著者
今野雄二
雑誌
病理と臨
巻号頁・発行日
vol.1, pp.942-945, 1993
被引用文献数
1
著者
中林 信康 谷口 和也
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.659-665, 2002-09-15
被引用文献数
6 4

1993年8月から1994年8月まで,男鹿半島沿岸水深1〜3mにおけるスギモク群落の季節変化と生産力を調べた。スギモクは9月に越年する付着器から細い糸状の葉が発芽し,冬季には緩やかに,春季には急速に生長して翌年6月に全長が52cm,現存量が5,974g湿重/m^2と当歳期での極大に達する。当歳の葉は9月にかけて著しく枯れ,換わって密な鱗片状の葉をもつ枝を12月まで形成する。1月には全長が53cm,現存量が6,503g湿重/m^2と満1歳期での極大に達するとともに,枝の先端に生殖器床を形成する。卵の放出は4月に水温が8℃以上になって行われる。卵放出後,鱗片状の葉をもつ枝は徐々に枯れて,約2年を経た11月にすべて枯死脱落する。スギモク群落の年間純生産量は層別刈り取り法によって10,478.8g湿重/m^2と計算された。
著者
大村 敏昭 濱津 友紀 高橋 豊美
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.584-593, 2005-07-15
被引用文献数
5 8

北海道太平洋沖(水深300〜1,000m)で7〜8月にキチジとベントスを採集した。空胃率からみて, 夏季はキチジの摂餌が活発な時期であると判断された。食物組成は水域や水深帯により大きく変化していたが, 成長に伴ってヨコエビ類・クーマ類から十脚甲殻類, クモヒトデ類へと向かう食性の変化が認められた。キチジは多様な餌を摂食していたが, 成長とともに豊富に存在するクモヒトデ類(主に小型種のホソクシノハクモヒトデ)への捕食割合を高める結果, 餌をめぐる強い種内・種間競争が回避されている可能性があると推察された。
著者
林 昌樹 小林 功英
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.413-414, 2001

現代の先進的な科学・技術社会においても非科学,オカルトが生まれる土壌がある。その背景には現代の科学・技術に対する根強い不信感がある。さらに我が国特有の科学(理科)教育が抱える問題がある。また専門の世界では社会性が欠如し視野狭窄に陥っている研究者の世界が抱える問題もある。本稿では我が国において非科学,オカルトが生まれる土壌の原因をつくり出していると思われるこうした問題点について考える。
著者
早稲田 篤志
巻号頁・発行日
2007-03

Supervisor:宮地 充子
著者
岡崎 克則 井上 恵美
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)のC末端側サブユニット(HA2)に存在するαヘリックス領域のアミノ酸配列がH1〜H15亜型ウイルス間でよく保存されていることを見出し、本領域に含まれる10残基のペプチドを培地中に添加するとウイルス増殖が1/10程度に抑制されることを示した。感染細胞内で新たに合成されたHAの三量体形成を阻害することによってHAの輸送あるいは機能的発現を阻害するものと考えられたことから、エンドサイトーシス非依存性のトランスフェクション試薬を用いて本ペプチドを積極的に細胞内に導入することによって抗ウイルス活性を増強することを試みた。その結果、ウイルス感染前および後におけるペプチド導入でもウイルス増殖抑制効果は認められなかった。三量体形成に与る粗面小胞体〜ゴルジ体への導入には、エンドソームを経由する経路が有効なのかもしれない。新型インフルエンザに備えた抗体医薬を開発するため、H5およびH2亜型HAに対するモノクローナル抗体の作製を試みた。両亜型HA間で共通かつ分子表面に存在する7残基のアミノ酸配列を見出し、これをマウスI-A^b MHCクラスII分子結合カセットに挿入したペプチドを合成した。本ペプチドをC57BL/6マウスに免疫し、SP2/0細胞を用いてハイブリドーマを作出した。得られた800余りのハイブリドーマのうち1クローンがA/Singapore/1/57(H2N2)の感染性を中和する抗体を産生していた。現在、効率を上げるためにMAPペプチドを免疫したマウスの脾細胞を用いてハイブリドーマを作出している。
著者
高岡 朋子
出版者
北翔大学
雑誌
北海道女子大学短期大学部研究紀要 (ISSN:02890518)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.97-108, 1998

当初男性の衣服であったパンツやジーンズが,女性に着用されるようになった社会的背景を考慮し,このボトムに内在している意識変革,社会的自立意識に視点を置き,ボトムのイメージ調査,日常着用しているボトムの種類と着用気分,職業におけるライフスタイル,およびこれらと平等主義的態度スケールへの反応との関連を検討した。結果いくつかの知見を得ることが出来た。1)4種類のボトムのイメージの平均評点から,キュロットスカートはジーンズと似かよった動きを示し,スカートという名称であるがパンツ類として捉えられて,ジーンズは4種類の中で一番好まれていた。それぞれのボトムごとに因子分析を行った結果,「嗜好性」「活動性」「消極性」の共通因子が抽出されたが,タイトスカートのみに「緊張性」因子が抽出されタイトスカートの特性が明らかになった。2)日常着用しているボトムの種類によって,イメージに違いがあるかを検討した結果,日頃着用しているボトムは,そのボトムの特性をより多く感じ,肯定的なイメージで捉える傾向にあり,着用不慣れなボトムについては,否定的なイメージで捉える傾向にあった。服種のイメージは,日常着用しているか否かにより左右されることが明らかになった。3)フレアスカートとジーンズの着用気分から,服種のイメージと着用気分は相関関係にあり,日頃着用する割合が多い服種については,イメージ同様その服種の特性を多く感じる傾向にあり,着用不慣れな服種については,否定的な要素の着用気分になることが明らかになった。4)仕事にたいする姿勢とボトムの着用率との関連では,回答率が高い「再就職型」はパンツとスカートの半々の着用が多く,次に多い「キャリア志向型」はパンツ,ジーンズの着用が多く,この「キャリア志向型」は4年制大学生に多く認められた。5)女子学生の平等主義的態度は平均得点が61.692とやや低めの結果であり,短大生と4大生との比較では高学歴の4大生の方が平等主義的態度が高い。仕事姿勢との関連では「キャリア志向型」が,ボトムとの関連ではパンツ,ジーンズの着用者が平等主義的態度が高いことがわかった。6)パンツ,ジーンズ着用者で,キャリア志向型と再就職型の平等主義的態度を検討した結果,キャリア志向型の方が平等主義的態度をもっていた。このことから,キャリア志向で平等主義的態度が高い4大生の被服行動を検討した結果,キャリア志向型の人達は平等主義的態度が高く,日常パンツ,ジーンズを着用する傾向にあることが明確になった。
著者
伊藤 義郎 田邉 里枝 磯部 浩已
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

短パルスレーザー加工における累積照射パルス数の影響について,高繰返し短パルスレーザーを光源とする高速度ビデオ撮影法,高速度レーザーストロボスコピックビデオ撮影法を開発,これによる可視化,解析を行った.加工屑の堆積挙動や粒子状の加工屑の間欠的な排出などの観察に成功した.パルスエネルギーやレーザー走査速度によって加工形状だけではなく,加工屑の形状や堆積挙動、堆積範囲などが変化した。加工パラメーターの影響の解明には,さらに系統的な研究が必要である.さらに,この手法を液中でのレーザー誘起衝撃現象におけるキャビテーションバブルの寄与や,液中での金属ナノ粒子生成現象の解明に応用する事が出来た.
著者
田中 吉則 舛森 直哉 塚本 泰司 古屋 亮兒 小椋 啓 古屋 聖兒
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.3, pp.554-557, 2010-03-20

(緒言) 経尿道的前立腺切除術(transurethral resection of the prostate:TURP)後の排尿後尿滴下(post micturition dribble:PMD)の実態を調査した.<br> (対象と方法) TURPを施行した388例に対して術後1年目に尿失禁の有無,頻度,程度,および種類(腹圧性尿失禁,切迫性尿失禁,PMD)を問うアンケート調査を行った.<br> (結果) 有効回答270例中,78例(29%)が尿失禁ありと回答した.60例(77%)は週に1回か2回の尿失禁,72例(92%)はパンツにしみがつく程度の軽度の尿失禁であったが,毎日あるいはズボンを汚すとの重症例も少数に存在した.尿失禁の種類はPMDが48例(62%)と半数以上を占めていた.<br> (結論) TURP後の尿失禁の半数以上にPMDが関与していた.<br>
著者
瀬戸 宏 飯塚 容 田村 容子
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1.文明戯は辛亥革命前後に上海を中心に栄えた演劇である。1913年から15年にかけて上海の新聞『申報』に掲載された文明戯の劇評等100編を整理し、瀬戸宏の個人サイト上で公表した。2.文明戯の研究をおこなった。研究内容は、文明戯と映画の関係、文明戯と伝統演劇の関係、文明戯と中華人民共和国建国後の通俗話劇との関係、文明戯が描いた朝鮮の形象、文明戯の重要演目であるシェイクスピア作品の受容史などである。
著者
笹島 学 石野 正剛 山崎 和彦
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, pp.58-61, 2006-03-30

本研究はモバイルコミュニケーション時代における経験を基にしたユーザーエクスペリエンスデザインの事例を示すことを目的としている。ここでは、時間の経過を可視化した携帯電話の待ち受けアプリケーションの提案をする。face to faceではない非同期モバイルコミュニケーション環境において、ユーザーが実際に対話を行う前に交わす「気配」を情報空間のなかで可視化することに主眼を置いた。開発をする際にはコンセプト段階から日常の携帯電話利用の体験を基にして「気配」をどのような観点からデザインすべきか検討し、相手との通話の前に発信者の状態がわからないという体験から、発信者のコール数や受信者が非同期で着信を確認するまでの時間の可視化を行った。時間の経過を表現するビジュアルデザインにおいても、コンセプト表現を伝達しやすいモチーフの探求を行った。今回は、携帯アプリケーション開発を行うにあたって、体験を基にしたコンセプト作りから、具体的な最終成果物への展開まで一連のプロセスについて紹介する。本研究の成果物はWebサイトに公開され、今後は作成したアプリケーションを実際のユーザーで評価を行う予定である。
著者
青山 義之 武井 雄一 須田 真史
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)を行った際の脳血液量変化を近赤外線スペクトロスコピィ(NIRS)を用いて測定することにより、気分障害(大うつ病性障害、双極I型障害、双極II型障害)、および適応障害における脳機能の特徴の検討,および適正な刺激条件の設定を目的とした。rTMS中の対側脳機能反応性は疾患群によって異なる反応を示し,その反応は状態像による相違を認めなかった.
著者
原口 庄輔 岡崎 正男 佐々木 冠 時崎 久夫 田中 伸一 寺尾 康 上田 功 米田 信子 小松 雅彦 西山 國雄 白石 英才 三間 英樹 田端 敏幸 本間 猛 深澤 はるか
出版者
明海大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、今まで一見すると混沌した状況にあった音韻類型に関する諸問題について、帰納的接近法、演繹的接近法、相関関係からの接近法、という三つの方法論により、新たな知見を得ることを目的としたものである。研究期間中に、三つの方法論により次の研究成果が上がった。(1)個別言語の具体的な音韻現象に関する新たな一般性の発見、(2)最適性理論における制約に関する新たな提案、(3)語の韻律構造と文の語順の相関関係の明確化。これらの知見は、すべて、新しい音韻類型確立に貢献するものである。
著者
吉田 忠雄 丁 大玉 大木 雄造 檜垣 守正
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部ブロック合同講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.179-180, 2005-08-25

Black powder is an important component of fireworks and was invented in China in the latter half of the 8^<th> century. Black powder was used for medicine at first and then for military purposes in 10^<th> century. Fireworks using black powder appeared in 12^<th> century. In the end of 13^<th> century Italian displayed fireworks. In Japan gun was imported in 1543 and black powder was also imported simultaneously. Then fireworks were manufactured. Fireworks display gained popularity in the Edo period. On and after the Meiji era, spherical fireworks shells were made giving bright and many colors. Japan became top-rank in Fireworks. Recently, China has become first-rank in manufacturing and export of fireworks. Fireworks have been developed mainly by experience. But, from now on science and technology will support the prosperity of fireworks.
著者
可児 徳子 新谷 裕久 上坂 弘文 小澤 亨司 廣瀬 晃子 可児 瑞夫
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.707-722, 1996-10-30
被引用文献数
15

病院歯科診療室の粉塵の粒度分布の把握と,粉塵濃度と気菌濃度ならびに気候環境因子との関連性を検討する目的で,4診療室と屋外において2年間にわたり測定を行った。分析項目は1.診療室の粉塵濃度の経時的推移と粒度分布および屋外粉塵との関係,2.粒度別粉塵濃度と気菌濃度の相関分析,3.粒度別粉塵と気候環境因子の偏相関分析,4.重回帰式による気菌濃度推定における粉塵因子の影響についてである。その結果,次のような成績が得られた。1.診療室の総粉塵濃度は屋外よりもやや高く,季節変動は屋外と類似し,時間変動は診療時間中に高くなる傾向が認められた。診療室と屋外の粉塵の粒度別割合は,いずれも0,3〜1.0μmの比較的小さな粒度範囲で98%以上を占めたが,5.0μm以上は診療室で高い割合を示した。2.浮遊細菌は2.0μm未満,落下細菌は2.0μm以上の粉塵と相関性の高い傾向を示した。3.粉塵濃度とエアコン稼働因子は,広い粒度範囲の粉塵と高い負の相関関係が認められ,粉塵対策におけるエアコン稼働の有用性が示唆された。4.気候環境因子に粉塵因子を加えた重回帰式による気菌濃度推定は,高い精度が得られ,粉塵因子は気菌濃度の即時推定において精度を向上させるのに有用であることが示された。
著者
鈴木 光喜 須藤 孝久
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.109-113, 1975-11-25
被引用文献数
5

発生予測の基礎資料を得るため,代かき時期を想定して4月20日から8月2日まで8回にわたって12科19種の雑草種子を播種し,出芽期間と出芽率について検討した。(1)播種から出芽終までの日数は,戸外風乾貯蔵種子が最も長く,草種,播種期によっても異なったが,供試条件を通して,45〜50日以内であった。(2)出芽率は種子貯蔵条件,播種期により異なったが,その反応は草種によって特異であり,その推移から,供試雑草を7つの群に類別できた。(3)各播種期を通して出芽率の高い草種はヘラオモダカ,オモダカで,次いでタイヌビエであった。また,湛水地中に埋蔵したヘラオモダカ,タイヌビエ,コナギ,キガシグサ,アゼナの種子は,8月上旬の播種においても,かなり高い出芽率を示した。