著者
鎌野 邦樹 花房 博文 舟橋 哲 大木 満 大野 武 小西 飛鳥
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、民事上の日常的・基本的な紛争において、《より多くの国民が望み納得する解決》をアンケート調査等を通じて統計的に明らかにし、その結果を踏まえて、わが国の立法、判例、学説を検証することを目的とするものである。以下の1、2に記載の調査・研究を通じて、以下の3のような研究成果をあげた。1.アンケート調査項目の選定及びアンケートの実施 不動産の取引、不動産の利用、動産の取引及び不当利得に関する15項目の具体的紛争事例を設定して、千葉大学、早稲田大学、明治学院大学、白鴎大学、平成国際大学、明海大学において、約1500名の学生に対して、望ましい法的紛争解決についての意向・意識調査を実施した。2.アンケート調査項目に関する立法・判例・学説及び外国法の調査・研究 上記アンケート項目に関するわが国の立法の経緯、判例、学説等の状況及び外国(ドイツ、フランス、イギリス等)の立法・判例・学説等の状況について文献にて調査・研究をした。また、平成18年9月には、ドイツのベルリン大学及びゲッチンゲン大学にて、本研究に関連するテーマについて、ドイツの研究者及び実務家と意見交換をした。3.アンケート調査結果の分析と総合的考察 上記1のアンケート調査を集計・分析し、また、上記2の調査結果を踏まえて、各調査項目に係る法律紛争について、《より多くの国民が望み納得する解決》とは何かという観点から、わが国の立法、判例、学説を検証し、それらの問題点・課題を指摘し、今後のあるべき方向性を明らかにした。ただ、いくつかの点については、本研究の今後に残された課題とした。
著者
渡部 実喜夫 石田 勉
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.103-106, 1994-10-28
被引用文献数
1

「機器信頼性」研究専門部会は、機器の信頼性に結びつく実務的手法の再構築を目的として活動している。会員間で情報の提供および分析に努めてきた過程で、機器の信頼性に関する情報の少ないことがわかった。今回は、民生用機器を中心に信頼性活動の実態と現状の問題点、ならびに信頼性設計のあるべき姿への意見などを収集し、今後の「機器信頼性」研究専門部会活動に活用するとともにアンケートの回答をいただいた皆さんへご報告するものである。なお、より詳細の報告は別途、日本信頼性学会事務局経由で行う予定である。
著者
高橋 英樹
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

植物の葉表面や葉組織には微生物が生息し、植物や病原微生物と相互作用することによって、植物の生育や様々な環境ストレス・病虫害に対する耐性に関わっているものと推察されている。本研究では、イネ植物体の細胞間隙に生息する微生物群集の多様性と、同微生物の植物への耐病性付与について研究を行なった。その結果、(1)イネの細胞間液から抽出したDNAを鋳型とした16Sと18S_rDNA断片のPCR-DGGE法によるバンドパターン解析と塩基配列を用いたデータベース解析から、微生物集団の多様性と微生物種の推定が可能である。(2)有機栽培イネの細胞間隙液に特徴的な内生菌として、Pseudomonas sp., Bacillus sp., Curtobacterium sp., acinetobacter sp. 等を見出すことができた。(3)同分離菌の中には、イネいもち病菌の感染、増殖に抑制的な働きをもつものや、イネもみ枯細菌病菌による苗腐敗症を抑制するものが存在していた。以上のことから、有機栽培イネの細胞間隙液に存在する内生菌集団の中には、病原菌の感染、増殖に抑制的な働きを持つものが存在している可能性が考えられた。
著者
牛込 三和子 笠井 秀子 松下 祥子 輪湖 史子 加藤 修一 川村 佐和子 長谷川 美津子 徳山 祥子 江澤 和江
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

〔目的・方法〕近年、医療保険制度の改訂など在宅療養支援体制の拡充により、在宅看護対象者に人工呼吸器装着や酸素療法などを必要とする高度の呼吸障害を有する人々が増加している。慢性・進行性の呼吸障害を有する神経・筋疾患在宅療養者における呼吸障害の進行を非侵襲的測定方法によって把握し、換気療法など適切な医療処置の導入やその安全な実胞における看護活動での使用の有用性について検討した。対象は進行性筋ジストロフィ13例(デュシャンヌ型10例、福山型3例)、筋萎縮性側索硬化症10例で、病状進行にそって、長期的に経過を追って資料を収集、神経難病専門看護婦、神経専門医と討論し考察した。〔結果・考察〕1.呼吸障害の早期把握には、進行性筋ジストロフィにおいては、呼吸障害出現前からバイタルサイン、自覚症状観察に加えて換気量計(レスピロメトリ)を用いた1回換気量(TV)および努力換気量(MAX VC)測定、呼吸障害兆候出現が予測される時期からはPCF(peak cough flow)による咳嗽力評価、経皮血中酸素飽和度(パルスオキシメトリ)の夜間睡眠中終夜測定、経皮血中二酸化炭素分圧測定を定期的に行うことが有用である。筋萎縮性側索硬化症においては、病初期から自覚症状の観察と換気量計によるTV、MAX VC、呼吸障害初期徴候出現時期から夜間睡眠中終夜の経皮血中酸素飽和度(パルスオキシメトリ)および経皮血中二酸化炭素分圧の測定を定則的に行うことが有用である。在宅人工呼吸療法導入期看護プロトコールの基礎資料として提示した。2.人工換気補助療法実施者においては、さらなる呼吸障害の進行に伴う換気補助方法変更の判断指標として、経皮動脈血酸素飽和度および経皮血中二酸化炭素分圧測定を定期的に行うことが有用である。3.在宅看護では、測定結果を解釈し、診療計画や看護計画に反映するうえで、ケアチーム各員の相互共働と時間的余裕を見込んだ活動が不可欠である。また、療養者のセルフマネジメント能力を高めることへの支援が重要であり、今後の課題として取り組んでいる。
著者
松良 俊明 三上 由記 若林 陽子 山崎 一夫
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.59-65, 2006-08-07
被引用文献数
1

京都府南部を流れる木津川の中流域には多数の砂州が形成され,多様な地表性昆虫が生息している.砂州を構成する基質はシルト,砂,礫など多様であり,各微地形に応じて生息している地表性昆虫も異なっていると推測される.本研究は,砂州内の様々な微環境(水際,礫地,砂地,堤防斜面の草地)に生息している地表性昆虫に焦点をあて,微環境間で構成種がどのように違うかを調べたものである.2000年5月から11月にかけ,月に1度の割でピットフォール・トラップを各環境ごとに10本埋め,1日後に回収した.トラップあたり平均捕獲数(183.6個体)の約7割はトビムシ目が占めた.これを除いて環境間で比較すると,草地ではアリ類が最も多くを占め,他の環境ではコウチュウ目が半数を占めていた.捕獲数の多かったコウチュウ目について分析したところ,属レベルで見たとき,最も多様な環境は「草地」であり,続いて水際>礫地>砂地となった.水際ではハネカクシ類が,その他の環境ではオサムシ科が多数を占めていた.
著者
佐藤 哲也
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.7-16, 1999-01-25
被引用文献数
3 1

After its more than 80 years long history, the dynamo problem has finally approached to the goal of one's ambition to unveil its grand mystery of creation and reversal of the geodynamic field in a self-consistent fasion. The success in unveiling this long mystery of the dynamo problem has been brought by elaborate large-scale computer simulations. In this review, a brief history of the dynamo problem, both theoretical and observational, is first described. Then the recent exciting demonstrations of the generation and reversal of the self-excited dipole-like magnetic structure done by the UCLA-LANL group and the NIFS group are described.
著者
菅原 浩弥
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

【研究目的】本校で行っている社会人向け組込みシステム技術者研修では、基礎的な開発技術修得に加え、地域企業の新分野開拓のきっかけとなることを期待し、様々な研修課題を提案している。この新分野開拓のきっかけとなる研修課題のひとつとして、脳波によってコントロール可能な小型ロボット教材の開発を行った。【研究方法】1.脳波測定システムの特性調査脳波の測定にはEmotiv社のEmotiv EPOC SDK Education Editionを使用した。これは、脳波測定用のヘッドセットとソフトウェア開発キットのセットである。測定用アプリケーションの開発にはMicrosoft Visual C# 2010 Expressを使用した。数名に協力してもらい、平常状態、歯噛み状態、まばたき状態で、脳波にどのような変化があるか測定を行った。2.状態判別と通信プログラムの作成測定した脳波信号から、現在の状態(平常、歯噛み、まばたき)を判別する機能を測定用アプリケーションに追加した。状態の判別は、取得した脳波信号に対して128点FFTを行い、平常時と歯噛み時で大きくスペクトルが変化する周波数のスペクトルが、ある閾値を超えた場合に歯噛みを行ったと判断した。まばたきの検出も同様の方法で行った。小型ロボットとの通信にはZigBeeを用い、状態に応じたシリアル信号("1"など)を送信するようにした。3.小型ロボットのプログラミング小型ロボットには株式会社北斗電子のDONKEYを使用した。DONKEYはMPUとCPLDを搭載し、DCモータによる走行が可能となっている。DONKEYが信号"1"を受信した場合"前進または停止"、"2"を受信した場合"旋回または停止"を行うようにした。【研究成果】「状態の検出」、「制御信号の送信」、「制御信号を受信して動作」という基礎となる部分の開発が終了し、研修で自由課題のひとつとして本教材を紹介した。この時は課題として採用するグループは無かったが、多くの受講生に脳波を使った組込みシステムというものに興味を持ってもらうことが出来た。
著者
谷脇 徹
出版者
東京農工大学
雑誌
フィールドサイエンス (ISSN:13473948)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.9-15, 2006-03-31

アカマツ丸太におけるクロタマムシ(以下クロタマ)および穿孔虫類4種の直径階別および樹皮厚別の脱出孔分布を調査した。脱出孔密度はマツノマダラカミキリ(以下マダラ)では細くて樹皮の薄い部分,ムナクポカミキリ(以下ムナクボ)およびオオゾウムシでは太くて樹皮の厚い部分,クロタマではこれらの中間的な部分で高かった。ウバタマムシの脱出孔密度が高かったのは,太くて中間的な樹皮厚の部分であった。丸太単木ごとにみるとクロタマとムナクボの脱出孔はほとんど混在しなかった。一方,クロタマとマダラの脱出孔には混在が認められ,幼虫期における生息域の重なりが推察された。タロタマの脱出孔分布は,基本的には親成虫の産卵様式に依存すると考えられるが,マダラとの脱出孔の最大混在密度が直線回帰されたことから,種間関係によってクロタマ本来の脱出孔の分布型が変化した可能性がある。
著者
美馬 達哉 澤本 伸克 松橋 眞生
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

経頭蓋的直流刺激法:Transcranial Direct Current Stimulation : tDCS)は、近年、新しい脳刺激手法として神経科学研究および臨床応用が行われている。本研究計画では、tDCSの作用機構を、皮質基底核ループに着目して、複数の非侵襲的神経イメージング手法を組み合わせることによって解明した。この結果によって、tDCSがヒトの脳に与える影響を多面的に解明することができ、今後の研究発展につながると期待される。
著者
松川浦団体研究グループ
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.31-48, 2003-03-15
被引用文献数
2

福島県相馬市松川浦のA〜Fの6調査地点において,干潟に生息する底生生物群集の構成内容とそれらの生物による表生痕と内生痕を調べた.A〜Eの5地点で枠法による底生生物の調査を行い,調査地点ごとの生物現存量,個体群密度や共存状態を明らかにした.確認した生物は32種で,底生生物群集は調査地点により異なり,D・E地点では,他の3地点に比べて種数が少ない.各調査地点に生息する優占種で分けた底質表面の分帯ごとに見ると,コメッキガニ帯では現存量が少なく,チゴガニ帯,ヤマトオサガニ帯と生息域が低くなるにつれ現存量が多くなる.生物ごとの生痕について,巣穴開口部とその周辺,掘り出し痕と摂食痕,垂直断面の形態,管壁と裏打ち物質,底質との関係などを明らかにした.また,個々の生痕だけでなく,ヤマトオサガニとアシハラガニ,コメッキガニとチゴガニなど形が似た巣穴の比較,個体群密度の違い,チゴガニ-アシハラガニ帯でのチゴガニの巣穴の変形,チゴガニ-ヤマトオサガニ帯での個体群密度,管壁の裏打ち物質の有無等を明らかにし,生痕群集断面の概念図を作成した.生痕の部位(開口部,裏打ち物質.掘り出し痕,摂食痕)と周辺の底質に含まれる珪藻群集を分析し,生物の活動を示唆する結果を得た.
著者
上田 祐司 成松 庸二 服部 努 伊藤 正木 北川 大二 富川 なす美 松石 隆
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.201-209, 2006-03-15
被引用文献数
1 7

東北海域におけるマダラ資源にVPAを適用して得られた資源量推定値をもとに,トロール調査に基づく面積密度法による資源量推定に必要な漁獲効率を推定した。1歳と2歳の漁獲効率はそれぞれ0.54,0.12と大きな差がみられた。1歳魚については調査範囲が生息域を網羅していることから,漁獲効率はトロール網の前にいた個体の入網率を反映した値であると考えられる。2歳魚以上では,着底トロール調査が困難な岩礁域等にも生息することから,漁獲効率は入網率に加え,網との遭遇率の影響も受けていることが示唆された。
著者
新田 英雄
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は,非均一な強電磁場内の相対論的電子(陽電子)による放射とγ線による対生成現象を中心として,臨界電場中の真空の安定性に関係する諸問題を理論的に考究したものである。まず,相対論的イオンによる束縛状態対生成の理論を構築した。結晶軸に平行に入射した相対論的イオンの静止系では,結晶場は周期的パルス状のコヒーレント仮想光子となりいわば「仮想X線レーザー光」とみなせることに注目した。その静止系電場は,臨界電場以上の値に相当する。そのため,電子が結晶場内を進行する相対論的イオンの内殻軌道に電子が生成される束縛状態対生成が生じる可能性がある。これは,強電場QEDの検証として重要なだけでなく,エキゾティック原子や反水素の生成に応用できる。本研究ではこの対生成過程を,陽電子の終状態に平面波,電子の終状態に相対論的水素様波動関数を用いた計算を行った。得られた結果を,近未来型X線レーザーを仮定したMullerらの理論と比較したところ,イオンを同条件で入射した場合十分現実的な膜厚の結晶で同等以上の対生成確率が得られることが分かった。次に相対論的な電子が,結晶の軸ポテンシャルが形成する電場(10^<12>V/cm程度)に入射するという条件で,誘導型の対生成を波束を用いて研究した。これは,電子の進行方向における静止系から見れば,Kleinパラドックスと等価な状況となる。本研究では,Kleinパラドックス型対生成の基礎を調べるために,相対論的な波束の運動を数値的に計算した。また,電子波束の運動の基礎研究としてNelsonの確率過程量子化法を用いた波束の計算を行った。
著者
織田 初江
出版者
石川県立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

糖尿病に関する生活改善のために必要となる自己管理能力の測定用具として、糖尿病自己管理エンパワーメント尺度の開発を目的に本研究を行った。その結果、尺度項目として3因子39項目が選定された。この尺度における3因子の累積寄与率は、63.6%であった。また、下位尺度間相関では3つの下位尺度は互いに有意な正の相関を示した。各下位尺度のα係数は、いずれも0.9以上の高い信頼性を示した。
著者
南谷 靖史 東山 禎夫
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ナノ秒の超短パルス高電界(数100kV/cm)を印加するとがん細胞が自発的死 (アポトーシス)を起こし, 体への負担が少なく治療できることがアメリカでの最近の研究で報告され, 実際にマウスを使った実験でがん細胞がなくなることが示されている。この効果による新しいがん治療法は, 薬のような副作用がなく, 粒子線, 放射線より安全簡便安価な方法であり実現が望まれる。治療実験では電界を患部に印加するのに針を突き刺しているが, 患部が深い場合, 複雑な部位にある場合針を刺すのが難しい。この問題の解決方法として治療を非外科的に行えるよう複数の指向性アンテナから電磁波を患部にスポット集中し, 高電界を印加する方法について研究した。パルスの持つ周波数成分を高周波化するため水コンデンサを用いた回路に水ギャップスイッチを用いたパルス発生回路を製作し, 250MHzの周波数成分を持つパルスを発生できた。1波長ループアンテナにより電界強度を測定した結果, 最大電界強度112kV/mの電磁波を放射することができた。さらに釣鐘形2焦点集束板を製作し電磁波を集した結果, 微小ループアンテナを用いて放射電界強度分布測定を行ったところ最大電界強度は11.3kV/cm,約5mm×5mm×3mmの範囲で10.8kV/cm以上の電界強度まで集束されていた。この電界強度は電極を用いて直接がん細胞に高電界を印加したときには治療効果が期待される電界強度である。さらにパルス電磁波による生成電界を大きくするためアンテナへの印加パルス電圧の高電圧化の検討を行い, 水コンデンサへの充電パルスの圧縮回路を追加することで高速充電が可能となり50kVまで充電できるようになった。これにより250MHzの周波数成分を維持しつつ集束点での電界強度を15.3kV/cmまで35%上げることに成功した。今後100kV/cmの電界強度を目指すとともに細胞への影響を調査する。
著者
大泉 哲哉
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本研究は、CO2削減のために電動車普及を図る準備として行っている。本研究での検討結果、ならびに研究成果を、H22年度研究計画の各項目ごとに以下に記す。(1)実試用システムの改修:昨年度設置した充電スタンドシステムは、当研究機関においてすら設置の賛否が紛糾し、設置した場所から撤去しなければならなくなった。したがって、研究計画を大幅に変更して、再設置場所の獲得のための検討と、実試用システムの合理化ならびに整備を研究として行なった。(2)需要調査、設置許可の可能性調査:この項目は、昨年に引き続き掲げた計画である。充電スタンドの趣旨には賛同してはもらえるが、太陽光パネル盗難の心配と、また実試用システムの外観の設置環境に対する違和感から、設置許可は得られなかった。今後、設置可能性を高めるためには、充電スタンドの高価な部品の存在が見えないこと、太陽光パネルが容易に取り外せそうにないような外観、また充電スタンド全体が環境に馴染むようなデザインである必要がある。(3)実試用システムの評価:この項目も昨年に引き続き掲げた計画である。充電スタンドの再設置が年度末になったため、年間データ収集は行なえなかった。しかし、短期間であるが、悪天候による発電量低下にあっても、充電回路への出力電圧変動が許容できる範囲にとどまることを実地試験によって確認できた。(4)研究とりまとめ、報告:研究成果を日本機械学会東北支部講演会、電気関係学会講演会ならびに計測自動制御学会講演会で発表した。なお、充電スタンドは、東日本大地震で停電が続くあいだ、地域の軽電源として、携帯電話の充電やポータブル家電の電源に24時間有効活用され、本充電スタンドのような設備が各地に設置されているべきであることを確認した。
著者
鳥居 本美 石野 智子 大槻 均
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

スポロゾイトにおいて発現される分泌型分子P36pのタンパク質動態を詳細に解析した。肝細胞侵入後にP36pの貯蔵量が減少することから、P36pが細胞侵入に際して分泌されて機能することが示唆され、肝細胞認識/侵入に関わるという知見が強く支持された。P36pと相互作用する肝細胞膜分子は検出できなかったが、メロゾイトの細胞侵入関連分子が新たに6種類、スポロゾイトでも発現していることを見出した。
著者
須田 善行 菅原 広剛 高山 純一
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

(1) カーボンナノチューブ(CNT)の原料ガスであるCH_4にCO_2ガスを添加したところ,多層CNTの層数・内径・外径が増加した。また,CO_2添加により単層CNTの直径分布を太い方へ変化できた。(2)CNT成長領域から60cm程度の距離にプラズマを発生させることで,Si基板上に堆積したAl_2O_3/Fe/Al_2O_3の3層構造触媒から欠陥のほとんどない高品質な単層CNTが合成できた。