まであまり重要視しなかったデータの扱い方について,数学の新しい分野「データの整理」が重要になる情報化社会の数学教育を考える.
著者
大野 志郎
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-10, 2016 (Released:2016-06-17)
参考文献数
32

SNS や動画サイト、オンラインゲームなどの普及に伴い、憂うつな気分やストレスからの逃避を目的としてウェブサービスを使用する「ネット逃避」の機会が、特に青少年に増えている。ネット逃避はインターネット依存の一因となり、日常生活における実害となって顕在化するものと考えられる。しかしながら、ネット逃避と実害との関係性については、十分に研究が行われていない。本研究では都立高校の生徒 (n=15,191) を対象に質問紙調査を行い、抑うつが、ネット逃避、インターネット依存を介してネット使用の実害へと結びつく構造について検証を行った。共分散構造分析の結果、抑うつがネット逃避 (.23) と潜在的ネット依存傾向 (.04) へ、ネット逃避が潜在的ネット依存傾向 (.66) とネット使用の実害 (.06) へ、潜在的ネット依存傾向がネット使用の実害 (.72) へ影響する、逃避型インターネット依存モデルの適合を確認した。このモデルは、ネット逃避が、インターネット依存を介してネット使用の実害へと結び付く強いパスを示している。抑うつなどの心理的ストレス要因に対し、ネット逃避に代替する効果的な対処方法を見つけ出すことが重要である。
著者
伊藤 大輔 笈田 桂治 小林 吾一 水野 幸治 吉田 良一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.455-460, 2015 (Released:2018-01-25)
参考文献数
13
被引用文献数
3

歩行者頭部インパクト試験と有限要素解析により,A ピラーへの頭部衝突に対するヘルメットの頭部保護効果を検討した.頭部インパクタ試験を実施した結果,HIC はヘルメット着用で減少したが,3000 を超えていた.ヘルメットを装着した人体頭部モデルによる解析では頭蓋骨の骨折は発生しなかったが脳のひずみが大きな値となった.
著者
住田 知樹 加藤 友美 吉村 友秀 村瀬 隆一 中城 公一 浜川 裕之
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.463-466, 2009-09-25 (Released:2012-08-28)
参考文献数
14
被引用文献数
3 7

Methotrexate (MTX) has been proven to be effective for the treatment of rheumatoid arthritis (RA)and is believed to be nononcogenic when a low weekly dose is administered to patients with RA. However, wereport the case of a 71-year-old man with RA who was treated for 11 years with MTX and developed B cell non-Hodgkin's lymphoma (BNHL) in the oral cavity. The tumor was localized in the right maxilla extranodally.Microscopic examination of a biopsy specimen revealed a non-epithelial tumor pattern and showed BNHL inwhich large cells with pleomorphic nuclei invaded the muscle tissue. These large cells tested strongly positive forEpstein-Barr virus encoded small RNAs-in situ hybridization (EBER-ISH) and CD20 antibody. We immediatelystopped MTX administration; however, only minimal shrinkage of the tumor was observed. Therefore, we performedantibody treatment with rituximab. After chemotherapy, complete remission was achieved. To date, thepatient is healthy, with no evidence of tumor recurrence during 32 months of follow-up. The development of anextranodal lymphoma in the oral cavity in a patient with RA who received MTX has not been reported previously.Therefore, this case is considered extremely rare.
著者
Kazuyo Murazaki Hirotaka Kamahori Chiaki Kobayashi Yukimoto Seiji
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
pp.2021-014, (Released:2021-03-31)

This study evaluated the effects of sea surface temperature (SST) resolution on dynamically downscaled daily surface air temperature (Tsrf) in the Kanto region during early summer. Two downscaling experiments and one additional experiment were conducted using different SST datasets for the months of June and July over a 10-year period. The results demonstrated that the Tsrf difference in the Kanto region between the high-resolution SST experiment (Run-H) and the low-resolution SST experiment (Run-C) correlated positively with the difference in surrounding SST. The impact of SST difference depended on the wind direction and speed. By comparing the results with observations at meteorological stations, the number of days with warm Tsrf bias in Run-C significantly reduced in Run-H, but the number of days with cold Tsrf bias remained steady. These results suggest that SST resolution influences the downscaled Tsrf reproducibility over land, and it is worthwhile to pay attention to coastal SST.