著者
大野 旭
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は1966年から1976年にかけておこなわれた中国文化大革命の歴史的推移を少数民族の一つ、モンゴル族の視点から現地調査を実施し、文化大革命という政治運動の「民族問題的な側面と性質」を明らかにしようとするものである。中国の少数民族自治地域である内モンゴル自治区の場合、文化大革命運動の深化にともない、少数民族の自治権が剥奪された。また、内モンゴル自治区の固有の領土も約半分が漢族の省に分割され、その上、厳しい軍事管制制度が導入された。1966年から1970年の間、34万人が逮捕され、2万7000人以上ものモンゴル人たちが虐殺され、12万人に障害が残った。当時、モンゴル族の人口はわずか140万人だったことから、全モンゴル族を巻きこんだこの政治的な災禍をモンゴル人たちはジェノサイドだと理解している。本研究は、この隠蔽されつづけているジェノサイドこそ、文化大革命時における少数民族問題の本質だと位置づけている。
著者
鈴木 誠一 佐々木 厚 吉村 正久 佐々木 あかり 金浜 耕基
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.115-120, 2003-06-15
参考文献数
4

シンテッポウユリを種子親,ヒメサユリを花粉親として育成されたユリの新品種'杜の乙女','杜の精','杜のロマン'の半促成栽培〜超促成栽培の可能性を検討した.これら3品種は,普通栽培では5〜6月に開花する.初めに,新りん茎をプランターに植え付けて自然低温に遭遇させた後,11月1日〜3月1日に加温を開始すると,'杜の乙女'は2月24日〜5月3日,'杜の精'は3月14日〜5月6日,'杜のロマン'は4月1日〜5月10日に開花した.次いで,9月3日に新りん茎を掘り上げて5℃または13℃で4〜8週間低温処理を行ってから温室内に植え付けたところ,'杜の乙女'は12月23日〜1月17日,'杜の精'は1月6日〜1月21日,'杜のロマン'は1月25日〜2月15日に開花した.さらに,新りん茎を7月8〜28日に掘り上げて5℃または13℃で6週間低温処理を行ってから温室内に植え付けたところ,'杜の乙女'は10月16日〜11月11日,'杜の精'は10月17日〜11月15日,'杜のロマン'は11月5日〜12月1日に開花した.
著者
林 徳治 黒川 マキ 井上 史子
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.133-140, 2003-08-31

本稿は、パキスタン国立アラマイクバル公開大学(Allama Iqbal Open University, Islamabad : 以下 【AIOU】と略す)における遠隔教育のためのマルチメディア教材開発プロジェクトの活動報告について論述した。筆者のうち林は、国際協力事業団(Japan International Cooperation Agency : JICA)の短期派遣専門家として2003年3月18日~同年5月3日の間、AIOUにおけるマルチメディア教材開発の現状調査および任地のカウンターパートであるサイエンス学部長の協力によりスタッフを対象としたマルチメディア教材開発能力の向上を目的としたSD(staff development)支援を実施した。黒川、井上は、SD研修のための教材作成補助として協力した。 任地でのインタビュー調査の結果、マルチメディア教材開発における大学スタッフの習熟度は、デザイン、 素材編集(動画、ナレーション、静止画、コースウェア)、技術(知識・スキル)の面で概ね良好であった。しかし、遠隔によるCD教材利用の学習と対面授業による学習との教育効果の比較調査、マルチメディアCD教材利用に対する学習者の意欲などを情意関心面を調査する内容・方法などが確立されていなかった。そこで筆者(林)は、マルチメディア教材の開発過程において設計・実施・評価および改善の標準モデルを考察した。特に不十分であった評価の点を重視し、SD用教材や資料を用いて研修を実施した。 なお本件に関しては、日本教育情報学会第19回年会(2003,8)にて発表した。
著者
中山 育四郞 Nakayama Ikusiro
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉醫學會雜誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.285-305, 1943-03-28

昭和12年5月3日より6月18日に亘る47日間に敎室附近某病院に爆發的細菌性赤痢の小流行を見たるが,此の際石川内科に入院したるものは16例(内保菌者1例)なり。其の發生經路は保菌者乃至は發生の最初の赤痢患者が爆發的流行の傳染源となりしものならんと推定せり。是等患者の臨床的諸事項に關しては前編記述のものに包括せられ,尚16例中11例に赤痢菌特に中村菌を檢出し,又患者血淸凝集反應を行ひたる例にては同菌に對し陽性に反應し,類屬凝集反應は主反應の1/8-1/2の稀釋度に之を證せり。新字体抄録:昭和12年5月3日より6月18日に亘る47日間に教室付近某病院に爆発的細菌性赤痢の小流行を見たるが,此の際石川内科に入院したるものは16例(内保菌者1例)なり。其の発生経路は保菌者乃至は発生の最初の赤痢患者が爆発的流行の伝染源となりしものならんと推定せり。是等患者の臨床的諸事項に関しては前編記述のものに包括せられ,尚16例中11例に赤痢菌特に中村菌を検出し,又患者血清凝集反応を行ひたる例にては同菌に対し陽性に反応し,類属凝集反応は主反応の1/8-1/2の希釈度に之を証せり。
著者
稲山 円
出版者
東京外国語大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究は、イランの首都テヘランの宗教実践を事例として、イスラームとジェンダーの関係性を検証するものである。今年度は、前年度に引き続き、女性の性質、役割、義務、位置付けなどに関するペルシャ語の文献の分析、およびイランのジェンダーに関する先行研究の検証を進めた。また、12月下旬から約3週間、イランの首都・テヘランにおいてフィールドワークを実施した。イラン人の家庭に滞在し、日常生活を共にしながら宗教実践への参与観察や、家族の成員らへのインタビューを行った。特に調査の時期は、イランが国教とする12イマーム・シーア派の第3代イマームであるホセインが西暦680年にカルバラーで殺害されたこと哀悼する儀礼が行われるヒジュラ暦モハラム月が始まったところであり、今回のフィールドワークでは、この哀悼儀礼への関与に関して、男女によってどのような違いがあるのかに焦点を当てた。方法としては、モハラム月1目から哀悼儀礼がピークを迎える10日までの間の、滞在先の家族およびその親族の成員の行動について、誰とどこでどのように過ごしたかについてインタビューを行い、記録した。これにより、モハラム月に行われる様々な哀悼儀礼への関与に関して、男女という性別による違いだけでなく、世代による違いもあること、その違いは男性間の方が大きいことが明らかとなった。また、モハラム月の哀悼儀礼と親族間の紐帯が密接に関連していることも明らかとなった。帰国後は、これまでの研究成果をまとめ、博士論文の執筆を進めている。
著者
酒井 一夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.126, no.10, pp.827-831, 2006 (Released:2006-10-01)
参考文献数
8
被引用文献数
10 18

“Hormesis” is defined, originally in the field of toxicology, as a phenomenon in which a harmful substance gives stimulating effects to living organisms when the quantity is small. The concept was extended and applied to ionizing radiation, high doses of which are harmful. Although radiation has been thought to be, based on findings in high dose ranges, harmful no matter low the dose is, recent investigation revealed that living organisms possess the ability to respond to low-dose radiation in very sophisticated ways. A good example of such responses is the so-called radiation adaptive response, a process in which acquired radioresistance is induced by low-dose radiation given in advance. The stimulation of certain bioprotective functions, including antioxidative capacity, DNA repair functions, apoptosis, and immune functions are thought to underly the adaptive response. The adaptive response is effective for chromosome induction, acute death, and tumorigenesis induced by high doses of radiation. Radiation hormesis and adaptive response provide a new scope in the risk assessment and medical application of ionizing radiation.
著者
佐々木 智大
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

1995年兵庫県南部地震では,多数のRC橋脚に甚大な被害が生じたことから,あのような被害が生じた原因の究明,破壊メカニズムおよび現在の基準で設計されたRC橋脚の耐震性を明らかにするため,2007年に1体の,2008年に2体の,2009年に1体のRC橋脚の加震実験が(独)防災科学技術研究所が有する世界最大の震動台実験施設E-Defenseを用いて行われた.4体のうち2体は兵庫県南部地震で甚大な被害を受けた,1970年代の基準で設計された高さ7.5m,直径1.8mのRC橋脚(C1-1およびC1-2橋脚)であり,CH橋脚は橋脚基部での曲げ破壊を,C1-2橋脚は軸方向鉄筋が柱中央部で途中定着されており,橋脚中央部でのせん断破壊を想定した橋脚である.また,残り2体のうち1体は現在の基準で設計された高さ7,5m,直径2mのRC橋脚(C1-5橋脚)であり,最後の1体はポリプロピレン繊維補強セメント系複合材料(PFRCC)を橋脚基部に用いた次世代型RC橋脚(C1-6橋脚)である.本年度はこれらの実験結果を詳細の解析をすするとともに,C1-5およびC1-6橋脚の縮小模型の地震動を模擬した載荷実験を行い,寸法効果の評価を行った.また,C1-6橋脚に生じた軸方向鉄筋の抜け出し量を解析することにより,新材料を用いた場合の軸方向鉄筋の抜け出しの影響を評価した.この結果により,これまでの縮小模型実験の結果に基づき実橋脚の破壊特性を評価するために必要なデータを収集するとともに,PFRCCを用いたRC橋脚によって,構造物の耐震性を大きく向土させることが可能になると期待される.
著者
米田 真弓 (中川 真弓)
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究の柱の一つは、日本中世における願文執筆活動を明らかにすることである。その研究の始発として、中世菅家の礎を築いた菅原為長(1158~1246)に着目した。実用的・幼学書的性格を有するものが多く、作文集・作例集の存在も留意される為長の著作のうち、子孫・後世に影響を与えたと考えられる願文集である『菅芥集』(『続群書類従』所収「願文集」の本来の書名)を取り上げ、各願文を読み解くことによって為長の執筆活動を明らかにし、さらには願主ならびに供養対象者の伝記史料しての位置付けをおこなった。特に書写山円教寺関連の願文に着目し、為長による「性空上人伝」の文献的利用について明らかにして、これを論文にまとめた(「祖師の伝記-菅原為長と性空上人伝-」、阿部泰郎編中世文学と隣接諸学2『中世文学と寺院資料・聖教』竹林舎)。当論文によって、菅原為長の執筆活動だけではなく、中世初期における書写山円教寺の状況の一端が明らかになったと考える。また、研究のもう一つの柱としている寺院調査については、以前より参加している金剛寺科研調査(科研代表者:後藤昭雄氏成城大学)において、仁木夏実氏と共同で同寺所蔵の「無名仏教摘句抄」を閲覧・調査し、解題および影印と翻刻の紹介をおこなった(「金剛寺蔵『無名仏教摘句抄』-解題と影印・翻刻」)。さらに、岡山県倉敷市日差山宝泉寺の所蔵資料調査についても、引き続き現地での調査・検討をおこなった。今後も所蔵者の許可を得て、目録の作成作業を続ける予定である。
著者
木宮 正史
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

米韓両国政府外交文書などに依拠して、カーター政権の在韓米地上軍撤退が決定されることで米韓同盟関係が動揺し、朴正熙政権が核開発を試みるなど、自主国防政策に踏み切る過程を明らかにした。また、1975年ベトナム共産化統一、翌76年「ポプラの木」事件など、南北の緊張激化が、米国の対朝鮮半島政策を結局は転換させ、在韓米軍の撤退が撤回されることになる緊張緩和の逆流過程も合わせて明らかにした。最後に、韓国朴正熙政権は、1973年6・23平和統一外交に関する大統領特別声明にしたがって、対共産圏外交を積極的に進め、後の「北方外交」の原型とも言える外交が既に行われていたことを明らかにした。
著者
諸橋 憲一郎
出版者
岡崎国立共同研究機構
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本研究は生殖腺や副腎皮質などのステロイドホルモン産生組織の形成機構を明らかにすることを目的に行われた。主に核内レセプター型転写因子であるAd4BP/SF-1とDax-1の相互関係を明らかにすることに主眼をおいた。結果として、Dax-1遺伝子の転写がAd4BP/SF-1によって活性化されることが明らかになった。またこの活性化がDax-1遺伝子上に存在するAd4配列によるものであることが証明された。しかしながらこれらの結果はin vitro系で得られたものであったため、このような調節が生体内で機能していることを示すことが重要であると思われた。そこでAd4BP/SF-1遺伝子のハクアウトマウスを用い、Dax-1の発現を調べたところ脳下垂体と視床下部における発現は消失していた。この結果は生体内においてもAd4BP/SF-1はDax-1遺伝子の主要な転写因子として機能していることを示すものであった。一方、Dax-1はAd4BP/SF-1の転写活性に対し抑制的に働くことをP450SCCとP45011β遺伝子を用い明らかにしてきた。従って、Ad4BP/SF-1はステロイドホルモン産生に不可欠な遺伝子の転写を活性化するとともに、自らの転写抑制因子の転写を活性化していることになる。このような調節系は微妙な転写調節を可能にするものであると推測される。生体内においてAd4BP/SF-1により発現調節を受ける遺伝子はいずれも組織の特異性を規定するものが多く、その発現量は精密に調節される必要がある。Ad4BP/SF-1とDax-1による一見複雑とも思われる調節系が、このような精密な調節を可能にしているものと思われる。
著者
八木 英樹 佐野 琢哉 プルームウォンロート タノーム 三浦 幸治 大平 和哉 丸山 武男 ハク アニスル 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.162, pp.1-6, 2004-06-25
参考文献数
20

電子ビーム露光法とCH_4/H_2反応性イオンエッチング、及び有機金属気相成長法による埋め込み再成長を用いることにより、狭細線構造(細線幅:14nm、周期:80nm)を有するGaInAsP/InP歪補償5層量子細線レーザを実現した。自然放出光スペクトルの測定と理論解析との比較により、そのスペクトルが高エネルギー側において量子薄膜レーザよりも急峻に変化するのは、キャリヤの横方向量子閉じ込め効果に起因していることを明らかにした。さらに、量子細線レーザの低しきい値電流動作のために、反射鏡損失の低減に着目して、SiO_2/伴導体反射鏡を有する量子細線レーザを作製した。その結果、同一基板上に作製した量子薄膜レーザよりも低いしきい値電流密度、及び室温基底準位発振を達成した。
著者
井上 博愛
出版者
東京大学
雑誌
環境科学特別研究
巻号頁・発行日
1985

本研究においては、空気、又は酸素のみを酸化剤として、熱・触媒電気あるいは光を利用して、排水中の汚染有機物質の効率よい酸化除去プロセスの確立をめざすもので、5つの分担課題により研究が行われた。1.触媒湿式酸化反応による難分解汚染物質の除去:難分解性物質の酸化コバルト触媒による酸化速度を解析し、総括の速度式を導いた。その速度と種々の物質の水素引き抜きの難易とが、よい対応を示すことを明らかにした。さらに、触媒充填における工学的課題についても検討を加え、装置内で効率よく反応を行わせるための触媒担持方式を明らかにした。2.湿式酸化反応による有機汚染物質の改質除去:湿式酸化処理による廃液の好気性生物処理実験を行い、湿式酸化によって、廃液の生物分解性が向上することを明らかにしたが、さらに生物処理の効率を高めるため、新たに開発した多孔質樹脂を利用した生物膜を用いた実験を行い、条件によっては可成りの効率の向上が認められた。3.電解酸化分解による廃液処理の高度化、過酸化水素生成条件および、分解に伴う廃液の酸化処理過程との効率よい結合をめざし、処理装置の設計と、その最適条件の検討が行われた。1段プロセスおよび2段プロセスの、両者の経済評価が行われた。4.高活性触媒を用いた廃液の常温処理:疎水性ポリマー担持白金触媒の調製法を改善し、高分散化をめざすことによって、アルコールの直接酸化活性を著しく向上することが出来た。さらに、二元金属化および分解促進機能を有する担体の利用が試みられた。5.光触媒を用いた廃液の常温処理、酸化チタンの光触媒作用、微量金属銅添加効果を明らかにし、トリハロメタン類の有機汚染物質の脱塩素分解反応を行わせ、その脱塩素速度、および分解速度の解析が行われ、光触媒が極めて優れた効果を与えることを見出した。
著者
バカー バギ ビン ダヨ マクリン ナスルルハク アムル ジャファー アブドール ムニル
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.115-124, 1999-08-06
参考文献数
13

雑草イネと栽培イネの生育相は大きく異なる。マラヤ大学先進科学研究機関において, 1993年から1994年の2年間にわたり, ポット実験を行い雑草イネ(Oryza sativa L.)3系統(V26, V27, V69)と栽培品種MR84の相対成長性と生育相を明らかにしようとした。MR84は雑草イネよりも草丈は低いが1個体当たりの分げつ数と葉数は雑草イネ2系統よりも多かった。MR84と雑草イネV69の個体あたりの分げつ数, 葉数はほぼ同じであった。葉と無効分げつの死亡率を, Mr84については移植後60日に, 雑草イネについては移植後30-50日に評価した。MR84および雑草イネの葉と分げつの生産は曲線的に変化した。個体あたりの有効乗数は時間に対して2次関数によって表せた。一方, 有効分げつ数はS字曲線, Y=e^t, ただし, t=a+bx+cx^2で表された。e^tの値は, 栽培イネおよび雑草イネ間で有意に異なっていた。乾物分配についてみると, MR84は, 雑草イネに比べ有意(P<0.01)に高い相対成長指数(K)をもち, 根に対してより多くの乾物分配をしていた。MR84と雑草イネV69はともに, 他の2つの雑草イネに比べ有意に高い再生産効率を示した。MR84の総分げつ数はV27と同様で, V26およびV69よりも低かった。MR84の子実収量は788kg/10aで, これはV26およびV27より高い傾向にあったが, V69よりも有意(p<0.01)に低かった。1穂あたりの登熟粒およびしいなの重量比は, MR84で83.4%, 雑草イネで82.4%から89.2%の範囲にあった。MR84の千粒重は雑草イネに比べ有意(p<0.01)に大きかったが, 収穫指数は雑草イネと同様であった。
著者
八木 英樹 佐野 琢哉 プルームウォンロート タノーム 三浦 幸治 大平 和哉 丸山 武男 ハク アニスル 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.161, pp.1-6, 2004-06-25
参考文献数
20

電子ビーム露光法とCH_4/H_2反応性イオンエッチング、及び有機金属気相成長法による埋め込み再成長を用いることにより、狭細線構造(細線幅:14nm、周期:80nm)を有するGaInAsP/InP歪補償5層量子細線レーザを実現した。自然放出光スペクトルの測定と理論解析との比較により、そのスペクトルが高エネルギー側において量子薄膜レーザよりも急峻に変化するのは、キャリヤの横方向量子閉じ込め効果に起因していることを明らかにした。さらに、量子細線レーザの低しきい値電流動作のために、反射鏡損失の低減に着目して、SiO_2/伴導体反射鏡を有する量子細線レーザを作製した。その結果、同一基板上に作製した量子薄膜レーザよりも低いしきい値電流密度、及び室温基底準位発振を達成した。
著者
村上 直至 伊東 栄典
出版者
FIT(電子情報通信学会・情報処理学会)運営委員会
雑誌
情報科学技術フォーラム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.343-348, 2010-08-20

近年,YouTubeやニコニコ動画などの利用者投稿型の動画サービスが人気である。動画には作成者によるタイトル名の他に,視聴者による各動画ヘタグ付けや動画コメントが付与される。ニコニコ動画では視聴回数やマイリスト登録数等の付属情報も取得できる。これら多数の視聴者からの付加アノテーション情報は,視聴者の動画に対する共感を含むため,folksonomyとして動画を特徴付けるマイニング資源に利用可能である。共感度を抽出・定量化できれば,動画のランキング・推薦・分類に有効である。本研究では,ニコニコ動画を対象として利用者投稿型の動画コンテンツに付随するタグやコメントの分析を行った。
著者
番場 俊
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の成果は以下のようにまとめられる。(1)同時代の法的・宗教的言説を背景にドストエフスキーのテクストを分析することで、文学的言語行為としての「告白」の不安定さを浮き彫りにした。(2) 19世紀に引き起こされた視覚の再構成が文学に与えたインパクトを考察した。(3)精神分析と小説の関係の理論的再検討を通して、ドストエフスキーの小説における「突然と」「あとから」の時間構造の重要性を明らかにした。
著者
萩原 治夫 村上 徹
出版者
群馬大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

人の体のつくりについて学習する教材を制作した。本年度は、泌尿器、男の生殖器、女の生殖器、神経、感覚器、からだの中をのぞいてみようのぺ一ジを制作した。「泌尿器」のコンテンツとして、泌尿器のつくり、腎臓のつくりと働き、尿をつくるしくみ、尿管、ぽうこう、泌尿器の病気、エックス線で見る泌尿器を制作した。「男の生殖器」のコンテンツとして、男の生殖器のつくりと働き、精巣のつくりと働き、精子を制作した。「女の生殖器」のコンテンツとして、女の生殖器のつくり、卵巣、卵管、子宮、受精と妊娠、性の決定を制作した。「神経」のコンテンツとして、神経のつくり、神経細胞、中枢神経、大脳のつくりと働き、脊髄、脳神経、脊髄神経、自律神経、皮ふの感覚の伝わりかた、筋肉を動かす指令の伝わりかた、エックス線で見る脳、MRIで見る脳を制作した。「感覚器」のコンテンツとして、目、耳、鼻、舌、皮ふを制作した。「目」のコンテンツとして、目のつくり、ものが見えるしくみ、近視と遠視、盲点をさがそうなどを制作した。「耳」のコンテンツとして、耳のつくり、膜迷路、音を感じるつくり、体のバランスを感じるつくりなどを制作した。「鼻」のコンテンツとして、鼻のつくり、においを感じるつくりを制作した。「舌」のコンテンツとして、舌のつくり、味らい、味を制作した。「皮ふ」のコンテンツとして、手のひら型の皮ふのつくり、ふつうの皮ふのつくり、皮ふに見られるつくりを制作した。X線、CT、MRIなどによる医用画像を利用して、体の内部の様子をみることができる教材として、「からだの中をのぞいてみよう」を制作した。これらのコンテンツを、生き物探検センター(http://anatomy.dept.med.gunma-u.ac.jp/rika/):人の体のつくりとして、一般に公開した。
著者
櫻井 龍彦
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

今年度は5月6日〜13日に春季廟会、9月3,4日に秋季廟会の調査をした。(1)廟前にある歴代の石碑を調査し、撮影した碑文を解読し、データベース化した。→康煕・乾隆時代から残存するものを含め、現在45基の碑を確認した。碑の写真と碑文の内容、現在復活した香会との関係等についての詳細データは、2006年3月に出版した中国語による報告書(総490ページ)にまとめた。(2)日本で未見の資料を収集した。→関係者の協力をえて、民国時代の貴重な資料はもとより、雑誌、新聞記事などに掲載された断簡零墨に近い資料も網羅的に収集し、A4コピーで3,600ページの分量になった。(3)香会および香客(参拝者)の現地調査。→2年間で、これまでに復活した香会を完全に把握することはまず不可能であるが、少なくとも約80の存在は確認した。そのうち重要な香会については、個別に密着調査をはじめた。また廟会の当日だけではなく、その準備段階における香会の行程についても参与観察した。密着型の追跡調査と準備段階の調査は従来だれも行っていない。香客については、初年度にアンケート調査をし、275人から回答をえた。また個別の聞き取り調査もおこなった。その結果は報告書に入れてある。(4)秋季廟会の調査。→従来、全く報告のなかった秋の廟会について、ほぼ実態を知ることができた。これは妙峰山廟会研究史の空白を埋めるものである。参加した香会などのデータは報告書に記載してある。(5)碑文の分析から香会の成立背景及び現在の組織のあり方を探った。→報告書に中国側協力者を含めた調査報告、論文などを21本収めた。研究成果としては、上記の中国語による報告書とは別に、論文として「妙峰山における「香会」の復活と現代的意義」加地伸行先生古稀記念事業会編『中国思想の十字路』所収(研文出版、2006)を発表した。